クワイエットゼロ騒乱が終結したことにより、世界は一時的な平穏を取り戻したかに見えたが、世界中に張り巡らされた災いの根が簡単に消え去る事は無い。
小規模ではあるものの、未だにMSを使ったテロや犯罪は度々繰り返され、中にはGUND-ARMが使用される例もあった。
“唯一GUND-ARMに対抗出来うるのは、
やはりGUND-ARMだけ”
「ガンダムなんて もう乗るな」
この自らがかけた言葉と、直面する現実との二律背反に苦悩しながらも、グエルはある決断を下した。
MD-0064G ダリルバルデ ザラマンデルは、ジェタークヘビーマシーナリーが、自社の持ちうる技術の粋を集めて建造したグエル・ジェタークの特別専用機である。
アスティカシア学園襲撃事件の際に、フロント外宙域における首謀者シャディク・ゼネリ一味との戦闘において、ダリルバルデ強化型は辛くも勝利を収めるも、機体は戦闘不能な程に大破してしまった。
そこで、ダリルバルデとシュバルゼッテの予備パーツを用いて“再建造”されたのが本機である。
大破した機体から取り出せたパーツは多くは無かったが、亡き父から最愛の息子への贈り物であったダリルバルデの意志を受け継ぎたいという意向から、ブレードアンテナなどいくつかの部品が元機体より移設されている。
そして最も特筆すべき点として、再建造されたダリルバルデには新たにGUNDフォーマットが組み込まれた事が挙げられる。型式番号の末尾に付与された『G』はグエルの専用機であると共に、本機がGUND-ARMであることも示している。
四肢に加えて、ボディにもシュバルゼッテに採用されたものと同規格のシェルユニットが組み込まれた。
GUND技術の採用により、元々優れた格闘戦性能を有していたダリルバルデのそれを、更なる別次元の高みへと昇華させている。
シュバルゼッテで腕部に内臓されたリボルビングランチャーは、グエルの戦闘スタイルに合わせてビームサーベルユニットに置き換えられている。
また、脚部兵装シャクルクロウと肩部ショートシールドも射出して、ガンビットとしての使用が可能となっている。
特にシャクルクロウはアンカー式から無線端末化されたことにより、自由な機動となり、基部にはビームサーベル発振装置も追加され攻撃力も強化された。
本体の主兵装は、シュバルゼッテが装備していた多目的攻防プラットフォーム・ガーディアンであり、これを倍である二振り装備する。
ガーディアンはシース形態では射撃武器のビームガトリング、打突武器としての他、全方位攻撃・オムニ・アジマス・レーザーの使用が可能。
分離させたドロウ形態で、最大で攻撃用8基、防御用4基の、計12基のビットステイヴとして展開可能となっている。
内部から取り出したビームブレードは、粒子加速器を搭載した近接兵装であり、ビームサーベルなどに比べても圧倒的な斬撃力を誇る。
さらに、分離・変形したガンビットを背部フライトユニットに再装着することでクレスト形態を取る。この状態ではビットへの充電や推進剤補充を行うと共に、機体本体の推進力を最大化することが出来る。GUNDフォーマット起動時には増大した出力に対しての踏ん張りを効かせるため、足部ユニットを180度回転し脚部クローを展開した形態とる。
ザラマンデルとは、中世紀に炎を司る精霊として信じられていた火トカゲのことであり、本機の苛烈なまでの攻撃力を表して名付けられた愛称である。
こうしてダリルバルデは新たに、圧倒攻撃力を誇る“赤いGUND-ARM”として生まれ変わった。だが、高スコアのGUNDフォーマットの使用に伴って発生するデータストーム障害は依然として解決しておらず、単独での起動はパイロットの“死”を意味する。その為、MS開発評議会カテドラルで“地球圏を危機に陥れるほどの事態”と判断される以外は本機能を封印。スレッタ・マーキュリーの所有するキーホルダー『クールさん』が起動の為の認証キーとして設定されている。
グエルはアスティカシア学園卒業後は、在学中より務めていたジェターク社CEOの職に専念するが、新型主力量産機の受注などにより業績を回復させると、数年後に弟のラウダ、ペトラ夫妻に経営を任せ、自身は幼き頃からの夢を叶える為に、監査組織カテドラルの特殊部隊・ドミニコス隊に入隊する。
持ち前のMS操縦センスを武器に、憧れだった隊長にまで登り詰め、長きに渡り地球圏の治安維持任務に尽力した。
やがてクワイエットゼロ騒乱から数えて数十年後───
「今日も担当、鬼教官のグエル学園長か〜💦」
「あの人の授業、超ストイックなんだよねー
キツいわぁ〜」
「なんでウチの学校は、学園長みずからMSに乗って演習やってんだか😅」
「そう言えばさぁ、学園長ってその昔ドミニコス隊の隊長も務めてたって噂マジ?」
「その話ホントー⁉︎ たしかもともとジェターク社の御曹司だよね?あ〜、でもあの鬼コーチぶりなら、それもアリかも」
生徒たちの秘密の通信が傍受されたのか、教官機からは、すかさず檄が飛んでくる。
「コラ!そこー!!
何、通信でコソコソ喋ってる!
マーキュリー学院との姉妹校対抗試合まで、もう時間が無いぞ!
来週にはスレッタ校長も水星から来校される。
無駄話してる時間なんかないぞー!!」
退役後には母校であるアスティカシア高等専門学校の学園長に就任。自ら現場に立ち生徒たちのMS実習の教官を買って出るなど、型破りだが常に学生たちを近くで見守る教育方針を貫く。
良家の生まれにも関わらず、壮絶な半生を歩む事となったグエル・ジェターク。そんな彼ではあったが、彼の唯一の願いが叶えられた事はだけは幸運であったと言えるだろう。
グエルの在任中、学園の生徒たちが大きな事件やテロに巻き込まれることは無く、生涯にわたって、彼が“もしもの時の為”として用意していた強大な力を使った記録は残っていないという。
前作に引き続き、水星の魔女ジェターク社製MSでのミキシングにて制作しました。
イメージは火の精霊・サラマンダーをモチーフに、グエルの専用機、GUND-ARM化したダリルバルデです。人型を維持しつつも、ファンタジーなどに登場するリザードマン的なシルエットにもなっています。
ほぼほぼダリルバルデのカラーリングを踏襲していることもあり、見た目に違和感のないまとまりをしているかと思います。
シュバルゼッテは新品キット一箱に加えて、パーツ取りの為に購入した組み立て中古を使用したので、ガーディアンの2個装備など、豪華な改造となりました。
ガーディアンも同様の赤系で塗ることも考えましたが、後に組むシュバルゼッテ本体にも合わせらる様、最終的には万能カラーのグレイメタリックとしました。
塗装前、サフ後、完成後の姿です。
今回も超簡単ミキシングで、ダリルバルデの下半身にシュバルゼッテの上半身をドッキング・ゴー❗️ダリルバルデの肩アーマー、アンテナで風味付けしています。肩ショートシールド、バックパック、武装はシュバルゼッテと、ほぼ前回の余りのパーツで出来ています。
赤はソリッドで仕上げる案もありましたが、グエルのスポーティな赤のイメージで、マットキャンディとしました。
なので、今回は初めてちゃんと使うかも知れない黒サフでした。
もともと、昨年末に制作したナイチンゲール(一生のうちでそうそう何度も作るキットではない)のつや消しキャンディ塗装の練習台にしようと企んでいたんですが、結果的に順番が前後してしまいましたね。あんなデカブツを塗装した経験があるので、今回は構えることもなく比較的楽な気持ちでキャンディ塗装に臨めました。
今回も各部の開口を中心にディテールアップです。
スジボリなどは今回はしていません。
二刀流‼️
実は中古で買った方のガーディアンにはビーム刃のパーツが付いていなかったので、今回初めて、お湯まるとUVレジンによるパーツ複製をしてみました。
YouTubeなどで簡単に紹介されてますが、自分にはめちゃくちゃ難しかったです😅笑
レジンの量が足りたので、2回ほど作り直しましたが、遠目に見て何とか大丈夫なレベルです。
今回も、切った貼ったをしたのは頭部のみ。
なかなかのイケメンに仕上がってると思います👍
シェルユニットは、毎度お馴染みのイタミテックさん方式ですが、胸部などはオリジナルの模様になっています。虹色の発光パターンで、パーメットスコア∞を表現🌈
後半の戦闘で大破し最終決戦には間に合わなかった本編でのダリルバルデ。
ストーリーは、その後修復・魔改造されたダリルバルデとグエルの半生を描いてみました。グエルが熱血教師として学園に戻ってくるのアツい❗️笑
ドミニコス隊のエースって夢をちゃんと叶えてるのもアツい❗️
ラウダが結婚してペトラとジェターク社経営してるのもアツい❗️
と、機体に負けず熱々な内容を盛っております🔥
ご覧頂きありがとう御座いました✨
“赤いGUND-ARM”
コメント
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簡単ミキシング?トンデモナイ‼️
発想の中で、出来るとしても元々あったのでは?と思わせるバランスの取り方は尋常ではありません🤩💖💖
塗装にしてもキャンディだけではなく、細かい所迄の拘り頭が下がります🥰👍✨🙇
前作に引き続き、いい反応!ありがとうございます❗️
たしかに、ここに至るまでは色々と凝ったミキシングをしようと試行錯誤したけれど、最終的にシンプルな形がイチバンしっくり来たと言いましょうか。
1番苦慮したポイントが全体のバランス調整だったので、改めて「メカデザイナーさんの仕事、そしてそれを立体化する仕事ってスゴイ‼️」と自分でも感心した次第です☺️
かっこいいミキシング👍 ガンダムにはガンダム😁 豊富な武装、ガーディアン2丁装備😆 もうたまらない😆😆😆
熱血漢グエルが皆を守る😆 夢を叶えて素晴らしい👍 漢として魅力的になりましたね😊 また、ラウダも登場😁 ハッピーエンドは読者も嬉しい限りです😉
いつもコメントありがとうございます❗️
2機目のシュバルゼッテを購入する時、若干迷いが有りましたが、贅沢だな〜と思いながらも2丁装備した甲斐はありましたね😅笑
水星ものは、やっぱり最後はハッピーエンドにしたくなっちゃいます🌈
UC.60生まれ
ジオン第四工科大卒
1年戦争時 工兵の不足により工業科学生でありながら学徒動員・徴用され第603技術試験隊においてオリヴァー・マイ技術中尉付きのメカニック見習いとして、様々な機体に携わり無事終戦まで生き残る。これは、彼の肉眼に映った兵器たちの記録である。
主に微改造・全塗装で仕上げている初心者モデラーです。
ガンプラの取説にある機体解説やショートストーリーが好きで、それに寄せた文章を考えてみました。
お目汚しですが、よろしくお願いします。
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