タクラマカン砂漠における、三大勢力合同のガンダム鹵獲作戦。その際、新たに姿を見せた3機のガンダム。世間が皆、この出来事に注目している頃、宇宙、月周辺にある人類革新連盟の資源採掘基地における、ある出来事の記録である。
月の裏側のラグランジュポイント、そこに調査の結果、人革連の比較的大規模な基地が極秘裏に建造されている事を突き止めたヴェーダは、表向き資源採掘基地として稼働しているこの基地に対し、あるプランを発動させる。
「対複数戦闘を前提としたMS単機の突入により、基地内部特定ポイントにおいてMSに搭載された太陽炉のオーバーロードによる、基地内部からの破壊」
である。つまり、かなりの数のMSが配備されている、人革連基地内に単機で突入し、時間内にウィークポイントとなる基地中枢部を探し出し、その身に内包したGNドライブをオーバーロード、その身もろとも基地を破壊する。というものであった。
ガンダム ゼルク
ヴェーダによる選定は、対複数戦闘に対応する為、火力より防御性能に赴きを置いた結果、重装甲、高い防御性能を持つ「ヴァーチェ」が選ばれた。複数の敵の対応する為の火力は、その厚い装甲に外付けすることで対応している。予備パーツ、他のガンダムの予備フレームなど、様々な要素を合わせ無理矢理組み上げた「ナドレ」に、フィジカルプランのヴァーチェ外装を合わせた機体である。
問題となるのが、「ガンダム」のコアとなる太陽炉。GNドライブである。ガンダムスローネを有するチームトリニティの所有する四基のGNドライブ[T]。それとは別に予備として保管されていた一基を、オリジナルの技術を使用し改良。限界まで性能を引き上げられた擬似太陽炉は、常時、後に確認されるトランザム状態に近い性能を出す。しかし、その弊害として稼動時間はより短くなり、暴走の危険性も持つ。
ヴァーチェの外装に、様々な武装を追加装着することで、対複数戦闘に対応している。それら武装類は、今後作成される試作武装、正規装備になり得なかった武装類などが装着されている。
GNスマートランチャー
右手に装備した大型のGNライフル。「デュナメス」用の装備として試作されていた。GNコンデンサーが内蔵されており(マガジンのように見える部分)、粒子をチャージしその度合いに応じたチャージショットを撃つことができる。チャージに要する時間が長いこと、精密射撃に使用できるほどの命中精度を得ることができなかった為、正規装備に加えられなかった。
GNビームマシンガン
右肩に装備、「キュリオス」の物と同等。
GNミサイルポット+GNビームライフル
左肩に装備、MS用のGNミサイル、非常に高い誘導性能を持つ。ポットの裏側にGNビームライフルをセット、「アストレア」の持つライフルと同等。
大型ガトリング
本機のシルエットを大きく変えている装備の一つが、このシールドを兼用したガトリングだろう。ソレスタルビーイングのものとは、デザインラインの異なるこの武装は、鹵獲した人革連のMS用の装備を組み合わせて急造した物、実弾を発射するが、実弾にGN粒子を纏わせる事で貫通力、破壊力を上げるシステムのテスト、試作として組み込まれている。安定性が低く、実用化はされなかった。
GNキャノン
大型ガトリングがマウントされている。「ヴァーチェ」本来の物と同等。脚部と共に、GNフィールドを展開可能。
GNファングミサイル
腰にセットされたコンテナに搭載された、小型のファング。先端から粒子の牙を展開したミサイルが、装甲に突き刺さる、または、内部に入り爆発する。非常に小型の為、迎撃は難しいだろう。「キラービー」という開発コードを持つ。コスト面で問題がある為、スローネツヴァイの持つファングのタイプが、優先的に開発された。
GNシールド
機体のシルエットを変えているもう一つとして、この装備が上げられる。「エクシア」、「アストレア」などが装備する物と同等。この装備により、前面防御性能が飛躍的に向上している(主に実弾防御性能、人革連の基地防衛におけるMSの大口径の実弾兵装に対応する為)。
GNビームピストル
「デュナメス」の物と同等。
対艦隊用GNミサイル
今回、基地内外の破壊用に装備された。「対艦」ではなく、「対艦隊」である。直接艦に撃つのではなく、艦隊に対して発射される物、広い爆発範囲と破壊力を持つ。MSに装備する為ダウンサイジングされている。
本機は「ヴァーチェ」であるが、その機体性能は、ロックオンのスピード、一度に複数のロックが可能など、「デュナメス」などに近い射撃性能重視に調整されている。本機のドライブは、GNドライブ[T]、擬似太陽炉の為、粒子の色、ビームの色は赤となっている。当然、人体に対し有毒である。
機体名である「ゼルク」とは天使ゼルエルの別名。「神の腕」力、戦を司る。天使ケルヴィエルと同一視される。
「…ガンダムゼルク、外装をパージ…、システム変更…、──モードに移行する…。」
ガンダムナドレ N
「ヴァーチェ」の鎧を脱ぎ捨てた姿。外見上「ナドレ」の予備外装が使用されて組み上げられた為、ガンダムナドレの名を冠しているが、データ上、本機の名は、ただ「N」という一文字だけだった。何かの略称なのだろうか、ヴェーダ内にそれに該当するような記述は、確認されていない。
ガンダムマイスター 「N」
腰の下まである長い青髪を持つ、中性的な容姿のイノベイド。この作戦の為に新たに生み出されたのだろうか、機体の名と同様、「N」とだけ記されている。わずかに残る作戦中の音声データに残っている声は以外にも低い事から、男性体と思われる。
GNブレイドダガー
多くの試作装備や不採用となった武装を装備するガンダムゼルクだが、唯一、この装備だけが本機の為に用意された。特徴的な透明な緑色のブレードを持つ、数年後に、ダブルオーを始め、多くのガンダムが装備することになるものだが、これはそのブレードの試作の試作、プロトタイプのプロトタイプといった物であると思われる。GNビームガンとして銃口も備えており、近、中距離の射撃にも対応している。
人革連基地、内部奥深くにて、外装をパージした後、この姿で戦闘を続けたようだ。両肩部にGNファングミサイルのコンテナを装着。GNブレイドダガーは、複数のパーツに分割され、ゼルク時の脚部外装パーツ内に入っている(設定)。また、ガンダムナドレには、特殊な機能として「トライアルシステム」が搭載されているが、本機には搭載されていない。
このガンダムゼルクが行った、人革連秘密基地に対する、ソレスタルビーイングによる「武力介入」は、世間的、表向きには、人革連の所有、管理する資源採掘基地の大規模爆発事故、という形で世界に知られている。しかし、後からになり、赤い粒子の光を見た。戦闘の光を見た。という目撃談も出て来たが、同時期にチームトリニティのスローネによる無差別「武力介入」が横行していたこともあり、世界の関心はそれ以上になることはなく、当の人革連としても世間を騙し基地を建造していたこともあり、黙秘をしていたようである。
この作戦については、ヴェーダ単独の作戦行動の為、当時のソレスタルビーイングのメンバー、スタッフ共に、誰も知らないようだ。高いレベルまでアクセスできるメンバーですら、知らなかったようである。おそらく、ヴェーダの秘匿されたアーカイブ内には、このような事象が複数あると思われる。
人革連秘密基地は、ガンダムゼルク、とそのマイスター「N」により、再生不可能なまでに破壊された。かろうじてヴェーダにより回収されたデータによると、100機以上のMSを中破、大破させているという。限界まで圧縮臨界された改良擬似太陽炉のオーバーロードによる爆発により、かろうじて原形を残すのみになった基地は、高濃度圧縮により人体に有毒なGN粒子の汚染の為、少なくとも今後数年、立ち入ることが出来なくなっている。
「…機体損傷率…86%…、残存敵機、及び、敵性機構、ゼロ……」
ラップトップ端末から、途切れ途切れの音声データが再生されている。ヴェーダ内に秘匿されていた、データ。ある極秘裏に実行された作戦を記録したものだ。
「目標…地点に……到達、GN…ドライブのオーバー…ロードを…かいし、………これ、より…じ爆シークエンスを、かい…し、する」
肉体を損傷しているのだろう。途切れがちな言葉の間に、湿り気のある咳の音。肺をやられているのだろうか。
音声データは、続く。カウントダウンの音だろうか、その音にかき消されるようにそのパイロット、名も知らぬガンダムマイスターの声が、かろうじて聞き取れる声を聞く為、耳を澄ます。
「…僕は、きえる…、生まれたばかりだけど、……僕の…やったことが、これからのために…なると信じて、………だから、……誰でもいい、僕のことを…おぼえてい…て、わすれな」
音声データは唐突に終わる。そこで終わっているのだ。スリープ状態にした端末を閉じ、傍らに置かれたカップを取る。ぬるくなった中身を飲み干すと、青年を静かに席を立つ。誰もいないカフェ、端末を脇に抱え、一面の窓、その向こうを見る。
数年前、人類に未曾有の危機が訪れた。地球外変異性金属体、ELSの襲来である。しかしそれは、ソレスタルビーイングの創設者の想定した「来るべき対話」、そして一人の青年により、人類はELSと共存の道を歩むこととなる。そのELSが姿を変えた、宇宙に咲く花。宇宙ステーションとして機能するようになった花の中、艦船ドッグを一望できるカフェにいるのだ。
青年の目には、青年から見て逆さまになった、外宇宙航行艦「スメラギ」の三番艦、その周りを外装チェックの為だろう、頭部を幾何学的に変化させながら、サキブレがゆっくりとその巨体の周りを飛び回る様子が見える。出航の時間が近いのだ、先程まで沢山いた人はその見送りに行ったのだろう。
地球を離れ、花を離れ、小さくなっていく艦を見ながら、青年。ティエリア・アーデは、一人呟く。ヴェーダと共にあって僕は、ソレスタルビーイング、彼の、いや、彼らのことを、これからのことを、この先に伝えて行こう思う。そう意志を持った視線を、離れ行く艦の光が見えなくなるまで送った彼は、また人の増えてきたカフェを静かに後にするのだった。
いや、長いわ、妄想話、読まなくいいよ。自己満足の極み。です。作っていて非常に満足できるキットだと思う。塗装剥げが怖くて動かせません。あと今遊んでるゲームがわかっちゃうね、チミ。
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プラモ好きの40代
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