機動戦士ガンダム ウォッチ・ドッグス 第九章「兆し」
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エンドラ改級スサンドラのブリーフィング・ルームには、ヒルデマリー・ペーターゼンとアルム・アルバート、そしてザ・シスターが通信用モニターの前に立っている。薄暗い部屋の中でモニターが青白い光を放つ。
そこに映し出されたのは、黒い仮面を着けた長髪の人物だ。目元の白い穴と、口元の装置以外は何の表情も読み取れない。
「ご機嫌よう、MAUペーターゼン」
「ご無沙汰しております、ローザン・ケリー総帥」
「活躍は聞いているわ。ガンダムに打ち負かされたそうね?」
「お恥ずかしいばかりでございます」
「我々一年戦争経験者から言わせてもらえば、ガンダムと戦って生きているだけで、あなたたちは十分に優秀なパイロットだと感じるわ」
「僭越ですね…」
「そこで、あなたたちには新しい装備を与えます。どれもあなたたちなら使いこなせると信じています。これからの活躍に期待しています」
「はい、総帥」
「それでは」
皆が一斉に敬礼をすると、モニターの光がプツッと消えた。
「未だに総帥の心が読めない」
「あの仮面を突き破るなんてのはできないさ」
「でもそっちの仮面は壊せるよ?」
ヒルデマリーがシスターを指差す。
「あら、こちらは全く読まれていない気でいるけど?」
「まさか」
ヒルデマリーは呆れたように吐き捨てる。
「アルム、モビルスーツ・デッキに行きましょう」
「あぁ」
二人はシスターを置いて廊下に流れていった。
「ボールデン、機体の方は? ニュータイプくんが出られないって聞いたから、苦労してると思ったのだけれど?」
ヒルデマリーはデッキに着くなりそう言う。
「あの子の機体の整備はとっくに済んでる」
「え、でも出られないって…」
「機体自体は軽い補給だけで済んだ。問題はパイロットの方だ。ああいう感じやすいニュータイプ特有の精神障害的なものさ。部屋で震えてるって聞くぜ?」
「彼はどうなるの?」
「ニタ研送りだろうな…再調整されて別の隊に送られるんだろうさ」
「それじゃあ、ペーターゼン隊のお仕事はしばらくお預けなの?」
「いや?」
ボールデンは片方の眉を上げる。
「お前らの機体、用意できたぞ」
「本当か?」
アルムが強く出る。
「さっさと見せな」
ヒルデマリーも少し心を躍らせていた。
「それじゃあ、お見せしよう。まずは隊長さんの方からだ」
ボールデンが白のシートを勢いよく剥がす。
「これ…」
「損傷が酷かった左腕をヤクト・ドーガのパーツに置き換えた。これでファンネルとミサイルが使える。そしてサイコミュ制御を円滑に行えるように、少量のサイコフレームをコクピットの周りに仕込んでおいた。余裕のある設計で助かったよ。腰にもスラスターを追加した」
「ファンネルって、私に使えるかどうか…」
「あんたほどのパイロットならやれる。ニュータイプ適性も十分だと聞く」
「ヒリーならやれるさ」
「アルムまで…」
「ほら、愛しのアルムが言ってるぜ?」
「別れてんのよこっちは!」
「へいへい」
アルムは俯く。
「大尉の方だな」
ボールデンはもう一つのシートを剥がす。
「おいマジか」
「AMX-011S、ザクIII改だ。ロムーレの方の倉庫から出てきたらしい。折角ならってんで、うちが引き取った。本体へのカスタムはOSやら諸々の部品の更新とバイオセンサーの強化以外はほとんどやってない。使ってみてから要望は聞くさ」
「私のときとは違って強制しないんだ」
「上から実験の意味も込めて送られてきた装備なんだ。すまんな」
ボールデンの言い草はどこか飄々としていた。半分は悪ふざけのようなものなのだとわかる。
「それじゃあテストね?」
「頼むぜ隊長さん」
「アルム! それにヒル少尉とリリーも!」
四人はそれぞれの機体に身体を入れた。
四機は発進し、ロムーレIIIの表面に着陸する。
「私とアルム、ヒル少尉とリリーのツーオンツーの模擬戦闘を開始します」
ヒルデマリーは目を閉じる。
「ファンネル…!」
左肩の三機のファンネルが外れ、それぞれが展開し飛び出す。
「少尉、前進して!」
リリーの声がヒル少尉を押し出し、二機のファンネルがそれを追いかける。
ファンネルから練習モードのレーザーが放たれ、照射によってギラ・ズールの四肢を切り飛ばす。
「何だ!」
ヒル少尉は行動不能になる。
「なかなか!」
リリーはその威力に高揚し、スナイパーライフルをヒルデマリーとアルムの方に向ける。だが、そこにザクIIIがいない。
リリーはその威力に高揚し、スナイパーライフルをヒルデマリーとアルムの方に向ける。だが、そこにザクIIIがいない。
「まさか…」
リリーのアルス・ジャジャの前にビーム・サーベルが当てられる。
「こちらの勝ちだな」
アルムが宣言する。
「流石はうちのツートップですよ」
「戦闘終了。帰還する」
四機はテール・ノズルを吹かせる。
「これなら、ガンダムを倒せるかもしれない……」
「俺たちならやれるさ。生き延びてみせよう」
「アルムと、私……」
ヒルデマリーはその響きが懐かしく思えた。また戻ることができたなら……
ヒルデマリーはすぐにブリッジへ向かった。シスターと少しばかりの会話を交わしたかったのだ。それがアルムとの壁を作った彼女の癒しだった。
「おかえりヒリー」
「あれ、使えるかもしれない」
「班長を信用していなくって?」
「それは……」
シスターが体を流していく。
「どうしたの?」
「少し、頭が痛くって……」
「休んだ方が良いよ?」
「いや、そうじゃないの……感じるの、昔のこと……」
「昔?」
「まだわからないけど……」
「そう……」
「ヒリーこそ休んで」
「ええ、もし何かあったら教えてね」
「ありがとう」
ヒルデマリーはシスターに軽くハグをする。二人は落ち着いて離れていった。
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塗装は部分塗装がほとんどかつ雑で下手っぴなのでお手柔らかに…🙇
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