「ガンダム……」
思わず呟いた言葉に自分自身驚く。
見上げる先には、幼い頃古いフィルムで見た白い装甲に輝く双眸。
見た目こそは全く違うものの、自分でもおかしな話だが、ガンダムと認識していた。
「これが……俺の……」
汗をギュッと握りしめる。
本当にやれると言うのか?
いや、俺で良いのか?
答えの出ない問いがグルグルしている。
そんな俺の思考を肩への軽い振動が止めた。
打ったのは整備長だった。
「しけた面してんな、お前さんは」
彼の頬の皺が柔らかに深くなった。
リラックスをさせようとしている、そんなこと俺でも分かる。
俺は何かを言おうとしたが、何を言えば良いかわからなかった。
そんな俺をみかねてか、少しだけ険しい表情をした。
「お前さん、まさか自分を追い込んじゃいないか?」
返答が見つからず、答えずにいると彼は小さくため息を吐く。
失望させたのだろうか。
それも当然だ。
艦所属のパイロットは、俺以外は殉職、もしくは負傷中……補充のパイロットもすぐには来ないだろう。
それでも、この発動された作戦だけは、俺ひとりだけだとしても完遂せねばならない。
そんな切羽詰まった状況下、アイデンティティを失ったパイロットなど邪魔でしかない。
「……全く、こんなところまであの人に似らんでも……、いいか、一つ言っておく」
ピシャリと言う雰囲気に呑まれ背筋を正す。
「どのように自らを評価するなんてお前さんの勝手だが、俺たちはちゃんと見ている」
彼が白いMSを見て、こう付け加える。
伊達に何十年とMSの整備をしてるわけじゃない、と。
俺はハッとする。
俺は思い上がっていただけだった。
一人で戦って一人で傷付いて一人で思い悩んで……。
全く、馬鹿みたいだ。
一人で戦ってるわけじゃない。
当たり前の事だが、いつのまにか頭から抜け落ちていたようだ。
「まぁ、俺も偉そうに言えたタチじゃねぇが」
そう言って彼は笑う。
「整備長、俺ーーー」
そう言いかけた時、会話をぶった切るようなサイレンが艦内に鳴り響いた。
敵襲か!?
慌ただしく動き出すMSデッキをよそにオペレーターが機械的に告げる。
『ーーー所属不明MS3機、艦に接近中。10分後に交戦距離。パイロットはMSにて出撃、迎撃せよ』
震えそうな手をぎゅっと握る。
整備長を見ると、彼は真剣な面持ちで頷く。
「ーーあぁ、整備は完璧だ。思いっきりやってこい」
「ありがとうございます!」
俺はコックピットに滑り込むと、続けてコンソールを流れるように叩く。
操作盤に光が灯り、ややあってパネルが外の景色を映し出す。
その中で視界の端にサムズアップで励ます彼の姿を見て、フッと笑う。
そうだ、俺は一人じゃない。
『何を笑っているのですか?』
オペレーターの不思議そうな声が聞こえた。
なんでもない、と返すとその声は少しだけ怪訝そうに、しかしいつも通りな口調で作戦目的と目標を手早く伝えた。
MSを操作し、カタパルトに載せる。
呼吸を深く吐き、吸う。
「F91『ガンダム』出ます」
フットペダルを踏み込むと同時に電磁カタパルトの急加速が機体と俺を襲う。
瞬く間に俺は宇宙の海を駆けていた。
F91です!
前回に引き続き、この辺の時代設定が個人的に熱いのでF91を量産型として自分なりに再定義しながら作りました。
で、今回はメイン画像をデジラマ風にやってみました。
デジラマメーカーとかあるけど、折角生成AIとか写真合成のアプリがあるので、それらを活用しました。
コンセプトは『フューチャーGPX(ガンダムプロジェクトエクストラタイプ)』です。
作る時に何を見てたか分かるって?
気のせいです。
一応、リアルタイムでは見とらんです。
最近、近くのGE○のレンタルで再入荷したらしく、どこかで面白いって聞いたから現在ちょくちょくレンタルして視聴中です。
ペルー第二戦決勝とか、もうベッタベタのベタだったけどめっちゃウルッとしてました。
本来量産型F91のデザインは、従来のF91と全く同じ……。
言ってしまえば、F91を普通に作って言い張れば量産型になるのです。
それじゃ面白くないので、デザインラインを変えずにディテールを簡略化することによって量産型という説得力を持たせてみようとチャレンジです。
あぁ!ヴェスバー動かすの怖すぎる!
あと、ずっと艶消しで作ってきたから、ココらでツヤありでチャレンジしたいなって。
なんか忘れてるって思ったらビームサーベルの柄とビームシールドの基部を塗り忘れてる……。
フレーバーストーリーとしてはある意味いつもの整備員とパイロット。
半分は見てた最近見ているあるアニメの影響を受けてる気がする……。
整備長に「人の目が背中に付いてないのは、前を向いて生きていく使命があるからだ」みたいなEDの一説を言わせようとしましたが、流石に露骨なんでやめました。
オッサンがヒロイン化してる?
気付いていたさ!
気付いた時には路線修正不可能だったんだ…!
今回は写真は少な目。
小さいから(?)ね……!
制作工程です。
今回はパーツ予備となんかいつかオリジナル機にしたいな〜と思ってたのでもう一機素組であります。
基本、向かって左が常に素組にしてます。
基本的に形状は大きく弄らずに、好みの体型に。
フォーミュラーカーがモチーフなので外部装甲には極力モールドを施さないように、いつも以上に気をかけました。
全体に三角形のモールドがありますが、排除してプレーンな感じを目指します。
まぁ、マスキングしたくないってのが主な理由ですが……!
頭部。
お顔がちょっとふっくらしてあまりイケメンじゃないので、いい感じにカッターでマスクを削りました。
この辺はフィーリング過ぎてざっくりとしか言えない……!
そこ、全部フィーリングだろ、とか言わない!
胴体。
大きな改修点は、腕の接続部分の軸を一旦切り取って、1ミリ短縮して再接続しました。
こうする事で胴体と肩の距離が縮まるので引き締まって見えるかと。
あとは開口部を設けたり、ダクト部分であろうところにモールドを彫りました。
……サフした後、やっぱなんか胴体が長い気がしたんで、お腹の蛇腹一段分、多分1ミリ削って小型にしました。
こんなんばっかだぜ……。
腕部。
前述通り、胴体と肩を少し密着させました。
今回は量産型F91という事で、量産型→正式採用型なので肩を左右入れ替えた上で、肩のFと91のモールドを消しました。
文字の主張が強いので。
前腕部を深く刺さるように加工して、二の腕との密着度を高めました。
ついでにフレームも合わせて短くしました。
で、写真を載せた後に気がついたけど肩のスラスターにwaveか何かのバーニアつけました。
腰部。
股関節のパーツを上下逆さに付けて、足の取り付け位置を上げました(短足化)。
そのままではサイドアーマーの基部に干渉するので、一度切り取って上方向へいい感じにずらしました。
股関節にスペーサー噛ませて、浅く刺さるようにしました。
サイドアーマーの三角形のモールドを削りました。
フロントセンターも短く感じたので良い感じのところで叩き切って1ミリ延長しました。
フレームはいい感じに嵩上げ。
フンドシアーマーの三角形のアポジモーターはマスキングしたくない病なので排除。
脚部。
太ももの回転軸の段差がなくなるくらいまで削って短く。
膝アーマーの取り付け角度を変更、良い感じに迫り出した感じに。
足首の甲に1ミリプラ板を貼って大型化。
スリッパの接続穴の周りにコンマ5のプラ板貼って浅く刺さるように。
ヴェスバー、および武器。
特に弄らずにストレートに。
塗装の手間を考えて後ハメくらい。
塗装。
メインにピュアホワイト。
サブにブルーバイオレット。
関節等にはアルミシルバー。
フィン、ダクトにはシルバーリーフ。
スラスターにはガンマカのメッキシルバー。
一応、銀は3種類使ってるけど、自分でも分からない……!
前述通り今回はツヤありで。
結果は、まだまだ経験値足りないな〜って感じです。
写真は合成に使った元写真。
寝かせて周りを切り取ったのでした。
まぁ、背景の色のせいで切り取り面倒だったのですが……!
これも要経験値ですね。
「これでゲームオーバーだ ド外道ーーーーーッ!」
うし、これで満足……!
今回はツヤありでやってみましたが、まだまだ経験値不足……。
しかし、場所によって極端に変えても面白いかも……って思いました。
閲覧ありがとうございました♪
急いで行くからもう心配しないで 貴方を助けに 愛しているよ
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