雨が止むまで傘をさして

　消火作業。

　水流はクリアランナーにクリアプラ板をつけたもの。さきっちょは接着剤を表面に塗って爪でこすって水の白い濁りっぽさを出してみました。マスクとバックパックのバーニアは30MMのオプションパーツです。

　羽状のシールドはハイドラガンダムのパーツで、プリズムブルーブラックにさらに端側からプリズムパステルチェリーピンクブルーを少し吹きました。ハンドサインはサーベル一体成型の手のジャンクを削ったものです。

　一般機は普通に両翼装備。元々はファラクトの盾となる随伴機としてつくられた機体というイメージです。今回もポージング用の取手を、今度は他人に掴まれる物として背中に付けてみました。他人をつかむポーズをすると関係性を可視化できる気がします。

　隊長機はスナイパーライフル装備でファラクト不在時に代替する役割を担う。簡易的な消火剤を付けた白い腕と片翼で独自の美学がある装備。くちばし状のビークマスクは僚機間で空間情報を共有するようなモードのイメージです。首が埋まってて顔面をいじりづらいザウォートでも、大きく顔の印象を変えられた気がします。

　差し色部分はミスタカラーのミディアムブルー、フレームなどは成型色とタミヤカラーの舞鶴海軍工廠グレイで、シェードブルーでウォッシングして艶消しコート。メインカラーはディープオーシャンブルーにこちらもウォッシング。さらに雨で濡れてにじんだりムラが出てる感じを出すためにパーツの合わせ目方面などからプリズムブルーブラックをグラデーションっぽく吹きました。プリズムブラック部分はクリアコート、他は半光沢にして光沢感もグラデに。カラスの羽の構造色や雨で濡れて深く黒ずんだ濡羽色っぽさを出すことを目指しました。肉眼ではそこまで効果はわかりませんでしたが、ライティングしたらけっこう化けた印象です。プリズムブラックは濡れ表現とも相性よさそうな感じがしますね。ウェザリングはシルバーでドライブラシを少しと足回りを汚した程度です。

　雨の中の廃墟で少年と出会う隊長機

「こんなところで何をしている？」

「…虹を待ってる」

　ザウォートのカメラアイは表情が出るように、１００均の釣り用ホロシールを少しひしゃげて中に貼りました。

以下この機体が存在したらどういうことが起こるか、創造したシーンをポージングと構図を工夫して画に起こしていこうと思います。

　交戦機会の多い相手のデミとは、機体性能・パイロットの技量・地対空の相性差とあらゆる面でこちらが上。というのを言葉で説明しなくても見て一発で「こちらが格上」と伝わる絵面を目指しました。

「狙撃が得意なの？」

「他の奴らが下手だからやらされてるだけ。ペイルは高機動な良い機体を造るけど、運用がいちいち陰湿なんだよな。ザウォートの機動性は接近戦でこそ真価を発揮すると思ってる。ペイルのガンダムの盾役なんてやってられないね」

「ガンダムってなに？」

バックショット代わりに、デミを追い詰める図

「また降ってきた、傘さして！」

「…傘じゃねぇ！」

　敵がシールドでガードされるのを嫌って裏を取るように深入りしていくと、自然と狙撃が通る位置に誘導されていくようなフォーメーションを得意とするイメージです。が、デミには圧倒的有利なので舐めプもできる。

「もっと右に引っ張って！」

「で、いつになったらその虹とやらは見れるんだ？」

　動力源として再利用されてるデミはチュチュトレーナーをステインブラウンでウォッシングしてエッジなどにウェザリングマスターのススを付けただけのものです。

　狙撃は撃った「後」もかっこいい。一応左腕の破損表現用交換パーツも作りました。同時制作でさらに僚機まで作る気になれなかったので合成になっちゃいましたが、量産機ゆえに複数で運用することを前提とした装備やギミックも立体で表現してみたかったところです。

襲撃を受けて

　今回ガンダム自体は製作してませんが、なにかガンダムっぽいものを作ることを目標に写真の構成を考えて作ってみました。工作にしても写真にしても、アッチがこうならコッチはこうしようとか対称性を意識しながら作れたと思います。同時制作は形で表せないものについても考えたり作ったりできるのが良いところですね。制作過程や写真の構成で考えたことはストーリーに、素立ち写真など載せきれなかった写真はX（旧ツイッター）などに随時載せていこうと思います。