正直言って、いけ好かない。
俺は現在の乗機であるハイザックをため息混じりに見上げる。
何が悲しくてかつての敵機に似たMSを操縦しなければならない?
まだ10年も経っていないのだぞ。
「調子は良いみたいですね」
と、若い整備士が無責任に言う。
メカニックがよく動いてくれるからな、と俺は無愛想に答える。
別に、整備士の発言に苛立ったわけではない。
単純に複雑なのだ。
確かに俺は一軍人だ、命令なら従う。
だが、心の奥底まで偽れる程に人間は出来ちゃいない。
単眼の巨人の、獲物を見つけた猛獣のような視線を忘れるには少し時間が短過ぎる。
あの時は良くぞ生き残ったものだと誇らしくも思うと同時に、二度と思い出したくない恐れに支配された記憶の一つだ。
「ーー中尉どの?心あらずの様ですが?」
何でもない、と取り繕う。
まだ男にもなってないような若者に見透かされるとは、俺もまだまだのようだ。
俺は、この整備員の頭をクシャリとシェイクした。
そしてこう言う、お前みたいな若造に言われる程俺はヤワじゃねぇよ。
「中尉……」
正直このように憧れの対象にされるのはガラじゃない。
羨望の眼差しに俺は居た堪れなくなって続けて言う。
「ーーして、軍曹どの。貴方はまだ男になってないご様子で」
「は、はぁ……?」
困惑色。
やはりと言うか何と言うか。
俺は畳み掛けるように続ける。
「貴方の更なる成長に寄与する為に良い店を紹介しても?」
無論、夜の、と付くが。
「中尉どの!?」
先程とは打って変わった声質はけたたましいドックの喧騒にかき消されていった。
今回はハイザックです。
ぶっちゃけて言うと作る前まではハイザックってあんまり好きじゃなかったのですよ。
単純にザクの作成欲が急に出てきて、近くの店に偶然ハイザックがあったからだけです。
パッケージ写真からはあんまり期待はしてなかったのですが、予想に反しコレめっちゃ良いってなったのです。
バックショット。
腰にヒートホークを懸架。
……よう見りゃバックパックのバーニア横の右の整流板(?)が開いている……。
と言う事は、最初の方で写真撮ってそこをイジった覚えはないから全部の写真で開いているな、これは……。
まぁ、気が向いたら写真は差し替えます。
武装については、ビームライフル装備をチョイス。
理由はグリプス戦役=ビーム兵器の独壇場と勝手に解釈している為、実弾兵器であるザクマシンガン改では力不足であろうから。
まぁ実際の所、キット自身にビームサーベルが付いてない→何処から発信器を出しているか個人的に納得いかなかった→ヒートホーク装備→と言う事でビームライフル装備……と言う思考プロセスからです。
にしても可動域が狭い……。
以前、可動域はある程度でいい、とはストライクガンダム を作ったあたりで言ってたけど……、コレは狭い……。
初期のHGUCは派手なポーズが取れない分、立ち姿は堂々としている感じで好きなんだよなぁ。
今回は!
塗装前の写真があるのです。
まぁ、この後トラブルやら何やらでこの写真とも違うんですけどね…。。
プロポーション的にガッチリして良い感じなので特にプロポーションは弄りませんでした。
とりあえず加工箇所は……。
頭部。
当初、パッケージの写真を見るに相当頭でっかちに見えたのでザクⅡの頭を使おうかと思ってました。
が、実際に組んでみたら違和感を覚えるまでも無かった為、そのままキットのを使用。
頭のど真ん中に合わせ目かつモノアイレールははめ殺しの為に後ハメ加工しました。
後ハメについては別途写真参照のこと。
胴体。
基本そのまま。
プラ板でごま塩程度にディテールアップ、胸部カメラのモールドが小さ過ぎに思えた為溝を大きくしました。
あと、腹部を後ハメ出来るようにしたけど、正直、しなくて良かったかも。
で、塗装中にエアダクトがぶっ飛んで紛失→応急的にWAVEのバーニアのアップグレードパーツからエアダクトを作ってでっちあげました。
それプラス、パイプが千切れた為、グフのパイプを加工して使用しました。
腕部。
素材の味。
左肩のスパイクを公式のアップグレードパーツに置き換えました。
右肩は上から見るとポリキャップ丸見えなのでカバーを作成……左はスパイクアーマーがあるから良いや、と無視。
別途写真あり。
腰部。
ほぼそのまま。
股にある元々のスタンド穴が角形状のみに対応している為、ポリキャップ仕込んで3ミリジョイントのスタンドに対応できるように。
あとはヒートホークを懸架出来るようにしました。
脚部。
基本は変わらない。
爪先を開口して奥にスラスターダクトっぽい物を作成しました。
脚部スラスターのモールドが浅い為、いっそのこと開口しました。
バックパック。
基本は同じ。
ただ、ぴょんと飛び出ているパーツがキットのままじゃ、外に開きまくるのでプラ板で少し調整。
まぁ、実際の所、バインダーがポッキリいったので、雑に固定式にしたってのがホントのところ。
写真ではまだやってないけど、バーニアをWAVEのアップグレードパーツで大型化させました。
武器。
マラサイのビームライフルを使用。
グリップを削って無理矢理持たせています。
ヒートホークはザク改のもの。
シールドは本キットの物を加工。
具体的には連邦のマークを削りました。
ぶっちゃけ立体的なマークである必然性が思いつかない…。
あと、シールドの覗き穴(?)と肉抜き穴(?)がある理由が思い付かない為埋めました。
頭部の裏っ側。
分かり難いかもですが、下側を大きく切り欠いてモノアイレールを下から嵌め込むようにしました。
どうせ上を大して向けること出来ないし、何より見えない。
なので大胆に、です。
何?
裏側が影で見えないって?
ごもっとも。
前述通り、右肩の上部からはポリキャップが丸見えなのでプラ板でカバー。
それにより可動域が狭くなるので色々中身のパーツを削ったり調整したけど、効果があったかは疑問視。
L字シールドが付いているからね。
一応、塗装の事を考えて、お腹と胸部を後ハメ出来るようにしたけど、この手間を考えたら胸部の合わせ目を段落ち処理でした方が数百倍楽でした……。
この、サフ前は胴体のインテークはあったんだよ……。
問題はこの後、胴体を筆塗りしようとしてインテークが邪魔だから外そうとしたら吹っ飛んでいったんだよ……。
塗装は黒サフ吹いて、筆塗りではいつものアクリルガッシュ。
カラーリングとしては連邦仕様をイメージしました。
理由としては、緑のカラーリングは相手への心理的効果を狙ったとかあるけど、10年も経ってない以上むしろ連邦の兵士の方から相当緑のカラーは嫌悪感を覚えられているのでは?と言う論理から。
もっとも、HGの方で出ている連邦仕様は個人的なイメージとしてはミスマッチだった為、水色マシマシで。
カラーイメージとしては以前見た当時のパッケージアート(多分)的な?感じ。
色調はいつにも増して、説明が難しい……。
水色は白大量に100金で買ったアクアグリーンとほんの少しの黒。
胴体部他は紺色にほんの少しの黒。
関節部他は白に少しの黒と青……だと思う。
パイプはそれに黄色を混ぜたもの。
後、バーニアとかインテークの内側はセラミック素材をイメージしての白塗装です。
何故、そう言うふうに曖昧なのかと言うと、色調しつつ塗り進めたからです。
最初にパレットに絵の具を各色出してペインティングメディウムで伸ばし少しずつ混ぜながら塗ると言う方法です。
一番顕著にそれが出ているのはパイプ類かと、場所によって違いが出て良いかなーっと言って感じで(実際に見てor写真で分かるとは言ってない)
後は汚しとデカール。
デカールは一年戦争の生き残りのベテランパイロットを燻し銀的にイメージして派手にならないように。
そしてレンズ部分に当たりそうな場所にクリアレジン。
今回それで最も成功したかなと思う点はモノアイのレンズとライフルのスコープレンズですね。
作り方としては3Dメタリックシールにクリアレジンを乗せて固めただけ。
それだけでも良い感じに表面張力で半球状になってくれるし、何よりめっちゃ集光してくれる……、レンズの作り方今度からこれでイイかもしれない……。
パッケージのサンプルが頭でっかちに見えるのは多分シールのせいだと思うのです。
にしてもハイザックの名はハイザクじゃダメだったのか?
名前が違けりゃ英語の綴りも違う、何となくメタ的な意味は朧げに分かるけど、劇中的な意味は何かあるのだろうか?
そんな疑問が浮かんでは消える今日この頃。
ご閲覧ありがとうございました。
今は見えなくとも 道標は浮かぶ
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ハイザックがザクIIをモチーフにしたとするならば、ハイザクと名付けるにしてもハイザクII(ツー)。でもザクをそのまま持ってくるのはジオン感が強くて、それこそ中尉殿のような嫌悪感もある。だからII(ツー)をもじって、『ッ』にした上でアナグラム的に入れ換えた結果『ハイザック』になった、と勝手に考察してみました。
年も明けたし何か新しい事を、と思って登録〜
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