『……キミも諦め悪いね』
目の前の崖の上に立つSDのガンダムmk-Ⅱがやれやれと肩をすくめる。
その瞳は、SDであることを最大限に利用しているのか、心底面倒くさい言いたげな様子を示していた。
「うるせぇ、エンブレムを微妙に変えようと俺から逃げられんぜ?」
逃げてないし、とガンダムmk-Ⅱが小さくツッこんでいたが、あえて無視して話を続ける。
「ともかくだ。俺はお前にファイトを申し込む」
無論、断っても問答無用で攻撃を仕掛けるが。
それに対し、へぇ、と瞳を細めるガンダムmk-Ⅱ。
『ちょうど良かった。対人戦のテストもしたかったんだよ』
ビームライフルを構える。
銃口がギラリと光った。
ゴングが鳴ると同時に放たれる閃光。
それは読んでいた、俺はレバーを捻り機体に回避行動を取らせる。
一方は外れ、一方はシールドで防ぐ。
燐光が弾ける。
効果無しと判断したのかガンダムmk−Ⅱは攻め手を変えるようだ。
フロントアーマーを跳ね上げ現れるのは、ミサイルランチャー……黒い尾を引きなながら矢のように打ち出される。
だが!
「ーーその程度……!」
容易く迎撃、広がる爆煙、一瞬と言えど視界が奪われる。
なれば次の手はーー。
閃光。
『あれ?案外やる?』
爆煙に紛れ接近してきたガンダムのビームサーベルの一撃を防ぐと関心と言った感情の声が聞こえてきた。
なるほど、理に適っている。
SDの利点は小回りが利くこと、相手の攻撃の内に入り込めばワンサイドゲームだろう。
問題はその状況に持っていく方法だ。
確かに内に入り込めば有利なのだが、接近が困難だと言われるほどにSDは攻撃のリーチが無い。
それを誤魔化す為に目の前のガンダムは爆煙をカモフラージュに接近したというのだ。
だがその手には乗らない。
所詮はSD、パワーは大したものでもない。
現にジリジリと押し返している。
「何度も同じ手が通じるものかよ!」
『じゃ、次の手』
未だ鍔迫り合いに粘るガンダムのコックピットブロックが跳ね上がり開く。
その奥は淡い光が漏れ出ていた。
ヤバい、とその状況に気がついた時にはもう遅かった。
ガンダムは力を受け流すようにビームサーベルを逸らせ、結果俺の機体はつんのめるようにバランスを崩す。
立て直し再び切り結ぼうとした時にはガンダムは俺に正対し、その胴体の砲身が輝きを増していた。
『天使とダンスしてな』
光の濁流。
気が付けば、目の前にモニターにはYOU LOSEの二文字が表示されていた。
お前は次に、『アンタ、一体どんだけマークトゥーを作ってんだ?』と言う。
冗談はさておき、今回はSDのマークトゥーです。
SD……僕自身SDから入ったSDの民だったのですが、今までずっとSDは素組しかしない勢だったのですよ。
今回、それは脱却したいな、って。
で、形状自体は通常のマークトゥーなのですが、名前としてはmk-Ⅱ新芽[アラタメ]としております。
新芽とははじまりの象徴であり再生の象徴です。
はじめてSDを塗装アリで仕上げた、HGと組み合わせて再生融合的に作ったと言う意味があります。
また、新芽をアラタメと読むことで、改め、つまりは改を意味しています。
更にはアラタメを新た眼と書くことでキットにない瞳を入れましたよ……となんか大喜利めいてきた……。
使用キットとしてはBB戦士227のスーパーガンダムです。
Gジェネが出たぐらいのキットで、その頃特有の出来の良さが際立ったキットです。
ぶっちゃけ最近のSDEXのヤツより(スタイル的な意味で)好み。
まぁ、実際は珠玉混合といった感じで、結構な割合でパッケージを変えた旧キットの再販版がチラホラあった覚え。
このスーパーガンダムは新規造形(と言っても20年選手)で良い感じ。
それをHGと組み合わせて理想の体型のSDにしたのが今回です。
なのでコンセプトは「理想のSD」と言う何の捻りもないシンプルなものです。
まぁ、キット付属のGディフェンサーは色塗って無いし、そもそもバックパック変更の煽りで改造なしでの取り付けができなくなったけど……。
個人的なSDの頭身のこだわり。
SDガンダムとはカッコ良すぎてはならず可愛らしさが無ければならない、と言うのが持論です。
頭身で言うならば2.5頭身ぐらいが一番カッコ良さと愛らしさを両立出来るかと。
あと、SDには瞳が必要なのです。
SDは操縦する乗り物なんかじゃなくて、あくまで意思のあるキャラクターの一種と捉えているためです。
ガンダムmk-Ⅱ・新芽[アラタメ]
見た目こそは通常のSDのガンダムmk-Ⅱであるが、その実、中身をカリカリのチューンを施したものが当機体である。
GBNにおいて、SDとは小回りこそ効くものの火力に乏しく、上位になればなるほどそれ一本では厳しいものとなる。
それを証拠にSDでランキングに名を残すものはほぼいない。
その状況を憂いたとあるビルダーは言う「そんならボクが(練習を兼ねて)作ってやろうじゃんか!」と。
そして完成したのが当機体である。
通常のSDを上回る火力と通常のHGを上回る機動性の両立……相反する要素を詰め込んだ当機体に対し、ビルダーは明後日の方を向いて言う。
「まぁ、逆に言ったらHG以下の火力にSD以下の機動性なんだけどネ」
ダメじゃん!とギルドメンバーから総ツッコミされたのはまた別のお話。
通常武装こそはHGの物を使えるように流用。
格闘戦は可動範囲、リーチ的な意味で不得手かと取られるが、最低限の可動は確保されており、小ささを生かして文字通り懐に潜り込みやすい為、寧ろ得意である部類である。
文字通り蹴りを放つことも容易だ。
腰のフロントアーマーには隠し武器のミサイルポッドを装備。
元祖SDのギミック的なものをイメージ。
射角はほぼ正面に限られるものの見た目よりは使い勝手は良い。
胴体ギミックを活用した隠しメガランチャー「スーパー・ディザイア」通称SD砲。
唯一、並のHG以上の火力を持つ兵装。
但し、チャージ時間、素直にまっすぐ進む軌道、弾速の遅さ、どれをとっても使い勝手は相当悪い。
直訳で超渇望。
つまりは一か八かで当たる事を祈りながら撃つ武器。
制作です。
今回もなんと途中写真アリです(見やすいとは言ってない)。
HGUCとのニコイチであることが一番わかりやすい(?)写真かと。
具体的には、頭、胴体、二の腕、前腕がSD。
あとそれ以外の肩、下半身、手、武器、バックパックがHGUC。
頭部はいい出来なのでアウトラインはいじらずに、前後での分割線を変更したに留めました。
頭部パーツと一体整形されているフェイスパーツですが、なぜか意味もなく分割してます。
言ってしまえば、後ハメ加工&目線変更をやろうとしていた名残です。
胴体も良い感じなので、頭部と同じく。
ただ、HGCEじゃオミットされているコックピット開閉ギミックを利用してジョイントを埋め込んで、元祖SD的な隠し砲身を作りました。
腕は肩はHGUCのパーツを使います。
二の腕以下はSDのものを付けることが出来るようにポリキャップを変更。
更に前腕部にHGUCの手を使えるようにしたかったので、HGUCのフレームを削ってを仕込みました。
あとは左腕にネオジム磁石を仕込んでシールドを磁石でつけることが出来るようにしました。
右のはダミーです。
下半身は、当初足首だけをHGUCから流用しようとしてましたが、もうちょい等身上げたいなと思ってHGUCの腰も使いました。
足だけ変えたら、元キットの腰は案外華奢に見えたってのもあります。
上半身との接続部がちょい短い為軸を長いものに変えたり、接続部に隙間があったのでプラ板で誤魔化したり、干渉箇所をちょくちょく切ったり削ったりして現物合わせでやりました。
バズーカは大きさもあって取り付けることは無いと判断してリアアーマーのバズーカラックは潰して、代わりにネオジム磁石でライフルを取り付けが出来るようにしました。
あと、フロントアーマー裏になんか仕込めそうと思ってしまい、ジョイントを設置してミサイルポットに見立てました。
足首は前述通りHGUC、球のポリキャップで接続したかったので内側を削って30MMのアルトの足首の接続部だけを切り取って取り付けました。
これにより直に付けるよりある程度表情付けが出来るようになったかと。
バックパックはHGUCのものに変更。
理由としては、本キットのものでも形状は良かったのですが、スラスターノズルとビームサーベルが一体整形されてた為。
ビームサーベルを構えさせた時に結構目立ってしまい見栄えが悪く感じたのです。
なのでHGUCのもの。
付け方としては一部を削って胴体側の見えないところに穴を開けてバックパックを引っ掛けているだけ、当初HGUCの物を使うかSDの物を使うかを迷ってた名残。
武器はHGUCのライフルをストックと銃身を数ミリぐらい短くして使用。
あとは適当に磁石を仕込んでいます。
シールドも同じくHGUC。
これも先端を短くして、上下シールドの接続位置を変更して小型化しています。
どっちも適当に短くしたから何ミリ短くなったか不明……。
腕への取り付けは磁石にて固定されます。
写真に写し忘れているけど、腰部隠しミサイルはボールデンアームズのスパイクパーツをいい感じに使用。
胸部のエフェクトパーツはHGのYF-19の物のピンポイントバリアパンチのエフェクトを良い感じに装着できるようにしました。
バックショット。
基本的にディテールアップは下半身を中心に。
くどくならない程度にさりげなく。
カラーリングは黒立ち上げで。
メインの白はマットホワイト。
サブにブルーバイオレット、関節等にミディアムグレイ。
バーニアにはライトガンメタル。
カラーリングのモチーフとしては旧キット1/144のガンダムmk-Ⅱ……それに差し色を付け加えた感じです。
デカールは肩のエンブレム、過去作ガンダムブロンテスとの関連作だから似たものを使用。
同じデザインじゃない理由は……丁度いい大きさの同じデザインのを切らしてしまったから、とか口が裂けても言えない。
あとはアイデカールはキット付属のシールの上から100金で手に入れたドール用のモノを試しで使用、……ちょっと発色悪いと言うか下地がスケスケな感じ。
いや、水分を含ませるとすぐに貼れるようになるのはある意味利点っちゃ利点か?
反省点としては磁石とかのギミックを仕込む際、キット自体の大きさを失念していたこと……、おかげで前腕部にHGのフレームと3ミリの磁石を入れただけで結構ギリギリ……。
あぁ、あと視線変更と言うか表情変更ギミックを入れたかった……。
色塗った後にできそうなアイデアがでてきたけど、後の祭りなのと何より材料が足りない……。
買い出しに行かないと……。
いつか、カタチにしたいところ。
何にせよ、次は何を作ろうか……欲しかったキットが複数一気に手に入った事で積みと仕上げ待ちが……。
まぁ、マイペースに行くしかないです。
それでは長々と閲覧ありがとうございました。
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