一年戦争終結後、地上に残り、または残され、地上で活動するジオン残党軍。彼らは、同じく残された地上用MSを、修理、改修し、運用していた。その中に、一際異彩を放つドムタイプのMSがあった。
MS-09 ドム"パンツァー"
下半身が大破したドムを、ザクタンクをはじめ、様々なユニット(主に履帯を使用する)を使い実戦使用可能な状態まで改修、いや、魔改造されたMS。なのだろうか…?
本機は、ドムをベースとした前部のMS部、輸送用キャリアであった後部のユニットが連結した状態が基本状態である。それぞれジェネレーターを搭載しており、個別に運用することも可能。その為、連結状態では二機分のジェネレーターを有することとなり、後部ユニット(荷台部分)に、MSを乗せてなお最高速度120㎞/h(YMT-05 ヒルドルブより速い!)という出力を得る。
パイロットは、エミリ・ラングハイム中尉(36)
彼女はオデッサにおいて、小規模ではあるが部隊を指揮していた。この機体の上半身はその時に搭乗していた機体、指揮官機の為、通信性能及び装甲が強化されていた。
オデッサ撤退時において、撤退する友軍を守る為、殿部隊を編成、指揮するも、自身の搭乗するドムの下半身が大破してしまう。しかし、大破、擱座した場所が友軍撤退路のすぐ側だった為、その場に"残り"最後まで友軍の撤退を支援する。本来なら中尉であり、なおかつ優秀な指揮能力を持つ(ドムを受領している、即座に殿部隊を編成でき、それについてくる部下たち)彼女は、宇宙に上がる側の人間だった。
怪我を負い、弾薬の尽きかけた彼女のそばを通る最後の友軍部隊。工作兵部隊の彼らは、彼らの所有する工作戦用ザクタンク(シャベルアームやクレーンが着いている。塹壕を掘ったり、地雷の設置または撤去などが主任務)を用いて、彼女のドムを撤退先の一つであるHLV打ち上げ基地まで運んでくれた。
飛び立つHLVを見上げ、地上に残された彼らと共に地上に残ることを決めた彼女は、その後、フォルカー・エンデの率いる部隊と合流、行動を共にすることとなる。
荷台部分
合流後、総勢50人ほどとなった部隊の「家」として運用される。MSとして戦闘可能だが、基本的に部隊運用に必要な物資(様々な機材、弾薬などを始めとした物をまとめたコンテナ)、テント、簡易ハンガーなどを満載している。クレーンから伸びるワイヤー、フックなどは、心の目で見て想像していただきたい。
分離状態
それぞれジェネレーターを搭載しているため独立して運用可能。初め、「ドムタンク」と命名されるが、彼女の強い要望により「ドムパンツァー」と改名された。連結状態、分離状態どちらの状態でも戦闘機動は可能ではあるが、その見た目の通り砲戦機として運用される。ちなみに彼女は前線に出たい人。
後部ユニット
HLV打ち上げ基地において、HLV内に物資を搬入する際に使用されていた、運搬キャリアユニットを、腕に覚えのある工兵隊の整備兵らが魔改…、いや、改修し、彼らの「家」として生まれ変わった。元は、一年戦争より10年以上前に、地球連邦軍で採用されたRTX-65ガンタンク初期型の下半身部分(と、言ってものだろうか)を転用したキャリアユニットである。
優秀?な彼ら整備兵による"改修"により、履帯ユニットの間、胴体部内には狭いながらも複数の二段ベットを備えた部屋、キッチン、トイレ、まさかのシャワーまで備えた部隊の「家」として“改造"されている。
「…まさか中尉の上に乗れる。とは思いませんでした」
揺れるコクピット内、ベットセットから静かに声が聞こえる。
「伍長…、そう言う誤解されるような言い方すると、皆から袋叩きにされるよ…」
今、背中にヨルク・ハモンド伍長を乗せ狙撃ポイントへと向かっている。当然、私が彼を背負っているわけではない。私の操縦するドム"パンツァー"の荷台部分に、ハモンド伍長のスナイパー使用にカスタマイズされたザク、ある理由に非常に重くなっている。を載せているのだ。
今回、ジオン残党狩りを銘打った連邦の大部隊が、私達が隠れている場所から山を一つ挟んだ位置に展開したと言う。それらに対し、同じように隠れている仲間達と共に、こちらから仕掛けてやろうと言う作戦だ。敵には、司令本部なのだろうビッグトレー級も確認されている。それを狙撃する為のバルベ曰く「スゴ腕スナイパー」のハモンド伍長だ。
「それはそうと、どうだい、ビームスナイパーライフルの調子は」
伍長のザクは今、今回の作戦にあたり、仲間達が何処からか仕入れてきた、ビームスナイパーライフルを装備している。しかし、巨大なジェネレーターをその背に背負ったザクは非常に重く、単体での戦闘機動が難しいことから、このドムパンツァーに載っているのだ。
「実弾と比べて、天候、温度、風向き、重力など、あまり気にしなくて良いのは楽ですね。逆に大気圏内のビーム減衰率による、標準のズレが気になります」
「……」
真面目だねえ、伍長は、あれだ、よくつまらない男だって言われるでしょ。そう言うと、バルベ軍曹によく言われます。と返ってくる。もうチョッとユーモアを持った方がいいよ、見た目は良いのだから。そう言うこちらの言葉に対し、伍長からの返答はなかった。
ビームスナイパーライフルを装備した、ヨルク・ハモンド伍長のザク。火力は高い。しかし、一射ごとに10秒から15秒のチャージ(状況によっては20秒を超える)、冷却も含めた。が必要。基本的に戦闘中のバレル交換は考慮されていない。なお、本機の特徴であるイーグルアイシステムは健在。
通常のバックパックの上から、ジェネレーターユニットを背負っている。ユニットのスラスターは、排熱口になっているためスラスターとしての機能はない。MS一機分のジェネレーターを背負う本機は、非常に重く、バランスも悪い。
エミリ・ラングハイム中尉は、地球のジャパンで生まれ育っている。その為、難しい日本語を会話内にうまく組み込み話すのだが、これによって上官などは出来る人間だと思っている節がある。「なさけはひとのためならず」が信条(当然、正しい意味で理解している)。地上に残ってからはあまり階級にこだわっておらず、特に戦闘時などはフォルカー・エンデ少尉らに一任している。部隊の皆を家族として思っている。そして、それは部隊の皆も同じある。
ドムパンツァーMS部
肩部に装備された大口径砲が目立つ。無理矢理装着された為、命中精度は低い。その為、HE弾、HEAT弾など榴弾系の弾装が装填される。他には、三連ミサイルを二基、右腕に、ドムを受領する前から使用してきたザクマシンガンを装備している。
大口径砲を撃つ際は、機体各部のアンカーを展開することで、安定性、命中精度を上げる。
作戦中、突如後方付近に現れた、敵ガンダムタイプ。後方支援員、非戦闘員を守る為、家を、家族を守る為、単騎で戦いに挑む。
ちなみに余談ではあるが、連結状態(つまり家がいっしょ)のまま前線に出た事があり、無事敵機は撃破したものの、機体は小破してしまった。その晩、整備兵を含め「家族」にしこたま怒られた彼女は、その夜、一晩中テントの外で正座していた、とかなんとか。
「ドムパンツァー」、コンセプトは"ドム=ホバー"を覆す。です。某漫画の外伝にて、「ガンタンクこそ最強のMSだ‼︎」と言う素晴らしい台詞を"聞いた"際、敵機として登場した下半身が巨大なホバーユニットとなったドムを見、ドムのタンクタイプってカッコ良いのでは、後ろ(荷台)にMS乗っていたら…と、考えてワクワクした結果が、コレ。
コメント
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ザク再利用>ザクタンクがあったんだから、
ドム再利用だって、確かにあっておかしくないですよね!
プラモ好きの40代
サッと色塗ってパッと作るあまり複雑な改造はしない人(最近はパッと作ってはいない)
MDN-6632+1 ディランザ カッティーヤ
…敵、…ガンダムは、敵ッ! 注意 「コレ」は、水星の魔女最…
ガンダムvsシャークゴッグvsモサゴッグ 海獣大決戦!
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RGM-F0 GUNDAM CALISTEPHUS
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