ジオングとネオ・ジオング、なんか繋がりが悪いような気がずっとしていました(正当な後継機とかではないので、それでも問題はないんでしょうけど・・)。そう感じてしまう最大の理由は、同じ「ジオング」の名を冠する機体なのに、一方のジオングはモビルスーツ、もう一方のネオジオングはシナンジュの強化外殻という根本的な違いかと思います。
そこで、なんとか繋がりを作りたくて、こんなジオング〔初期プラン〕の開発秘話を妄想してみました・・・
(正式なジオング、そしてネオ・ジオングの話題も登場しますが、画像はすべてジオング〔初期プラン〕のものです。)
強化外殻「ジオング」の誕生・・・
宇宙世紀0079、ルウム戦役で戦艦5隻を沈めたシャアの名は「赤い彗星」として急速に内外に広まっていた。このことを軍事的・政治的に利用しようと目論んだジオン軍は、シャアのザクの機動力、攻撃力をさらに押し上げるための専用強化外殻の開発に着手した。これは、ジオン国民に対しては戦意高揚プロパガンダとして、そして地球連邦兵士に対しては恐怖心の醸成を狙ったものであった。かくして、その専用強化外殻はジオンの象徴として「ジオング」と名付けられ、設計は急速に進んだ。しかし・・・
専用強化外殻「ジオング」の設計が完成し、いよいよ建造が始まったばかりの頃、事件は起こった。ガルマ・ザビ大佐の戦死である。この責任を追求されシャアは失脚、それに伴い「赤い彗星のシャア」あってこその強化外殻「ジオング」の建造も当然、中止となってしまった。
その後の「ジオング」の経緯・・・
その後しばらくして、建造が止まった状態の強化外殻「ジオング」は、フラガナン機関で研究が進められていたニュータイプ専用兵器サイコミュシステムを搭載したモビルスーツとして再び建造されることとなった。合わせて急速に実用化が進んだビーム兵器も搭載されることとなった。これらのために必要な機器や大型ジェネレーターを搭載することに、強化外殻としてザクを収納するはずだったスペースが空いていたのは、皮肉なことに好都合であった。また、新たに頭部と操縦席も追加された。かくして、ニュータイプ専用モビルスーツとして生まれ変わった「ジオング」であったが、ア・バオア・クーにてこの「赤」色ですらなくなった機体に搭乗したのが、結局はシャアだったことは運命の悪戯とでも言うべきものかも知れない。
時は流れて、宇宙世紀0096。ネオ・ジオン残党(いわゆる「袖付き」)は、「赤い彗星のシャアの再来」としてのフル・フロンタルに、その役割をより確かなものにすべく、シナンジュとその強化外殻を用意した。この強化外殻の設計ベースには、かつてのシャアのための強化外殻「ジオング」の設計図が用いられた。その狙いは容易に想像できるものの、入手経路については謎に包まれている(アナハイム社が絡んでいるとの噂はあるが、確認されてはいない)。かくして完成したシナンジュの強化外殻「ネオ・ジオング」はデザインこそ、かつての強化外殻「ジオング」を踏襲した部分が多く見られるものの、その大きさの違いはとてつもなく、全長100mを超える怪物であった。
かくして、機体は完成することなく、〔初期プラン〕として設計図だけが残った強化外殻「ジオング」は、もし完成していたら、「通常の3倍」どころではない加速力、機動力を持ったであろうことは、スカート下のおびただしいバーニアの数からも想像できる。
また、両腕のロケット砲(当時はビーム兵器が未完成)に加え、背部に大型対艦ミサイルランチャーまでも装備し、その攻撃力も当時としては破格のものだったと言えるだろう。
シャア専用ザクの格納・分離は、このように上部外殻を展開して行う。2種のマシンガンはスカート側面のラッチに固定されているように見えるが、実はザクの手が握っていることがこの写真からだとよく分かる。これは、被弾により外殻をパージするような緊急時、武器の持ち替えなしですぐ反撃できるようにとの、シャア自身の案によるもの。
ちなみに、格納されているザクは、当時、開発が進められていたザクの後期型(後にF2型と呼ばれる)をシャア専用にチューンナップしたものとなる予定であった。
ここからは製作について・・・
シャア専用ザクにはHGのザクⅡF2を、外殻にはSDガンダムのネオ・ジオングを1/144のつもりで使用しました。
ザクを収納するために、ネオジオングの上部は大きく切り欠きました。また、ザクの頭だけでなく、胸や肩まで見えたほうが「ザクが入ってる感」を強調できるかな?と考えてデザインしました。肩も大きく切り欠いて、SDシナンジュのバックパックバーニアを取り付けました。
機体色は1色だとザクが埋もれてしまいそうなので、ザクの配色を思い切って明るめに振りました。
スカートはSDキットだけにサイズが小さく、特に後ろ側はあっさりしています。そこで、同キットのスカートをもうひとつ中古ショップで見つけてきて、それを切り分けて、元のスカートの上に貼り付けていくことで、ボリュームアップと二重構造的なディテールを追加することを試みました。
背中の対艦ミサイルランチャーはコトブキヤのMSGです。
その他には全体的にスジ彫り、金属パーツ、プラ材などでディテールを追加しています。
後方から。スカートの中は注目される場所なので(←言い方よくないぞ)、計22個あるバーニアをコトブキヤのMSGに置き換えました。ちなみに、5セット買いました。金属製でやったら大変な額になりますね。バーニアの内側には蛍光ブルーを吹いています。
スカートの中を下から撮影しました(←言い方!ほぼ犯罪です!)。ジャンクパーツでディテールを追加しています。中央の丸いパーツは、スタンド用の穴のフタです。スタンド穴が目立つなー、と思ってフタを作ったのですが、フタを外さないとスタンドにディスプレイもできないことに気づきました(←バカ)
と、言うわけで、ジオング→ネオ・ジオングの繋がりについて、自分なりの妄想設定を考えて,こんな機体を作ってみました。詳しい方々におかれましては、様々気になる部分があるかと思われますが、「妄想」ということで何卒ご容赦ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。










幻の機体、強化外殻を装備した「赤い彗星」! ジオング〔初期プラン〕
コメント
コメントをして応援しよう
コメントにはログインが必要です
工作、ご発想、着眼点、塗装、技術、すべてが異次元の作品ですね!!
SDネオジオングを利用!!考えたことも無かったです!
すんなりザクが入るわけもないでしょうし、いやはや感服いたしました!
ありがとうございます!
褒めすぎです~。でもでも、身に余るお言葉を頂き、光栄です。
私の方こそ、OGNEKさんのジオングを拝見し、特にメッシュ貼りとバーニア焼けは「やればよかったー!なんでそういうのに気が回らないんだろー」って強く思いました。加えて、自分では情報量を上げたつもりでしたが、「まだまだじゃねーか!」って違いを見せつけられました。
アプサラスのような頭部だけにするのではなく、肩口まで収納するとは見えないところは正座しているのかなぁって思っちゃいました^ – ^
SDのネオ・ジオングの構造がどういう風になっているか分からないのですが、ザクを入れ込もうなんて考えられないですよ〜
ありがとうございます!
そうですね、正座というよりは「立て膝+腰反らし」というイメージでしょうか。そんなポーズでギリギリのクリアランスで格納されている設定です。実際に足先まで格納するつもりで工作を始めましたが、あちこち切り欠いたりして格納スペースを作っても、一度入れたらもう出せなくなりそう、そして、出し入れできるようにするためにはスカートが左右に展開するとか、大がかりなギミックが必要・・・ということで「設定」だけで断念しました。実際には、ザクの股関節までが入っています。ただ、外観としては「足まで入ってそう」な感じを出すために、スカートは左右にも上下にも大きくボリュームアップをしてみました。どうでしょう?なんとか入っているように見えますでしょうか?
あ、ザクもSDを使うっていう手があったか!←それは違うだろ!
かっこよすぎです。ザクヘッドからはちょっと宇宙専用アプサラスみたいにも見えますが、ホント、遠中近距離どこも隙が無さそうな迫力ですね。皆さんもおっしゃられていますが、この発想力と実現力に敬服です。細部のバーニアやリベットまで完全、まさにパーフェクトなネオ・ジオングですね。
ありがとうございます!
こんなに褒めて頂いて、なんだか恐縮です。改めて考えてみると、強そうに見えても武装はロケット砲とミサイルだけ、サイコミュはおろかビーム兵器すらない。こんなんでア・バオア・クーの最終戦に出て行ったら、ザコだったかも知れませんね〔笑〕。近代化改修を検討します!
初めまして!コメント、フォローありがとうございました‼️
いやーカッコよすぎます‼️センスがどストライクです😆自分はこんなに出来ないです💦
他の作品もゆっくり見させて頂きます✨
こちらこそ、コメントありがとうございます。
楽しんで頂けたのなら何よりです。本当は、模型誌に載っているレビュー作品のような、キットのよさを引き出した王道な作品作りをしたいのですが、そんな腕もなく、企画モノというか、ネタものに走っているだけなんです。それでも、もしよろしかったら、他の作品も見に遊びにいらしてください。よろしくです。
コメント失礼致しますm(_ _”m)
これまた凄まじい作品ですねヾ(*´∀`*)ノ
kazzさんのセンスには毎度のことながら圧巻されます
情報量が多いのにまとまり感がしっかりとしている
どうしたらこんなのおもいつくの?そしてつくれるの?
ほんとすげぇしかいえません^^
ありがとうございます!
いやいやいや、褒めすぎですって。私はいつも、yasaさんの作品を「すげぇ」って思ってますよ。でも、いつも温かなコメントを頂き、本当に嬉しいです!
情報量アップには、今回からRAYのピンバイス、センター付き平型ビットなどを使ってみました。金属パーツやブラ材を埋め込む際も、穴の面取がキレイだと映えますね。ちょっと上手くなったような気分が味わえました。
コメント失礼します。
そう来たかぁぁあああ!まさかそんな方法が!!と唸ってしまいました。
またなんてもの作るんですか…まさかのシャアザクに被せていく形でジオングを表現するなんて…凄すぎます👍👍👍
設定文章も説得力があり、製作秘話はハァハァさせられる(コラっ)なんて反則です。
めちゃくちゃカッコイイです!
ありがとうございます!
いつも元気が出るようなコメント、本当に感謝しています。
設定も楽しんで頂けたなら、とても嬉しいです。今回は特に、まず設定ありきで、それを形にしていくというスタイルでしたから、なおさらです。後は、同じ1/144のネオ・ジオングと並べて飾りたいところですが、どこにも売ってないし、たとえ売っていてもあの価格は手が出せないーっ!
凄いです!
とってもかっこよくて、強化外殻というコンセプトが素晴らしいです!
そして、シャア搭乗機体なら、やっぱり赤いのが一番です!
キラリと光る逸品です!
ありがとうございます!
実は、SDのキットを買ったのも作ったのも初めてで、いろいろと勉強になった作品でした。以前からSDの作品を数多く作っていらっしゃるenarinさんに褒めて頂けるのは、とても光栄なことですね。
はじめまして。コメント失礼します。
素晴らしい出来ですね!めちゃくちゃかっこいいです。感動しました。
見ていて一つ気になった点があるのですが、ザクの足はついているのでしょうか?強化外殻なので当然あるはず、でもサイズ的にあるのかもないのか、もしあるのならどう収納しているのか気になりました。
つまらない質問で申し訳ないのですが気になってしまったもので、もしよろしければ教えて下さい。
ありがとうございます!
ザクの下半身は、立て膝の状態から、腰〔というか股関節〕を反らし、同時に足首を曲げてつま先を伸ばす、という体勢でギリギリのクリアランスで格納されている設定です。実際にそれを製作となると、格納・分離ができるようにスカート部まで大きく展開可動が必要になるので、私の技術では無理でした。1/100スケールなら、両肩とスカートが大きく展開して、ザクが出てくるシーンまで再現できたかなぁ・・と思います。力不足で申し訳ありません。
お返事ありがとうございます。
やはりある設定なのですね!
微妙に見えないので気になっておりましたが、たしかにアーマーを開くとなるとスカートに可動部も作ったり大変そうです。パージされてザクが出てくるのか、出てこれないのかでイメージが変わりますしそこがもやもやしておりました。
力不足なんてそんな・・・あり得るとすればひざを曲げて収納してるのかな、と思っていましたので、その設計が聞けただけで満足です。これで妄想が膨らみます。
設定、実物ともにいいものを見せていただきありがとうございました。
ありがとうございます。
ザクの格納・分離を完全再現する方法は本当になかったのか・・・と考えておりました。今になって、スカートが左右に開いて・・なんてしなくても、外殻の前部装甲が前に倒れるようにしたら、肩の装甲の展開と合わせて、ザクの格納・分離が完全再現できるかも・・・などと考えておりました。いずれにせよ、作ってこそ、手を動かしてこそ、ガンプラモデラー!いつかやってみようと思います。よい視点を頂けたこと、感謝しています。
素晴らしいです(zaku-kao2)
スッと納得できるシナリオでこれが正史だとさえ思えるほどの説得力!
ジオングからネオ・ジオングに移る流れの中に、様々なジオンMAの面影も見えるかのようなデザインも堪らなく素敵です(zaku-kao6)
ありがとうございます!
妄想ストーリーの部分に説得力を感じて頂けたのなら、こんなに嬉しいことはない!です。
今回、ネオジオングのキットに触れて、デザイナーのカトキ氏はαアジール、ノイエ・ジール等ジオンMAとのデザインの繋がりを意識していたんだな、ということを改めて実感しました。その繋がりの中にジオング〔初期プラン〕をなんとか位置づけられたなら、自分としてはとても嬉しいことです。
こりゃ凄い!
中々誰しも思いつかない発想ですが
それを具現化、更に造形、仕上がり素晴らしく、めちゃくちゃかっちょいいです♪
初期プランとありますので続きがあるのでしょうか?
良いもの拝見させて頂きました♪
ありがとうございます!
たくさん褒めていただき、恐縮しています。
続きについては、妄想ストーリー的にはこれで終わりですが、強化外殻ジオング〔初期プラン〕としては、バリエーションや追加オプションがあってもいいなぁと、すでに妄想しています。
めちゃめちゃかっこいい機体😆
ジオングをネオ・ジオング風にしてしまう改造技量、素晴らしい👍
どの角度からも隙のない仕上がり、特に下からのアングルはインパクト大ですね🤩
ありがとうございます!
褒めていただき、恐縮です。下からのアングル、私自身も気に入っていて、度々スカートの中を覗いています。←お巡りさん!この人です!
スカートの中を下から撮影しました(zaku-kao2)
このバーニヤ、強烈〜‼️
凄いもの作りましたね👍️👍️👍️
kazzさんってホント凄い‼️
ありがとうございます!
そもそも、スカートっていう呼び方がよくないですよねー(笑)
今回の作品は、基本的にはSDのネオジオングにザクを入れました、っていうだけのことなんですが、自分でも思った以上にいい塩梅にまとまってくれたなー、と感じています。私が凄いわけじゃないですよ~
手を入れやすいのでHGばかり作っています。ガンプラ以外では、他のロボもの、バイクやミリタリーなどにもちょっと手を出しています。この頃は、欲しいガンプラが近所で購入できないことが悩みです。よろしくお願いします。
1/144 RX-78 Ver.Ka [SENTINEL 0…
1990年、ガンダムセンチネル最終回に登場し強烈なインパク…
ダブルオー世界線のスーパーガンダム
スーパーガンダムを作りたい!と思い立ったものの、キットは入…
ゼクアイン
このゼクアイン、実は何年も前(5年?10年?)の作品で、私…
ガンキャノン(?)
ガンキャノン、完成しましたー!って、ダメでしょうか?ダメで…