機動戦士ガンダム ウォッチ・ドッグス 第十章「再会、愛しき人よ…」
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「ドリス・マードック中尉、入ります」
扉越しにそんな声が響いた。
「大尉、次の任務でのことについて大尉と艦長と副艦長で話をしたいと、サラ・ホリン中佐から伝言が入りました。なので、このあとブリッジまで来てください」
「あぁ……」
グレッドは少し気怠そうに言う。
「大丈夫ですか?」
「よくあることだ。昔の苦痛を引き摺ってる。それだけのことだ」
「昔のこと?」
「まあ、いいさ。ブリッジへ行くよ」
「はい……」
グレッドは扉を開け、リフト・グリップを掴んだ。
ドリスはグレッドの心が闇に覆われているのを感じ取った。
グレッドがブリッジに入るとすでにモニターにサラ・ホリン中佐がいた。
「遅れてすみません」
「急に呼び出したなら私です。それに予想よりも早かった」
「そんなに信用なされていないのですか?」
「まさか」
「それでは、会議を始めましょうか。ではホリン、そちらから頼めるか?」
レーゼンビーが仕切りを始めた。
「ええ、ではまずうちのモビルスーツ隊隊長を紹介します」
画面の中で男が一歩前に出た。
「エイドリアン・クローヴァル大尉です。よろしくお願いします」
「彼はアナハイム社のテストパイロット出身で、その後低軌道艦隊に配属、それからこの第百二十七独立戦隊に加わっています」
「噂は聞いています。可変機のスペシャリストだとか」
「こちらも聞いていますよグレッド・パトラス。隊長同士仲良くしましょ?」
「もちろんだエイドリアン」
「それでは作戦についてだ」
レーゼンビーが切り出した。
「まずはこれを見て欲しい」
そこで画面にはある映像が映し出された。そこには大きな口のような物を持ったモビルアーマーらしき機体が映っていた。
「これはフォンダ宙域で撮影された物だ。味方の偵察機がこいつにやられた。数年前に確認された"噛みつき"と呼ばれるジオンの可変機に似ている。そこで君たちには、この機体の調査及び鹵獲を頼みたい。最悪の場合は撃墜も許可する」
「無理なことをおっしゃいますね」
グレッドが嫌味で返す。
「信頼しているからだ」
「了解です」
「ヒリー、例の部隊はいつ来るんだ?」
「もうすぐだと思うけれど」
二人がいるブリッジの窓から何かが近づいてくるのが見えた。
「おい、あれ」
「ちょっとやばそうね……」
その何かはブリッジに向かってスピードを上げて接近してくる。
だが、激突する直前に急上昇し、スサンドラの直上を駆け抜けて行った。
「あぁいうの嫌いだ」
「私も」
すると、ブリッジに少しの衝撃が来る。そのすぐ後に接触回線が開かれた。
「失礼、つい興が乗ってしまいましてね」
ヒルデマリーが通信機を手に取る。
「あなたが協力者?」
「ええ。というより協力いただくのはあなた方です、MAUペーターゼンの方」
「そうね、囮になるんですもの」
「それは悪い言い方ってもんですよ。あくまでサポートです」
それは保身のための言い分だ。
「それで、あなたは?」
「申し遅れました、私はデッド・マウス隊隊長のミハエル・トラウトマン大尉であります」
「先日は偵察部隊を潰したそうですね?」
「ええ、我らにかかれば朝飯前というやつです」
ヒルデマリーはトラウトマンの自信過剰な態度に少し腹が立った。
「作戦ですが、我々が偵察部隊を壊滅させた宙域、そこで増援を待ち伏せ、あなた方が迎え撃っている隙に、我々が急襲するのです」
「わかった。やはり、囮ということだな?」
「認めますよ」
トラウトマンは少し声を落とした。
「それじゃあこれで失礼させてもらいますよ」
トラウトマンは機体を変形させ、そのまま去って行った。
「シスター、行けそう?」
「大丈夫! あなたこそどうなの?」
「機体のイロハは掴めた。あとは運ってとこね。あと、今回はリリーとヒル少尉には休暇を与える。私たちは舐められすぎなのよ」
「はいはい。それじゃあ、行きましょうか」
スサンドラは歩みを進めた。
タントラとラインガルは予定通り航行を行なっていた。
「うっ……」
グレッドの脳で稲妻のようなものが走る。モビルスーツ・デッキの通信機を手に取り叫ぶ。
「艦長! ブリッジを戦闘モードに!」
「え?」
向こう側のレーゼンビーはグレッドの焦りに困惑する。
「早く!」
レーゼンビーはすぐさま命令を出し、ブリッジゆっくりと首をすくめていった。
すると、ブリッジがあったまさにその場所、そこには二条のビームが交差している。
「なんだ⁉︎」
「ファンネルか……」
グレッドはまたニュータイプと言う活躍をしてしまった。
「タントラ及びラインガルはモビルスーツ隊を全機発進させろ!」
ビームはそのままラインガルのエンジンを破壊する。
「モビルスーツが出てくるな」
「わかるか?」
「頼むよアルム」
ザクIII改はテール・ノズルを吹き上げ、ラインガルに突進する。ヒルデマリーもそれに続きビーム・ライフルを構えた。
「長射程でも狙いやすいんだってねぇ!」
ヒルデマリーの撃ったビームはラインガルから発進したリゼルを撃ち抜き、爆散させた。
もう一機のリゼルにはアルム機がビームライフルを振り下ろし、その機体を両断した。
「なんだ……こいつら……!」
エイドリアンはビーム・ランチャーを放つがアルムはそれを潜り抜けて接近する。
片方をビーム・サーベルに持ち替え、アルム機の斬撃を防ぐ。
「そんなこけおどしで!」
エイドリアンは敵機のその声に懐かしさを覚える。
「アルム……アルムなのか?」
アルムも相手の声に気がついた。
「まさか……エイド……」
「アルム……何故!」
そう言うエイドリアンの背後にはヒルデマリー機がヒート・ソードを振りかざしていた。
「エイドリアン!」
グレッドが叫び、そこにスターライトが割って入る。
「ガンダムか……」
ヒルデマリーは斬りかかるが、そこに二機のジェガンが接近する。
「ドリス! アディスも!」
「隊長は母艦の方を! 向こうに見えるんです!」
「あぁ!」
スターライトは変形してスサンドラに向かった。
エイドリアンの方にも、ルクレ少尉のジェガンがザクIII改に蹴りを入れる。
「よくやる!」
スターライトがブリッジに接近し、ビーム・ブレードを振り上げたその時、中にいる人物に気がつく。
「⁉︎」
それは直感であった。もちろんその人物の顔もわからない。だが、そのオーラには見覚えがあった。
「ラート……」
ブリッジの中の人物、ザ・シスターも気がつく。
「グレッド・パトラス……」
グレッドは放心した。敵の船に、確実にかつての同胞がいた。一途に愛したその人が……
だが、その沈黙を打ち破るようにスターライトに大きな衝撃が走る。
「くっ……!」
それは先ほど見た噛みつきだ。
「くたばれガンダム!」
同じようにしてドリスとアディス、エイドリアンとルクレ少尉の方にも噛みつきが襲った。
「なんだこいつらは!」
「なんでしょうねぇ!」
追いかけてきた青い機体のパイロットが叫んだ。
残っていたリゼルが狙撃するが、外れる。そのままリゼルは噛みつきに押しつぶされる。
「やらせない!」
「アディスよせ!」
アディス機はビーム・ダガーで斬りかかるが、噛みつきは変形してそれを回避した。
「可変機が!」
噛みつきは腰のクローでアディス機に斬撃を与えた。それはコクピットまで貫通し、パイロットに直接のダメージを与えた。破片が飛び散り、アディスは気を失った。
「アディス!」
グレッドは変形して噛みつきを追い払おうとする。
「あれは、アディスか……」
グレッドアディス機がやられたことに気がついた。
「全機撤退! 撤退!」
それぞれが噛みつきを一瞬かわした隙に、その場を離れた。エイドリアンはそこにビーム・ランチャーを発射し、撹乱させた。
「あれは……ラート…なのか……」
グレッドはブリッジで見た人物を忘れられなかった。
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塗装は部分塗装がほとんどかつ雑で下手っぴなのでお手柔らかに…🙇
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