ゼットコンに参加しようとZ時代のキットを物色していたところ、幸運にも名作と誉れ高い旧キット1/100ハイザックと出会えましたので、絶好のチャンスと思いチャレンジしてみました。
普通に組んでも全然良かったのですが、せっかくなので少しだけ下記のようなオラ設定を考えてみました。
連邦宇宙軍所属機で、旧ジオン軍から接収したビームバズーカを装備し、中距離火力支援を担当する機体です。
ハイザックはグリプス戦役勃発前、対ジオン残党の不正規戦に対応する設計思想で開発された為に、大規模な艦隊戦向きの武装開発は重視されていませんでした。
しかしグリプス戦役が勃発し組織的な艦隊戦に対応できる武装が急遽必要となり現地改修された機体、といった妄想を発端にしたオラザックです。
ベースが超名作機のザクⅡなので、その遺伝子を継いだハイザックも、本来想定されていなかった武装運用もお手の物だったはずですね。
ビームバズーカは開発当時から巡洋艦の主砲並の火力を有するので、威力は十分と判断し作動安定性のみチューンナップされ、出力の増強は実施されていません。
1年戦争期のMSよりも高性能のジェネレータが搭載されているハイザックが装備する事でチャージ時間の短縮が実現しており、単位時間あたりに発揮できる火力は大戦期のジオン製MSが扱うより増加しています。
バズーカ運用に邪魔な右肩シールド、左肩スパイクは外しています。
右肩はバズーカの保持安定と肩関節への負担を軽減させる為にショックアブソーバーを装着しています。
ジオンの兵器にEFSFマークを貼るのって、なんか背徳感ありますね(笑)
バズーカを撃ち尽くした後や、不意の接近戦となった場合の自衛兵器として、ジム用の二連装ビームガンを腰に装備しています。
パイロットは1年戦争時から連邦軍のMSパイロットとして従軍し、ジム・スナイパーカスタムから本機に乗り換えている為、当時から使い慣れているビームガンを使用しています。
近接武器も使い慣れたビームサーベルを使いたいところでしたが、ハイザックの泣き所である「出力の関係で2つのビーム兵器の同時駆動は不可」という制約の為、泣く泣くヒートホークを装備しています。
カラーリングもパイロットの意向で以前の愛機のスナイパーカスタムをオマージュしたものにしています。
実用性の面で右肩シールドとスパイクを外していますが、デフォルト装備のハイザックは、一年戦争を戦い抜いた生粋の連邦パイロットにとっては「いかにもザク然」とした外観は不快で、ザクの象徴でもあるこの2つの装備を外す事は気持ち的にも丁度良かったのかもしれません。
ビームバズーカはMGリックドムから持ってきました。
グリップが太いので、握らせる為に指関節を一度切り離し、開かせて再接着しました。
残念ながらキットのままではとても保持は出来ないので、バズーカと手首は接着固定しました。
肩に担がせる為の改造は手首の傾きを大きくする為に袖部を少し削り込んだくらいで、ほぼ無改造でいけました。
この辺り、本キットの懐の深さを感じました。
肩部アブソーバーは以前制作したMGジム・スナイパーカスタムの余剰部品を使い作り、ハイザックのシールド接続部をそのまま流用し接続しています。
キット自体は頭部以外ストレート組みですが、ボリューミーなガチムチ体型は今の目で見ても十分イケてると思います(ほんの少し頭デカい印象ですが、好みの範囲かと)
MG並に部品数が多く、組み応えがありました。
後ハメは各箇所かなり悩みました。
というかほぼ後ハメ化できず、完全に組んだ後だとマスキング塗装も難しい箇所が多かったので、まずバラバラの部品単位で塗装した後組み立てて合わせ目を消し、合わせ目消しした部分だけマスキング塗装、という工程で凌ぎました。
各部の動力パイプも挟み込み構造ですが、これは嵌合部を一部切り取る事で簡単に後ハメ化出来たので助かりました。
動力パイプが後ハメ化できなかったら心折れてたかもしれません(笑)
缶スプレー基本塗装、細かい部分はエナメル筆塗りで塗り分けしています。
塗装→デカール→艶消しクリア→ウォッシング、スミ入れ→艶消しクリア→ドライブラシで完成です。
このどでかいバックパックが最高ですね。
フィンもしっかり可動します。
塗装は当初連邦軍カラーにしようと思ったのですが、あの絶妙な青紫の塗料がどうしても見つからず、思い悩んだ末スナカスカラーにしてみました。
なんだか今回はどうしてもノーマルのティターンズカラーにはしたくなかったので、自ら課した制限の為に苦しみました(笑)
ストレート組みでも旧キットとは思えないくらいポーズがキマります。
MGハイザックと並べても全く遜色ないというか、知らない人が見たらどっちの方が新しいキットか分からないレベルだと思います。
1200円でこのボリューム感と緻密感、噂に違わぬ名作キットだと体感しました。
ディテールも申し分なく、5本指独立可動や手首カバー、スリッパの前後独立可動等、現代のキット並に作り込まれたギミックに驚かされました。
そして部品数の多さにびっくりです。片方の足首だけで16パーツもあります。
初期~中期のMGより多いのではないでしょうか。
各関節も挟み込みながらPCで回転軸を保持する構造になっており、グリグリ動かしても削れてユルユルになってしまう事はありません。
キットに付属する武装はザクマシンガン改とヒートホークのみで、ちょっと寂しいです。
ヒートホークは1部品構成でがっつり肉抜き孔が入っていて、もうちょっと凝って欲しかった思いはありますが、キットの価格を考えれば十分な完成度だと思います。
MGハイザック1体分+数百円のお金でこっちは3体買えてしまいますからね。
ヒートホークは磁石を埋め込んで背面腰部に付けられるようにしました。
ただ、バックパックとの位置関係をあまり考えずに磁石配置してしまったので、干渉してしまっています(汗)
可動も部分的には現代キットすら凌駕する驚異的な可動範囲を誇ります。
こんな股割り出来るキット、最新キットを含めても数える程ではないでしょうか。
邪魔な動力パイプがある割りには非常によく動きます。
スカートアーマーを別体化し、各関節部を少しだけいじればかなり動くポテンシャルは持っていると思います。
足の付け根は、現代キットでは常識ですがなんとロール軸があります。
35年以上前のキットに既にこの構造があったなんて本当に驚きました。
ボールジョイント股関節時代をすっ飛ばして先取りしていますね。
ちなみに足首もちゃんと関節が3軸あるので、無改造で綺麗なハの字立ちが可能です。
腿装甲前面のスリット内部にパイプが見える構造もメカメカしくて非常にカッコイイです。
本当によく練られた設計のキットだと思います。
ちなみに脚部は後ハメ化を早々に諦め、腿内部メカ部組み立て合わせ目消し→塗装→パイプ後ハメ→腿装甲単品塗装→腿装甲組付け、合わせ目消し→合わせ目消し部マスキング塗装→スネパーツ単品塗装→スネパーツを腿部に挟み込み接着、合わせ目消し→合わせ目消し部マスキング塗装、という長い長い工程で疲れました(笑)
大型パーツは流石に時代なりの合わせ目ガタがありましたので、パテ盛りしてのガタ修正も苦労しました。
頭部はシンプルなモナカ構成で、モノアイはカバー部品にデカールを貼る方式になっています。
ここは流石に時代を感じたので、脳天に軸を挿して回転するモノアイを新造しました。
中身スカスカだったのでとりあえず艶消し黒で内側を塗り、裏側に黒く塗ったプラ板で蓋をして真っ暗にしてごまかしました。
モノアイレールのディテールをスクラッチできる技術がある人がうらやましいです。
キットのカバーパーツは、UVレジン等でクリアパーツで複製すればそのまま透明のモノアイカバーとして成り立ちそうな構造です。
まさか当時そこまで見越した設計だったとしたら戦慄しますね(笑)
クチバシのダクトも左右で真っ二つで接着合わせ目消しでは対応しきれないので、一度くり抜いてプラ板で新造して置き換えました。
私は出来るだけ手抜きしたがる性分ですが、頭部は細かい所も目が行きがちなので、ここは少し手間をかけて作り込みました。
説明書も詳細解説が付いて読み応えがあってお得感があります。
もちろん最新のキットに比べれば構成の古さや部品精度の低さを感じますが、この完成度のキットが35年以上前に発売されたとは、まさに「オーパーツ」と言っても過言ではないキットですね。
当時設計された方は天才か、もしくは未来人だと思います(笑)
現状品薄な感じですが、あまり人気は無いのかオークションサイト等に出ても定価+α程度が相場のようですね。
元々がバリューが超高いキットなので、数百円上乗せ程度だったら入手しても十分満足できるとは思います。
成形色分けも優秀なので、素組みでも十分見栄えするという点でも異様な完成度のキットだと言えると思います。
間違いなくおススメなキットです!
最後までご覧いただきありがとうございました。
名作と名高い旧キット1/100ハイザックを、基本工作+αで制作してみました。
コメント
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名キット、大きな改修もなく素直にカッコいいです
もちろんしっかりした工作と塗装があっての結果ですが!
ありがとうございます!
ゼットコンやってなかったらまだこのキットと出会えてなかったと思うので、GUNSTAには感謝です。
いつもながら細かな設定とそれを模型に落とし込む技術、感服です!
ハイザックにビームバズーカ、想像以上に似合いますね。
ティターンズ所属機とも少し違う特徴的なカラーリングや2連装ビーム・スプレーガン装備も、ジム・スナイパーカスタム由来とは思いませんでした!
それにしても説明を読むまで知らなかったのですが、1/100旧キットのハイザックがこんなに先進的なモノだとは知りませんでしたよ・・・。
MSVのキットにも当てはまりますが、旧キットの中にはこういったオーパーツじみたモノがたまにありますよね。
それにしてもこのハイザックはすごすぎだと思いますが(マジでやばいな・・・)。
いつもコメントありがとうございます!
このボリューミーなハイザックなら、ビームバズーカ絶対に似合うと思って組み合わせてみました。
ホントに旧キットは化け物が紛れてますね。
MSV周りも気になるキットがいくつもあるので、いずれチャレンジしようと思います!
ビームバズーカと旧キットのゴツめのプロポーションがマッチしますね。ザク系なのにドム的な迫力が。ザクIIIにも負けないボリューム感がいいですね。
ハイザックってかなりマッシブなスタイルなんだなと、本キットを手にして初めて感じました。
作中設定もなかなか興味深く、今回の制作を通してハイザックが好きになりました。
設定の作り込まれたハイザック、感服です…!
旧キットは手を出したことがなかったのですが、気になってきてしまいました。
ジムスナイパーカスタムのカラーリングが素敵です!
ありがとうございます!
しっくりくる連邦カラーの塗料さえ見つかれば、こんな回りくどい設定考えなかったんですけどね(苦笑)
旧キットは色々不便は多いですけど、その分自然と作った人の個性が出て面白いと思いますよ。
よかったら是非チャレンジしてみてください!
確かにMGと見間違う、いや もしかしたらそれ以上のポテンシャルを持つ名作かもですね!
じんわりと滲み出てくる兵器感はたまりませんね。
そしてメガバズーカとの組み合わせがグッドです!
ありがとうございます!
時空を超えたレベルの完成度で、組んでいて衝撃と感動を覚えました。
このビームバズーカ、MGリックドムで初めて立体化された認識ですけど、ZのMSにも絶対似合うだろうと思って持たせてみました。
Z時代はやたらとデカいビーム兵器が出まくりますからね(笑)
2020年6月頃から、約20年振りに再びガンプラにハマり始めた30代です。
自身の制作備忘録も兼ねて、ここで記録していこうと思います。
0079~0083あたりまでのミリタリー色の強いMSや設定が好物です。
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