ウィンダム・エクストラパック
型式番号:GAT-04/EX-P
ザフトとの対MS戦闘で思うように成果が上がらないウィンダム。その強化案としてかつての大戦で活躍した後期GATシリーズに白羽の矢が立つ。
後期GATシリーズは既に少数生産機として派生型や再生産機を使用した装備変更機などが存在したが、量産型を「自称」する機体を 含めいずれも採算を度外視した高級機であり製造元の国防企業連合体としては開発に費やしたコストを何としても回収したかった。
そこで彼らは3機種そのものをデチューンするのでは無く現行主力機であるウィンダムをベースに簡易ストライカーパックとして前線へ供給する事で主力機の性能向上と、ある意味では金食い虫同然だった3兵器の量産が同時に達成出来るとし開発がスタート。
3機の特徴的な武装類のストライカーパック化は短期間で完了。開発はスムーズに進んでいき遂にストライカー運用の為、各部をアップデートした性能試験機が完成する。
だが順風満帆だった開発計画、そこに突如として暗雲が立ち込めた。
起動テストを終了後、暫くして大西洋連邦軍は開発計画への投資を打ち切ってしまったのだ。
理由は新規開発したフォビドゥン・レイダー・カラミティパック。
ストライクガンダムに始まったストライカーパック、例えその技術を使用しても3種のパックは元々異なる機体同士。
これら全てを扱える兵士は謂わば3機のMSを実戦レベルで扱える操縦のエキスパートである事が要求される。
同じジェットストライカー装備でもダガーLからの機種転換にすら苦戦してるパイロットが大半を占める現状、こんな物が大量に配備されれば宝の持ち腐れどころでは無い。
結局、試験用に製造された実機は大西洋連邦が認可した民間警備会社へ売却され開発計画は凍結。
その後、軍はアドュカーフ社の製造する大型MAに戦略の主軸を移しMSは次第に大型MAの護衛機や核ミサイル発射用プラットフォーム等のニ線級の立場へと追いやられてしまうのだった。
第二次ヤキンドゥーエ攻防戦後、東アジア共和国のニホン地区で撮られた写真。
大西洋連邦軍にこそ冷遇された開発計画だがトランスフェイズ装甲を運用するノウハウに欠ける東アジア共和国空軍は、レイダー制式仕様の代用としてレイダーパックを少数購入し高高度迎撃機として防空任務に用いている様だ。
空戦機であるバビはともかく、自由降下中は大きく機動を制限されるザフトの降下部隊にとって本機は大きな脅威となり得るだろう。
東アジア共和国、東南アジア某区を転進するザフトのMS部隊。
第二次ヤキンドゥーエ攻防戦後、急速に国内の建て直しが必要になったプラントは無闇に地球国家を刺激しない為、各地に展開する戦闘部隊の引き揚げを進めていた。
本国への帰還を夢見て歩を進める彼等。
だが彼らの足がプラントの土を踏む事は二度と無かった。
どの国家軍とも異なるカラーリングのダガー、こちらの射撃を無効化する未知の装備を背負ったウィンダム。
それらに引き連れられた民兵仕様のモビルジン達はまるで草食獣を貪る肉食獣群が如く損傷した機体へ執拗にとどめを刺し、使える部品や武装が無いか物色し始めた。
ザクウォーリアのパイロットはコックピットで何度も交信を試みるが眼前のウィンダムは全く受け付けない。
それでも諦めずに機体の両腕を上げ、降参のジェスチャーを取ろうとするがウィンダムはそれよりも早く、コックピットに向けまるで死神の様に大鎌を振り下ろした。
正体不明の敵に殲滅された部隊。
東アジア共和国との政治的軋轢を避けようとプラント政府は早々に生存者の捜索を打ち切り、残存する部隊にカーペンタリア基地への移動を急がせた…。
過去作「カウンターアストレイ」と交戦するウィンダム・エクストラパックR。(レイダー)
次回投稿予定作品「アングリフスガンダム」と交戦するウィンダム・エクストラパックF。
初めての屋外撮影。後始末が大変でした…
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