ゴーストファイターと呼ばれ歴史の表舞台から姿を消したMS。生みの親も同然のジャン・リュック・デュバル大佐(二階級特進)が聞けば、後の世のそんな評価は許されないであろう。
優れたものは、いつの世も必ず競争の中より生み出される。それは宇宙世紀のMS開発においてもまた同様であった。
ようやく我が603技術試験隊においても、一年戦争において一躍、戦場の花形となった兵器・MSの最新鋭試作機の評価試験が行われる事となり、ヨーツンヘイムの格納庫はいつになく沸き立っていた。
それは整備する側のメカニックチームの我々だけでなく、操縦する側のパイロットであるワシヤ中尉の鼻歌からも伝わってくる。
ツイマッド社が誇る新型の「土星エンジン」
その整備マニュアルを確認しつつ、いつにも増して入念な機体整備が進められた。
ところが万全の準備で迎えた第一回評価試験において、3番機のエンジンが突如暴走。機体は空中分解を起こしてしまう。「整備は、、どうなっていた!」モニク・キャデラック特務大尉の怒号が響く中、改めて整備記録を入念に確認した整備班長は「発進前の機体に異常なし 整備不良の可能性は極めて低い」との報告を上げた。
後に、回収された残骸や、試験データなどを調べ直したマイ技術中尉により、事故原因は強力過ぎるエンジンに対してのヅダ自体の機体強度不足であったと判明。
新型機として生まれ変わったはずのヅダは、かつて試作段階で同じ事故を起こしジオニック社との競合に敗れたEMS-04の外装を変更し、リミッターを施しただけのものであったのだ。
プロパガンダーー
戦意高揚のために作り上げられた虚構のストーリーを演じる為だけの道化師となってしまったヅダ。
本国技術本部へ上げられた以降の記録も、総帥府により抹消され、その存在を知る者は僅かと聞く。
しかし、『技術の価値は人が決めるものである』ならば、オデッサ撤退作戦の最中、友軍を見捨てず果敢に戦ったその勇姿。それを目にした我々の記憶の中にこそ、正当な評価は焼き付いているはずではないだろうか?
悪夢のようなア・バオア・クー防衛戦を生き抜き、帰艦を果たしたその姿に私もまた希望を見出した一人なのだ。
ガンスタ投稿2回目
今回は自分の中でも一段と思い入れのある作品ということで、こだわり投稿に挑戦してみました。2008年頃に購入し素組みとシールのみで一旦完成。そのまましばらく飾っていたり、長く箱の中で眠っていたりしたのですが、昨年に一念発起して全塗装とデカールにより仕上げました。素組みだけで眠らせていたキットを再塗装し直して飾った作品は幾つか有ります。
登場作品であるMSイグルーはとても大好きな作品であり、学生時代にDVDを借りて繰り返し観ていました。ジオン側の目線からみた一年戦争のストーリーで、3DCGで描かれたメカがとにかくカッコよく、一気にジオン製MSを好きになりました。
ヅダはこの作品オリジナルのMSであり、このキット自体も2006年発売、No.65でありながら、細かなデティールやMGの様な内部機構の再現、モノアイ周辺のクリアパーツ、充実した武装類などが付属しながら定価¥1540というコスパを実現した、これもまた名キットです。
「ジオン脅威のメカニズム」ならぬ「バンダイ脅威の技術力」と興奮しながら組み立てたものでした。
劇中設定通り、1番機
2番機、3番機
予備機、それぞれの頭部形状の違いもコンバチにより再現。
一応モニク・キャデラック特務大尉の駆る予備機という設定の4番機でデカールなど貼りましたが、カッコいいのでデュバル少佐のパーソナルマークも貼ったり、モノアイレールの造形やツイマッド社らしい十字のモノアイスリットを見せたかったので、中央のバーは付けないスタイルで。
機体色は、メタリック調のペールブルーと濃いめの同じくメタリックネイビーで、エアブラシ 全塗装。
アニメ本編では機体毎にパターンの異なるスプリッター迷彩が施されているという設定だったので、実は過去に一度シールドだけマスキング+筆塗りにより挑戦したんですが、酷い状態に。今回、全部落として、単一色での塗装としました。
ザクマシンガン、ヒートホーク、シュツルムファウストに加え、バリアブルロッドライフルも驚きの長さを誇る、135ミリ対艦ライフルなる男子みんな大好き巨大武装もこのキットの売りのひとつです。
機体サイズは通常なんですが、長尺物により、撮影時の構図に若干苦労する一コマもw
使用キット
HGUC 1/144 ヅダ
水性ホビーカラー
ガンダムデカール
コメント
コメントをして応援しよう
コメントにはログインが必要です
UC.60生まれ
ジオン第四工科大卒
1年戦争時 工兵の不足により工業科学生でありながら学徒動員・徴用され第603技術試験隊においてオリヴァー・マイ技術中尉付きのメカニック見習いとして、様々な機体に携わり無事終戦まで生き残る。これは、彼の肉眼に映った兵器たちの記録である。
主に微改造・全塗装で仕上げている初心者モデラーです。
ガンプラの取説にある機体解説やショートストーリーが好きで、それに寄せた文章を考えてみました。
お目汚しですが、よろしくお願いします。
モーリース・ミノフス・K 技術曹長さんがお薦めする作品
RX-79[G] GUNDAM GROUNDtype -…
EDM-GBC GUNDVÖLVA 影忍
PRAN404E Tiefer Stürmer
XVX-16 + SCV-04 Pegasus Knight…
RGM-79 GM Jack the Halloween …
U.C.0087年10月、ティターズとの激化する抗争の最中、…
GNT-0000SDV/D GUNDAM 00 COMAND…
西暦20XX年、この年からガンプラバトル世界選手権に新種目と…
GN-006/SA KHERUDIM GUNDAM S.A.…
西暦2313年、私設武装組織ソレスタルビーイングの2度にわた…
GNX-611T/G STRIKER GN-X / ACT…
西暦2313年、私設武装組織ソレスタルビーイングの2度にわた…