UC93年3月、武装解除のためにスウィート・ウォーターを出発したネオ・ジオン艦隊は、アクシズを奪取すると予測し部隊を分散させたロンド・ベル隊の裏をかいて、全戦力をもってルナツーを制圧。これを地球寒冷化作戦の為の第二の隕石として地球に降下させようとするが、様々なアクシデントも重なり作戦は失敗。宇宙移民独立に対する気運はさらに高まり、ロンド・ベルはサイド1の拠点すら失ってしまったまま、戦況は半年の膠着状態に陥っていた。
度重なる納期の短縮により、ルナ・ツー会戦の時点では急造品の域を出なかったνガンダムであったが、実戦投入された1号機のデータや、アムロ・レイ大尉からの改善案を、予備パーツから組み上げられた2号機にフィードバック。充分な開発期間を経て完成系とも言える機体が、アナハイム社のフォンブラウン工場にて今まさにロールアウトの時を迎えていた。
「大尉!ハイニューガンダム、全ての工程を終えようやく完成しました。」
「ありがとうチェーン。留守中にコイツのこともほぼ任せきりになってしまって済まない。」
「いいえ。ブライト司令からは身体の事もあるからラー・カイラムには乗せられないって言われたのに、月でいる間も何かせめてもの仕事をってせがんで貰ったお役目だもの。私にとってはどちらも可愛い子供よ。」
「増設したサイコフレームの調子、どうか?」
「順調です。初回生産分より鋳造の精度も上がってきた為か、追加生産分は強度・重量共に基準値をクリア出来たものも格段に多いです。ただ、どれだけテストを繰り返しても、あくまで優れた構造材としての数値しかデータは得られなくて、、、」
「未知なる能力に関してはやはり解明出来ずか、、、それでも、こちらも搭載量をなるだけ増やしていくしかない。シャアも今頃グラナダでMSの改良を行なっているはずだ。νガンダムはスペック上ではサザビーに追いついていた。」
「やっぱりネオ・ジオンは今でも隕石落としを狙っているんですか?」
「あぁ。ルナツーの一件で地球とコロニーの確執はさらに深まった。今じゃ地球潰し=スペースノイドの風潮に支配されてしまっている。
けれどシャアが本心で狙っているのは俺との決着だ。それを着けられる舞台を作り上げる為にジオニズムを利用しているんじゃないかとさえ思える。あいつは平気でそれが出来る男なんだ!」
「怖い声、、アムロ、今でもララァの夢をみるからなの、、?」
「そうかも知れないな、、、
だけど、ニュータイプってのは言語や立場に縛られずお互いを分かり合える人たちのことさ。決して優秀な人殺しの道具なんかじゃない!
地球と宇宙に出た人類を繋ぐ役割、ララァもそれを望んでいたんじゃないのかと今は思う。百億の宇宙移民たちに母親殺しをやらせちゃ駄目なんだ。」
「ハイニューガンダムは強い機体です、たとえシャアがどんなMSを用意してきても。シャアの地球潰しも何としても止めなくてはいけない作戦だっていうことも、、、だとしても必ず帰ってきて。私と、このお腹の子のためにも。アムロ、あなたは父親になる人なんだから!!」
「ミノフスキー粒子、戦闘濃度散布!」
「艦隊間レーザー通信固定」
「核ミサイル第一波発射と共にMS隊第一波発進準備!戦闘ブリッジ開くの!」
アクシズの作戦宙域まであと僅かに近づいたラー・カイラムのブリッジに発令が飛び交う。
「敵艦の射程外から、アムロのハイニューガンダムでアクシズの核パルスエンジンを狙撃する。ハイパーバズーカランチャーにラー・カイラムのエネルギー回せ!」
「いくら目標が大きいとは言え、戦艦の主砲でも狙えないこの距離から狙うなんて当てずっぽうじゃあないですか?」
ロンド・ベル艦隊司令ブライトの決断に、副長のメランは若干懐疑的に進言した。
「そうだな、だが俺たちはアムロのその勘に賭けるんだ。アクシズを止める事が出来る可能性が万に一つでもあるなら、どんな事だってやるしかない。帰るべき惑星を失いたくないならな。」
「こちらハイニューガンダム、アムロ・レイ。ハイパーバズーカランチャーのエネルギー充填を確認。敵の感応波から狙撃の照準を調整。サイコミュの感度を上げる為に、機体のサイコフレームを露出させる!」
「発射まで3、2、1 、てぇーー!!!」
発射の瞬間、一瞬、ケーブルを通して電力供給していたラー・カイラム艦内の電源が落ちた。
ハイニューガンダムも推力を全開にして機体が吹き飛ばされぬ様踏ん張っている。そこから放たれた巨大な閃光の柱はアクシズへと真っ直ぐに向かっていった。
1か月ぶりの投稿になります。いつもはhgなら1か月で2、3体制作していたのですが、初めてのRGに挑戦ということで11月は1か月かけてじっくり制作していました。
だいたいhgが主戦場の自分には、初めてのRGということで、「精密すぎて途中で失敗したらどうしよう」「期待のし過ぎで、ギミックとかしょぼくても嫌だな」とかあれこれ考えながら、かなり好きなんだけど未だに作ったことのない機体、ハイニューガンダムを購入したのが早、一年前のこと。
春ごろにまとまった時間が出来たので、組んでみたところ、屈指の名キットとの評判に違わず、あまりの完成度の高さに素組のまま数ヶ月飾っておいたものを全塗装しました。
自分的にキットのディテールとギミック等も文句の付けようがないレベルだったので、今回は本当に全塗装しただけです笑
が、さすがrg、あの箱のデカさ、ランナーの量、全塗装するだけでもかなりの作業量でした😅
キットの成形色カラーリングは、近年のゲームなんかの設定色に近い真っ青と薄い水色の組み合わせなんですが、アニメ化などされていない機体とあって、ハイニューガンダムのカラーリングというのはファンの一定の派閥があるそうで。
自分が最初にハイニューガンダムを知ったのはGジェネneoで、ゲーム内ではガンダム系のほぼ最上位機体として設定されていたので、最強部隊を作り上げる為この機体の生産に日夜時間を費やしたものでした。
そんなイメージが強いため、自分の中でもハイニューガンダムと言えば、白地に紫系のカラーリング。Gジェネ版やCCA-MSV版のカラーリングを参考に薄いブルーならアクセントにも合うんじゃないかと塗り始めます。
紫と青はキャンディ塗装で色をつけていきましたが、一旦色が着いたところで仮組してみるも、イメージよりも青と紫の相性がよろしくない、、、しかも青はムラになってしまった部分もある、しかしキャンディ塗装のやり直しには下地からまた膨大な手間がかかってしまいます、、、
何とか楽なリカバリー方は無いかと悩んだ結果、「青の上にクリアレッドを吹き、紫に近い色味にする」という方法をとりました。
これが怪我の功名か、クリアレッドを吹いてゆくと、何とも言えない偏光パープルのような味わいのある色味になるじゃありませんか!サイコマシンであるハイニューガンダムっぽい色味として、とってもお気に入りです。
キャンディ塗装したパーツは研ぎ出しまではいきませんが、仕上げにコンパウンドで研磨してみたのでクリアの吹きっぱなしよりもまた一段と輝きがある気がします✨
白い装甲は元の色味がキレイでアンダーゲート仕様だったので、成形色生かしの2コートパールでチタニウムフィニッシュ調としました。
内部フレームもガンメタで全塗装した上にカッパーとシルバーでディテールに部分塗装していきました。隠れるのが勿体ないくらい情報量が多く、フレームだけでも飾りたいくらいです。
前回に引き続き、オリジナルデザインしたデカールも各所いれています。発色はいいですが、多少白地が気になるので、塗装前に貼り、その上に2コートパールしていきました。
銀色のフレーム状パーツを外した状態も補強前みたいなシンプルさがあって好きです。
ハッチオープンギミックは、サイコフレーム露出ギミックと解釈して、増設されたサイコフレームっぽいパーツを蛍光グリーンで塗装しました。
プレバン発売のrg専用ハイパーバズーカランチャーは、たま〜に中古でも見かけるんですが、値段が恐ろしくてなかなか買えません😭
なので、ブキヤのmsgからそれっぽい巨砲を拝借して。
前述の通り、自分が初めてハイニューガンダムを知ったGジェネでは、『急造されたνガンダムと違い、充分な開発期間を経て作られた強化機』という機体説明がされていました。なので今回のストーリーは劇場版でもなく、ベルチカ版でもないオリジナルの世界線で、もしも第二次ネオジオン紛争が長期化していたらという妄想で描いてみました。
伝説のニュータイプ、アムロ・レイが乗ったかも知れない、乗らなかったかも知れない最強にして最期の機体。
1か月かけてじっくり作れてよかったです。
さぁ、今年も残り1か月。最後の作品の製作にかかります!(年内に間に合うか!?)
ありがとうございました!
ハイニューガンダムは紫派です
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UC.60生まれ
ジオン第四工科大卒
1年戦争時 工兵の不足により工業科学生でありながら学徒動員・徴用され第603技術試験隊においてオリヴァー・マイ技術中尉付きのメカニック見習いとして、様々な機体に携わり無事終戦まで生き残る。これは、彼の肉眼に映った兵器たちの記録である。
主に微改造・全塗装で仕上げている初心者モデラーです。
ガンプラの取説にある機体解説やショートストーリーが好きで、それに寄せた文章を考えてみました。
お目汚しですが、よろしくお願いします。
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