HGUCリックディアスです。
プレバン改良版ではなく旧モデルを使用。胴体や肩の形状見直しや背部バインダーの改造、スネ装甲の断面処理などに手を入れてみました。
グリプス戦役を戦い抜いたリックディアスは、クワトロ・バジーナ大尉を始め、アポリー中尉やエマ・シーン中尉、アムロ・レイ大尉といった多くの名パイロットたちが駆った印象深い機体です。1:144でも存在感が重厚で、作り甲斐がありました。
Twitterも始めたので、そちらの製作途中写真も是非見てください!
【追記】たくさんの閲覧&「いいね!」、本当にありがとうございます! とても励みになります。「SENTINEL0079版ガンダム」等、他の機体もぜひ見てやってください。
改造にあたっては『モデルグラフィックス』2004年9月号掲載の嶋村豊輝氏によるMG作例を参考にしました。ただし、HGUCキットのプロポーションは、MGの理想的ラインと大きな隔たりがあるので、全身のバランスに気をつけています。
延長したバインダーを俯瞰から。背面との接続にはアームを新造。上腕を思い切って細くしたら、一気に“永野メカ”らしさが増したように思います。スネの装甲には確か“一発鋳造成形”という設定があったはずなので、表面にスジ彫りは入れず。
バインダー形状は、設定画の初期稿に見られたラインを意識して幅増しと延長。先端部には機関砲を装備。独特のエアインテークが妙に相性良さそうに見えたので、バインダーの裏面にはレベル社の1:144ラファールが切り刻まれて埋め込まれています。
TV版第1話冒頭のトリモチ発射シーンっぽく。
スソ装甲断面や足首裏の処理がよく見える浮遊ショット。イメージソースはやはり第1話で、漆黒の宇宙空間をグリプスへ潜入するシーンですね。製作時には、背面下部から見上げたハイディテール設定画を念頭に。スジ彫りとプラ板加工、色塗り分けで多重装甲の雰囲気を。
別製作のハンガーデッキにガンダムMk-Ⅱと並べてみました。頭部脇に佇むエマ中尉を置きましたが、こうやって見るとMSってやはり大きいですね。
今回の模型は、1985年の放映当時から頭に焼き付いている2枚のイラストが製作のモチベーションになっています。
一つは永野護による「グリプス侵入シーン」。もう一つは、ムック本に掲載された作者不詳の非公式イラストで、「ストライク・ディアス」と名付けられた強化型のデザイン画。大きめの足やダブルビームピストルの意匠は前者から、肩の円型スラスターや可動域の増したバインダーは後者から取り入れたアイデアです。
頭部バルカン・ファランクスのカバー可動ギミックをパテと真鍮線で再現しました。参考にしたのは『モデグラ』誌連載“レットラ”のディアス回。設定にあるギミックがちゃんと動くと、やっぱり嬉しいですよね。
上半身は、肩関節から股関節まで「ケンプファー」が芯に入っています。ちょうど好みのプロポーションになりそうだったので、元々作りかけだった「ディアス地上用≒ディジェ」の加工済み胸パーツを移植し、ディアスの意匠になるようプラ板やポリパテで工作を加えています。
肩パーツを横方向に幅詰めし、角型ダクトを円型スラスターに。流用したのはMG「コアブースター(Vガンダム)」です。2連ビームピストルは左腕/背面ともにネオジム磁石接続。“ディアスらしさの記号”である手首工作には気を遣いました。
キットのパーツを2個分使用し、前後に1cm延長しつつ爪先をたためるように可動化。大型の足は、当時の“永野メカ”の特徴で、ラインを変えた爪先には重しのナット入り。
目立つスソ内部や装甲断面は見せ場の一つだと思い、0.3mmプラ板やジャンクパーツ、スジ彫りなどで加工。長さは太ももから膝関節で約5㎜、足首の関節部で4㎜延長。
レベル社の1:144「ラファール」の胴体部を分割して、バインダーの延長部分にあてています。1.2mmプラ板をセンターのゲージにポリパテで強引に。何とか形になってくれてよかった×2。(本当は、ネロ・トレーナー用バインダーに似せたものを8割方作っていたんですが、“センチネル色強すぎ!”とボツにしました・・・)先端の機関砲は、ドラゴン社の1:35戦車キットから。
1次サフを吹いてチェックしたところ。組み上げてシルエットを確認したら、本当に“リックドム”そのものです。エゥーゴ内にいる元ジオン公国軍パイロットにとっては、さぞ意気上がるデザインなんでしょうね。・・・といいつつ、大きめのモノアイとバインダーを外した状態のせいか……何となく“ぬえメカ”っぽさもあったりして(笑)。
2021年の春、小学生時代からの宿題をまた一つ、片付けた気分です。
さて、次は百式かマラサイか、それとも変化球で攻めようか。夏までに一つ完成が目標です。
俺、プラモ・シミュレーションかガンプラ・バトルが実現したらこれに乗るよ!
コメント
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めちゃくちゃ好みの造形とプロポーションのリックディアスです!色合いも淡くて素敵!
蒼井オニオンさん、コメント&フォローありがとうございます!
1:144 ディアスのプロポーションは昔から鬼門だったので、試行錯誤の末何とか納得いくものできた感じです。
渋いリックディアスが目に留まってみると、以前ガンダムMk-Ⅱを投稿されたJUGENさんの作品でした。
今更その良さに気付いたのですが、リックディアスは直線的ラインでジオン系重MSをリファインした稀有なデザインですね。
そのバランスが、ともすればウエストがシェイプされたことで崩れかねないのに、基部に追加されたメカニカルな二重装甲の造形により密度と重厚感のあるシルエットに昇華されていて目を惹かれました。
各部に施されたディティールも含め立体的で格好良いです。
ALIENさん、コメントありがとうございます!
腰基部の造形に注目していただいて嬉しいです。お気づきかもしれませんが、MGマスターガンダムの腰基部を流用しました(※HGでは小さすぎる)。カトキハジメによる同様のデザイン処理はサーペントカスタムにも見られ、ご指摘通りの説得力です。永野護ラインとカトキ流アレンジが融合すれば最強なのでは・・・!というノリでやっています^^
腕もさることながら、腰の細さに永野デザインを感じます。
Tulsa_Birbhumさん、コメントありがとうございます!
以前どこかで“初期に描かれた太目の永野メカも実は腰や上腕部、太ももは細い”と読んだことがあって、FSS初登場時のヘルマイネやZZの没メカデザインを思いおこすと確かにそうだなと。
どこもかしこも細くしてしまうと対象のMSのアイデンティティが崩れてしまうので、やはりデッサン力は大事だなと思います。
完成おめでとうございます!
すごくカッコいいですね!
最近ZのMSが個人的に熱いのですが、タイムリーにカッコいいリックディアスを見れて胸アツです!
狂気の赤い彗星さん、コメントありがとうございます!
最近話題になった「アーティファクト」シリーズで新解釈が提示されていましたが、リックディアスのデザインは今でも消化するのが難しいですね。その分楽しんで作れました。僕も『Z』大好きです。
原点は『プラモ狂四郎』、聖典は『ガンダム・センチネル』。アラフィフのオッサン・モデラーです。「いつか作りたい」の「いつか」は今だ!
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