「ネモディフェンサー02『彩雲』帰投しました。メンテナンス作業班は配置についてください。繰り返します。彩雲、帰投しました。メンテナンス作業員は・・・」
ネモ+GディフェンサーEWAC型の2号機という設定の機体です。1号機は既に設定として存在していますので、そのデザインを元に俺設定で作成。
旧式化し合体する機体もなくなったGディフェンサーを改造し、汎用性の高いネモと組み合わせています。哨戒任務用に各種センサーを増設・強化、巨大なレドームを装備。連邦軍は後のEWACジェガン登場まで本格的な哨戒機というものが存在しなかった様子なので、こういった急造品で状況をしのいでいたのではないでしょうか。
時代としては逆シャアの少し前、ジェガン配備前ですでにネモは旧式となっている頃。また世界が少しづつキナ臭くなり、シャアが反乱を起こすのでは・・・という雰囲気の中、哨戒任務にあたるこの機体もだいぶ疲労している様子です。
「班長!ND02、ベッドに格納完了っス!ただちに冷却作業、洗浄開始します!」
「今回の哨戒任務は長旅だったからな。念入りに見てやってくれ。後ろの円盤と胸の弁当箱から情報抜き出したら管制局へ持ってってくれな」
「了解です!・・・班長、この前壊れたままの右マニュピレータっスけど・・・」
「そのままでいい。コイツは鉄砲握るわけじゃねぇんだ。指なんていらねぇよ。予備があるなら実戦機に使ってやれ」
「嗚呼・・・。痛々しくて見てられないっスよ(涙」
胸部にはFAZZなどに使用されている追加センサーユニットを増設。班長が「弁当箱」って言ってる物です。この時代に弁当箱が存在するのか不明ですけど。
胸部排気ダクトは隠密行動用の低温化フィルターを装備。2本出ているのは固定シャフトも兼ねた排気/外気センサー。
整備員君の涙を誘う右手。前回の出撃時に破損し、そのままになっているようです。右手は銃を保持しトリガーを引く、サーベルを握るなど高トルクかつ複雑な動きをするため消耗は左手より激しいはず。
実戦部隊のMSは右手予備部品がさぞ消耗しているんじゃないでしょうか。もうネモもモデル末期で予備部品の供給も滞りがち。班長の考えでは後方支援機より最前線機が優先。彩雲の右手はしばらくこのままのようです。
「前から聞きたかったんですけど班長、なんでND02ってMK2の脚なんスか?ネモの純正パーツ使えないし、古いし規格外の物が多くて整備大変なんスよねぇ」
「ネモは確かに現行機でMK2は旧型で規格外の『ガンダム』だ。だが流石旧型でも『ガンダム』だ。部品精度、サスの自由度、ダンパー容量などは現行機の脚廻りより断然良い。単体MSで見ればオーバースペックだが、彩雲はこんな重いの背負ってるんだ。これぐらい奢ってやっても足らんぐらいだ」
脚はガンダムMK2のものを使用。スジボリで外装をパージできるような分割ラインを入れてあります。流石に0088年時からはパーツ単位のアップデートがなされているはず。
足回りに関しては、新車セダンの簡素化された物より旧車レーシングカーの足回りのほうが性能が高いなんてことはまま有ることで。班長はこういう観点からMK2のものに換装したと考えます。
オリジナルMK2の足首はツインショックですが、この部分は現行品の大容量モノショックに交換している、というマニアックな設定有り。
手の甲が左右派手な色ですが、航空機の翼端識別灯と同じ意味です。空母に着艦する際は腕をおおきく開いて機体幅をクルーに分かりやすく、とか。
「班長、ND02の次の任務用データプローブなんですが・・・」
「お前、コイツの事をいつも機体番号や形式で呼ぶがな。ちゃんとコイツには『彩雲』って良い名前があるんだ。そう呼んでやってくれよ」
「俺、なんかそういうの苦手なんスよ・・・。んで、この『彩雲』ってどういう意味なんです?」
彩雲、ご存知帝国海軍の傑作哨戒機からのネーミングです。なので機体色は中島系濃緑色のMrカラー129番を使用しています。
頭部もフェイス部分を鋭角に、ヘルメット部分も大幅に造形しなおし耳のダクトを大型化。実戦機ではないので頭部バルカンは廃止。左後頭部に多目的センサーアンテナを装備。このあたりは1号機の設定を参考に近づけてあります。
肩、胸のパネルラインを彫りプラ板、メタルテープ等でディテールアップ。解像度を上げることを目標としました。胸にはブレードアンテナや追加センサーユニットなどを設置。センチネル系の機体のスジボリを真似て入れてみました。
バックパックにある緑色のハッチの付いた箱はミサイルポッドではなく、偵察用プローブやドローンを収納しているコンテナです。偵察任務の種類によって各種装備変更をします。
Gディフェンサーは機首部分は使用せず、中央構造物はプラ板、棒とエポキシパテ、ジャンクパーツのカタマリです。結果、ものすごい重量に。
足の裏にネオジム磁石が仕込んでありますが、鉄板の上に立たせると足腰の関節が負けて次第にのけぞっていく(笑
画像では斜め後方に折りたたまれていますが索敵時は左右に開くアンテナ。
レドームはガンダムウヴァルの盾を流用。表面のモールドを消すのに手こずりました。
またレドーム部分は2段階にスライドします(という設定)。
Gディフェンサーもスジボリ、パネル貼りでディティールを増やしてあります。サイドポンツーンに付いてる展開する爪(降着脚?)パーツはオミット。フレキシブルスラスターは好みじゃないので普通のバーニアノズルに交換。
エンジンユニット先端もネモ同様の低温化フィルターが装備されています。
サイドポンツーン上部のミサイル庫はそのままセンサーが収納されています。ミサイルハッチは大きく開いて整備性ヨシ!スペースも充分!先端の機関砲4門はオミットされずに残してあります。唯一の固定武装。
歴戦の機体ではありますが、ワンオフ機ということもあり、優秀な整備班によりきちんと点検がなされています。ですので汚し、ダメージ表現は最小限にしてあります。
「そういえば班長、聞きました?」
「なにがだ」
「今度来る後継機のRGM89って奴。そいつにEWAC型も開発されるって話。そうなればコイツ・・・彩雲もやっと引退っスかね」
「そんな最新鋭機、こんな田舎に来るのはもっとずっと先だ!あと10年飛ばすつもりで整備行ってこい!・・・馬鹿野郎」
当初、適当なジャンクパーツを組み合わせてそれらしく作りましたが、1号機のディテールからかけ離れたものになってしまい・・・どうにも我慢ならなくなりイチから作り直しに(泣
しかし構造、動きを考えながら既成の設定画の密度を上げていく妄想は楽しかったです。これぞ俺設定を立体化していく醍醐味。
Gディフェンサーは古いモデルのため後ハメなどができず塗装も苦労しました。主翼のディティールもあっさりしていたため、現用戦闘機を参考にスジボリしモールド追加。ネモ本体の造形密度と合うように心がけました。
直線番長で長航続が可能なGディフェンサー。しかし前線では旧式化した装備。これに量産型のネモを組み合わせる「ネモ+ディフェンサー」、思いついた時にはなんて素晴らしい設定!俺天才!ってはしゃぎました。
しかし調べてみたら既にそういう設定があるでやんの・・・。しかもレドーム背負ったEWAC型なんて・・・やられた。めっちゃカッコイイじゃん!ということで悔しさにのたうち回るも気を取り直し2号機制作となりました。こんな機体、ワンオフ機しかありえないから1機づつ細部の仕様が変わってても問題なし!(言い訳
バックパックもMK2より移植。どうせ握れないだろう腰のサーベルは装備せずラックも外してあります。MK2のサーベル先には謎のver.Ka避雷針。
後頭部にはセンサーアンテナ追加。機体各所に出てる針みたいなアンテナは0.1mm真鍮線。パネルは0.1、0.3mmプラバンにメタルテープ貼り付けで各所をディテールアップ。
ご覧いただきありがとうございました。大変でしたが妄想大爆発で楽しい製作期間でした!呑んで寝ます!
ネモ+GディフェンサーEWAC型02号機「彩雲」
コメント
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主役機を思わせる装備が良いですね。
細かな作りが流石です。😄
フォローしていただきありがとうございます。
今後ともよろしくお願いします。🙇
コメントありがとうございます!
少し前の制作なので、今見返すと粗が目立ち反省点がいっぱいです。
そんな作品ですがお褒めの言葉をいただき恐縮しておりますw
こちらこそ今後ともよろしくお願いします!
スーパーガンダムならぬスーパーネモですね!
戦闘しませんけどね!w
細部まで作り込まれていてカッコいいです。設定も凝っていて萌えますなぁ~!
コメントありがとうございます!
自分がこの機体の整備士だったら…?と、ここは整備用ハッチが要るなとか、ここは精密機械が詰まってるからコーション書かなきゃとか妄想をふくらませるのが楽しいですw
雑食系作業遅滞型樹脂工事士(二種)
1/144しか作れないという重い十字架を背負って生きる人。作品に考え抜かれた設定などがあると燃えます。俺設定の改造品大好き。丁寧な工作をしている作品を見ると問答無用でイイね!+1/144モデラー様とアラフィフモデラー様は勝手に同士認定します。フォローリムーブご自由に。
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