『Zガンダム』の特異点的MSディジェを作りました。TV放送当時から思い入れのある旧キットを改造しています。“いつか理想のディジェを作る!”と決意して、37年越しの青春決着モデリングです。
旧キットパーツ(肩装甲やスカート、脚足部等)とHGUCグフカスタムの胴体がベースです。3次凹面の肩装甲や膝ダクトからいきなり生えるスネ正面カバー、2段構造のスカート等、ディジェのデザインは本当に独特です。宇宙世紀MSとしての整合性や説得力をもたせるべく、『ガンダム・センチネル』の世界観を念頭におきつつ製作しました。
ディジェといえば背中の巨大な放熱板(?)ですが、“背部メインバーニアの可変偏向プレート兼スタビライザー”と解釈しました。ノズルは独レベルの1/144スーパーホーネットから流用。テールレターは『ガンダム・センチネル』掲載のアムロ・レイ大尉専用Zプラスに倣い、母艦アウドムラを示す「AE」で。
乗っているのはベースジャバーを改造した“何ちゃって”試作型ドダイ改……ディジェにはやっぱり相棒役のドダイ改がいないと盛り上がらない!
「ダカール連邦議会占拠作戦時の機体」を想定。なので、アフリカ西岸側から侵入するという作戦を想定し、塗装を海上迷彩っぽくしてみました。
ビーム薙刀です。片刃です。適当にでっちあげました。ビーム部分のみHGUCキットから流用。
胴体正面に浮かぶジオン系MSのライン。スネから足首周りはカトキ・デザインに寄せるべくギラ・ズールを流用。
その機体性能要求からして、ディジェは高い指揮機能に加え、軽快な空戦能力を持つMSのはずです。
『Z』放映当時は小学6年生でした。アムロがガンダムに乗らない不満なんて全然なくて、むしろ“モノアイのジオン系ワンオフ機に復活したアムロが乗る”という設定に「渋い、渋いぜカラバ……!」と萌えたものです。
独創的すぎて一歩間違えれば機械獣の頭部デザインをどうカッコよくするか。基本形状にSガンダムを使用して、インコムのスペースをレドームに。アゴ周りにメタスを流用したら、“エゥーゴとの技術交換の成果”っぽくないですか? 頭部バルカンの砲身は、1/144戦闘機のミサイルにピンバイスで穴を開けたものを埋めました。
ディジェの旧キット製作は、上半身と下半身をぶった切ることから始まります(暴論)。1986年発売のホビージャパン別冊『ZZ』に掲載された作例「ディジェSR(製作:鎌田勝)」に「うおー!カッコいいい!」と興奮し、真似して胴体パーツを上下分割したプラモ少年が、僕を含めて日本全国に200、いや100人くらいいたんじゃないかと思います(そして未完成のまま押入れの中へ……)。当時は使えなかったポリパテを盛って削って。唯一無二の2段型スカートは、グフカスタムの腰部を使いつつ、旧キットのパーツを合わせました。
脚部は大きく手を入れました。太ももと膝関節をORIGINザクから。スネ前面のデザインは何とも中途半端でイヤ~んな形状なのでズバッと切り落として、ギラ・ズールの足首関節ごと埋め込みます。旧キットのつま先パーツを左右で詰めて、可動ギミックと重りを仕込みました。膝の外側パーツは、1/144 の旧キットV2ガンダムから。
旧キット使用率は意外と高いです。しかし、昔からずっと疑問なんですが、肩関節と脇の間にある球体パーツって、一体何なんですかね……?
『モデルグラフィックス』の歴代別冊では、ダカール制圧は「アムロを隊長とするZプラスの018特別攻撃部隊による」と解説がなされ、ディジェへの言及が全然ありません。
『ガンダム・センチネル』の世界線にディジェは存在しないのか?
否、89年3月号の連載内ファンコーナーでのやり取りにて、あさのまさひこ総合ディレクターが述べています。
「SENTINELで扱おうと思っているディジェのキーは、ズバリ“リック・ディアス”です」
当時は連載にてセンチネル版バーザムが発表され反響を呼んだ直後の時期で、“他のMSもカトキ・リファインで見たい”という機運が日本の極一部で高まった頃でした。この後、センチネル制作陣は“新企画”(※頓挫した「センチネル2」だと思われる)と別冊編集作業に忙殺されたため、“センチネル版ディジェ”は陽の目を見ずに消えたようです。
それでも、ROBOT魂Ka.Sig.じゃなく、当時の尖ったカトキ・アレンジによる幻のディジェを是非とも見たかったし、できるなら作ってみたい。
ディジェ探究の旅、まだまだ続けようと思います。
5周年コンテストにエントリーしました。「いいね」投票よろしくお願いします!
コメント
コメントをして応援しよう
コメントにはログインが必要です
凄まじい作り込みですね!様々なキットからパーツを集めたり、それ等を違和感なく組み合わせて理想の機体を作る・・モデラー憧れの領域ですね~(*´▽`*)
ねじさん、コメントありがとうございます!
流用パーツをどう馴染ませるか、は悩みどころですが、模型作りの楽しみの一つだと思っています。そこを評価いただいて本当に嬉しいです(happy)
リックディアスもそうでしたが、物凄く好みのディティールとプロポーションで思わず「おお~~」と口にしてました。全体の色合いも含めバランスがとても刺さります!
蒼井オニオンさん、コメントありがとうございます。
オニオンさんのフルアーマーMkIIを拝見して、塗装センスに脱帽しました。工作前のイメージ画作成にもすごく共感します!全体のプロポーション・コーディネートが素晴らしいですね!
新旧キットのミキシング技術に脱帽です。長年の拘りが立体化された感が溢れてますね!! 素晴らしい。
Fujiwaraさん、コメントありがとうございます!
工作も塗装もデカール貼りも、自分が好きなメカだけにとても楽しかったです。
こだわりと、それを成せる技術に感銘を受けました✨
UZ00831さん、コメントありがとうございます!
途中で断念した小学生の自分へ、リベンジを果たした気分です(笑)。
どことなく有機的なイメージを醸すディティールなどが、小林誠デザインっぽくていいですね。
74120’5さん、コメントありがとうございます!
原点は『プラモ狂四郎』、聖典は『ガンダム・センチネル』。アラフィフのオッサン・モデラーです。「いつか作りたい」の「いつか」は今だ!
JUGENさんがお薦めする作品
RX-78 GUNDAM “SENTINEL0079”
Dodai-Kai ドダイ改 試作型
HGUCベースジャバーを改造して、ドダイ改(の試作型)を作っ…
鋼鉄の乙女 ストレリチア
『ダーリン・イン・ザ・フランキス』の主役機ストレリチアです。…
強襲巡洋艦 アーガマ
エゥーゴの強襲用宇宙巡洋艦「アーガマ」です。 EXモデルでは…
HGUC リックディアス [改造]
HGUCリックディアスです。 プレバン改良版ではなく旧モデル…