機動戦士ガンダム ウォッチ・ドッグス 第十四章「メルトの夜明け」

  • 65
  • 0

 突然、機関砲の掃射がウミヘビのワイヤーを引き裂いた。

「……なっ⁉︎」

 それはテンペスタ型軽戦車だ。

「誰が?」

「私よ!」

「え?」

 アディスはその声に聞き覚えがあった。

「ホープさん……?」「二軍が使うはずだったものよ! 援護するから!」「でも!」「パパが死んじゃったんだから!」「小娘がぁ‼︎」 ロコがウミヘビのグリップをホープの方に投げ捨てる。「アァッ‼︎」「ホープさん‼︎」 軽戦車は横転する。「これで……」「そうはさせない!」

「ホープさん……?」

「二軍が使うはずだったものよ! 援護するから!」

「でも!」

「パパが死んじゃったんだから!」

「小娘がぁ‼︎」

 ロコがウミヘビのグリップをホープの方に投げ捨てる。

「アァッ‼︎」

「ホープさん‼︎」

 軽戦車は横転する。

「これで……」

「そうはさせない!」

 アディスはガブール・BLのビーム砲を抑えるように取り付いた。「これで撃てまい!」「甘いなぁ‼︎」 ロコはガブール・BLにビーム・ライフルを構えさせる。「まさか⁉︎」「くたばれ!」「よせぇ‼︎」

 アディスはガブール・BLのビーム砲を抑えるように取り付いた。

「これで撃てまい!」

「甘いなぁ‼︎」

 ロコはガブール・BLにビーム・ライフルを構えさせる。

「まさか⁉︎」

「くたばれ!」

「よせぇ‼︎」

 そのビームは軽戦車を貫き、内部を一瞬にして蒸発させた。「ア…ディス……」 軽戦車はそのまま爆発した。「ホープ……さん……? 死んじまったのか……? 本当に死んじまったのか⁉︎」 アディスは操縦桿を握る力が一気に緩くなる。「おセンチ野郎が!」

 そのビームは軽戦車を貫き、内部を一瞬にして蒸発させた。

「ア…ディス……」

 軽戦車はそのまま爆発した。

「ホープ……さん……? 死んじまったのか……? 本当に死んじまったのか⁉︎」

 アディスは操縦桿を握る力が一気に緩くなる。

「おセンチ野郎が!」

 ジェガンが蹴り飛ばされ、地表に落下するその瞬間も、アディスの心身は凍りついて動かなかった。全周囲モニターの嘘だと手を当ててみるが、やはりそれが確からしい。「なんだよ……なんだよ……なんだよ……‼︎」

 ジェガンが蹴り飛ばされ、地表に落下するその瞬間も、アディスの心身は凍りついて動かなかった。全周囲モニターの嘘だと手を当ててみるが、やはりそれが確からしい。

「なんだよ……なんだよ……なんだよ……‼︎」

 アディスはもう一度身体に力を入れ、頭を突き上げた。ジェガンのテール・ノズルは吹き上がる。「ほう! 歯向かうか! 連邦の小僧が!」 ガブール・BLはビーム・ライフルを投げ捨て、ヒート・ダガーを装備した。互いに拳を振るうかの如くダガーをぶつけ合い、一秒間に何度も火花が散る。「なかなかの腕だ‼︎ だがこのガブール・ベルグソンには勝てんよ‼︎」「舐めた口を聞く‼︎」「それは貴様だァ‼︎」

 アディスはもう一度身体に力を入れ、頭を突き上げた。ジェガンのテール・ノズルは吹き上がる。

「ほう! 歯向かうか! 連邦の小僧が!」

 ガブール・BLはビーム・ライフルを投げ捨て、ヒート・ダガーを装備した。互いに拳を振るうかの如くダガーをぶつけ合い、一秒間に何度も火花が散る。

「なかなかの腕だ‼︎ だがこのガブール・ベルグソンには勝てんよ‼︎」

「舐めた口を聞く‼︎」

「それは貴様だァ‼︎」

 アディスはダガーを大きく振り上げる。だがロコはその隙を逃さなかった。「もらったァ‼︎」 ロコはジェガンの左の前腕を切り落とす。「思い上がれぇ‼︎」

 アディスはダガーを大きく振り上げる。だがロコはその隙を逃さなかった。

「もらったァ‼︎」

 ロコはジェガンの左の前腕を切り落とす。

「思い上がれぇ‼︎」

 アディスは腰に懸架したビーム・ガンを前方に向け、ガブール・BLの放熱版を吹き飛ばした。「なに⁉︎」「そのままァ‼︎」

 アディスは腰に懸架したビーム・ガンを前方に向け、ガブール・BLの放熱版を吹き飛ばした。

「なに⁉︎」

「そのままァ‼︎」

 アディスはバランスを崩したガブール・BLの胴体にさらにビームを撃ち込む。「馬鹿な……⁉︎ このロコ・プロコがやられるというのか⁉︎」 ロコは振り返る。ゼダ・マンディラに最も慕われていた四人のうち、彼以外の三人が先に逝った罪悪感と悔しさ。それが彼の弱みであった。 ガブール・ベルグソンは上下に割れ、地表に落下する。

 アディスはバランスを崩したガブール・BLの胴体にさらにビームを撃ち込む。

「馬鹿な……⁉︎ このロコ・プロコがやられるというのか⁉︎」

 ロコは振り返る。ゼダ・マンディラに最も慕われていた四人のうち、彼以外の三人が先に逝った罪悪感と悔しさ。それが彼の弱みであった。

 ガブール・ベルグソンは上下に割れ、地表に落下する。

「隊長! 後ろ!」 ドリスの声にグレッドが振り返る。ティグリスIIIスペチアレが背後を取っていたのだ。「死ねよやァァァッ‼︎」

「隊長! 後ろ!」

 ドリスの声にグレッドが振り返る。ティグリスIIIスペチアレが背後を取っていたのだ。

「死ねよやァァァッ‼︎」

「スプレッド・ビーム!」 シールドのスプレッド・ビームがスペチアレの動きを止める。「小賢しい!」 だがスターライトは分離し、スペチアレの僚機を目指す。「しまった⁉︎」

「スプレッド・ビーム!」
 シールドのスプレッド・ビームがスペチアレの動きを止める。
「小賢しい!」
 だがスターライトは分離し、スペチアレの僚機を目指す。
「しまった⁉︎」

 スターライトが再合体すると、スイングネス・ビーム・ライフルとビーム・キャノンで二機のティグリスを撃つ。「エギー! ベル! 避けろ!」 二人のパイロットは、気がつくと消し炭になっていた。

 スターライトが再合体すると、スイングネス・ビーム・ライフルとビーム・キャノンで二機のティグリスを撃つ。

「エギー! ベル! 避けろ!」

 二人のパイロットは、気がつくと消し炭になっていた。

「貴様ァ‼︎」 スペチアレが接近し、ビーム・サーベルがスターライトに向けられるが、それは受け止められる。弾かれたサーベルは天を仰ぎ、その隙にスターライトのビーム・ブレードがスペチアレの右足を切断する。「クソっ! 撤退だ! これでは勝てん!」 トラウトマンは残りの部下に命じ、変形して去っていく。

「貴様ァ‼︎」

 スペチアレが接近し、ビーム・サーベルがスターライトに向けられるが、それは受け止められる。弾かれたサーベルは天を仰ぎ、その隙にスターライトのビーム・ブレードがスペチアレの右足を切断する。

「クソっ! 撤退だ! これでは勝てん!」

 トラウトマンは残りの部下に命じ、変形して去っていく。

 アディスは機体をガブール・BLのそばに着陸させ、コクピットを確認する。だがハッチが開放されていた。「まさか⁉︎」 左を向くと、左腕押さえて走るロコ・プロコの姿があった。「待て!」 しかしロコはすぐさまマンホールを開き、下水道に身を投じた。

 アディスは機体をガブール・BLのそばに着陸させ、コクピットを確認する。だがハッチが開放されていた。

「まさか⁉︎」

 左を向くと、左腕押さえて走るロコ・プロコの姿があった。

「待て!」

 しかしロコはすぐさまマンホールを開き、下水道に身を投じた。

「必ず報いは受けてもらう……!」 アディスは地表に一発ビーム・ガンを発射した 「ロコ・プロコ殿!」 下水道には秘書のヴァレンタインが待ち構えていた。「ヴァル……」 ヴァレンタインはロコの左腕を見る。「なんということだ……」 ロコは左腕の肘から下を失っていた。血が垂れていたが、湿っぽい下水道ではそれはすぐに見えなくなるのだ。「ランチでもプチモビでもなんだっていい……さっさとここから……」 下水道から繋がる港の入り口が見えた時、そこに赤いモビルスーツが入ってくる。「おい、冗談だろ……」

「必ず報いは受けてもらう……!」
 アディスは地表に一発ビーム・ガンを発射した

 

「ロコ・プロコ殿!」

 下水道には秘書のヴァレンタインが待ち構えていた。

「ヴァル……」

 ヴァレンタインはロコの左腕を見る。

「なんということだ……」

 ロコは左腕の肘から下を失っていた。血が垂れていたが、湿っぽい下水道ではそれはすぐに見えなくなるのだ。

「ランチでもプチモビでもなんだっていい……さっさとここから……」

 下水道から繋がる港の入り口が見えた時、そこに赤いモビルスーツが入ってくる。

「おい、冗談だろ……」

 モビルスーツはロコの目の前に着陸し、モノアイが彼の方を向く。ロコはヴァレンタインを制止する。「申し訳ありません総帥殿……連邦を誘い込んだのですが、撃破には至りませんでした……」「それだけではないでしょう?」 ノイズが多く低い声が問いかける。「はい……このメルトも乗っ取られました……」 赤いモビルスーツは少し沈黙し、「誰が独裁を許可して?」「……はい…?」「誰が反乱を起こさせるまで抑圧しろと言ったのかと聞いている」「それは……より効率的な生産を行うためであります……」「そう……反乱が起きれば生産どころではなくなると、考えもしなかったようね」「私の判断ミスでした! 申し訳ございません!」「私は貴様のようなのが嫌いだ。この面汚しめ」 赤いモビルスーツは右のマニピュレーターをロコの方に差し出す。「お許しください! 閣下!」「そのような声は聞いていない」 赤いモビルスーツがロコを握りしめる。「閣下! ローザン・ケリー閣下‼︎」 ロコは港の壁に投げつけられ、全身がぐちゃぐちゃに潰れた。「あぁ……」 唖然とするヴァレンタインに赤いモビルスーツのスリッパが迫る。「ヒィッ…!」 ヴァレンタインはそのまま踏みつけられた。 赤いモビルスーツのパイロット、ローザン・ケリーはヘルメットを外し、長い栗毛色の髪を靡かせる。「もう、やめておくれよ……」

 モビルスーツはロコの目の前に着陸し、モノアイが彼の方を向く。ロコはヴァレンタインを制止する。

「申し訳ありません総帥殿……連邦を誘い込んだのですが、撃破には至りませんでした……」

「それだけではないでしょう?」

 ノイズが多く低い声が問いかける。

「はい……このメルトも乗っ取られました……」

 赤いモビルスーツは少し沈黙し、

「誰が独裁を許可して?」

「……はい…?」

「誰が反乱を起こさせるまで抑圧しろと言ったのかと聞いている」

「それは……より効率的な生産を行うためであります……」

「そう……反乱が起きれば生産どころではなくなると、考えもしなかったようね」

「私の判断ミスでした! 申し訳ございません!」

「私は貴様のようなのが嫌いだ。この面汚しめ」

 赤いモビルスーツは右のマニピュレーターをロコの方に差し出す。

「お許しください! 閣下!」

「そのような声は聞いていない」

 赤いモビルスーツがロコを握りしめる。

「閣下! ローザン・ケリー閣下‼︎」

 ロコは港の壁に投げつけられ、全身がぐちゃぐちゃに潰れた。

「あぁ……」

 唖然とするヴァレンタインに赤いモビルスーツのスリッパが迫る。

「ヒィッ…!」

 ヴァレンタインはそのまま踏みつけられた。

 赤いモビルスーツのパイロット、ローザン・ケリーはヘルメットを外し、長い栗毛色の髪を靡かせる。

「もう、やめておくれよ……」

 メルトの居住ブロックには、レジスタンスとタントラクルーが集まっていた。「あなた方のおかげで我々は解放された。本当に感謝している」 レジスタンスのレオーナ・ライトが頭を下げる。「しかし、スタインフェルドさんたちの尊い犠牲があるのも事実だ」 ソル・バブラーがレオーナの横から言った。「お守りできず、申し訳ありません」 アディスが涙ぐんだ声で言う。「みんな覚悟の上だったさ。気にするんじゃない」 レオーナがアディスの方に手を乗せて言った。「感謝の品と言っては難だが、うちで作ってた装備を提供する。好きなだけ持って行ってくれ」「ありがとう。助かるよ」 ヤン・ホンマがニヤリと笑った。「それと、船の修理も済んでいる。安心して帰ってくれよ」「本当に世話になった」「お互い様だ」 レーゼンビーとレオーナが笑う。「それでは失礼させてもらうよ」「おう! またな!」 タントラクルーはそのままタントラに戻る。「ヨーソロー!」 レーゼンビーが陽気に叫ぶと、タントラはエンジンを起動した。 ブリッジからはレジスタンスの人々が手を振っているのが見えた。 アディスはメルトを出てからも、外を見続けていた。「大丈夫か?」 グレッドが話しかける。「ええ…」「無理はするな」「……はい」 グレッドはアディスの隣に身を寄せ、同じように外を眺めた。「俺も愛する人を失った。自分のせいでだ」 アディスはグレッド方をそっと見つめる。「妙な心を持ったせいだよ。俺がいなきゃその人は……」「つらい…ですね……」「なんとかはなるさ」「そういうもんですか?」「そうだろうな」 グレッドは今向き合っている問題を思い出す。だが、それを今のアディスには伝えられなかった。「また、会えますか?」「会えるさ。でも、もう少し先だろうな」「それまで生きてみます」「そうだな」 グレッドはアディスの肩に手を回した。

 メルトの居住ブロックには、レジスタンスとタントラクルーが集まっていた。

「あなた方のおかげで我々は解放された。本当に感謝している」

 レジスタンスのレオーナ・ライトが頭を下げる。

「しかし、スタインフェルドさんたちの尊い犠牲があるのも事実だ」

 ソル・バブラーがレオーナの横から言った。

「お守りできず、申し訳ありません」

 アディスが涙ぐんだ声で言う。

「みんな覚悟の上だったさ。気にするんじゃない」

 レオーナがアディスの方に手を乗せて言った。

「感謝の品と言っては難だが、うちで作ってた装備を提供する。好きなだけ持って行ってくれ」

「ありがとう。助かるよ」

 ヤン・ホンマがニヤリと笑った。

「それと、船の修理も済んでいる。安心して帰ってくれよ」

「本当に世話になった」

「お互い様だ」

 レーゼンビーとレオーナが笑う。

「それでは失礼させてもらうよ」

「おう! またな!」

 タントラクルーはそのままタントラに戻る。

「ヨーソロー!」

 レーゼンビーが陽気に叫ぶと、タントラはエンジンを起動した。

 ブリッジからはレジスタンスの人々が手を振っているのが見えた。

 アディスはメルトを出てからも、外を見続けていた。

「大丈夫か?」

 グレッドが話しかける。

「ええ…」

「無理はするな」

「……はい」

 グレッドはアディスの隣に身を寄せ、同じように外を眺めた。

「俺も愛する人を失った。自分のせいでだ」

 アディスはグレッド方をそっと見つめる。

「妙な心を持ったせいだよ。俺がいなきゃその人は……」

「つらい…ですね……」

「なんとかはなるさ」

「そういうもんですか?」

「そうだろうな」

 グレッドは今向き合っている問題を思い出す。だが、それを今のアディスには伝えられなかった。

「また、会えますか?」

「会えるさ。でも、もう少し先だろうな」

「それまで生きてみます」

「そうだな」

 グレッドはアディスの肩に手を回した。

コメント

コメントをして応援しよう

コメントにはログインが必要です

樫元優大さんがお薦めする作品

機動戦士ガンダム ウォッチ・ドッグス プロローグ「異星人」

機動戦士ガンダム ウォッチ・ドッグス 第三章「星の光に絆され…

17
機動戦士ガンダム ウォッチ・ドッグス 第十三章「メタモルフォーゼ」

機動戦士ガンダム ウォッチ・ドッグス 第十三章「メタモルフォ…

 「いいか諸君! 今日、我々の朝がやってくる! 愚…

4
機動戦士ガンダム ウォッチ・ドッグス 第十二章「センチメンタル・ビート」

機動戦士ガンダム ウォッチ・ドッグス 第十二章「センチメンタ…

 アディス・フレクソンが最後に見たのは、強烈な熱と光が降りか…

4
機動戦士ガンダム ウォッチ・ドッグス 第十一章「アンノウン・サテライト」

機動戦士ガンダム ウォッチ・ドッグス 第十一章「アンノウン・…

 グレッドはタントラのブリッジから外を見つめていた。星々が煌…

17
機動戦士ガンダム ウォッチ・ドッグス 第十章「再会、愛しき人よ…」

機動戦士ガンダム ウォッチ・ドッグス 第十章「再会、愛しき人…

 「ドリス・マードック中尉、入ります」  扉越しに…