機動戦士ガンダム ウォッチ・ドッグス 第六章「迷える狼」
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ハイ・レゾナンス・ジオン所属のチベ改級重巡洋艦メー・メリッサはエーヴェ宙域に侵入していた。
「全員、揃っているな!」
髪を逆立てたギャリオ・ギャルスレー大尉が怒鳴った。
「ハッ! 隊長!」
「エルンストとか言ったな? 威勢のいいやつは好きだが、それだけのやつは嫌いだな」
「実力の客観視はしているつもりです!」
「それは結構だ!」
ギャリオは一度顔を突き上げてからもう一度正面を向いた。
「いいか⁉︎ ここで連邦の補給艦を沈めるか乗っ取ってみせれば、上の連中は俺たちを犯罪者以上の者として扱ってくださるって言うんだ! お前たちにこうしてまずい飯を食わせつつ、碌に重力のない場所でしか寝かせてもらえん状況を壊せるってんだ!」
「それは素晴らしいことであります!」
「その通りだコハ・ランディ少尉。折角のニュータイプ対応機たるドーベン・ウルフ系モビルスーツを三機もいただいた、我らストレイ・ウルフ隊はここで失敗するわけにはいかんのだ!」
ギャリオは隊を鼓舞することを怠らなかった。それは彼の裕福でなく、犯罪に手を染めた経歴がそうさせたのである。
「ではこれより出撃準備に入る! 総員発進準備! 急げよ!」
隊員たちは自機のコクピットに飛び込み、ハッチを閉じる。
このチベ級グルトップ型は元はといえば一年戦争時のジオンの船であり、そこにモビルスーツ・デッキ増設などの改修を施しただけで、第四世代モビルスーツに分類されるドーベン・ウルフ系モビルスーツの巨体には、そのデッキは酷く窮屈であった。
「ギャリオ・ギャルスレー以下、ストレイ・ウルフ隊、出るぞ!」
指揮官機のドーベン・ウルフは足の”スリッパ”が巨大で、カタパルトに収まらない。なので股間部にエネルギー・ケーブルを接続し、それを切り離すと同時に、その反発力とギリギリまで溜め込んだ推進力を使って発進する。
後の二機は足がハイヒールのような形をしていて、余裕を持ってカタパルトにはめ込むことができた。その二機は指揮官機に続いて発進した。
「フッ、あれかっ!」
ギャリオは連邦軍のアンティータム改級補給艦を発見した。
「いいか! やれるもんなら捕えるんだ! そうすれば高級フレンチが食えるようになるぞ! それに武装も碌にしていない補給艦など、このドーベン・ウルフの敵ではないわ!」
ギャリオは右手にビーム・ライフルを構えさせた。
「止まれやぁ!」
ビームは補給艦のエンジン・ブロックを一つ破壊した。
タントラは救難信号を受け取ると同時に肉眼でルドウィグを察知できるようになっていた。
「あれは…!」
レーゼンビーはルドウィグを襲うビームの閃光と爆炎が見えた。
「こうなれば、モビルスーツ隊、全機発進!」
「忙しいもんですね隊長?」
「そういうものさアディス中尉。しかし君らはラッキーなことだな。機体を失くして」
「皮肉はよしましょうよ、隊長?」
「だなルクレ少尉。ドリス中尉、やれるか?」
「やってみせます!」
「よーし、ハルサメ小隊、発進する!」
カタパルトが火花を散らした。
「クソ、援軍ってのは来ないのかよ!」
ルドウィグの艦長ヴィル・サンパーク少佐が艦長席の肘掛けを叩きつける。
「艦長、あれを!」
「ン……⁉︎」
そこにはグレッドのスターライトとドリスのスタークジェガンが迫っていた。
スターライトはスイングネス・ビーム・ライフルでエルンスト・ローデンバッハ中尉のリーベン・ヴォルフの左腕を吹き飛ばす。
「ビームが⁉︎ どこからだ!」
「ここさぁ!」
グレッドはスターライトのビーム・ブレードをリーベン・ヴォルフに向かって振り下ろす。
「アア!」
エルンストの絶叫が追いつかぬまま、リーベン・ヴォルフは爆散した。
「エルンスト中尉っ! テメェよくも部下をぉ!」
ギャリオはドーベン・ウルフの腕を飛ばす。
「行けよやぁ‼︎」
ドーベン・ウルフの無線アームはスターライトの両手をガッチリと握りしめた。
しかしスターライトは掴まれた腕を射出した。
「……⁉︎」
「自分だけが飛ばせるなんて甘いんだ!」
グレッドはスターライトの脚部を射出する。
「コイツもニュータイプ対応機⁉︎ いや、正式仕様のサイコミュなのか⁉︎」
ギャリオは機体を急上昇させ、なんとか脚部クローを回避した。
「コハ少尉、仕掛けるぞ! 三段構えだ!」
ギャリオとコハ少尉は背中の無線インコム・ユニットを射出し、腕と足を戻したスターライトを覆うように展開した。
併せて四基のインコムがこちらを狙ってくるので、グレッドは下手に動けなかった。
「次ぃ!」
「はいっ!」
今度はビーム・キャノンをインコムの方を警戒したスターライトに発射する。
「なっ…!」
グレッドはレバーを倒し、機体を分離させた。機体が割れたその隙間に二機のビームの閃光が交差した。
「コイツ、可変機だってのか⁉︎」
二人は分離したスターライトの両方に展開したインコムでビームを放つが、高速形態のスターライトには追いつけない。
「クソッ」
「⁉︎ 隊長!」
コハ少尉はギャリオのドーベン・ウルフに迫るスタークジェガンを見つけた。コハ少尉は焦燥し、思わず三段目で使うはずの小型ミサイルとビーム・ガンを発射してしまう。それはスタークジェガンの背中に見事に命中した。
「アアッ!」
ドリスは悲鳴を上げ、AIに提示されたイジェクション・ポッドの作動を実行した。
ポッドが射出されると、後ろでバックパックからの誘爆でスタークジェガンの抜け殻が吹き飛んだ。ポッドはそのまま正面のルドウィグの甲板に激突した。その衝撃でエア・バックが起動したが、ドリスはそれを払い除け、歪んだコクピット・ハッチを手持ちのビーム・サーベルで焼き切り、外に飛び出した。
そのままルドウィグの格納庫へ通じる船内ハッチへ向かい、ひねりを回し、格納庫に入った。
「コハ少尉! 何をやっている!」
「隊長の方にモビルスーツがいたのです!」
「そんなことは後で……」
そこでスターライトがギャリオのドーベン・ウルフにボトム・ファイターを差し向けた。
「ザリガニ如きがぁ!」
ギャリオは引き剥がそうとするが、それがグレッドの狙いであった。
引き剥がされたボトム・ファイターから発せられたクローがコハ少尉のリートゥン・ヴォルフの右腕を掻っ攫って行ったのだ。
「ッ……!」
コハ少尉はその衝撃に声が出なかった。
だがコハ少尉も諦めずもう一方の腕を飛ばし、それがスターライトのトップ・ファイターをホーミングし、ついにはシールド・ブースターを掴んだ。
「墜ちろ!」
コハ少尉はその腕に電流を流す。
「ウッ……!」
グレッドはコクピットのあちこちから伝わる高圧電流をノーマルスーツを通しても尚酷く感じた。
ドリスは格納庫のスタッフに近寄って、
「機体は! 使えるものは!」
すぐにスタッフの一人が奥にあるモビルスーツを指差した。
「ほう…」
「ハハッ! やるなコハ少尉っ!」
そう言ってギャリオは三段目の大小ミサイルを発する。
「これで、墜ちろぉ!」
その時、ミサイルの束を一筋の閃光が射抜いた。
「アアン⁉︎」
ギャリオが振り返ると、そこには赤いカメラを光らせた黒いモビルスーツが大型のライフルを構えていた。
「援軍がいるのか⁉︎ コハ少尉!」
ギャリオは黒いモビルスーツに腕を放った。しかし右の方が撃ち抜かれる。スターライトである。
「コハ少尉! 電流を緩めたのか!」
「え?」
コハ少尉は自分でもその力が抜けたのを自覚できていなかった。
そしてコハ少尉の眼前にはスターライトのビーム・ブレードがあった。それは素早く機体を突き刺し、コハ少尉の身体は白い光の中で消滅した。
「少尉!」
ギャリオはスターライトの方に迫り、"お肌の触れ合い回線"を開いた。
「お前らのようなのがいるから、お前らのようなのがいるから! 俺は!」
「は?」
「俺はエースだった! でもお前らニュータイプって人種の奴に…地位も、名誉も、何もかも! 奪われた!」
ギャリオの声は涙ぐんでいた。
「俺は…ニュータイプじゃない…!」
「ほざけ! そいつは丁度お前のような動きをした! そのせいで俺は軍に居場所を失い、娘と二人で物乞いをしなくっちゃならなくなった! それを娘は耐えかねて、逝っちまったんだよ! だから、だから…!」
ギャリオはスターライトに腹部のメガ粒子砲を押し当てる。
「娘のために死ねぇ!」
メガ粒子砲に光が収束し熱がこもり始めたその刹那、ドーベン・ウルフは頭上からドリスの機体に撃ち抜かれた。機体はスターライトから離れ、爆散した。
「隊長! ご無事で⁉︎」
その時、グレッドはある同僚のことを思い出す。彼には娘がいた。妻とは彼女のドメスティック・バイオレンスが原因で離婚したばかりと聞いていた。彼は自分と同程度の実力があった。
しかしグレッドにニュータイプの素養があるとわかって以降、その同僚は自分の前からパタリと姿を消した。退役したとは聞いたが、彼は一体どこに行ったのだろうか。彼はそう思考した。
「なんとか…無事だ」
グレッドはとことん腑に落ちなかった。
コメント
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ニュータイプとの戦い、ストーリーの続編がとても気になりました。
ありがとうございます!今後もご期待ください!
フォローバック、ありがとうございます😊
続編、楽しみにしています😆
これからも、ガンプラ、ガンスタ楽しみましょう👍
こちらこそありがとうございます!
たくさん作ってあげていきます!
宇宙世紀ガンプラを中心に作ったガンプラやフォトストーリーなどを投稿していきます!
塗装は部分塗装がほとんどかつ雑で下手っぴなのでお手柔らかに…🙇
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