A.E.U.G.───
ティターンズの地球至上主義・スペースノイド弾圧に対抗して結成された反地球連邦組織である。
UC0087年3月、グリプスに威力偵察を行なっていた巡洋艦アーガマとの直接交戦により、遂にティターンズとエゥーゴの間での戦端は開かれた。
それに伴い、これまで試作兵器のテスト運用を選任してきたT3部隊も実戦部隊として再編されることとなる。
これまでジムクゥエルの素体に暫定的に試験装備を装着していたヘイズル2号機も、1号機と同様にヘイズル改と同等の仕様に改修された上でさらに、脚底部補助スラスターユニットや、サブアームユニット、強化型シールドブースター、マルチコネクターポッド、高性能光学センサーユニットなどの最新の追加パーツによって強化された。
この形態になったことにより、これまでの暫定的な2号機と言う呼び名も、アドバンスドヘイズルと改られた。
サブアームユニットは通常時は一見するとフロントアーマーの増加装甲にみえるが、展開して2本の隠し腕を展開可能となっており、実用面での課題は残るものの、後のジ・Oなどに採用された次世代装備の試作型として、ビームライフルの試射やビームサーベルの保持が行われた。
マルチコネクターポッドにより、同時に2枚のシールドブースターを装着可能となり、通常時でも強襲形態と同様の推力を誇る。
強化型シールドブースターは表面に拡散ビーム砲を装備し、ミサイルなどへの能動的防御を取ることが出来る。
精密光学センサーユニットは、ジムスナイパーⅢなどと同等の複合センサーデバイスであり、内蔵するモノアイユニットを露出した際にはガンダムタイプでありながら一つ目となる。
その精度は、テストにおいて通常速度よりも速く射出されたデコイを一瞬で捉えるほどであり、以前ジムスナイパーⅢのパイロットであったカール・マツバラを驚かせている。
その性能でロングブレードライフルと組み合わせたアドバンスドヘイズル狙撃仕様としても運用された。
ブラック・オター小隊はこれまで母艦としていたアレキサンドリア級重巡アスワンを離れ、新たに僚艦として編入されたサラミス改級イズミールに移乗することとなった。
「なんか寂しいね〜、なんだかんだずっと乗ってたアスワンを離れるってのは。」
「仕方ないだろ?エゥーゴが仕掛けてきたんだから。テスト部隊を含めた全戦力で当たって早々に鎮圧出来ればいいけど、、、ジオンの残党をこれまで散々叩いてきたハズなのに、反地球連邦運動ってのは、裏で相当膨れ上がってたみたいだな。」
「イズミールのシュレーダー艦長、士官学校時代のあだ名が“氷柱”らしいぜ?なんか冷たくて、鋭くて、怖そーだよな⁈どんな人なんだろうな〜」
いつものようにエリアルドとカールはたわいもない会話をしながらアスワンのハンガーへと入ってきた。
「ヘイズルは1号機も2号機も改装作業中か?」
ヘンドリック主任の元でずっとヘイズルの面倒を見てきたメカニックのピート・シェルトンが答える。
「イズミールの格納庫はここにくらべりゃ狭いからさ。乗り移る前に塗装なんかはこっちであらかたやって来て来れだとさ。だから今日は機体を拝めなくて残念だったな。」
「いや、今日はMS見に来たんじゃない。世話になったメカニックのみんなに一言礼を言って行こうって話しててさ。本当に今日までありがとう。」
「ここに来てからというもの、毎度毎度新しい機体を用意してくれて、整備班のみんなも本当大変だったと思うぜ。」
「カールは機体を良く壊してたしな〜!笑」
「そりゃ〜しょうがねぇじゃねえか〜!ジオン残党はしつこいし、技研の連中も無理言うし〜!」
「あんたらのしょーもない会話も聞けなくなると思うと寂しいもんだな!笑
まぁ、俺たちは俺たちの仕事を責任を持って当たり前にこなしてただけだ。今日までも。そして明日からもな!“ガンダム”を、あんたらの機体を手掛けられたこと、『誇り』に思うぜ。
あっちに行っても、また絶対に帰ってこいよな。
この船は俺らの家みたいなもんなんだから。」
「あぁ、ありがとう。必ず帰ってくる!ヘイズルと共にな!!」
ピートとエリアルド達は熱い握手と抱擁を交わした。
「明日にはこいつの塗装も終わるからさ、そん時にあんた達、記念写真でも一枚どうだ?
いずれ実戦仕様としてTR-1も再配備される。そうなりゃコイツらも一緒くたにティターンズカラーさ。
その前に、なつかしいカラーリングに一度戻してやろうと思ってね。まぁ、俺たちアスワンのメカニックチームの『誇り』ってやつをイズミールのクルーにも見せつけてやりたいのさ。」
翌日───
「記念撮影なら、コイツもハズすわけにはいかないよなー🐰何たってウチの小隊のマスコットなんだから♪」
「キャーー!カール!何てもの連れて来てるのよ〜〜💦たすけてケイト〜」
「お、落ち着いてください、オードリー先輩!」
「まったく、非番となるとお前たちは途端に緊張感が無くなるな〜。まぁ、その騒がしさが今は癒しだが。」
「ほら、みんないきますよー。はい、チーズ!📸」
その一枚には、ティターンズの旗のもとに集いし彼らの在りし日の姿とその“誇り”の姿が焼き付いていた。
恒例のAOZキットリビルドシリーズ、今回はアドバンスドヘイズルを制作しました。3月に入ってしまいましたが、制作自体はギリギリ2月中に終わらせられました。前回のヘイズル改のバリエキットということで、整形色と強化パーツ以外はほぼほぼ同じということで若干マンネリを感じつつ、カラーリングで一丁挑戦してみようと、初代ヘイズルを思いおこさせるようなツートンカラーとピンストライプの表現にチャレンジしてみました。
ボディ側面のラインは太めのスジボリをいれてマスキング塗装後にフリーハンドでオレンジのラインを描いています。
肩はマスキング塗装後に黄色のラインデカールをさらに細く裂いたものを貼りました。
最初は全てマスキング塗装で塗り分けようかと思いましたが、過去に挑戦された方のブログなんかを拝見したところ、かなりの難関の上に、失敗した時のリカバリーも困難そうだったので、びびって安全策を取りました笑😆
アプローチが違うので黄色の色味は若干違いますが、まぁ見た目はそこまで悪くないので良しとします👍
塗装前の工作といえば.前回と同様の各部ダクト開口ぐらいです。
2回目ともなると、そこそこ手慣れてきました。
アドバンスドヘイズルのノーズアートは、設定どおりリアスカートにも貼りましたが、目立つところにと膝部にももう一枚。
後々、カールが搭乗して狙撃戦でも活躍する機体なので、スナイパーを意識してシールドには3色のスプリッター迷彩を施してみました。
細部は違いますが、これまで塗装してきたヘイズル系のパーツを色々組み替えて、ほぼ初代ヘイズルに近い形態を再現。
設定画によせたポーズで。
雰囲気ですが、だいぶ寄せれたんじゃないかと思います笑
アドバンスドヘイズル狙撃仕様。
ヘイズル系もこれでリビルド4体目となりましたんで、パーツをあちこち組み替え遊びも捗ります☺️
地味なところですが、今回左銃持ち手(たぶんジムクゥエル付属のパーツだった?)も塗装したので、ダブルビームライフルもイケマス🔫😎🔫
今回のストーリーはいよいよグリプス戦役が勃発して、実戦部隊へと再編されてゆくT3部隊の一幕を描いてみました。
漫画版のストーリーしか知らなかった自分は、フォトストーリー版でマーフィー小隊がアスワンからイズミールに移ることを知ってびっくりしたりもしました。
日本の3月といえば別れと旅立ちの季節。アスワンとの別れの前日譚を想像してみました。
ストーリーの最後に載せた写真は、こちらのコミックス最終巻の扉絵に制作したヘイズルを合成したものです。
これから待ち受けているグリプス戦役の激戦とティターンズの最期、戦後の元T3小隊のその後を知ってから見ると、また余計に胸を締め付けられるような、そんな想い出の1枚だと思います。
ありがとうございました✨
グリプス戦役勃発!T3カラーのアドバンスドヘイズル
コメント
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コメント失礼します。
丁寧な工作とカラーリングで、アドバンスドヘイズルのカッコよさが存分に引き出されていると思います。黄色ラインとツートンカラーはモデラー泣かせですが(私も泣きました)、完成すると、やっぱAOZはこれだよなっ!と思わせる魅力がありますね。スプリッターも新鮮ですね。
そして・・作品そのものも素敵ですが、写真や文章含めて投稿全体から伝わってくるAOZに対する熱量をビンビン感じ、胸が熱くなりました!
コメントありがとうございます✨
kazzさんもT3カラー挑戦されたことあるんですね😅自分もマスキング(特に細かなもの)は過去に盛大に失敗した記憶がありましたので、今回は安全牌を取りました笑
漫画版AOZは終盤描写は若干駆け足気味だったのが残念でしたが、自分にとって、エコール、CDAと並んで学生時代に夢中になったガンダム漫画のバイブルでしたので、創作ストーリーにも自然と熱が入りました!受け取って頂いて光栄です(gundam-kao3)
UC.60生まれ
ジオン第四工科大卒
1年戦争時 工兵の不足により工業科学生でありながら学徒動員・徴用され第603技術試験隊においてオリヴァー・マイ技術中尉付きのメカニック見習いとして、様々な機体に携わり無事終戦まで生き残る。これは、彼の肉眼に映った兵器たちの記録である。
主に微改造・全塗装で仕上げている初心者モデラーです。
ガンプラの取説にある機体解説やショートストーリーが好きで、それに寄せた文章を考えてみました。
お目汚しですが、よろしくお願いします。
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