つぶやき
- 作品・8583
- フォロー・10
【試し読み】陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。第二巻《ユメノトビラ》第七章 -【堕ちた彗星】-【期間限定公開】
お久しぶりです神宮寺Re⑦です。なにも変わることなく気楽にビルドダイバーズ(Re:RISE)二次小説を投げているアカウントです〜
というわけであれからのつづきです。
***
陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。
第二巻《ユメノトビラ》
生まれた意味はいったいなんなんだろう──。
あらすじ
義姉であるアカネが生徒会長になり、エリカは一度彼女との距離が縮まったものの束の間、より一層の寂しさが募るばかりだった。そんな中で模型部の活動に顧問の先生となるミノウ・セナが現れる。セナは模型部部員となったカグヤと対戦することに。ハルナとの交際が進むも上手くいかないカグヤ。そんな中GBNではAIダイバーによる脅威がじわじわと蝕みはじめていた。
これは星を追うものと星に打ちひしがれた者を紡ぐ物語──。
***
前回→
***
第二巻《ユメノトビラ》第七章 -【堕ちた彗星】-
***
週末にショッピングモール〈ロンド・ベル〉でおれは一定以上の金額でもらえる抽選券を一〇枚ぶん集めたことで福引会場へと足を伸ばしていた。
「……こちら補助券一〇枚で一回なのでお客様は五回ですね、ではガラガラを回数分だけまわしてください〜」
店員さんに言われておれは五回分を回すため、福引機のレバーに手をかけてゆっくりと回していく。
一回目の出玉は白、つまりはずれってことになる。
二回目も同じ、参加賞のポケットティッシュがこれで二つ。
……三回目も白だ、まるで当たる気がしないんなコレ。
…………四回目も変わらずじまい。
………………最後の五回目も白で終わった。
「五回とも白でしたのでこちら参加賞になります〜またのご参加をお待ちしております〜」
渡れされた五個の参加賞を受け取ったおれは、福引会場を後にした。
「ぜんぜんついてねぇな……はぁ……」
思わず大きなため息をついてしまったおれは日々の鬱憤を晴らしにGBNへとログインした。
***
「ガンダムエピオングレイシャー!カグヤ!でるぞっ!」
フリーバトルモードにしたまま宇宙を彷徨うカグヤ。
ただ当てもなく、なにがしたいのか自身でもわからないまま。
(なにをどうしろってんだよ……)
自身の道に迷子のカグヤは消化しきれない霧の中にいた。
彼女であるハルナには拒絶されたこともあってか、なおさらのことこの世界が嫌いになりはじめていた。
(……ったく、おれのことなんだと思ってんだよ)
(なぁ?教えてくれよこのおれのなにがいけないって言うんだよ?)
◇◇◇
二人の女性ダイバーがカグヤを視認する。
「あらあら?紳士であろうお方が挙動不審ですよ?どうしますアキナ?」
「まあまあこれはこれは大変ですわね、ちょいとばかしわたくしたちを愉しませてくれるのではありませんかサユリ?」
「……それでは愉しませていただきますの」
「ええ、参りましょう情け容赦のない戦争の真っ只中に──」
◇◇◇
カグヤのガンプラの目前を黄色に光る粒子の筋が過ぎ去っていく。
「……だれだよこんなときにっ!」
おそらくは〈ビームバズーカ〉であろう威力がカグヤに狙いを定めて砲撃が何度も繰り返される。
「──隠れながら撃つなんてどういう神経してんだよ!」
隕石群の中を掻い潜り、並行線に幾度となく砲撃がカグヤを襲う。
痺れを切らしたカグヤは両手に〈ビームソード〉を顕現させ、散らばった隕石群を薙ぎ払うようになりふり構わず振りまわす。
「これで!多少はあんたらの位置がわかるだろうがよ!なぁ!出てこいよ!やってやろうじゃねえか!」
カグヤが挑発するように攻撃してきた主たちに宣戦布告した。
◇◇◇
「……これはこれはなんて滑稽なのでしょう?まるで彼がわたしたちに勝てるとでも言うかのような態度ですわ」
「所詮はその程度のことでしか認識できない哀れで未熟で半端者なのがわかりきってますわ」
「やっちゃいますお姉さま?」
「構いませんわよ妹よ、やってしまいましょう?」
「フォース〈Loser lily〉!アキナ!キュベレイMK-Ⅱ!」
「同じくサユリ!キュベレイMK-Ⅱ!」
「「わたくしたちの戦争をはじめましょう──!」」
◇◇◇
龍の飛行形態に変形させたカグヤは近くにあった要塞へと入っていった。
宇宙要塞〈アンバット〉。
機動戦士ガンダムAGEフリット編の終盤に登場。U.E.ことヴェイガンが小惑星を利用した軍事基地である。
フリットは想い人となったユリンが操る〈ファルシア〉が戦闘中にデシルによって利用されたことで、怒りを爆発させる。フリットを庇ったユリンはデシルに猛攻をかけ撤退させた。
そしてこの場所にいる戦争を仕掛けてきたヴェイガンの仇であるギーラ・ゾイが操縦する大型MA〈デファース〉と会敵、だが彼の言葉によって戸惑いが生まれてしまい結果として「救世主になる」という自身の目的も果たせずに終わる。
通路を抜けると大きく広がった施設内に留まるカグヤ。
出入り口を塞ぐように砲撃と射撃が要塞を破壊する粒子の撃ちつける雨が地響きの鳴るようにカグヤを追い詰める。
「……まさか閉じ込めるためにわざとやってんのか!あいつら!」
◇◇◇
「たかだかこれくらいの誘導にもあっさりとひっかかってしまうなんてAランクというのは飾りなのではないですか?」
「いけませんわよアキナ、それ以上言ってしまったら」
「ごめんなさいサユリ、つい笑ってしまうことでして」
「それは間違いありませんね、ですがまだ笑うには早いことですのよ」
◇◇◇
「……洒落せえんだよ!〈戦美双璧斬刃〉!」
おおよそ機体の六倍近くにまで膨れ上がった〈ビームソード〉を要塞ごと真っ二つにするように粒子の剣を発現させ、両手に力強く持って突破口を切り開くために振り下ろすカグヤ。
SPスキルを使用したことによって大きく要塞内に穴が開く。
その開いた穴から再び飛行形態に移行したカグヤは宇宙へと飛び出していく。
◇◇◇
「強引に突破していきましたのね、少しは見どころがあるんじゃありませんアキナ」
「それはどうなのでしょうサユリ?これからでしてよ本番なのは──!」
隕石群にガンプラを潜ませて虎視眈々と臨戦態勢を整えている二人。
現れたカグヤのエピオンに二人は……
「……おにいさん!愉しませてもらいますのよ!」
「ええ、ええ!やってやりましょうサユリ!」
カグヤのスクリーンの前にダイバーネームは「アキナ」、「サユリ」と表示されている。
ともにダイバーランクはSとなっていた。
両機のキュベレイは黒と白のツートンカラーで彩られている。
AMX-004-2および3、キュベレイMK-Ⅱ。
ネオジオンの首謀者であるハマーンカーンのキュベレイを量産化する目的として製造されたニュータイプ専用機。
なおハマーンの搭乗したものとは違う点として三股のビームサーベルを主に使用している。
クローンであるプルおよびプルツーの能力を査定するために運用され、ジュドーのダブルゼータガンダムと戦いを繰り広げた。
二人とも桃色に近い髪色でサイドテールでアキナが左眼を隠すように髪を下ろしていた。
サユリはそれに反転したように同じ髪型で右眼を髪によって覆い尽くしている。
二人の連携攻撃が開幕し、アキナのキュベレイがリックドムなどが使用している〈ビームバズーカ〉を放ち距離を縮めていく。
たいしてサユリは〈海ヘビ〉をカグヤの左脚に括りつけて電磁攻撃を喰らわしていく。
「……これくらいのっ!攻撃ごと……きっ!」
電磁ショックによる振動がカグヤを襲う。
(……くそったれがっ!)
左脚を犠牲にして退けるように〈ビームソード〉で切り落とすカグヤ。
不安定になってしまったカグヤは粒子の剣を形成させたまま飛行形態へと変形させ、砲撃を行っていたアキナへと猛進する。
「手みあげのひとつくらい!もらいたいもんだな!女ァ!」
瞬時にアキナはバズーカの砲身を投げ捨てる。
浮遊する二艇を剣で二つに切断していくカグヤ。
そのあとアキナは腰部の〈ファンネル〉を機体の周囲に囲ませながら小刻みにビームを撃っていく。
「……サユリお姉さま!」
「わかってますのよアキナ!」
アキナも同様に飛び道具である小型攻撃端末一〇基のそれを一斉にカグヤへと向けて指示を出す。
飛び交う射撃にカグヤは〈ビームソード〉を振り向きざまに接近する端末を薙ぎ払うように右手を使って弾き飛ばしていく。
「なかなかやりますのね!おにいさん!だからって!」
アキナが三股の〈ビームサーベル〉を構えてカグヤへと急接近する。
「その程度の威力で!このおれのエピオンに挑もうなど!片腹いたいなぁ!」
「……だと思いまして!?」
アキナに気を取られていたカグヤは視界から外れたところからサユリによる収束した三股ビームの剣に気づかず……
「わたしたちのことをなにも見えていないとは……!見当違いも甚だしいですね!」
抉り取られるようにカグヤのエピオンの両翼が削ぎ落とされていく。
「……これしきのことで!おれがぁぁぁぁ!」
翼を失ったことでガンプラの制御能力が過度に低下しはじめた。
まして左脚までもない状態のため、機体の姿勢制御のバランスそのものでさえもままならない。
双方から迫り来るアキナとサユリのガンプラ。
カグヤはなす術もなく粒子の剣前後にがエピオンの胴体部を同時に貫かれ、それは間違いなく敗北を示していた。
「──〈BATTE ENDED〉!」
***
GBNで負けたおれはログアウトして、虚しさを晴らせずに施設の電灯の光をぼんやりと見つめ続けている。
「……なにがいけないんだよ教えてくれよ、どうしてなにも応えてくれないんだよ……なにもわからねえよもう」
そんな途方にも暮れるほどなにも解決の糸口を掴めないでいるおれのことを見つけたのか二人がやってくる。
スマホのメッセージには九件近くの通知があったような気がするがこれといって反応できるほどの気力さえも残っていなかった。
(こんなときになんだよ……鬱陶しいんだよ……ひとりにさせてくれよ……)
「どうなさいまして?おにいさん」
「……だいじょうぶ?」
茶髪のサイドテールの二人組に話しかけられた。
……なんだろうか、雰囲気がなんとなく既視感があるようなそうでもないような感じがするけどもうなにもわかんねえや。
「なんですか?」
「わたしたちと一緒にあそばない?」
「新手のナンパかなにかですか?宗教勧誘でもしてます?」
「そうだと思う?」
「これはこれは心外ですね〜ただお兄さんが危ない感じがしてるから心配になってきたっていうのに」
「そう見えるんですか」
「いまにも死にそうな目をしてますよ?おにいさん」
んなことおれにわかるわけねえだろ……こっちはもうなにもかも考えたくないんだよ。
二人はおもむろにおれの両手を掴んでどこかへと連れ出していく。
「ちょっ!ちょっと!なにするんですか!」
「良い場所に連れてってあげるから〜ほらほら〜」
「……たのしみましょう?さあ!はやく!」
「なんなんだよ……いったい……」
おれはそうして大人の女性二人に促され未知の領域に誘われていった。
***
私はカグヤに何度も何度もメッセージを送っていた。
けれど、これといって既読ともならず余計に不安感が募っていた。
「なんで返信してくれないのカグヤ……」
より一層彼のことが気になって仕方ない私。
そんな中、とある人物から通知が入る。
『ハルナお嬢様こちらミハエルです』
『〈ローレル〉で隕石が堕ちたようです、今しがた確認していますが被害規模が計り知れないため急遽お伝えしています』
『もしこれをご覧になられておられましたら中継をご覧ください』
『あなたがいる状況が恵まれていることをご理解いただきたく』
なんなのよこんなときに!
こっちは好きでこの世界に来てるわけじゃないってのに!
……せっかく逃げるチャンスがあったからここにきたのに、いつまでもいつまでも私を縛りつけるのあんたたちは!
準惑星〈ローレル〉で起きている危機的な状況とは別に私はいまこのときを必死に生きているっていうのに……
「なにもかもなくなってしまえこんなの!」
そう言い残して私は繁華街をふらふらと歩いていた。
***
陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。
第二巻第十六章までpixivにて現在更新中です〜
はやめに続きを読みたい方はpixiv先行版の方までご購読くださいませ〜
お久しぶりです神宮寺Re⑦です。なにも変わることなく気楽にビルドダイバーズ(Re:RISE)二次小説を投げているアカウントです〜
というわけであれからのつづきです。
***
陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。
第二巻《ユメノトビラ》
生まれた意味はいったいなんなんだろう──。
あらすじ
義姉であるアカネが生徒会長になり、エリカは一度彼女との距離が縮まったものの束の間、より一層の寂しさが募るばかりだった。そんな中で模型部の活動に顧問の先生となるミノウ・セナが現れる。セナは模型部部員となったカグヤと対戦することに。ハルナとの交際が進むも上手くいかないカグヤ。そんな中GBNではAIダイバーによる脅威がじわじわと蝕みはじめていた。
これは星を追うものと星に打ちひしがれた者を紡ぐ物語──。
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前回→
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第二巻《ユメノトビラ》第七章 -【堕ちた彗星】-
***
週末にショッピングモール〈ロンド・ベル〉でおれは一定以上の金額でもらえる抽選券を一〇枚ぶん集めたことで福引会場へと足を伸ばしていた。
「……こちら補助券一〇枚で一回なのでお客様は五回ですね、ではガラガラを回数分だけまわしてください〜」
店員さんに言われておれは五回分を回すため、福引機のレバーに手をかけてゆっくりと回していく。
一回目の出玉は白、つまりはずれってことになる。
二回目も同じ、参加賞のポケットティッシュがこれで二つ。
……三回目も白だ、まるで当たる気がしないんなコレ。
…………四回目も変わらずじまい。
………………最後の五回目も白で終わった。
「五回とも白でしたのでこちら参加賞になります〜またのご参加をお待ちしております〜」
渡れされた五個の参加賞を受け取ったおれは、福引会場を後にした。
「ぜんぜんついてねぇな……はぁ……」
思わず大きなため息をついてしまったおれは日々の鬱憤を晴らしにGBNへとログインした。
***
「ガンダムエピオングレイシャー!カグヤ!でるぞっ!」
フリーバトルモードにしたまま宇宙を彷徨うカグヤ。
ただ当てもなく、なにがしたいのか自身でもわからないまま。
(なにをどうしろってんだよ……)
自身の道に迷子のカグヤは消化しきれない霧の中にいた。
彼女であるハルナには拒絶されたこともあってか、なおさらのことこの世界が嫌いになりはじめていた。
(……ったく、おれのことなんだと思ってんだよ)
(なぁ?教えてくれよこのおれのなにがいけないって言うんだよ?)
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二人の女性ダイバーがカグヤを視認する。
「あらあら?紳士であろうお方が挙動不審ですよ?どうしますアキナ?」
「まあまあこれはこれは大変ですわね、ちょいとばかしわたくしたちを愉しませてくれるのではありませんかサユリ?」
「……それでは愉しませていただきますの」
「ええ、参りましょう情け容赦のない戦争の真っ只中に──」
◇◇◇
カグヤのガンプラの目前を黄色に光る粒子の筋が過ぎ去っていく。
「……だれだよこんなときにっ!」
おそらくは〈ビームバズーカ〉であろう威力がカグヤに狙いを定めて砲撃が何度も繰り返される。
「──隠れながら撃つなんてどういう神経してんだよ!」
隕石群の中を掻い潜り、並行線に幾度となく砲撃がカグヤを襲う。
痺れを切らしたカグヤは両手に〈ビームソード〉を顕現させ、散らばった隕石群を薙ぎ払うようになりふり構わず振りまわす。
「これで!多少はあんたらの位置がわかるだろうがよ!なぁ!出てこいよ!やってやろうじゃねえか!」
カグヤが挑発するように攻撃してきた主たちに宣戦布告した。
◇◇◇
「……これはこれはなんて滑稽なのでしょう?まるで彼がわたしたちに勝てるとでも言うかのような態度ですわ」
「所詮はその程度のことでしか認識できない哀れで未熟で半端者なのがわかりきってますわ」
「やっちゃいますお姉さま?」
「構いませんわよ妹よ、やってしまいましょう?」
「フォース〈Loser lily〉!アキナ!キュベレイMK-Ⅱ!」
「同じくサユリ!キュベレイMK-Ⅱ!」
「「わたくしたちの戦争をはじめましょう──!」」
◇◇◇
龍の飛行形態に変形させたカグヤは近くにあった要塞へと入っていった。
宇宙要塞〈アンバット〉。
機動戦士ガンダムAGEフリット編の終盤に登場。U.E.ことヴェイガンが小惑星を利用した軍事基地である。
フリットは想い人となったユリンが操る〈ファルシア〉が戦闘中にデシルによって利用されたことで、怒りを爆発させる。フリットを庇ったユリンはデシルに猛攻をかけ撤退させた。
そしてこの場所にいる戦争を仕掛けてきたヴェイガンの仇であるギーラ・ゾイが操縦する大型MA〈デファース〉と会敵、だが彼の言葉によって戸惑いが生まれてしまい結果として「救世主になる」という自身の目的も果たせずに終わる。
通路を抜けると大きく広がった施設内に留まるカグヤ。
出入り口を塞ぐように砲撃と射撃が要塞を破壊する粒子の撃ちつける雨が地響きの鳴るようにカグヤを追い詰める。
「……まさか閉じ込めるためにわざとやってんのか!あいつら!」
◇◇◇
「たかだかこれくらいの誘導にもあっさりとひっかかってしまうなんてAランクというのは飾りなのではないですか?」
「いけませんわよアキナ、それ以上言ってしまったら」
「ごめんなさいサユリ、つい笑ってしまうことでして」
「それは間違いありませんね、ですがまだ笑うには早いことですのよ」
◇◇◇
「……洒落せえんだよ!〈戦美双璧斬刃〉!」
おおよそ機体の六倍近くにまで膨れ上がった〈ビームソード〉を要塞ごと真っ二つにするように粒子の剣を発現させ、両手に力強く持って突破口を切り開くために振り下ろすカグヤ。
SPスキルを使用したことによって大きく要塞内に穴が開く。
その開いた穴から再び飛行形態に移行したカグヤは宇宙へと飛び出していく。
◇◇◇
「強引に突破していきましたのね、少しは見どころがあるんじゃありませんアキナ」
「それはどうなのでしょうサユリ?これからでしてよ本番なのは──!」
隕石群にガンプラを潜ませて虎視眈々と臨戦態勢を整えている二人。
現れたカグヤのエピオンに二人は……
「……おにいさん!愉しませてもらいますのよ!」
「ええ、ええ!やってやりましょうサユリ!」
カグヤのスクリーンの前にダイバーネームは「アキナ」、「サユリ」と表示されている。
ともにダイバーランクはSとなっていた。
両機のキュベレイは黒と白のツートンカラーで彩られている。
AMX-004-2および3、キュベレイMK-Ⅱ。
ネオジオンの首謀者であるハマーンカーンのキュベレイを量産化する目的として製造されたニュータイプ専用機。
なおハマーンの搭乗したものとは違う点として三股のビームサーベルを主に使用している。
クローンであるプルおよびプルツーの能力を査定するために運用され、ジュドーのダブルゼータガンダムと戦いを繰り広げた。
二人とも桃色に近い髪色でサイドテールでアキナが左眼を隠すように髪を下ろしていた。
サユリはそれに反転したように同じ髪型で右眼を髪によって覆い尽くしている。
二人の連携攻撃が開幕し、アキナのキュベレイがリックドムなどが使用している〈ビームバズーカ〉を放ち距離を縮めていく。
たいしてサユリは〈海ヘビ〉をカグヤの左脚に括りつけて電磁攻撃を喰らわしていく。
「……これくらいのっ!攻撃ごと……きっ!」
電磁ショックによる振動がカグヤを襲う。
(……くそったれがっ!)
左脚を犠牲にして退けるように〈ビームソード〉で切り落とすカグヤ。
不安定になってしまったカグヤは粒子の剣を形成させたまま飛行形態へと変形させ、砲撃を行っていたアキナへと猛進する。
「手みあげのひとつくらい!もらいたいもんだな!女ァ!」
瞬時にアキナはバズーカの砲身を投げ捨てる。
浮遊する二艇を剣で二つに切断していくカグヤ。
そのあとアキナは腰部の〈ファンネル〉を機体の周囲に囲ませながら小刻みにビームを撃っていく。
「……サユリお姉さま!」
「わかってますのよアキナ!」
アキナも同様に飛び道具である小型攻撃端末一〇基のそれを一斉にカグヤへと向けて指示を出す。
飛び交う射撃にカグヤは〈ビームソード〉を振り向きざまに接近する端末を薙ぎ払うように右手を使って弾き飛ばしていく。
「なかなかやりますのね!おにいさん!だからって!」
アキナが三股の〈ビームサーベル〉を構えてカグヤへと急接近する。
「その程度の威力で!このおれのエピオンに挑もうなど!片腹いたいなぁ!」
「……だと思いまして!?」
アキナに気を取られていたカグヤは視界から外れたところからサユリによる収束した三股ビームの剣に気づかず……
「わたしたちのことをなにも見えていないとは……!見当違いも甚だしいですね!」
抉り取られるようにカグヤのエピオンの両翼が削ぎ落とされていく。
「……これしきのことで!おれがぁぁぁぁ!」
翼を失ったことでガンプラの制御能力が過度に低下しはじめた。
まして左脚までもない状態のため、機体の姿勢制御のバランスそのものでさえもままならない。
双方から迫り来るアキナとサユリのガンプラ。
カグヤはなす術もなく粒子の剣前後にがエピオンの胴体部を同時に貫かれ、それは間違いなく敗北を示していた。
「──〈BATTE ENDED〉!」
***
GBNで負けたおれはログアウトして、虚しさを晴らせずに施設の電灯の光をぼんやりと見つめ続けている。
「……なにがいけないんだよ教えてくれよ、どうしてなにも応えてくれないんだよ……なにもわからねえよもう」
そんな途方にも暮れるほどなにも解決の糸口を掴めないでいるおれのことを見つけたのか二人がやってくる。
スマホのメッセージには九件近くの通知があったような気がするがこれといって反応できるほどの気力さえも残っていなかった。
(こんなときになんだよ……鬱陶しいんだよ……ひとりにさせてくれよ……)
「どうなさいまして?おにいさん」
「……だいじょうぶ?」
茶髪のサイドテールの二人組に話しかけられた。
……なんだろうか、雰囲気がなんとなく既視感があるようなそうでもないような感じがするけどもうなにもわかんねえや。
「なんですか?」
「わたしたちと一緒にあそばない?」
「新手のナンパかなにかですか?宗教勧誘でもしてます?」
「そうだと思う?」
「これはこれは心外ですね〜ただお兄さんが危ない感じがしてるから心配になってきたっていうのに」
「そう見えるんですか」
「いまにも死にそうな目をしてますよ?おにいさん」
んなことおれにわかるわけねえだろ……こっちはもうなにもかも考えたくないんだよ。
二人はおもむろにおれの両手を掴んでどこかへと連れ出していく。
「ちょっ!ちょっと!なにするんですか!」
「良い場所に連れてってあげるから〜ほらほら〜」
「……たのしみましょう?さあ!はやく!」
「なんなんだよ……いったい……」
おれはそうして大人の女性二人に促され未知の領域に誘われていった。
***
私はカグヤに何度も何度もメッセージを送っていた。
けれど、これといって既読ともならず余計に不安感が募っていた。
「なんで返信してくれないのカグヤ……」
より一層彼のことが気になって仕方ない私。
そんな中、とある人物から通知が入る。
『ハルナお嬢様こちらミハエルです』
『〈ローレル〉で隕石が堕ちたようです、今しがた確認していますが被害規模が計り知れないため急遽お伝えしています』
『もしこれをご覧になられておられましたら中継をご覧ください』
『あなたがいる状況が恵まれていることをご理解いただきたく』
なんなのよこんなときに!
こっちは好きでこの世界に来てるわけじゃないってのに!
……せっかく逃げるチャンスがあったからここにきたのに、いつまでもいつまでも私を縛りつけるのあんたたちは!
準惑星〈ローレル〉で起きている危機的な状況とは別に私はいまこのときを必死に生きているっていうのに……
「なにもかもなくなってしまえこんなの!」
そう言い残して私は繁華街をふらふらと歩いていた。
***
陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。
第二巻第十六章までpixivにて現在更新中です〜
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早朝からスタンバった流星
怖いんだね…在庫が余るのが。だったら受注生産にすればいいんだよっ!!
ってことでRGウイングゼロ(TV)仮組。
所々大きめにされてるのも、迫力と存在感があって個人的には(gandam-hand2)
バックパックが外れないようになってたり、自由に動くウイングバインダー、地味に武器持ち手にロックピン?が付いてたりと細かな気遣いがとても有難い(gundam-kao3)
ただ…肩と腕の接続穴の内側に出っ張りがあったんで軽くデザインナイフで処置。G-3の時も同じような事あったし、ちょっと勘弁して欲しい…(gundam-kao10)
怖いんだね…在庫が余るのが。だったら受注生産にすればいいんだよっ!!
ってことでRGウイングゼロ(TV)仮組。
所々大きめにされてるのも、迫力と存在感があって個人的には(gandam-hand2)
バックパックが外れないようになってたり、自由に動くウイングバインダー、地味に武器持ち手にロックピン?が付いてたりと細かな気遣いがとても有難い(gundam-kao3)
ただ…肩と腕の接続穴の内側に出っ張りがあったんで軽くデザインナイフで処置。G-3の時も同じような事あったし、ちょっと勘弁して欲しい…(gundam-kao10)