本格的なガンプラ表現を始める前に、暫くやっていた過去作です。
2012~2015年の間。計21回(現在は更新停滞中)。
ガンプラは老若男女を問わず、誰でも簡単に同じ物が作れる画期的なプラモデルとして、絶大なる人気を誇っています。
そのガンプラは「ミスで説明書が入っていなかったとしても作れるのだろうか?」をテーマに、無謀にも挑んだ記録。
事の発端は4つ。
① 模型趣味から離れていた頃に中古屋で53円の旧キット説明書なしアーガマを見つけ、試しに作ってみたら一応は形になった。
② 腕試し(この当時は如何に愚策だったか知らない)。
③ ガンプラをテーマに何か投稿してみたかった。でも改造は出来ず塗装も長らくしてなくて自信ない。
④ 説明書禁止をHGやBB戦士でやる人は既にいたが、MGは前例が無い。
以上の発端により、約6年も離れていた模型趣味に帰還。ガンプラだけでなく、他社製プラモデル(城模型・V.I.・HMM・ミニ四駆など)にも挑戦。いつの間にか「苦行マニア」の通り名ついてましたが、好きで苦行はやりません。
他所の投稿先からの引用で、部品点数の多いMGガンプラ3体を例に紹介してみようと思います。第7・10・21回目に挑戦した【Ex-S】【フルアーマーユニコーン】【FAZZ】。数え間違いあるかもしれませんが、パーツ総数は各々「647・720・712」。なお、説明書禁止の対象キットは「バリエーションも含め過去に一度も作った経験の無い物」。組立経験があれば作り方を体が覚えているので無意味。例えばザクⅡなら、Ⅱが素体になる全てのキットが対象外に。
長々としていますが、やってる事はただの「無駄に時間をかけた【パチ組み+スミ入れ】」だけです。ガンプラ作りという名の超立体パズルとも言えましょう。進め方および総製作時間は「制作工程」の項を参照。以下の写真は全て立体パズル直後の撮影。
「ガンプラなんて説明書を見なくても余裕でしょー」と思ってる方は、是非ご一読下さいませ。そしてMGの秘める圧倒的な情報量に絶望せよ。
現在においても【MG最高難度&完全変形】と呼ばれし、悪名高きMS。
形にはなっていますが、細部が色々と間違っている事が分かります。
コア・ファイターの羽はこの時点で全く気付いていません。
GNアーマーぽくなったり何処かで見たような形になって、結局変形させられませんでした。説明書なしではさっぱり分からない。ガンプラの設計に携わってる方々の凄さが身に沁みます。
発売当時から【MG史上最多パーツ数】の頂点として君臨し続けた魔王。
まずは素のユニコーンモード。
形にはなってますが、可動確認の際に試行し過ぎて関節が摩耗。
ビームガトリングガンx3(6門)で発狂しかけました。
ベースジャバーもちゃんと作ってます。
フルコーンに匹敵しFA-ZZよりも多い、
【700超の部品数&異常な余剰数】
特に余剰パーツ数は100前後に達する。
まずは足以外の余剰を使ってセンチネルカラー版ZZに。
足がFAZZ版のままなのは、組み直し難い構造だったから。
バックパックが無し(FAZZ用しか無い)&シールド無しでも良ければ、素のZZも組めます。センチネル版もカッコイイ。
見た目の通り、MGとはいえガシガシ可動には向かず。
しかし飾り映えするフォルムとボリューム感は素晴らしい。
以下、Ex-Sを例に制作過程の解説。
そうして手を出してしまった無謀さを悔いり、暫し絶望感に包まれます。
要は「組立方法さえ分からなければ良い」ので、完成見本写真などは例外。
当たり前ですが、ネットで作り方を調べるのは禁止です。
期間中は模型関係のネット検索禁止。モデラーさんの個人ブログ閲覧も×
これらを時々見ながら製作していきます。映っていない物はノーヒントで。Gコア(コア・ファイター)の間違いに気付かなかったのは、参考物に「全く映っていなかった」からです。完全ノーヒント製作。
Ex-S回とフルコーン回は上記のやり方でしたが、FAZZ回のみ組立開始から完成まで「一度も参考資料に目を通していません」。FAZZとは何かを頭で想像しながら、ずっと続けていました。頭が変になりそうだった。
時間制限は無し。設定すると泣きを見ます(最悪プラモが嫌いになります)。終了条件は、形になるか降参。出来の正誤は不問。
Ex-Sでは、外装・フレーム・PC&小物の3種に分類。
万一混ぜてしまったら最後、刻の涙を見るハメになります。
▲Ex-S: 10時間30分
▲FAUC: 09時間37分
▲FAZZ: 08時間06分
併せてゲート処理もしておき、準備段階で平均20時間弱。
(総製作時間に含みます)
対となるパーツ類は軽く合わせておきます。完全に組んでしまうと間違っていた際に面倒に。ピン切りは破損や保持力低下のリスクがあり回避。
「武器 = 手首 > 頭部 > 胴体」の順に簡単な傾向にあり、複雑な腕部・脚部は後回し。ただしEx-Sのような完全変形式の可変機の場合、胴体の難易度が急上昇します。コア・ブロックが使われると標準的なMG構造が通用しなくなってきます。
写真のように、該当箇所に合うパーツやPC等の候補を幾つか挙げ、手探りで1つ1つ試していく手法。PCは種類の多さに困惑するかと思いますが、内径と軸径さえ一致すればそれほど難しくありません。
Mk-Ⅱv2.0のようにジョイントパーツで可動ギミックを構成された方が、個人的には厄介ですね。解決できれば嬉しくなりますが、その解に至るまでの過程が地獄道。グフv1.0のヒートロッド&動力パイプ地獄はもう二度とやりたくないです。
頭の中に各部位の展開図を思い浮かべ、多くの仮説を立て、可能性の高い順に試行錯誤を繰り返し、手探りしながら地道に正解を導き出して行きます。複雑とはいえ、組むべき場所が決まっている物が多く、パターンさえ把握できれば一気に進められます。
間違いの多さに悶絶し、絶望しつつも笑いが止まらないのであった。
一通り喜怒哀楽を経た後に、正しく組み直して『完了』です。
ちなみに全く間違えずに作れた回は、恐らくゼロ。
このEx-S回でも、間違い箇所が約10ありました。
製作時間については時間単位で日々記録し、日数単位ではありません(時間の水増し防止と正確な記録のため)。実際に何週間かかったのかは皆様のご想像にお任せします。
【総製作時間】
■MG Ex-S: 100時間50分(※最長記録)
■MG FAUC: 078時間41分
■MG FAZZ: 072時間22分
総撮影枚数はいずれも1000枚を超えていたかと思います。引用元のページは非常にテンポが良くないため、リンクも含めて記載しません。視力低下の恐れもありますので。
いずれも変形機構のある難敵でしたが、出来上がってみればFAUCもFAZZもEx-Sの敵ではありません。後日PGやHMMゴジュラスでもやってとか、合わせ目消ししないの?とか言われました。何その即死魔法?
「バンダイ製より他社製の方が難しい」と言われていますが、個人的には説明書を見ない場合バンダイの方が難解でした。例えばコトブキヤ製のは、組むべき場所が凹凸面で決まっています。難点はあちこちが鋭く物理ダメージを受けるコト。サイバスターは指にザクザク刺さりましたが構造は標準的でした。
ガンプラは組み易くまとまっていますが、それは「作り方が指示されている場合に限る」のです。PC主体でもPCレスでも、経験に無い仕様だと前例が通じず【推理と試行錯誤の繰り返し】に。時には手芸の感覚もありました。まさかガンプラで玉結びを使う事になろうとは。
よって、説明書を見なくても不可能ではありませんでした。しかしこれは「長年の勘と経験による積み重ねの結果」だと思っています。破損・紛失のリスクが大幅に上がり、素組の数倍以上かけても出来上がるのは素組止まりという事で、やるメリットは殆どありません。最悪の場合プラモが嫌いになるという超リスク。
ただし完成させられた場合は別で、素組では得られない【圧倒的な達成感・充実感・余韻】が待っています。本当に最高の瞬間でした、正にハイリスク・ハイリターン。ギンガナム御大将も大喜びでしょう。「マニュアル通りに(以下略)」等と豪語する位ですし。
普段何気なく作るガンプラでも自分の頭で考えながら作る事で、空間認識能力も鍛えられると思います。MGでも初期のであればHGと殆ど同じような構造ですので、そこまで難しくありません。覚醒を目指すのであれば、一度経験してみては如何でしょうか? ただしリスクが非常に大きいため、挑戦は自己責任でお願い致します。
以上になります。作品と言える程の質ではないものの、模型趣味に帰って来られた大きな転機であったので、今回こういった形でまとめさせて頂きました。こんな楽しみ方もありかなと思い。
試しにSDなどの簡単なキットから始めてみませんか、立体パズル?
ニュータイプ(ガンプラ作品投稿者)になるのを夢見た、一人の愚者の物語。
コメント
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ちょEx-Sて! ガンプラにそんなマゾい(?)楽しみ方(?)があったとは‥‥‥なんというか凄いチャレンジですね(゚ロ゚;)
レインさん、ありがとうございます!
ね、ビックリしますよね?
Ex-Sのリクには流石に正気を疑いました。しかもMGとは。
でもコレを経たおかげで、良くも悪くも現在の方向性が定まったとも言えます。
いやマジで正気ですか?
題材選択がとんでもない!
説明書見ながらでも間違えそうな物を封印って!ォィォィヾ(゚д゚;)
なんなんですか、この感動巨編は!
oyzさん、ありがとうございます!
最初はMGのジム・クゥエル、2回目が同グフで単発の予定でしたが「Ex-Sでやれ」とのリクエストが沢山届き、冗談半分で手を出してみたらどうにかなってしまったという。フルコーンも同様です。
形にはなったものの流石に無傷では済まず、リアアーマーが砕けました(笑)
あまりにも無謀過ぎるのに、読んでるうちに感動と畏敬の念が湧いてきました。
ほしみや せつなさん、ありがとうございます!
最初はこんなハズではなかったのですが、気が付いたら自分でもよく分からない所にまで踏み込んでいました。
読み難い長文にも関わらず読んで頂けて、感謝します。
つや調整を含め基本的に全て筆塗りで何かを量産しています。独自解釈も多々あって伝わり難く感じられるかもですが、少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。最近は低浮上気味ですみません。
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