黒いガンダム
クワトロ「アポリー中尉、調子はどうか? 」
アポリー「コックピットが違っても3日もあれば自分の手足にすることができます。」
ロベルト「自分達はマニュアルどおりの訓練などはやっておりません。それで一年戦争も潜り抜けてきたのですから。」
クワトロ「ロベルト中尉、その過信は自分の足をすくうぞ。」
ロベルト「はっ、シャ….クワトロ大尉。」
クワトロ「我々はこのコロニー、グリーンノアに潜入調査に来たのだ。遊びではない。」
ロベルト「すみません、大佐。大佐が潜入捜査なのに目立つ色のMSに乗ってるのは、この際、伏せておきます。」
クワトロ「それは有難いな。ジャブローの際の潜入も後日の言われようは、散々たるものだった。アカハナを始めとしたアッガイ隊の面々には申し訳なく思っている。」
ロベルト「その反省がまったく活かされていないのは、流石ですよ、大佐。」
クワトロ「今の私は大佐ではない。アポリー、首尾はどうか?」
アポリー「確認します。さて、ニューガンダムとやらは。ん?ガンダムか?」
ロベルト「見つかったのか!? 」
アポリー「飛行訓練中らしいニューガンダムをキャッチした。」
クワトロ「バカな!.....νガンダムだと!?」
アポリー「それじゃないんで黙っててもらえますか?大佐。」
クワトロ「だが今、νガンダムと。」
アポリー「新しいガンダムって意味です。」
クワトロ「ふむ.....おニューなガンダム、という事か。」
アポリー「いいから黙っててもらえますか?大佐。」
ロベルト「ガンダムMk-ⅱの開発は本当だったんだな。」
アポリー「ちょっと待ってもらえますか?様子が変です。...なんだあれは!?あれがガンダムか?」
ロベルト「ありゃあ....。なんだあの仏壇みたいのは?」
クワトロ「ほう....実に興味深いな。」
ロベルト「演習にしてもむちゃくちゃだ!街を破壊してますよ!」
アポリー「音声キャッチしました!」
カミーユ「.....カミーユが男の名前で何で悪いんだ!オレは男だよ!」
ジェリド「貴様!オレ達をティターンズと知ってちょっかいを出してきたのか!?」
カミーユ「言っていいことと悪いことがあるだろ!」
エマ「キミ!やめなさい!だからって、ガンダムを奪って仕返しなんて!」
ジェリド「何を言ったんだ、オレが? 」
カミーユ「男に向かって、“何だ”はないだろ! 」
ジェリド「そうか、そういうことか。なら、男らしく扱ってやるよ!」
エマ「ジェリド大尉!ムリよ!生身でMS相手に!」
カミーユ「コイツを喰らえ!」
ジェリド「うわあああー!!」
エマ「きゃあ!それ拡散メガ粒子砲じゃない!人を相手に使うなんて!貴方、気がふれているの!?」
カミーユ「アハハ、アハハハ!オレの名前を馬鹿にするヤツは、みんな◯んじゃえー!」
エマ「キャー!逃げて!ジェリド大尉!!」
ジェリド「くっそ、調子に乗りやがって!この小僧が!」
カミーユ「アハハハ!アハハッ!逃げてばかりで何が出来るのさ。」
ジェリド「どうなってるんだよ、コイツは!」
エマ「あのガンダムは、強化人間用のガンダムMkーⅱよ!乗ってる人の精神を徐々に蝕んでいくわ!」
ジェリド「なんだとー!?」
カミーユ「アハハ!ティターンズなんてそんなもんか!ビルの下敷きになれー!」
ジェリド「ぐわああー!オマエは、オレをーーーっ!!」
エマ「キャーー!ジェリド中尉ーー!!」
アポリー「もう、めちゃくちゃです!どうやら民間人がガンダムMkーⅱに乗って暴れている様です!」
ロベルト「大佐!早く彼を説得して、一緒にくる様に言ってくださいよ。」
クワトロ「む?それを私がやるのか?」
ロベルト「他に誰がやれるって言うんですか!大佐ならやれますよ。」
クワトロ「ええい、やってみるさ。」
エマ「あーあ、ジェリド中尉ったら、今回のZコン開催期間内では再起不能だわ。これじゃ始末書じゃあ済まないわね...。」
クワトロ「あー、お取込みのところ宜しいかな?」
カミーユ「なんだよオマエは!お前もオレの名前を馬鹿にするのか!?」
エマ「金色のMS!?」
クワトロ「演習にしては、随分と派手な立ち振る舞いだが、どうしたというのだね?」
エマ「この少年が、突然ガンダムMkーⅱを奪って暴れだしたんです。」
クワトロ「ほう。」
カミーユ「オレの名前を馬鹿にしたからだ!」
エマ「ガンダムMkーⅱを止めてください!」
クワトロ「ふむ、やってみるさ。」
カミーユ「オレの名前を馬鹿にするのなら!うおおー!」
クワトロ「む!?変形だと!?」
クワトロ「これが、ガンダムMkーⅱ...!」
カミーユ「うう、頭が痛い...!」
エマ「そのマシーンは、貴方の精神を徐々に蝕んでいくわ!早くそのマシーンから降りるのよ!」
カミーユ「うるさい....うるさいんだよ!」
クワトロ「コロニー内でビームライフルを使う?正気か!?」
エマ「その少年、正気じゃないわ!」
クワトロ「ええい!」
カミーユ「この動き!只者じゃない!」
クワトロ「そう言う君も、MSの操縦は初めてだろう?それをここまでやるとは、恐れ入るよ。」
カミーユ「貴方は他のティターンズの兵士と違う!?いったい何者なんだ!?」
クワトロ「カミーユと言ったか?少年!」
カミーユ「!」
クワトロ「カミーユ君、私と来る気は無いかな?」
カミーユ「え!?」
クワトロ「君は、ティターンズの開発中のMSを勝手に持ち出してコロニー内で暴れたのだ。多数の被害も出ている。これでは、ただで済まされる訳がない。」
カミーユ「うう....それは...!」
クワトロ「このままMSから降りてみろ。もう真っ当な生活は送る事は出来ん。」
カミーユ「うう...、こんなことしちゃって、オレ、どうするんだ…。」
クワトロ「私と来ればいい。私は反ティターンズ組織、エゥーゴのシャ...クワトロ大尉だ。そのMSと一緒に来れば、君の身の安全は保証しよう。」
エマ「あらヤダ!あの金色のMSってエゥーゴなの!?」
カミーユ「わかりました。行きます!」
クワトロ「よし、では行くぞカミーユ。」
カミーユ「ハイ、クワトロ大尉。」
クワトロ「こちらクワトロ大尉、ガンダムMkーⅱの奪取に成功した。アーガマに帰還する。」
エマ「ええー!?ヤダもう、最悪だわっ!!」
−アーガマ艦内−
クワトロ「さて、状況を整理しよう。カミーユ、君はガンダムMkーⅱを奪って逃亡、エゥーゴでパイロットをする為、アーガマに乗り込んだ。そういう事だね?」
カミーユ「ハイ、そうです。」
クワトロ「で、キミは?」
ファ「私はカミーユのガールフレンドです。私もカミーユと一緒に居させてください!」
クワトロ「ほう、そういう事か。で、キミは?」
エマ「私は元ティターンズのエマ中尉です。今回の件とか、なんやかんやでエゥーゴに属する事にしました。」
クワトロ「ほう、ティターンズを見限るという事かな?エマ中尉。」
エマ「ティターンズは、元々はジオン残党軍の掃討を名目に設立された組織でしたけど、スペースノイドを軽視した地球至上主義を掲げて、強引な手段による暴徒鎮圧や反地球連邦運動の取り締まりを行う、まるで昭和の超ストロングパワハラ集団だったんです。コロニーの民の制圧の為にコロニー内に毒ガスを散布したり、グラナダへのコロニー落としといった事を、いともたやすく行われるえげつない行為する、異常な組織なんです。」
クワトロ「ふむ、我らエゥーゴは、そうした地球連邦の腐敗した組織に対抗するべく、地球連邦から派生した組織だからな。歓迎しよう、エマ中尉。」
エマ「だから今回Mkーⅱの件で、ティターンズに居ずらくなったからって訳じゃないですからね。」
クワトロ「ふむ、それは言うべきでは無かったんではないかな、エマ中尉?まあいい。では今後とも宜しく頼むよ。」
カミーユ「それでクワトロ大尉、俺たちは何をしたらいいですか?」
クワトロ「その事だが、とりあえずティターンズに動きがあるまで、アーガマ艦内で待機していてくれ。」
カミーユ「わかりました。」
エマ「了解です。」
−そして後日、対ガブスレロ戦−
ブライト「エマ中尉、敵にやられたそうだな?具合の方は大丈夫か?」
エマ「はい、問題ありません、ブライト艦長。ジェリド中尉のそっくりさん...恐ろしい相手だったわ...。」
ブライト「誰だ、それは?」
エマ「いえ、その件はもう大丈夫です。」
ブライト「そうか。ところでガンダムMkーⅱだが、今後からエマ中尉の乗機としてもらう。問題ないな?」
エマ「え?はい。でもカミーユは?」
ブライト「カミーユは新型のZガンダムに搭乗して貰う事になった。今、Zガンダムの説明を受けているところだ。」
エマ「わかりました。でも私、強化人間じゃありません。あのMkーⅱ、強化人間専用ですよね?カミーユが時々おかしくなるの、あのMkーⅱのせいだって話じゃないですか。」
ブライト「その件だが...。色々調べてみたが、Mkーⅱにその様な機能は存在しなかった。」
エマ「え?でもカミーユは...?」
ブライト「アレはカミーユの“素”という訳だ。」
エマ「そんな!街を破壊して笑っていたのに!?」
ブライト「それな。MSに乗って気分が高揚したのだろう。若い男子にはよくある事だ。クワトロ大尉も、それが若さか..と評価していたよ。」
エマ「あれが素だったなんて!なんて恐ろしい子....!」
ブライト「ニュータイプとは、我々の世代では理解が難しいものだ。」
エマ「ブライト艦長、ニュータイプの意味を履き違えてませんか?」
ブライト「まあ、そういう訳だから、安心してMkーⅱに搭乗してくれ。」
エマ「でも私、不安です!せめて色だけでもエゥーゴカラーにしてください!」
ブライト「それは、なんやかんやでムリだ。諦めてくれ。再塗装など出来ん。」
エマ「あんな色じゃ、味方に誤射されてしまいます!」
ブライト「カミーユが大丈夫だったんだから大丈夫だ....と思う。」
エマ「カミーユと一緒にしないで下さい!」
ブライト「それはそうと、エマ中尉には以後から、ラーディッシュに乗艦してもらい、あちらのMS隊を率いて貰う事になった。」
エマ「え?」
ブライト「ラーディッシュはこちらのアーガマと行動を共にする艦だ。搭乗艦が変わるとはいえ、今までと何ら変わりない。これからも宜しく頼む。」
エマ「わかりました。」
ブライト「それとラーディッシュにはMkーⅱに新装備が届いているそうだ。あちらのデッキで確認してくれ。」
エマ「新装備...わかりました。」
ブライト「エマ中尉、活躍を期待する。」
−ラーディッシュ艦内−
ヘンケン「おお、エマ中尉か。よく来てくれた。ラーディッシュ艦長、ヘンケンだ。宜しく頼む。」
エマ「宜しくって...!何故こちらを狙撃してくるんですか!Mkーⅱの“Iフィールド”(フォートレス形態でのみ使用出来るよ!)が無かったら、私、死んでましたよ!」
ヘンケン「いやてっきり敵が来たのかと。黒いし。」
エマ「そちらに向かうって連絡したじゃないですか!」
ヘンケン「いやどうも、ガンダムって言うから白だと。しかもガンダムの形してなかったし。黒いMSは大抵は敵だと思ってしまってな。大変すまなかった。」
エマ「謝って済む問題ですか!黒=敵ってどうゆう事ですか。」
ヘンケン「ううむ、ティターンズカラーっぽい黒=敵だと思ったんだが。」
エマ「ティターンズだって、黒じゃないMSあるじゃないですか!」
ヘンケン「そうなのか?」
エマ「そもそもティターンズのカラーは黒じゃありません。見方が偏ってます。」
ヘンケン「とにかくすまなかった。気を取り直して、皆んなでティターンズを倒そう。」
エマ「ええ....。宜しくお願いします。」
ヘンケン「それとコレがMkーⅱの新装備だ。」
エマ「コレですか?コレは戦闘機に見えますけど。」
ヘンケン「私にもそうとしか思えん。」
エマ「どういう事なのかしら。」
ヘンケン「そして、彼がパイロットに抜擢されたカツだ。」
カツ「宜しくお願いします。」
エマ「ええ、宜しく。」
カツ「僕がラーディッシュに来た時も、ラーディッシュに撃たれたんですよ。」
エマ「ええ!?」
カツ「理由は、”色が敵っぽい“から、だそうです。」
エマ「ヘンケン艦長!💢」
ヘンケン「いや、すまなかった!一方的な思い込みはいかんな。ははは。」
カツ「では僕が、このGディフェンサーの説明をしますが、いいですね?」
エマ「あら?こういう時に出て来るoyz室長はどうしたのかしら?」
カツ「今頃はアーガマで、Zガンダムの説明をしている頃です。」
エマ「同じ時系列に同時に存在出来ないって事かしら。なんだかディ◯ニーランドのミッキー◯ウスみたいね。」
カツ「エマ中尉、例えがマズいですよ。」
カツ「では説明します。GディフェンサーはガンダムMkーⅱの支援機で、ガンダムMk-ⅱがティターンズの最新鋭機等に対して優位性を失いつつある状況を鑑みて開発された支援機であり、ガンダムのGファイターを参考に開発されています。ガンダムMkーⅱは基本的には一般的なMSで、第3世代と言われるMS群と比較すると、火力、機動力で大きく劣ります。そこで、このGディフェンサーとの合体により、火力・防御力・航続距離など、Mk-ⅱの問題点のほとんどが解決し、簡易変形により航行形態であるGフライヤーへの変形が可能となるなど、第3世代のMS相手にも優位に立ち回ることができるようになるんです。」
エマ「私のMkーⅱは単体で可変出来るけど?」
カツ「そんなの知りませんよ。」
エマ「フォートレス形態になるけど?」
カツ「でも機動力は劣る筈ですよ!」
エマ「まあそうかしら。」
カツ「火力だって、腹部の拡散メガ粒子砲だってビル破壊にしか使えないし。」
エマ「まあそうね。」
カツ「航続距離は言うまでもありませんよね。」
エマ「そうかしらね。」
カツ「僕の勝ちですね。」
エマ「(イラッ)」
カツ「このGディフェンサーは、なんと一切Gディフェンサーのパーツを使ってないんです。凄くないですか?」
エマ「ふーん。意味がわからないですケド?(イライラ)」
カツ「Gディフェンサーの主な武装として、ロングライフルがあります。こちらは威力に優れ、VSシリーズに登場した際は壁とか隕石とかフィールドの地形関係なしに貫通して狙撃出来る性能なんです。しかも驚くべき事に、壁や隕石のフィールドは全く破壊されないんです。」
エマ「カツ、あなたいったい何を言ってるの?」
カツ「ただ撃つまでに時間がかかる、撃ってる間は身動き出来ない、よって、大体こっちが撃つ前に撃たれてやられちゃいます。」
エマ「最悪じゃない。」
カツ「いいじゃないですか。ぶっといビームなんて浪漫の塊ですよ。装備が重すぎて、近接攻撃が全然出来ないから、近接攻撃も相手を直接蹴っ飛ばすくらいしか出来ないですけど、僕なら浪漫を取りますね!」
エマ「私、要らないわ。」
カツ「それにGディフェンサーは、機構が簡易的な事から、他のMSへのドッキングも可能なんです。」
エマ「じゃあ他のMSにくっつけばいいじゃない。」
カツ「もうMkーⅱの支援機っていう事は、上層部の決定事項なんです。だから宜しくお願いしますよ。」
エマ「なんだか欠点だらけに思えてきたわ。大丈夫なのかしら、この支援機。」
カツ「大丈夫ですよ。たとえ何があっても、僕がフォローします。だから安心して下さいよ。」
エマ「(イラッ)」
ヘンケン「では仲良くなったところで、出撃して貰おう。」
エマ「仲良くなってませんけど。」
カツ「だいぶ打ち解けましたよね、エマ中尉っ。」
エマ「あーなんだかイライラするわ。」
ヘンケン「まあ、その、なんだ。戦況は最終局面に入った。グリプス宙域にて、ティターンズ艦隊との最終決戦だ。」
エマ「え?」
ヘンケン「我らの艦隊は、ティターンズ艦隊との全面衝突になる。敵のMS部隊は、クワトロ大尉のMS部隊が陽動し抑える。エマ中尉は艦隊の護衛にあたってくれ。」
エマ「はい、わかりました。」
カツ「相手はティターンズか、サラに会えるかもしれないな。」
エマ「え?サラって?」
カツ「前にアーガマに搭乗してたじゃないですか。僕と仲良いんです。」
エマ「それって敵のスパイじゃない!あなたそれ、その娘に利用されてただけじゃないの!」
カツ「サラはそんな娘じゃありません!あのパピテマス・シロッコとかいう奴に騙されているんです!だから会ったら僕が助けてあげるんですよ!」
エマ「うわー、だめだコイツ。いい?これは戦争なのよ?勝手な行動はしないで。わかったわね?」
カツ「そんな事、わかってますよ!」
エマ「わかってるなら、会えるかなとか言わないで。いい?」
カツ「わかりましたよ!」
エマ「不安でしかないわ...もう。」
ヘンケン「よし、では出撃だ。宜しく頼む。」
エマ「ヘンケン艦長、間違っても、こちらを砲撃しないでくださいね。頼みましたよ?」
ヘンケン「ハハ、勿論だ。」
エマ「フラグだらけじゃない...。ヤダわ、もう...。」
カツ「エマさん、行きましょう。準備はいいですか?」
エマ「ええ。いつでもいいわ。」
カツ「Gフライヤー、行きます!」
エマ「あー、この形態だと、私何も出来ないのね。めちゃくちゃ怖いわ。」
カツ「大丈夫ですよ。」
エマ「ねえ、艦隊の援護にしては随分飛ぶわね。」
カツ「.....。」
エマ「ちょっと、大丈夫?」
カツ「.....。」
エマ「カツ?」
カツ「......可変解除します。」
ガシーン!
カツ「コレがディフェンサーMkーⅱ、通称スーパーガンダムです。」
エマ「コレが、スーパーガンダム....。って!ここどこよ!戦闘中域の真っ只中じゃない!私達の任務は艦隊護衛なのよ!?」
カツ「......そんなトコにいたら、サラに絶対会えないし....。」
エマ「え?何!?」
カツ「僕達が敵を皆んなやっつけちゃえば同じ事ですよ!」
エマ「そんな子供みたいな理屈...!ああヤダもう!」
カツ「もう戻れませんよ。今戻ったら敵機と間違えられて、ヘンケン艦長に撃ち落ちされちゃいます。」
エマ「確かにやりかねないわ...。ミノフスキー粒子で艦にはもう通信出来ないし、腹を括るしかないわ...!」
カツ「その意気です。」
エマ「覚えてらっしゃい、カツ!絶対許さないわよ。」
カツ「ホラ、敵がきましたよ。ロングビームライフルのドームセンサーは通常兵器より遠い標的を狙えます。敵に近づかれる前に撃破してください。」
エマ「言われなくてもわかってるわ!」
エマ「ところで貴方なんでMkーⅱにくっ付いたままなの?コアファイターに分離して艦に戻りなさい。」
カツ「コアファイターの分離機能なんて、このGディフェンサーにはありませんよ。」
エマ「え?」
カツ「言ったじゃないですか、このGディフェンサーはGディフェンサーのパーツを全く使って無いんです。ですから分離機能も元々無いんですよ。」
エマ「じゃあ、そのまま居るっていう事!?」
カツ「そうですよ。」
エマ「もうっ!なにそれ!艦に帰って欲しいのに!」
カツ「でも僕も援護しますよ。」
エマ「何も出来ないじゃない!」
カツ「そうですね。」
エマ「もう!イライラする〜!」
カツ「ほら、敵がきましたよ。」
エマ「言われなくてもわかってるわっ!」
カツ「2機撃破です。やるじゃないですか。その調子ですよ。」
エマ「(イラつく〜!なんでこの子、上から目線なのかしら。)」
カツ「エマさん!なんだか大きい緑色のMSが!」
エマ「え?緑色のMS!?」
???「ガンダムMkーⅱ...!カミーユ?カミーユなの?」
エマ「その声は...。レコア少尉じゃない!」
レコア「え?エマ中尉!?」
カツ「知ってるんですか!?」
エマ「以前はアーガマに搭乗してた同僚なの。今はエゥーゴを退職して、どうしてたのかと思ってたけど....。ティターンズに就職してたのね。」
カツ「軍ってそんな簡単に辞めたり就職出来たりするんですか?」
エマ「まあ結局は同じ連邦軍の派閥だから。意外と再就職できちゃうのよ。私もティターンズからエゥーゴに来た訳だし。」
カツ「そんなもんですかね?」
エマ「そんなもんなのよ。入隊に関して言えば、カツ、貴方がエゥーゴに入隊してるのが良い証拠だわ。」
カツ「どうゆう意味ですか。」
レコア「エマ中尉!久しぶりじゃない。元気だった?」
エマ「ええ、なんとかね。レコア少尉、貴女がまさかティターンズに就職してたなんてね。」
レコア「成り行きなのよ。ホントはティターンズに就職した訳じゃないわ。」
エマ「そうなの?」
レコア「私、アーガマにいた頃に、シロッコ様のジュピトリス艦にスパイに入った事あるじゃない。」
エマ「ええ、あったわね〜。酷い作戦だったわよね。」
レコア「その時、実はシロッコ様にバレちゃってたんだけど、シロッコ様は捕らえもせずに見逃してくれたの。」
エマ「まあ。」
レコア「その時に、よかったらコッチに来ないか?って誘われちゃって、悩んだんだけど、行く事に決めたのよ。」
エマ「そうだったの!?」
レコア「あの頃って、クワトロ大尉とも上手くいってなかったし、なんだかアーガマに居づらくって。それにシロッコ様、素敵だったから。」
エマ「そうなの、相談してくれたら良かったのに。」
レコア「ええ、貴女に言わなくて悪いな、って思ったんだけど。勢いで飛び出しちゃって。」
エマ「もう、みずくさいんだから。で、今は何してるの?」
レコア「今ね、シロッコ様がティターンズを指導する立場になったから、私はそのお手伝いしてるのよ。」
エマ「え?そのシロッコ様は今はどうしてるの?」
レコア「なんだか怪しい機体がティターンズ艦隊の方へ飛んでったって、追いかけて行っちゃったわ。」
エマ「あら、それきっとカミーユだわ。」
レコア「そうなの!?あ、それと後輩の娘も一緒だったんだけど逸れちゃて。」
エマ「そうなの?」
レコア「その娘、偵察と索敵が役割なのに、居なくなっちゃったら意味ないじゃない。サラって言う娘なんだけど、シロッコ様に気に入られてるからって、いい気になってイヤだわ。若いのが取り柄なだけなのに。」
カツ「サラが居るんですか!?」
レコア「わ!ビックリした!」
エマ「何よカツ、女同士の話に割り込むもんじゃないわ。」
レコア「居ないわよ。私だって探してるんだから。」
カツ「わかりました、僕達もサラを探します!」
エマ「何を勝手に。」
カツ「サラはどんなMSに乗ってるんですか!?」
レコア「ボリノーク・サマーンっていう、クマみたいなMSに乗ってるわ。」
カツ「わかりました!行きましょう、エマさん!」
エマ「行くってどこに!?」
カツ「きっと戦闘の激しいあの辺りです!サラを助けるんだ!G−フライヤーに変形!」
エマ「あ!操作権がカツに!?」
カツ「サラ、今行く!待ってて!」
エマ「もう、いやあああー!」
レコア「あら行っちゃった。」
カツ「きっとあそこに!」
エマ「ちょっと!可変を解きなさい!」
カツ「見てください!あそこにクマっぽいMSが!」
エマ「クマっぽい....って!そのまんまクマじゃないのよ!」
カツ「やっぱりサラが乗っているMSだけあってかわいいなあ。」
エマ「どこがよ!?暴れまわってて、むしろ狂気を感じるわ。」
サラ「もう、止まって!止まってってば!」
カツ「サラ!」
サラ「その声は!?カツなの!?」
カツ「サラ!どうしたんだ!」
サラ「このクマちゃんが言う事聞かないの。どうしよう!止まらないの!」
カツ「僕がなんとかする!サラ、そこから脱出するんだ!」
エマ「(おーおー、カッコつけちゃて...。)」
サラ「でも...。」
カツ「サラ!君を危険な目に遭わせたくないんだ!」
サラ「わかったわ、ありがとう、カツ。サラ、KOUさん作oyz-GUYで、離脱します!」
エマ「あら、あのoyz−GUYは、GUNSTADOMに参入したKOUさんの作品ね。クオリティ高いわあ。素晴らしいわねえ。」
カツ「感心してる場合じゃありません!あの暴走してるクマを止めなきゃ!」
エマ「わかったわ、このロングビームライフルで!狙うわ、喰らいなさい!そこッ!」
カツ「やった!エマさん、命中です!」
エマ「ちょっと待って!?え?全くダメージが無いわ!どうなってるの!?」
サラ「あのクマさんは、ガンダムの常識は一切通用しないんです!気をつけてください!」
エマ「ええ!?どうしたらいいの!?」
カツ「僕に考えがあります!エマさん、分離してください!」
エマ「え!?どうするつもり?」
カツ「こうするんです!ドッキングGO!スーパーくま!!」
エマ「えええ!?ドッキングしたー!?」
カツ「このまま、僕が戦闘中域から離脱します!」
サラ「カツ....ありがとう...!」
カツ「サラ、後は僕に任せて!」
エマ「カツ、気をつけるのよ。」
カツ「大丈夫です!それじゃ後は頼みます!僕は鹵獲したMSと共に帰艦します。」
エマ「ええ。........え?」
サラ「でもアレ....。」
エマ「ちょっとカツ!今のあなた、どう見たって敵にしか見えない.....!待ちなさい、カツー!」
−ラーディッシュ−
オペレーター「ヘンケン艦長!謎のMSがこちらに突っ込んできます!」
ヘンケン「何色だ!?」
オペレーター「ピンクのクマに黒い戦闘機が付いてます。」
ヘンケン「なら味方の色じゃないな!撃ち落とせ!」
オペレーター「左舷!迎撃用意!メガランチャー、エネルギー装填!3、2、1、発射!!」
カツ「う、うわーーー!!」
どーん!!
サラ「キャーーーー!!」
エマ「あーやっぱり!!なんて事!?カツーー!!」
サラ「あーあ。」
−続く−
ようやく投稿っ!今回のゼットコンのストーリーは時系列が繋がってますので、そこも注目してくださいっ!
コメント
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色で判断の仕込みがヲチに効いてくるとは(笑)
途中エマさんレコアさんの女子トークも面白かった(*≧∀≦)
マークⅡ本体、Gディフェンサー使ってないGディフェンサーも格好いいすね👍️✨
コメントありがとうございます!
ヘンケン艦長の偏見ぶりを、どう表現しようか悩みました。
女子同士の会話に巻き込まれるとあんなですよねw
Gディフェンサーっぽいパーツはビルド系であったので、そのまんま使っちゃいました。気分的にスッキリw
ごつくてかっこいい!
個人的にGフォートレスのが好き
いつもストーリー性に驚かされます
コメントありがとうございます!
mkー2をGフォートレス変形したら面白いかな?ってそれだけで作りましたっ。思ったより大変でした。
今回のストーリー、色を変えられないのを逆手にとって執筆したらこんな感じに。
自分でもよくこんな話をテキトーに作れるなあ、って思ってますよ。(´ω`;)
フォース“GUNSTARDOM”可変開発室 室長。
可変機が大好き!作品毎にストーリーを書きます。最近小説みたいになってガンプラの写真が挿絵の様になってます。
嫁がガンプラアンチでナイショで深夜のみで制作。なので塗装は筆です。(´・ω・`)
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