プロスペラとエリクトとの対話を決意したスレッタの為に用意されたAプラン。
それはかつてのヴァナーディース事変の際に、モビルスーツ開発協議会カテドラルが接収したガンダム・キャリバーンを再び起動させ出撃させることであった。
宇宙議会連合の格納庫にて、厳重に秘匿・保管されていた本機ではあったが、かつて《怪物》名で呼ばれたMSですら、急遽戦場に実戦投入させるには、21年という歳月はあまりにも長過ぎたのである。
そこで、ベネリットグループの中でもベテランの域に達している古参の実力派整備士が集められ、急遽専属メカニックチームを編成。彼らにより、旧型とも呼べるキャリバーンは突貫作業ながらも全身にわたるオーバーホールが敢行された。
この21年の間にMS分野においても相当なスピードで技術革新が進んでおり、ましてやGANDフォーマットは研究開発を凍結されていた、いわばロストテクノロジーとも呼べる代物である。
いくら経験豊富な彼等と言えども簡単にこなせるミッションでは無かったが、診断AIや全自動整備ロボが普及した昨今、もっぱら旧式化した機械の担当に回されていた「技術屋」たちの燻る職人魂には、かえってそれが火をつけたのだ。
一部劣化した部品や交換可能なユニットは、現代基準のものにアップデートされ、さらには分子レベルにまで小型化したパーメットを含む特殊な塗料をマーキングすることにより、機体の情報伝達を向上させる新機軸の最新技術・パーメットデカールなども施された。
何とかロールアウト当時と変わらず稼働出来る段階にまで漕ぎ着けた機体ではあったが、それでもなお、パイロットがパーメットスコア5を達成できなければ計画はそこで頓挫する。
現状ではスコア5の達成はクワイエットゼロのデータストーム干渉域を克服する唯一の方法であったが、それはまた同時に死の呪いを全身に刻んだ魔女を生み出す儀式にもなり得た。
二律背反する想いをスタッフの誰もが抱きながら、起動テストに向かうパイロットスーツ姿のスレッタ・マーキュリーを見守るのであった。
水星の魔女最終回の興奮冷めやらぬ中、見たことも無いような店頭の長蛇の列に並び初回発売日に購入。すぐに素組し塗装のイメージをあれこれと考えていました。
発売日当日からすでに沢山のモデラーさんが、それぞれ思い想いのキャリバーンを発表されていましたね。
ほとんどが白パーツなのに、素組でも非常に見栄え良くキマる。シンプルすぎるカラーリングだからこそ、最終回で表現された虹色に光るパーツが映えてくるのかもしれません。
「でも最終回間際でキャリバーンに乗り換えると思わなかったから、キュアキュアの白はエアリアル改修型でもうやっちゃったんだよなぁ〜」
頭の中だけでなく、実際に視覚化してみる事で、カラーリングを決めやすいかもと、iPhoneのデフォルト写真アプリのお絵描き機能でお手軽塗り絵。赤くしてみたり、初ガンのトリコロール風にしたり、ヴィクトリー参考にしたり、色々試しました。
スレッタの最終搭乗機に関しては、シュバルゼッテとか、デミバーディングとか、ウルとソーンを合体させたものだとか、ガンドノードのうちの一機だとか、色々考察がなされていましたよね💡
まさかの新型機ではなく、なんなら劇中登場した中でも最も古い部類の機体。。何の問題もなく、いきなり動かせる訳はないハズ、、本編で描ききれなかった裏方の人々の活躍は何かしらあっただろう、と。
そんなところから、ネーミングは旧車などに手を加えて再び乗れるようにする事を意味するレストアからです。
結局、主体の白は変えない方針だけど、エアリアルとかの青白い系のパールホワイトではなく、暖色系のオフホワイトなイメージのパールホワイトに。
サブカラーとして白を邪魔しないライトグレーメタリックを一部パーツに。本編でスレッタは白魔女でも黒魔女でもない独自の道を歩んでいったところから、どちらでもない灰色の魔女というキーワードもイメージしながら。ショートストーリーで触れた交換されたパーツがこの色の部分にあたるという設定です。最終回、「21年前の機体であるキャリバーンと、エアリアル改修型の専用装備であるビットステイヴがいきなり合体できてしまうなんておかしい❗️」なんて意見も聞かれたんですが、そこら辺のカラクリにも実は関わっていたかも、という匂わせもしておきますw
ゴールドはどうしても加えたかったカラーですが、下品になりすぎないよう、首元のパーツをさらに切り分け別パーツ化して、胸元の部分だけに。バーニア類はカッパーに。
パールホワイトの下地色の暖色系メタリックホワイトが、最近自作していた自家製薄め液の不具合から、正直失敗してしまいましたが、パールコートと、勢いでそのまま押し通してしまいました😅
エスカッシャンはエアリアルと全く同形状のものなので、カラーリングの違いによる印象を比較すると、分かりやすい部分です。
ここのグレーの配色も控えめながらアクセントとして違和感なくまとまっていると思います。
デカールも今回こだわったポイントの一つで、久々に新しいデカールを購入したんですが、様々なバリエーションがあり、最新のデカールの進化にも驚きました。
MYKデザインさんのGMコーションデカール No.12 オペレーションテキスト #2 プリズムレッド&ネオンレッド を使いましたが、よく見る直線的なデザインではなく曲線を主体としたデザインが特徴的で、それがキャリバーンの女性的なシルエットや、魔女の呪文のイメージにピッタリでした。古来、ルーン文字には魔力が宿り、それを身につけることで呪術的な力を得ることも出来ると考えられていたそうです。それを、とある宇宙世紀のサイコなんたらの製造方法と良く似た設定に落とし込みました。
また、通常光でメタリックレッドからオレンジに偏光し、ブラックライトを当てればさらにネオンレッドに蛍光します。今流行りのビコーンシステムを、デカールでやってみようという試みです。
全く同じショットでも、通常光と、ブラックライトで表情をガラリと変えるの、面白いですね✨
実はこちらの作品と対になるじゃじゃ馬ともいえる作品をほぼ同時制作で進めていました。それは次回投稿にて。
使用キット
HG 1/144ガンダムキャリバーン
水性ホビーカラー
GMコーションデカール No.12 オペレーションテキスト #2 プリズムレッド&ネオンレッド
コメント
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裏設定含め、素晴らしいキャリバーンでしたよ(iori_sei)
勿体ない高評価、ありがとうございます✨
今回のストーリーは、なかなか綺麗にまとまりました👍
UC.60生まれ
ジオン第四工科大卒
1年戦争時 工兵の不足により工業科学生でありながら学徒動員・徴用され第603技術試験隊においてオリヴァー・マイ技術中尉付きのメカニック見習いとして、様々な機体に携わり無事終戦まで生き残る。これは、彼の肉眼に映った兵器たちの記録である。
主に微改造・全塗装で仕上げている初心者モデラーです。
ガンプラの取説にある機体解説やショートストーリーが好きで、それに寄せた文章を考えてみました。
お目汚しですが、よろしくお願いします。
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