設定画から立体に起こすときにいつも心掛けていることがあります。実際に機械図面を仕事にしてた時代にふと気付き…箱型の産業機械ではあまりない事ですが、三次曲面を含む物(車等)において、図面と実物の違和感が多発します。これはいわゆるパースと言われるものが原因です。
人間の目と感性は恐ろしく優秀で、物体への視点と全容を取らえる機能とを並行処理して印象に残します。さらに、見た物を無意識に心地よいフレームに収め、視点を探る為、不都合な見栄えを排除したりもします。客観視出来ないのは実は当然なのです。
これを優秀な作家はパーツ・ボディライン形状・カメラマンはカメラのレンズと位置取りで補正・再現します。見えたままの造形や何気に撮った写真と大きく異なるのはその差異への理解度に寄るものです。プロが意図して行うのは作品故の誇張ですが、素直に信じて立体化すると単なる違和感の種です。
僕が良く言うのは、工業製品品質で言うならば、その形状比率では歩けないロボットになる、重心偏重で飛べない機体になると言うことです。例えば設定画比率厳守のカトキスリッパでは実際のガンダムはコケます(笑)。
ちなみに僕は意図的に人の目を基本にしたリアルを志しています。
この場合、まずは見たまんまの心地よさを可動を妨げない為に図面に正しくフィードバックするという逆方向な作業になります。ここを妨げるのが先に述べた人間の二眼補正と無意識の取捨選択。携帯のカメラを例に出すと、人間が見た印象は広角側と言うか、望遠気味で全体を捉えると、見たままに近くなります(言っちゃった)。
進行中のザクも、詰込みが過ぎる程の胴体バランスでないとイメージ通りになりません。後はこれを方向別・可動分割別にどう構成するかがキモになります。写真を見ると苦悩が見えるかもしれません(笑)。
実は設定画(元々パースを意識して描かれている)通りにはカメラの調整でそう写せて、手にしたり置いて人の目で見ればバランスが取れたカッコイイ立体に見えるものが出来ていれば正解と言うことです(*’ω’*)…伝わるかな?これが整理出来ていると立体把握が数段階上達します。
異論は御座いましょうが、お爺なりの理論講釈です。道は長い‥続く。


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こんなにすごい論考をちゃんと読まずにスルーしておりました。目から鱗どころかお魚本体ごと落ちました。
私自身、3Dモデリングというものに向かい合ってから、まさに2次元と3次元の狭間で楽しくも難関な謎を知るに至りました。
なぜ、2次元の設定画のバランスをちゃんとトレースしているのに、3次元に移し替えると何か変に感じられるのか。なぜ一つの角度から見てかっこいい造形が別の角度から見えると急にダサく見えるのか。上下を逆さまに見るだけで、なぜ体型の印象が大きく変わるように感じられるのか。などなど。言語化するのも難しい、漠然とした悩みが日々湧いておりますw
同時に、設定画ではカッコ悪くて使いようもない正投影が実はデジタル設計においてはどれだけ重要か、いやむしろ本質である、ということもよく理解できました。人間は目を2つ持つ以上、パース(歪み)で対象を把握します。だからこそ逆に、対象物の設計はパースゼロ(正投影)で作らなければ品質保証できない、多方面から見て破綻の少ない造形物は作り得ない。
考えてみれば、メカ設定における「カトキ立ち」の最大の貢献とは、脚を外側に18度ほど開いて立たせたことよりも、メカの立体感を正確に伝えるべく、広角レンズ的(もしくは望遠レンズの中心部部位的)な視野で可能な限り「パース」を抜いて描いたことなのかもしれません。それでも、正投影では絵が映えませんから、パースは残ります(それがケレン味を生む)し、2次元の嘘もあるわけです。だから、かっこいいし、2次元の絵なのにくるくると視点移動で回せそうな存在感をも感じるのかと。
面白いのは、ガワラ立ち、と言われる下からの煽りを効かせて巨大ロボのスケール感を表現する始祖のパースも、上半身だけをみれば不思議と正投影に近いように見えることです。年少期に我々キッズを熱狂させたあの立ち姿は、言わば2つのパースを混ぜて描いているのでしょうか。やや強めのパースを効かせた膝下と、その逆パースが抜けた上半身を合わせることで、巨大メカ感と客観的な立体表現を両立させる工夫だったのかもしれない、と思ったり。それはそれで、それまでに見た何にも似ていない、「リアル」なメカ表現だったわけです。
ちょうど球体の地球儀をどれだけ平面地図に落とし込もうとも、必ず2Dにおいては図法の選択が迫られ、その結果捨て去られる要素と何らかの歪みが発生します。でも、人間には2Dが必要です。
3D初心者にしてみれば、これはデジタル設計の魔境。面白くないはずがありませんw もちろん、これが唯一の真理(=正解)はなくとも、大多数の心を打つ「え、なにこれかっこいい」を取れる選択肢は無数にあるのだと信じます。そのどこに妥協点を打つのか、というところが己の表現を勝ち得た方々の「個性」になるのかもしれませんね。
精進しますw
さすがの理解力に脱帽します。釈迦に説法になる事は覚悟の上で、この苦闘を真正面から受ける強者候補生に向けてのお爺の余計なお世話話でした。おっしゃるパースの掛け合わせなどはまさにギフテッド先生たちの華麗な技です。意識していないとミスリードされて、凄い造形(笑)を披露することになります。ただし、それをそのまま立体化できるのもまた秀逸な技術であろうと認める所存です(*’ω’*)(笑)。
ギフテッド先生方の華麗な技に挑むには、それなりの覚悟と知恵が必要ですねー。
しかも!その上で先生方があまり考えていない「関節可動」が加わるわけですから、事態は深刻です(笑)
でも、「ちゃんと人間らしく可動する」ための考察を張り巡らせ、実現させた造形には、それなりのリアルさが宿る。はず。動いてこそのロボット、というのはtom_s0079さんに深く深く共感するところです。
…共に修羅の道を行くとしますか…(笑)。
正面から見た時と見上げた時のイメージがだいぶ違いますね。
大河原先生の描いた立ち絵を再現すると右腕が大きくなるのと同じ現象ですか?
一点から見ることに特化すればどうにかなりますが、可動モデルですと手に取ったり、色々な視点から見る事になるので難しいですね。
左右対称は当然として実際の大きさをどこまでにして、撮影などでどこまで誇張するかのバランスをどう取っていくか?悩ましいですね。
正にその辺りに二次元のウソが盛り込まれています。素直に比率を実体化するとこうなると言うリアルです(笑)。でも、ここをスルっと流すと苦悩も経緯も見えません。無駄に思えるこの惨状(笑)を実証してから引き算を始めます…と言うのを白日の下に晒しながら最終的に形に辿り着くことを実証…できればいいのですが(^^;)。
センチネルな世界線に永住を決意した「無銘」の野良お爺です。
あの工業機械感溢れる姿を、RGキット的にポーズ変更にも破綻
しない形で可動立体化を志す我流デジタル派。随時修正も継続。
昔、可動など玩具思想で「作品」には不要と幾度も言われ…。
それでも「それっぽい彫刻」でなく「機械」は実際に動くもの!
との思い止められない孤独な「元・図面屋」でもあります(笑)。
老いに加え突然の体調不良にアンダーグラウンドのボッチ系を
改心しGUNSTA参加。この良き場の末席に置いて頂けないかと。
現在は体調一段落。新作と同時に過去作の仕上げも始めたい…。
だが老いは隠せず、何卒優しい目でお願いしたい…(^^;)
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