ZOIメビウス-1（大気圏救助、救助支援用ZOI隊仕様メビウス・ゼロ）

「メビウス・ゼロ-(マイナス)１」

ZOI隊は人や物資を運搬する能力、MSの作業効率を求めている際に過去活躍していたと言われるメビウス・ゼロに目をつけた。

様々な戦闘で大破したいくつものメビウス・ゼロの残骸をかき集めたが、ポットは3機ある程度復元できた他、ほとんど損傷が激しく本体1機ですら完全に復元する事が叶わなかった。その時点では計画は破棄される予定であったが、アメノミハシラからそのガラクタの山を待ってくるように通信が入り、どこから情報が流れたのか色々と準備されていた為に想定以上の性能と汎用性を得る事に成功した。

空間認識能力をパイロットが持っていない為、本来の性能は100%ではない事。ポッドが一つない事。完璧な復元ではない(未完成)である事。ゼロを100%として1足りない、出来損ない、未完成の意味を込めて「マイナス(-)1」とつけられた。

機体の受領時に「この世の中完璧な奴らは人を殺す事しか考えない。コイツは出来損ないだから人を救う事を考えられるのさ。」と言って見送られたのだった。

このメビウスにはそれぞれ役割を持たせた３つのポットが装備されている。

「クリカラ」シルバーで視認性が高い大型のタンクとして、燃料、水、消火剤、バッテリーなどを換装して搬送する事ができる。危険物取扱いの為バーニアは外され代わりに先見のDDからの情報で必要な物を換装する際のハッチとして使われる。また、黄色い部分はデュートリオン送受信機である。

「マサムネ」左右非対称のアンテナブレード、ガンバレル銃口を危険地帯の捜索用の単眼カメラに変更した外見が特徴。無人探索、搬送救助を目的としている。中は人が入れる空間となっていて作業員の居住区としたり避難者を乗せて脱出する事ができる。

「クニユキ」ウイングが無く銃口部の蓋がしっかりされている外見をしている。マサムネと同じく内部が空間になっているが、こちらは医療設備を導入している、医師が乗り込み、緊急な手術、輸血、診察、治療などを本体の回転機構を用いてできるようにしている。

マサムネだけは秘密にされているがドラグーンが導入されている。

操縦する本人は空間認識能力は無いのでZOI隊は誰も気付くことは無いかもしれない…。

彼はナチュラルであり地球連合の看護師であった。彼の父親がメビウス乗りであり、憧れであったのだという。メビウス・ゼロの採用は彼の熱望も影響している。初めは自分に空間認識能力がない事に劣等感を抱いていたが、あるきっかけによりこのメビウス-1のパイロットとして大きく成長していく。

大気圏付近での作業用にポットとMSを配線で繋ぎ遠隔で操縦するシステムコクピットを換装できるようにしている。本体とクリカラが配線を繋ぎ、マサムネとクニユキがコクピットとなる。万が一地球に落ちてしまっても失うのは繋がれていたMSのみで済む様にしている。また、電源や燃料も配線から送る事や吸う事ができる。

下部アンカー射出装置

二つのアンカーやワイヤーで対象を引っ張る事ができる。

元々リニアガンがあった場所は一度オミットされ、ソードストライクルージュの技術が転用された。バックパックに様々な装備を換装し、メビウス単体でもある程度作業ができるようになっている。もちろんMSに渡して連携をとる事ができる。

［折り紙の花の絵］

「うわああぁぁメビウスは伊達じゃねぇぇぇぇぇぇーー！！」

大型の旅客機が大気圏突入中にデブリと衝突しバランスが取れなくなり宇宙に戻れなくなってしまう緊急事態が起こり偶然にも付近でデブリ清掃を行っていたZOI隊が救助を開始した。メビウスはアンカーで引っ張り、配線に繋がった２機のMSは船体の下から噴射して押し出す作戦であった。

重力には勝てずバランスを整えつつ地球に降下する事になった時、MSの１機が爆散してしまった時の一言。

無事に旅客機が大気圏を突入し地上に落ちて一週間後宇宙に打ち上げられる際パイロットに小さな女の子から「守ってくれてありがとう」という手紙と折り紙が届けられたらしい。

「まったく…命かけたっていうのに大したことないプレゼントだぜ…。」

と彼は言っていたが、宇宙に上がった後の機体には折り紙と同じ色の花が咲いていた。