皆さん、「魔法の少尉 ブラスターマリ」という作品をご存知でしょうか。ジオンの小学生の女の子マリコちゃんが、魔法のステッキならぬ魔法の布団叩きで、魔法少尉ブラスターマリに変身し、旧ザクに乗り込んで悪い奴らをやっつける、魔法少女パロディのギャグ漫画です。
マリコちゃんは小学生なので漢字がよく読めません。なので彼女は旧ザクをこう読みました。「1日ザク」と。
正面
手に持っているのは、ブラスターマリの変身アイテム兼1日号のメインウェポン、魔法の布団叩きです。プラ材を切ったり張り付けたりしてスクラッチしました。ザク本体もそうなのですが、細かいディテールやカラーリングがシーンやイラストごとに安定しないので、旧単行本の表紙やカラーページのイラストのモノをベースに、最大公約数的なところに落とし込みました。
側面
さてみなさん、「なんかこの旧ザクおかしくね?」と違和感を感じていないでしょうか?
実はこの1日ザク、旧ザクのキットを一切使っていません。ベースキットは「HGUCザク改」です。
なんでそんな事になるかというと、0080製作当時、0080のジムコマンドやザク改は、ジムやザクのバリエーション機ではなく、当時なりの「解像度を上げたバージョン」の「普通のジムやザク」であり、現代的な解釈が加わっているだけ、というものだったと言います。
結局デザインが大きく変化しすぎていたこともあり、別物という事に落ち着いたようですが、その落ち着くまでの間に「0080版のデザインを、解像度アップした普通のザクやジムのデザインとして扱った」作品がボツボツあったわけですね。
有名どころでは「ブルーディスティニー」、そしてこの「ブラスターマリ」もその一つだったようです。
結果、本作の1日ザク(旧ザク)は「ザク改を普通のザクとした場合から逆算した、ザク改と共通意匠の旧ザク」という代物となっているわけです。
背面
旧ザクは、無印ザクのバックパック上面の「四角い凹」がなかったりするのですが、この1日ザクでも丁寧な事に、ザク改のバックパック上面の凹が描かれてなかったり、腰や脚部のバーニアがザク改より少なくなってたりフレアが無かったりと、結構拘って、「0080版ザクから逆算された旧ザク」がデザインされているのが、作っていてヒシヒシと感じられました。
HGUCザク改の手首パーツでは魔法の布団叩きを持たせられなかったため、ビルドハンズ丸指から、大サイズのモノを流用。最初ザク2F2用に推奨の中サイズを使おうかと思ったんですが、ザク改の手首って結構大きくて大サイズのものが一番近かったんですよね。
原作での力強さの再現にもなり一番しっくりくるサイズです。
…実はこの魔法の布団叩き、特にヘッド部分が相当面倒くさくて、完成すると思ってなかったんです。しかし結局それなりに形になったので「じゃああとは首を旧ザクに挿げ替えたザク改作るだけだな!本体は楽勝!」と思って作り始めたんですが…
さにあらず。
一見するとパイプとシールドがないザク改なんですが、実際に形状を検討し始めるとあそこが違うここが違うのオンパレード。細かい部分は作画でのアレンジも結構大きいので、細かい部分までは追及してない(追及し始めると終わらない)のですが、それでも相当時間を食う羽目に。
HGUCザクⅠから流用すれば一発だと思ってた頭部や肩アーマーも、サイズや接続基部の位置の関係で全然流用が効かず、ザク改ベースで切った貼ったをする羽目になり…
想像の倍以上難産になりました。どおりで作例をあんまり見ないわけだ!
塗装直前の状態。
頭部はザク改のモノをベースにパイプを省略したりトサカをプラ板で作ったり"ひさし"をプラ棒で作ったり。
なぜか太ももやフロントアーマーに追加される太いモールドは3mmラインチゼルでモールド。何気にここが一番苦労したかもしれない。
コクピット部分は形状が違うのが作画アレンジの範疇なのか迷いましたが(というか面倒くさくて同一形状だと思いたかった)無印旧ザクでもザクⅡと形状違うよな…という事で削ったり盛ったりして作中の形状に近づけました。コクピットブロックの下側のお椀状の装甲は、WAVEの新商品、細長丸パイプから切り出し、強引に接着。
本来腰のパイプの接続部が来るあたりにある凹型の装甲は、HGUCリバイブザクのふんどしの上部分を切り取り、さらに真中に真っ二つにして左右に延長したモノ。
何気に腰アーマーのうち、フロントアーマーの左右のモノがザク改とは全然違う丸い形状のモノだったので、コトブキヤのショートパイプの内大きいサイズのものを、1/4径に切ったものを縦に二つ繋げ、その側面に1mm角プラ棒を接着して作成。
それ以外にも細かくリブのモールドが全体的に省略されていたり
胴体は下部のブチ穴が埋まって。代わりに太めのモールドが入ったり
胴体上面のブチ穴もなくなったり
股間下部のバーニアも無かったので削り落としたり
つま先のグレーのパーツは差し込まずにパテで埋め、足の甲の部分にこれまた3mmモールド
魔法の布団叩きの作成途中。
ヘッド部分は0.8mmプラ板を4枚重ねて作成。真ん中の2枚は左右の「腕」の付いた形状で切り抜いています。腕の先っちょには適当な半球ディテールパーツをペタリ。
尾部の透明な球体は関節技のボールジョイントの流用。
魔法の布団叩き、なぜか先っちょに砲口っぽい四角い穴があるんですよね。先端が見えるコマでは大抵描かれているので、明確にそうデザインされているっぽいんですが…なんなんでしょう?
光線魔法でも出そうな雰囲気ですが、ブラスターマリは布団叩きで思いっきりぶっ叩くしかしなかったしなぁ…
塗装
ザク本体
時間が無かったこともあってあんまり深く考えずに無難な塗料を使用(笑)
グリーン:MSグリーン
ディープグリーン:MSディープグリーン
関節部グレー:MSグレージオン系
ブラック:ファントムグレー
バックパックグレー:ファントムグレーに軍艦色を適当に
魔法の布団叩き
最初に勢いで作ったのでうろ覚え(笑)
ピンク:確かマイザーピンク
金色:確かガイアカラーのスターブライトブラス
オレンジ:確かバーチャロンカラーのパールビビットオレンジ
布団叩きはクリアパーツはっつけたあとに、やっぱり粗が目立ちまくってたのでつや消しスムースクリアを吹いたのですが、その結果クリアパーツが曇り気味になったのはちょっと失敗でしたね。
思ったよりザク改と違う!
コメント
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正に理想的な1日ザク‼️
お見事です(^-^)/
制作お疲れさまでした(*^^*)
「『ブラスターマリ』の1日ザク」を再現するなんて凄いです。
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