ジークアクス14.0話 感謝の日の奇跡

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ジークアクス・感謝の日の奇跡

地球の「感謝の日」。

マチュとニャアンは、日頃お世話になっている上司のシャリア・ブル——通称ヒゲマン”に何かプレゼントを贈ろうと頭を悩ませていた。

「ニャアン、ヒゲマンへのプレゼント、何がいいと思う? 

あの人、いっつも冷徹な顔してデータばっかり見てるから、好みがさっぱり分からないんだよね」

「うーん、お高めのコーヒー豆とか、新しい電子眼鏡のクリーナーとか? 

そもそもあの人に『趣味』なんてあるの?……」

手がかりを求めて、エグっちゃんことエグザベ・オリベに探りを入れてみることにした。

すると、エグっちゃんは周囲を警戒するように声を潜め、衝撃の事実を告げたのだ。

「……ここだけの話だぞ。あの冷静沈着なヒゲマン、じゃなかった、シャリア・ブル大尉、実は無類の餃子好きらしいんだ」

「「ぎょ、餃子ーーーっ!?」」

二人の絶叫が響いた。あのカタブツなヒゲマンが、肉汁滴る大衆グルメの餃子をハフハフと頬張る姿など、逆立ちしてもイメージできない。

しかし、その瞬間、マチュの目がらんらんと輝き出した。

「餃子……! 餃子だって!? ニャアン、勝ったぞ! ワタシが唯一作れる料理、それが餃子! 天はワタシにヒゲマンを喜ばせろと言っているんだっ!」

ガッツポーズを決めるマチュを見て、ニャアンはサーッと血の気が引いていくのを感じる。

> 【ニャアンの心の声】

> (終わった……。マチュのやつ、自分が料理上手だと思い込んでるけど、あの子の作る餃子は『肉無し・味無し・皮はベタベタ』の度不味い(どまずい)暗黒物質。あれを食べさせたら、感謝どころか減給処分、最悪クビ?……!)

ニャアンの隠密作戦

このままでは上司の胃袋が破壊される。危機感を覚えたニャアンは、裏でこっそり極上の材料を買い込み、ジューシーで完璧な「本物の餃子」を自作した。

そして迎えた感謝の日、作戦決行の時。

マチュが自信満々に焼き上げた「見た目だけはそれっぽい謎の物体(肉無し)」を皿に盛り、ヒゲマンのオフィスへ運ぼうとする。

「マチュ、お茶は私が淹れるから、ちょっとお湯を沸かしてきてほしいんだけど!」

「え!いいよ!任せて」

マチュが席を外した一瞬の隙を突き、ニャアンは素早く自分の作った黄金色の絶品餃子と、マチュの暗黒餃子をすり替える。

「よし、これでヒゲマンの胃袋と私たちの未来は守られた……!」

安堵の胸をなでおろすニャアン。しかし、運命の神様はイタズラ好きだった。

バタバタと戻ってきたマチュが、お盆を引っかけてしまい、ニャアンがせっかくセットした皿をひっくり返しそうになる。

「おっと危なっ!」

「ああっ、危ないっ!」

二人がかりで慌てて皿をキャッチし、なんとかセーフ……と思いきや。

パニックの中で皿の配置がゴチャゴチャになり、結局マチュの「暗黒餃子」がヒゲマンのデスクへと運ばれてしまったことに、ニャアンは気づいていなかった。

 運命の実食

オフィスでは、いつものように冷徹なオーラを纏ったヒゲマン(シャリア・ブル)が書類に目を落としていた。

「……うん?、私への感謝の印、か」

差し出された餃子をじっと見つめるヒゲマン。

ニャアンは心の中で勝ち誇っていた。(さあ、私の作った肉汁溢れる絶品餃子を食べて、早く笑顔になってほしい!)

ヒゲマンが箸を伸ばし、餃子を一口でパクりと口に放り込む。

咀嚼すること数秒。

「おおおおおおおおーーーーーーッ!!!」

突如、ヒゲマンがデスクを叩き、発狂したような大声を上げて立ち上がった。

その目は血走り、トレードマークのヒゲが衝撃でブルブルと震えている。

「ひゃ、ヒゲマンが発狂したー!?」

ニャアンは恐怖のあまり卒倒しそうになった。おかしい、私の餃子でなぜそんな反応に!?

いや、待て。皿の上の餃子をよく見ると、皮の隙間から肉の色が一切見えない。

(……ま、間違えた! あれはマチュの暗黒餃子だ!! 終わった、私たちの生命はここで終わりだーーー!!!)

 結末

絶望し、白目を剥きかけたニャアン。しかし、ヒゲマンの口から飛び出した言葉は、予想を180度覆すものだった。

「これだ……! これだよマチュ!! 私がずっと求めていた餃子は、まさにこれだ!!」

「えっ?」と間抜けな声を出すニャアン。マチュは「だろ?」と鼻高々だ。

ヒゲマンはマチュの元へドカドカと詰め寄ると、その両肩をガシッと掴み、激しく揺さぶった。

「肉の脂に頼らず、素材の限界を削ぎ落としたこのストイックな味気なさ! 噛めば噛むほど虚無が広がる、この『何も引かない、何も足さない』究極のミニマリズム! これぞ、日々の激務で疲れ果てた私の胃袋が、涙を流して求めていた真の癒やし(ディストピア・フード)だ!!」

どうやら、普段からストイックすぎる生活を送るヒゲマンの味覚は、一般人のそれとは完全にかけ離れた異次元に到達していたらしい。

「マチュ! 頼む、この餃子の作り方を私に教えてくれ! 毎食これが食べたい!」

「えー?どうしよっかな!

  なんてね!へへん、いいよ。

でも企業秘密も多いんでね、じっくり教えてあげますわ!ヒ・ゲ・マ・ン!」

「おお、感謝する! ああ、美味い、美味すぎるぅ……!」

ヒゲマンは涙を流しながら、マチュの度不味い餃子を「至高の芸術」として完食してしまった。

オフィスを出る間際、ヒゲマンはまだ見ぬ来年のカレンダーを愛おしそうに見つめ、指折り数え始めた。

「来年の『感謝の日』まで、あと365日か……。待ち遠しいな、マチュの次の新作が……」

その背中を見送りながら、ニャアンはただ一人、複雑な表情で「……世の中、何が当たるか本当に分からない、ゴーフォーブロックだ」と、深くため息をつくのだった。

(おわり)

ジークアクス14.0話 感謝の日の奇跡–8枚目/制作者:革命戦士3so4rukomori
おまけ

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コメント

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  1. komoriさんに、ストーリーテラーのスキルまであるとは‼️

    革命戦士になると、変わるものなんですね👍️

    餃子とヒゲマン…面白く読ませて頂きました😊

  2. unik 1か月前

    ガンプラの嗜好も人それぞれ、時間をかけた自信作より、サクッと作ったもののほうが、いいねされたり…という深いメッセージを受け取りましたm(__)m

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