MS-18Eケンプファー。
ユニット工法を取り入れて簡易な設備で組み立てられるという設定から、敵中枢部に偽装した貨物でパーツユニットを搬入して建造、攪乱・陽動などに使用されたのでしょうか。再整備、補給などは考慮されておらず短時間のうちに目的を遂行する強襲用。一撃離脱戦法・もしくは特攻兵器の類いと思われます。
実際、劇中ではそういった運用をされていましたね。
余分な装甲はもともとの設計から排除され、前面のみという潔さ。
劇中、アレックスのバルカンで穴だらけにされても爆発しなかったことから固形燃料系のロケットモーター(使い捨て)を使用していたと思われます。
最小限のジェネレーターのためビーム系の兵装は駆動できず、使用後にはデッドウェイトとなるためすべてパージ機構を備えた実弾系兵器が主武装。ますますこの機体が特攻兵器の思想で建造されたことを裏付けます。
制作していくうちに、動力パイプの取り回しなどにザク系が見えた気がします。
もともとケンプファーはその開発系譜が見えない、どこから来て何に繋がるのかよくわからない機体。名前からしてジオン系とは言い難いし(苦笑)。
そのためあまり好みではありませんでしたが、枯れた技術のザク系のMSを、上記のような戦況に応じた形に作り替えた悲哀のMSだったのではないか。
そう考えると贔屓目からか少し愛着が湧いてきます。
設定を強化・補足する方向で解像度を上げる改造をしていきます。
背中は装甲は無く、推進用のロケットモーターが剥き出しの状態。わずかに遮熱板のみで覆われています。
部品運搬時の軽量化・資源レス・組み立て工程の簡略化などなど、背面はとにかく装甲レスで。
頭部もひさし部分中央に三角の突起を付けて目つきが鋭く見えるようにしました。耳のダクトは社外品使用で大型化。
ツノもプラバンで大きく作り直し強そうに。カブトムシ的な。
今回のキモは脚部。
ロケットノズル周辺の装甲を切り取り展開するようにします。
おかげで関節のポリキャップを繋ぐダボがすべて無くなってしまいフレームから新造するハメに。
ジャンクパーツを使用して脚部フレームと横・後方のロケットモーターも別パーツ化。
左右の脚を対称に作るのは大変でした。
できるかぎりユニット構造のようにして左右対称となるように。高機動を担う脚部ロケットモーターはコンパクト。固形燃料をもとから封入した使い捨てブースターをイメージ。
設定を補完するかたちで、ブルー系の機体色は都市迷彩ということにしました。さらに効果を上げるため、デジタルドットを採用。
ハイキューパーツ様からでているマスキングシートを使用し、初挑戦してみました。
ベースにミディアムブルー、2色目に調色した明度の高いブルー系、最後にベースとなるフロシタニアンブルーを吹きました。
マスキングを剥がすときのドキドキ感はクセになりそうです。
我慢できずに脚部だけ先に組み上げました。
ブルー系のデジタル迷彩と相まって、密度感が上がってステキ。
上半身も組みました。
モノアイはHアイズのピンク、裏側にアルミテープを貼ったものを使用。隙間から光を入れると綺麗に反射します。
顔もインナーマスクを作成し、チンガードの下に本来の顔があるようなイメージにしました。
首元のパイプ、胴体のパイプは2mmのメッシュパイプを使用。
切り口の処理など面倒な部分はありますが、その苦労以上の見栄えとなるので使って良かったです。
成型の都合でいびつな形の胸部上面のスラスターは削り取ってあります。あとで社外パーツに置き換えます。
腰部も後ろ側はスラスターとフレーム剥き出しで。
前部のスラスターもあわせて、すべて社外パーツを使用して精密感を上げてあります。
指の表情にもこだわります。
すこし違和感のある人差し指は伸ばした状態に作り直し、トリガーに掛かっていない状態にしてあります。
安全のため射撃直前までトリガーに指を掛けないようにしましょう。
人差し指の先だけプラ棒に変わっているのは、ニッパーで切った際にどこかに飛んで行ってしまったためですw
武装もディテールアップ。
ショットガンはポンプ部分を切り離し、アルミ棒に置き換え。
サイトはプラ板で作り直して半分起き上がった状態にしてあります。
ジャイアントバズⅡはパイピングをメッシュコードに置き換えて、防盾を貫通させた状態に作り替えたセンサーに接続。
ジャイアントバズはもっとディテールを入れるべきだったと、後になって反省。
フル装にして背負わせた際、なんか大味なんよね・・・。
腕部もそれなりにディテールアップ。
上腕部分にブチ穴開口。下腕部もあわせてスジボリ、パネルワーク。肩の裏側が只の蓋だったので切り抜いて、フレームにシャッターが付いているようなパーツを新造して組み込みました。
腰にはストックレスのショットガン。
股下から前部スラスターまでメッシュパイプを使用しています。
肩のスパイクに干渉してしまうため、バズーカのホルダーは斜め後方に向けてあります。
MS-18E ケンプファー(高解像度版)
コメント
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ケンプファーの装甲はバイクのカウルのイメージだったので自分で作った時はつや消し?なにそれの勢いでテッカテカのツヤッツヤにした記憶がありますし、他の人の作例でもだいたいそういう方向のものが多い気がします。
そんな中つや消しデジタル迷彩の塗装のケンプファーは初めて拝見しました。
元が青なので海面迷彩なのは置いといて、ミリタリー色の強い機体に仕上がってると思います。
一撃必殺、銃弾乱射したら自爆特攻のゲリラ運用という認識は一致してますので、ユニットにできるように見えるよう丁寧に改造してあるのは感服しました。
こういう塗装もあるんだなぁというのは目から鱗でした、お見事です。
ご覧いただきありがとうございます!
グフもそうですが、あの鮮やかな青色を戦場でどう正当化させるか、という観点からデジタルの都市迷彩というイメージにしました。
自分的にはビルなどの建造物のガラス窓に溶け込む色彩です。
バイクのカウル。なるほど、そういう訳でグロス仕上げのケンプファーが多いんですね。こちらこそ目から鱗でした。
逆襲のシャアと企画スタートが被っていて、富野氏がほとんど関わってないらしく、そのせいなのか新規登場MS名がドイツ語のケンプファーだったり、ザクⅡFZがフリッツヘルムとあだ名されるデザインになったとか……。
Newtypeだったか、アニメ誌にケンプファーはバイクのカウルをイメージしたみたいな記事を見かけた記憶があるので、そのせいだと思います。
以後OVAの宇宙世紀ガンダムでは頻繁にドイツ語が使われるようになったと感じてます、リック・ドムⅡ(ツヴァイ)とか、ヒルドルブだとか。
当時厨二病をこじらせてた頃はドイツ風味がカッコよく思えましたが、やはり宇宙世紀には意味の無い音と雰囲気のネーミングが合ってるかな、と。
各作品のちょっとづつ違う世界観を合わせるように、そのあたりを補完しつつ立体化できればいいな、と思います。
この作品のQualityでイチブンノイチSIZEでケンプファーが現れないかなぁ。
ガンダムばっかじゃなくて、もうそろそろジオン系MS1/1立像が欲しいですよね!
This painting is very cool! GJ
Painting is the point I did my best, so I’m happy with the message.
デジタルドットが決まっていて、カッコイイですね(gandam-hand2)
コメントありがとうございます。
今回初挑戦でドキドキでしたが、やってみると達成感がすごいですね。ひとつづつ出来ることを増やしていきたいです。
コメント失礼します。
とてもカッコいいです!チンガードの下のマスクや脚部、武装等々、くどいようですがカッコイイです!
ありがとうございます。
人形は顔が命ですもんね!ショットガンは頑張って手を入れましたが、バズは・・・ごにょごにょ。
おじゃまします。
1/144には見えないです。
シンプルに言って、すごくかっこいいと思います。
コメントありがとうございます。
RGの横にあっても違和感のないレベルの作り込みを意識しましたので、1/144に見えないというお言葉、嬉しいです。
雑食系作業遅滞型樹脂工事士(二種)
1/144しか作れないという重い十字架を背負って生きる人。作品に考え抜かれた設定などがあると燃えます。俺設定の改造品大好き。丁寧な工作をしている作品を見ると問答無用でイイね!+1/144モデラー様とアラフィフモデラー様は勝手に同士認定します。フォローリムーブご自由に。
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