搭乗者 ヒカル・ミナモト。ジェネレーターコントロールシステムが不完全であるため、十分な機体性能が発揮できないまま、出撃することになる。新装備であるヴェスバーは未実装、放熱システムは一部分のみ(肩部剥き出し)。ビームシールドも出力調整が行き届かずに未装備となっている。この状態での機体性能的には、主力機体のデナン系を少し上回る程度である。
「このパワーゲインなら、腕が6本あってもいけるんじゃん?」半ば呆れたようにトモエが言う。「大体、人の反応速度で制御できるスペックじゃないしなぁ」頷きながらヒカルも同意した。「はー、そーですかそーですか。会長は乗りこなす自信がおありでないようで!」プイッとシズカが横を向く。いつもは冷静なシズカの物言いに、生徒会室がドッと笑いに包まれる。
「今動かせる機体…、あるよな」足早にデッキに向かいながらヒカルが言う。「F91は、まだ未完成だってシズカさんが…」ベンは必死で止めるが、ヒカルは聞く耳を持たない。「シズカが、皆が待ってる。あの、デカいのを花束にして生徒会室に飾ってやるさ…!」
「未完成だって?十二分に動いてくれるッ」F91がラフレシアのテンタクラーロッドをひとつ、またひとつと打ち倒しながら少しづつ距離を詰める。高速でジグザグに動くF91を、ラフレシアは止める事が出来ない。「ビームライフルが無効化されてる…、Iフィールドだなぁ。しかし、ここまで来ればッ」
ラフレシアのコクピットが目視できる距離まで肉薄するF91。頭部を鉄の仮面で包まれ、身体中を妖しく光るコードを埋め込まれたパイロットがいた。体格から少女であろうか。「機械に取り込まれているのか…なんと酷い…」機械の一部と化した少女を助ける術をヒカルは持たない。彼には目的がある。果たさねばならない約束がある。彼が哀れな少女に出来ることは、たったひとつ。呪縛からの解放…。
衝突の衝撃で、ラフレシアの少女の仮面が外れた。「トモエ…?」F91の動きが一瞬止まった瞬間、真横からの火球がF91を包み込んだ。
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あまり政治的な整合性、社会性とかは考えずに、場面ごとに妄想しています。
ヒカル・ミナモト、18歳。ロクハラTD(士官学校)の生徒会長。MSの操縦技術にたけ、特に格闘戦では不敗を誇り、シズカが唯一勝てない相手である。
ピースレスト・コンツェルンにより両親を殺され、その正体を隠したまま、復讐のために軍に身を置いている。搭乗機はF91。
シズカ・フロント、18歳。黒髪吊り目の美少女で、同校生徒会副会長。あらゆる分野に於いて、天才的な才能を誇る。Fシリーズの考案者。MS戦で、ヒカルと対等に戦える数少ない人物。ピースレスト家の嫡子、カグヤ・ピースレストである。搭乗機はビギナギナ。
トモエ・フロント、16歳。シズカの妹としてロクハラTDに入学してきた、ピースレスト家の従者だが、カグヤの30体目のコピーであり、寿命のリミットは18歳までである。オリジナルであるカグヤに対し、不幸の連鎖を止めてくれるように願っている。生体コンピューターとして、ラフレシアに取り込まれることになる。
ムラサキ・シキブ、18歳。同校生徒会書記。天真爛漫で、何事にも物怖じしない少女。御三家の一家、シキブ家の第一位後継者。シキブ家所有のブラックバンガード隊を率いる。シズカの正体を知る数少ない人物。搭乗機はF90。七夕会戦で、12種類のミッションパックを次々に換装して使いこなし、「十二単衣の怪物」と呼ばれた。
聖・ショウ・ナゴン、年齢不詳。仮面により素顔を隠したシキブ家の客将。カグヤの3体目のコピーである。
MG 百式
「この地下にザクが隠してあるとでも?」 男はうんざりした様子…
MG F90 ブラックバンガード仕様
搭乗者 ムラサキ・シキブ。カグヤ・ピースレストの設計による次…
MG F91 ブラックバンガード仕様
搭乗者 ヒカル・ミナモト。半壊したF91をムラサキが回収し、…
RE ビギナ・ギナ(ピースレストフラッグシップ)
搭乗者カグヤ・ピースレスト。月面制圧作戦で、ピースレスト家の…