宇宙世紀0079年11月、連邦軍による一大反攻作戦により公国軍オデッサ基地は放棄。友軍は地球の他地域ジオン勢力圏への撤退のほか、多数のHLVにより可能な限りの資源と兵員が宇宙に打ち上げられた。我が603技術試験隊も急行し、衛星軌道上にて救援を開始。これはその折に回収された将兵からもたらされた、地上での激闘の記録である。
我々はとある一人のMSパイロットを救助した。
彼の地上での乗機はMS-07b3 いわゆるグフカスタムと呼ばれる地上戦用の機体であった。
公国軍の地球降下作戦開始以降、戦線の現地部隊からはMS運用に関するありとあらゆる膨大なデータが送られて来ていた。ジオンはスペースコロニーにて興った宇宙国家であり、宇宙移民も第4世代、第5世代が当たり前となった現在では、地球の大地を知る者は数えるほどに少ない。
MSはミノフスキー粒子散布下における連邦宇宙軍の対艦・対空戦闘において優位性が認められ開発された機動兵器である。
宇宙空間における緒戦の戦果をもってしても地球連邦との講和条約を結べなかった事は当初の戦略からみても致命的であり、この独立戦争を際限なく国力を飲み込む大渦へといざなったのである。
そのMSが重力下、ことに地球地上戦においても有用な兵器であるらしい事はある程度立証されたのだが、それはあくまでMSを持たない既存兵器群と戦闘した場合の事である。
開戦以降、地球連邦軍でも対MS研究は最重要事項として進められており、対MS戦、やがては連邦軍もMSを持つことは想定しておかなければならない事案であった。
MS-07グフは公国軍の宇宙での主力機となったザクIIを地上仕様として改修したJ型を経て、本格的な地上戦用機として開発された。
開発はザク系統を生み出したジオニック社によって行われ、約4割のパーツはJ型からの流用が可能であり、生産ラインの切り替えも比較的容易であったとされる。
拡大した地球戦線においては現地改修を含む派生型もいくつか投入されたが、中でも後期生産分の純粋なる性能向上モデルと位置付けられるのがB3型であった。
一部ではグフ・カスタムの愛称で呼ばれたこの機体は、原型機の実戦運用にて現場から上がってきた問題点を洗い直し、ジオン本国の開発局にてパーツ単位から再設計。弱点であった中距離戦や汎用性を強化した、ワンランク上の改良型である。
腕部は左右共にマニュピレータ型となり、内蔵式であった5連装フィンガーバルカンは着脱可能な3連装35mmバルカン砲として左腕部へ装備された。これによりMS本来の汎用性向上と、予備弾倉の迅速な交換や装弾数増加、整備性の向上など様々なメリットを得ている。
グフ系固有の特徴的な右腕部固定武装であるヒートロッドも従来のウィップタイプからアンカータイプと呼ばれるものに変更され、射程、強度ともに向上している。これにより従来の攻撃のみならず、機体を懸架・登坂させるなどの柔軟な運用方法も編み出された。
シールドは白兵戦用装備であるヒートサーベルの収納装置も兼ねており、またこれに増設する事のできる75mm大型ガトリングガンは本機最大の攻撃用兵装とされている。一般にはシールドガトリングと称されるこの複合兵装は、白兵戦時には銃砲部分をパージすることによりデッドウェイト化することを避けることが出来た。
地上侵攻作戦開始以降、ミノフスキー粒子下での戦闘において惨敗を続けていた地球連邦軍は、ゲリラ戦法や、機甲戦車部隊による散発的な反撃はあったものの大規模な反攻作戦を仕掛けてくる様子も伺えなかった。だがサイド7にて初の連邦製MS開発が確認されたとの報告以降、同時多発的に各地での反撃が活発化し、辺境の我が軍の基地を攻撃しつつ欧州・ユーラシア地域に参集する動きが見受けられた。情報部により近くオデッサ鉱山基地を標的とした大規模な反攻作戦が発動される可能性が断定されると、中央アジア付近に展開されていた部隊にも、前線基地の撤退とオデッサ防衛の為に集結の命が下される。
彼のb3グフは、本国よりの支援物資として輸送されていた途中のものであったが、到着を前にしてジオンの青い巨星と名高いランバ・ラル隊が撃破され、古くからの戦友でもあった彼が受領することとなったのだと言う。
亡き戦友の部隊章を胸に奮戦したが、数度目の出撃で右肩部アーマーを破損。徐々に包囲されつつあったオデッサ基地へは補修用の物資も滞り、最期の出撃に際しては彼の以前の愛機であったザクIIの肩部シールドを応急で装備、殿としてHLVを発射まで守り抜くも、少しでも多くの兵と資源を搭載するべく、役目を終えた地上用の機体を破棄して撤退してきたのだ。
b3型のシールドガトリングと呼ばれる武装も専用弾薬やメンテナンス部品の不足から、防衛戦後期には同じくジオニック製で互換のあったザク系の兵装を流用して出撃する機体も多かったという。
また高い格闘戦能力のあったグフには、サブの近接武器として取り回しの良いナイフ型ヒート兵器も一部のパイロットから好まれていた。
11月のオデッサ防衛戦に向け、10月はジオン陸戦モビルスーツをじっくりと制作していました。
基本的にはオリジナルのカラーリングを踏襲していますが、ブレードアンテナ、動力パイプ、関節部、股間部、足甲部、はデザイン的に近しいF2ザクを参考に色変更しました。
重力戦線セットから借りてきたザクのシールドは、オデッサ戦線での応急処置感が出る様、あえてザクカラーのままです。大型ガトリングも外しザクマシンガン装備と、グフとザクが非常に近いシルエットのモビルスーツであったことを思わせるスタイリングを目指しました。
恥ずかしながら、今回初めてピンバイスによる3ミリ穴やドットディテールの追加に挑戦してみてました。これまでガンプラを傷付ける系の加工は避けてきたのですが、プラモに穴を開ける背徳感とドキドキ感に包まれながら、気が付いたら夢中で開けまくっている自分がいました!笑
モノアイも先述のピンバイスを使ってのHアイズ化です。グフカスはザク系のピンクより、血に飢えた死神のような赤ですね。
ヒートサーベルは、刃のみ赤熱化しているイメージの塗り分けです。
これも初挑戦の迷彩塗装でグフシールドは青系迷彩にしてみました。面積も狭いせいか、エアブラシで思うように細吹き出来なかった為、結局筆塗りで仕上げてみました。
ランバ・ラルのエンブレムも使いたいが為に、少しこじつけなストーリー展開となりましたが😅
MSハンガーを縦に繋げると何とまあ、エレベーター感のあるジオラマが撮れました!
ヒートロッドは、実際キットをぶら下げるだけの保持力があり、劇中シーンを再現出来ます。
やっぱりみんな大好きガトリングシールドも似合うんですけどね笑
11月7日はオデッサ作戦発動の日であり、いいグフ(MS07)の日でもあるらしいので投稿しました。
相方機編も続きます!
HGUCグフカスタム
水性ホビーカラー
ガンダムデカール
コメント
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堪能させて頂きました☺️
劣勢に陥っていくなかでパイロット独自の改修・補修が為されていくのがジオンMSの醍醐味ですよね!
ピンバイス分かります(笑)最初は穴開け楽しくて無意味に開けちゃいそうになりますよね😁慣れてくれば他にも色々と使えますし、どんどん穴開けて切って削って自分だけのガンプラを楽しんじゃいましょう!←無責任w
コメントありがとうございます(zaku-kao2)
同じジオニック社系列のMSとして、ザクから発展してのグフがあるという背景からも、シルエットまとまりやすかったです!
開ける前は怖くて一、二個で終わろうと思っていたのに、病みつきになる快感とはまさにこの事でしたw(zaku-kao6)
こうして皆さん、加工、汚し、破壊とハマっていくんですね!
UC.60生まれ
ジオン第四工科大卒
1年戦争時 工兵の不足により工業科学生でありながら学徒動員・徴用され第603技術試験隊においてオリヴァー・マイ技術中尉付きのメカニック見習いとして、様々な機体に携わり無事終戦まで生き残る。これは、彼の肉眼に映った兵器たちの記録である。
主に微改造・全塗装で仕上げている初心者モデラーです。
ガンプラの取説にある機体解説やショートストーリーが好きで、それに寄せた文章を考えてみました。
お目汚しですが、よろしくお願いします。
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