ジャブロー降下作戦に従軍後、何とか生き延び宇宙へ脱出したドムがソロモンで大急ぎでリック・ドムに換装された、という設定でMGリックドムを組んでみました。
ドムとリック・ドムは一部部品以外共通という設定を活かして、一年戦争末期に地球で戦ったドムが宇宙に上がりリック・ドムとなって再び戦場へ投入される様子を想像しながらウェザリングに凝ってみました。
妄想した詳細設定は下記です。
0079年11月30日、キャリフォルニアベースよりガウ攻撃空母の搭載機として発進しジャブロー基地エリアに降下、基地内の宇宙港の破壊を目指し連邦軍と交戦。
同日、作戦は失敗に終わり撤退命令受領後、作戦地域を西方面へ脱出。
アンデス山脈を越え、12月2日未明にエクアドル西海岸で待機していた潜水艦隊に回収され南米を脱出。
12月5日明け方にキャリフォルニアベースに帰投後、そのまま急ぎHLVへ積み替えられパイロットと共に宇宙へ脱出、一路ソロモン要塞へ。
ソロモン要塞内ドックにて至急リック・ドムへの換装が施され、パイロットはその間に宙間戦闘慣熟プログラムを消化、慣らしついでに数日間の基地周辺哨戒任務を経て12月24日のソロモン防衛戦に突入。
その後の想像はお任せします。
ソロモン→ア・バオア・クー→デラーズフリート→アクシズ→新生ネオジオン→袖付きと闘い続けたと妄想すると胸アツですね!
ジャブロー→キャリフォルニアベースへの撤退ルートはジオニックフロントのストーリー展開を参考にしているので、公式設定的にもまあ矛盾はしていないかなと思っています。
PS2ジオニックフロントのステージ12で、闇夜のフェンリル隊に護ってもらって宇宙に上がったHLVに載っていたドムだった、と妄想して一人で盛り上がってます(笑)
上記設定のように大慌てで地球から逃げ延び、連邦軍がソロモンに迫る中急ピッチで最低限の整備でリック・ドムに換装したので、宇宙用MSですが地球で付いた砂汚れがそのままだったり、損傷の軽い装甲は交換せずになっています。
一方でリック・ドム用に換装した部品や、損傷が激しく交換した装甲は真新しくなっています。
(右肩、右二の腕、右前スカート、後ろスカート、左スネ外側、背面)
設定毎に各部品のフィルタリング、汚し、チッピング具合を変えて変化を出し「なりふり構わずとにかくリック・ドムの体を成して稼働できる状態にした」という、ソロモン戦直前のジオン軍メカニック達の慌ただしい情景が目に浮かぶような演出を目指しました。
パイロット「なんだよ、砂くらい落としてくれてもいいだろ。」
メカニック「「砂付き」は地球帰りの猛者って証!勲章みたいなもんじゃないですか。」
パイロット「うまい事言って手抜きやがって(笑)」
いかにも間に合わせな本機を見たパイロットとメカニックの間で、こんなやりとりがあったとかなかったとか。
極力成形色を活かし、クリアパーツやバーニア等だけ部分塗装しました。
キットのくすんだパープルの成形色が個人的にかなり好みなので、下手に塗り替えず成形色のままでいく決心をしました。
モノアイは可動軸のクリアパーツ差し込み軸を切り飛ばし、ビルダーズパーツのMSサイトレンズ01を貼り付けた物を貼り付けました。
ゲート処理ミスって白化した部分や合わせ目消しきれなかった部分は悉くウェザリングで誤魔化してます。
私の組んだキットは全部ウェザリング無しだと見れたもんじゃありません(笑)
ジャブロー攻略戦という激戦をかいくぐった機体なので、バトルダメージは避けて通れないと思い恐る恐るトライしました。
ジャブロー戦では連邦軍が本格的にジムを投入し始めていたので、トーチカや100mmマシンガンなどの実弾兵器で被弾した箇所に加え、今回はビームスプレーガンで被弾した想定で熱で溶けた感じのダメージにもチャレンジしました。
実弾痕はピンバイス+デザインナイフで抉り、ビーム痕はガスコンロで熱したドライバーを当てて溶かしました。
ダメージ加工は一発勝負なので毎度緊張します。
損傷の激しい装甲は新品に交換してしまっている設定なので、交換するほどではない軽ダメージを意識して控えめにしました。
ドムとリック・ドムの外見的な違いは背面スラスター、スカート(とその内部のスラスター)、足裏という認識なので、そこは工場出しの部品を換装したとして新品感のある仕上げにしました。
ほとんどの部品が共通なので、一からリック・ドムを製造するよりドムを換装した方がかなりコストは低かったであろう事は想像に難くないですよね。
なのでジャブロー戦を終え完全に勝敗の決した地球圏に残すドムは、宇宙艦船打ち上げ基地や資源採掘基地等の重要拠点の防衛部隊や、連邦軍の侵攻ルート上で足止めや破壊工作を行う特殊部隊(ex.闇夜のフェンリル隊)への最小限の配備に留め、残りは可能な限り宇宙へ上げリック・ドムに換装し、連邦軍の宇宙反攻作戦への備えに回したと考えました。
ソロモン戦では本機のような砂まみれのリック・ドムや、J型からF型や高機動型に換装されたザクⅡが結構いたかもしれないですね。
武装はMMP-80マシンガン+ザクシールドを持たせてみました。
F2ザク付属の物です。
武装は地球から持ってきたものでは無くソロモンで新たに受領した物という設定にして、マーキング番号等のフォントをドム本体のそれとは敢えて変えてみました。
同じジオン軍でも地球方面軍や宇宙攻撃軍等、旧日本軍等と同様縦割りの組織構成だったと考え、同じ装備でも規格名やマーキング書式が違っていたんじゃないかなという妄想を元にしています。
実例として、アメリカ軍では同じ小火器でも陸軍はM〇〇、海軍はMk.〇〇、空軍はGAU〇〇という規格名で採用していますよね。
シールドの持ち手は適当なジャンクパーツから作りました。
シールドの接続部に3mmジョイント穴を仕込みそこにPCを差し込み、ランナーのU字型になっている部分を切り出しPCに差しています。
貧相な見た目の持ち手ですが、どうせドムのゴツイ拳で覆い隠されるので手を抜きました。
ザクシールドはドムに持たせるとかなり小さく見え、この巨体をカバーするにはあまり役に立たなそうですね(苦笑)
スパイクシールドなら打突兵器も兼ねているのでいいかなと思いましたが、スパイク部品の持ち合わせが無く、F2ザクのアーマーから切り出すのは地味に面倒そうなので諦めました。
いつか旧ザクが手に入ったら同梱のスパイクシールドに交換してあげようと思います。
新品に交換した部分の装甲に施したナンバリングのフォントも、地球からそのままの装甲に書いてあるフォントとは違うものにしています。
前面スカートアーマーやスネのラインマークも地球での運用時には全て入っていましたが、被弾して交換した物はラインマーク無しになっています。
各種ラインマークデカールは旧キットのリアルタイプドムから奪いました。
パイロットはジャブロー戦での功績を買われ、ソロモン防衛隊着任時に少尉→中尉に昇格しています。
少尉→中尉は△みたいなマークが上に一個増えるだけなので、元の階級マークに加筆したという演出をしてみました。
中尉のデカールを貼り全体に砂汚れを施した後、上の△マーク周りの汚れのみを綺麗に落としエナメルのホワイトで上の△マークだけ上塗りして白さを強調し、「上の△マークはソロモンで後から書き入れた」という設定を演出してみました。
パイロットはどんな逆境でもしぶとく生き抜くタフガイをイメージしました。
なので士官学校出のエリートではなく、下士官から叩き上げで士官になったという設定です。
ジャブロー戦時は少尉でMS小隊長、新鋭機であるドムを任されていたので上官からは厚い信頼を寄せられていたのでしょう。
搭乗していたパイロットを妄想すると一層思い入れが深くなりますよね。
ジャブロー戦で部隊は消耗し、ソロモンに撤退後に他部隊と統合等して再編制されたと考えるのが自然なので、機体識別用ナンバーは一度上から塗りつぶし→新番号にナンバリングした演出にしようと思いましたが、うるさくなりそうなのでやめました。
「設定のリアルっぽさ」と「ガンプラそのものとしてのカッコ良さ」は、必ずしも比例関係にあるとは思っていないので、適度にバランスを取るよう気を付けています。
MMP-80は腰背面にマウントできるようにしました。
穴を空けてマウント自作するのは面倒だったので、マシンガン内部に磁石を仕込み、同様に後部スカートアーマー裏にも仕込み磁力でくっつくようにしました。
マウントリングはただマシンガンに引っ掛けているだけです。
ジャイアントバズは威力はありますが、装弾数が少なく戦闘中の弾倉交換も簡単ではなく経戦能力は低かったと思います。
ソロモン戦以降は連邦軍はMSを大量に投入しており、鈍重なジャイバズだけでは敵艦に近づく前に衝突する敵MS部隊とのドッグファイトに対応しきれなかったと思います。
特に後方で補給や装備変更する暇も容易には取れない総力戦が予想された大規模戦闘時は、ジャイバズ担いで腰にマシンガンひっ下げて重装備で出撃したという妄想をしました。
マシンガンの予備弾倉も腰に下げています。
MGドムは古いキットだけあり、あからさまな合わせ目こそ数か所ありますが対処自体は簡単で、プロポーションやディテール、関節構造等の総合的な完成度は歴代の誉れ高きドムキット達の中でも最高峰に君臨すると思います。
肘の関節なんかはかなり凝った構造で面白いです。
大きなパーツ同士が隙間やズレなくピタッと嵌る金型&成形技術にも感嘆します。
MGで初採用された5本指独立可動の手首も発売当時ヨダレものでした。
この指のおかげでポーズの幅が物凄く広がります。
まあウォッシング時は割れないよう全バラシで対応したり、武装持たせるのが煩わしいというマイナス点も否めませんが。
今回クレオスのウェザリングカラーでウォッシングとスミ入れしましたが、耐久性低下が心配です。
耐久性が心配な部分のスミ入れはスミ入れペンの方が安心かもしれないですね。
デカくて重量級なのでアクションベースに乗せるのは不安でしたが、宇宙用なので避けては通れませんね。
何かの拍子でいきなりぶっ倒れて折れないよう祈るばかりです。
古いキットながらもパーツ分割が合理的でリアル感があり、特に何の改造も無しに今回想像した設定が実現できました。
何も改造していないし塗装もろくにしていませんが、作りながら細かく設定を妄想したおかげで非常に楽しみながら作業でき、とても愛着の湧くリック・ドムになりました。
既に公開されていますが、今年中?にはドムVer2.0が出ると思いますが、既に完成しきっている感のあるVer1.0をどう超えてくるのか、今から非常に楽しみですね!
最後までご覧いただきありがとうございました。
おまけ
モノアイの工作途中です。
ビルダーズパーツのMSサイトレンズが個人的にはシンデレラフィットしてちょっと感動を覚えました。
大きさは他にもあるので、好みに合わせて大きくも小さくもできます。
おまけその2
ダメージ部の工作途中です。
塗装入れるまで「うわぁやっちまったかな」といつも心配になります。
ダメージ加工好きは好きなんですが、非常に緊張するのであまり派手にやる勇気はまだ無いです(苦笑)
地球で戦ったドムが宇宙へ上がりリック・ドムとなって更なる戦場へ、というストーリーをウェザリングで表現してみました。
コメント
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MGドムいいですねー。買おうかな。
肘と二の腕の合わせ目を除けば組みやすくて塗装しやすくてグッドデザインで、総じてかなりレベル高いキットだと思います。
指も5本独立稼働ですし。
私は旧バージョンしか組んだことないですが、新バージョンは特に腰から下の稼働範囲が充実しているようです。
ただ、新バージョンは掌の大きさが小さくなったのは個人的にはマイナスですが。。
弾痕まで再現するとは……俺には出来ないw。きっとこのドムと共に様々な戦場を駆け巡ったに違いない。
ダメージ表現はドラマを感じさせますよね!
投稿、拝見いたしました。詳細な設定を読むだけで、一年戦争の戦記物を読んだ気になりニヤニヤしてしまいました。私も脳内で色々妄想してますので、どこかの宇宙で4039さんの機体と私の機体が共闘するか、若しくは戦ったりしてるかも知れませんね。他の投稿も拝見させて頂きます。
コメントありがとうございます!
ガンダムはこういう想像ができる余白が非常に大きいのも魅力ですよね。
フォローありがとうございました。他のも見させていただきましたが、キットの作り方というか手を入れる理由が、自身の考察ありきなのが自分と似ているなと思いました。このドムのメイン兵装に対する考察はやっぱりそう思いますよね。そして私とほぼ同じ時期の復帰にも関わらず、この作品量!きちんと一体一体作られていて感服いたしました!
こちらこそ、フォローありがとうございます。
私もhidetさんのザクを見させていただいて、リアルな兵器としてMSを見た考察、作った作品にしっかりポーズをつけて魅せる写真をアップされている姿勢、そして同じ時期に出戻っている事にとても共感しました。
数の多さは、仕事の都合で家族を置いて海外に単身赴任中なので、ガンプラ作るくらいしかやる事が無いだけです(笑)
今後ともよろしくお願いします!
詳細な設定とそれを形にしてしまう工作や塗装、相変わらずお見事です!
ところどころちぐはぐなラインデカールや汚れ方の違いで、破損パーツの交換を表現されるとは・・・!
以前投稿されたグフやザクF2型と同じく、素晴らしい発想だと思います!!
マシンガンのマウントラッチもカッコいいですね!
自分のドムも、なんとかあと1,2か月で投稿できると思いますので、よろしければまた覗きに来てください。
ありがとうございます!
今回は塗装せずにウェザリングだけでツギハギ感を出してみました。
Zooさんのドム楽しみにしてます!
階級マークやコックピット横のコーション等々、マーキングワークにリアルさを感じました。 昨今はデザイン的にお洒落なマーキングが溢れていますが、個人的にはこのような兵器感のあるものが好きです。
また本来、地上専用から空間仕様にするには一筋縄ではいかないはずだけど、ブロック単位の換装でそれを成し遂げたリックドムの開発経緯まで妄想させていただきました。
いつもコメントありがとうございます。
米軍基地祭等で実際に軍用機を見学したりして、リアルっぽいマーキングのセンスを養ってます。
ゲルググの実戦配備が遅れる中、突如として配備されてジオン宇宙軍の大黒柱となってくれたリックドムは当時のジオン将兵達にとっては救世主のような存在だったかもしれませんね。
こうゆうの大好きです!!!
設定増し増しの一般兵の物語!
妄想が膨らみますね!🤣
ありがとうございます!
名もない一般兵の物語を思いっきり妄想できるガンダムワールドの懐の深さは素晴らしいですよね!
2020年6月頃から、約20年振りに再びガンプラにハマり始めた30代です。
自身の制作備忘録も兼ねて、ここで記録していこうと思います。
0079~0083あたりまでのミリタリー色の強いMSや設定が好物です。
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