オデッサ攻防戦。
今まさに、ジオン軍の防衛陣地を突破せんとしていた連邦軍主力部隊に、「ソレ」は突然に襲い掛かった。
地形に溶ける迷彩をまといながら、隠しきれぬ殺意が込められた「眼差し」と、血に飢えた「牙」。
後に兵士たちは「ソレ」を、恐怖と共にこう呼んだ。「オデッサの虎」と……
という訳で、2年ぶりのガンプラです。
この間、ほしいガンプラがあんまりにも手に入らないので、ブチギレてエアモデラーに転向し、1/72 の飛行機を作りまくってました。
そんな中、欲しかった機体が手に入ったので、久しぶりにやってみた次第。
加えて、作ってみたら結構な「悪役面」が出来上がったので、そちらにも合わせてエントリー。
……まぁ、「エアモデルで鍛えた技術が活かせているか? 」と言われると、「テーマ選択から、そのつもりねぇだろ」という話なのですが、とまれ、お楽しみいただければ幸い。
本機は、「オデッサ第三軍団」に所属していた、ドムの一機である。
その独特の塗装と、連邦軍主力部隊の背面へ攻撃を行い、戦果を挙げたことから、「オデッサの虎」として連邦兵士から恐れられた。
今回は、「塗装とデカールワークで勝負」という方針で作成。
そのため、本体への加工は若干のスジボリ追加のみ。
(というか、迷彩塗装の餌食になって、全く目立たなくなることに気が付き、止めた)。
実際、「大面積の曲面」というのは、塗装を見せるにはもってこいの素材だなぁ、と改めて認識。
ネットで拝見した塗り方を参考に、タイガーストライプ迷彩に初挑戦してみたが、やはりこの巨大な足に迷彩は相性抜群だった。
当時、数の上で連邦軍に劣るジオン軍は、オデッサにおいて正面陣地で連邦軍の主攻を受けとめ、MSの機動力を活かしてその側・背面を攻撃しこれを撃滅する、所謂「機動防御」戦術を構想していた。
「オデッサ第三軍団」は、その要となるべく臨時編成された、MSを中心とした機動攻撃部隊であった。
本作のテーマは、ズバリ「虎」。
具体的には
・タイガーストライプ迷彩
・ドイツの「ティーガー戦車」準拠の迷彩色
・そこかしこの「虎」デカール
・極めつけの「シャークマウス」ならぬ「タイガーマウス」塗装
と、虎三昧。
尚、世間様では「虎の球団」が大活躍してたそうですが、モータースポーツ以外なーんも観戦しない勢からしたら、「あら偶然」の一言で終わる話だった。
時速200kmの巡航速度を誇るドムは、連邦軍の側背面へ素早く回り込み攻撃を行うには最適の機体であった。
当時、初期生産型の配備がようやく始まったばかりであったにも関わらず、マ・クベ大佐の指示で、一部前線への配備を削ってまで、オデッサに集中投入された。
そも「虎」にしようと思い立ったきっかけが、このデカール。
T社の某ジェット戦闘機制作時にあまった、「タイガーミート演習参加機」のデカール。
中々細かい印刷で、このまま死蔵するのももったいない、と思い「これが似合う機体にしよう」と製作が始まりました。
ちなみに、左スカートの数列デカールも、同キットからの流用品。
機動防御の要と言いながら、決死隊となりかねないMS部隊においては、士気高揚の効果を期待してか、特に自由な塗装が許されていたという。
本機の独特な塗装パターンは、機体の各所に描かれた虎の絵柄と合わせて、「アングリー・タイガー」とも呼ばれた。
多分、コイツの一番の見どころ「タイガーマウス」。
ドムの胴体の形状を見た時、不意に「あ、ここ口書くにはベストだわ」と思い立ったので、書いてみた次第。
実際、軍用機なんかでは現在でもたまに見られる塗装なのですが、MSではボールくらいしかやってないんですよね。
「顔以外のところを『悪役面』にする」というのも、まぁ面白いんじゃないかな、と。
……え? 「マヌケ面」? 「暗黒大将軍」? そ、ソンナコトナイヨ……
実際、本機を含めた「オデッサ第三軍団」による連邦軍主力部隊への背面攻撃は、連邦兵士を恐慌状態に陥れた。
想定されていなかった背後からの攻撃は、多くの兵士にとって悪夢以外の何ものでもなく、戦列を乱した61式戦車が味方の兵士を踏み潰す、などいう悲劇まで引き起こしたほどだった。
モノアイと、ジャイアント・バズのセンサーという、光物2種。
折角なので、それぞれ色も表現方法も変えてみる。
モノアイは、キットのものにラッカーで色付けした透明レジン。
バズーカの方は、キットのクリアパーツに、クリアレッド、クリオレンジを吹き付け。
実は、バズの裏には、偏光シールも忍ばせたんですが……接着剤の選択ミスで曇ってしまい、思惑果たせず……無念。
エアモデルからの技術が活きた数少ないポイント、「エンジンノズル表現」。
実際のジェットエンジンなんかは、内側セラミックで真っ白。そこに、燃え残りの煤がわずかに残る……という感じなので、それをそのまんま導入。
とはいえ、やってることはささやかで、内側を白で塗った後、タミヤのウェザリングマスターを塩梅みながらゴシゴシしただけなんですが。
ネットで見て真似した、「手千切りマスキングテープ」を使った、タイガーストライプ迷彩。
作業量こそまぁまぁ多いが、確実に仕上がるので大変ありがたかった。
昔から、タイガーストライプ迷彩自体はやってみたかったので、その意味でも大満足。
ただ、「迷彩」というのは、本来「モノの輪郭をボカす」ための塗装なので、なーにも考えないと輪郭ボケボケののっぺらぼうに。シャドウ等で対応しましたが、コレって逆に「ホントの迷彩では、一番のご法度」なわけで。
この辺り、「上手に嘘つく」技術が必要だと、改めて認識。
モノアイ。
透明レジンを盛っただけだが、パーツ自体がこの部分平面なので、非常に綺麗な半球を作ることが可能。
お手軽なのもあって、オススメ。
しかし、このような「オデッサの虎」の抵抗も、一時的なものにすぎなかった。
連邦軍の主攻に耐えかねたジオン軍正面陣地の崩壊と、後方に待機していた連邦軍別動隊の到着により、「オデッサ第三軍団」は逆包囲を受け、文字通り全滅に等しい損害を被った。
本機も、その激戦の中で撃破されたとされる。しかし、一時的とはいえ、連邦軍を壊走寸前の恐慌状態にまで追い詰めた本機の活躍は、多くの連邦兵士にトラウマを植え付けた。
オデッサ作戦に参加した兵士には、以降、ドムの姿を見ただけで失神するものもあり、「本機が直接加害した兵士の数よりも、そのトラウマによって死に追いやった兵士の方が多い」との俗説まで存在する。
汚しは、足を中心に。しかし「新鋭機」という設定もあるので、上半身はアッサリと。
気分は完全に、「ティーガー戦車」。
(エアモデルばっか作ってたくせに、出てくる発想がこれだよ……)
18メートルの巨人が、砂煙立てながら時速200キロオーバーで突っ込んでくるなんて、MSが普及してなかったオデッサ作戦当時の連邦兵士にとってこれ以上怖いモノなんかあるかい(断言)。
今後は、エアモデル製作のが中心になることはほぼ確定ですが、また気が向いたら投稿しようかと思いますので、その際には、またお付き合いいただければ幸いです。
コメント
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柄も色合いもインパクト抜群のトラ迷彩ですね。タイガーマウスも強烈です。
ありがとうございます。
印象に残ったのであれば、大変光栄です。
なんとかっこいいトラなんざんしょ(haro2) タイムリーにあちらのタイガースも殊勲をあげましたねー
お楽しみいただけたのなら、何よりです。
アチラのタイガースさんに関しては、まぁ珍しい偶然もあったものです。
超絶気まぐれモデラー。
気が向けば唐突に作り出し、飽きれば何年でも放って置く。
勝手に設定を生やしては、妄想して満足し、手が止まることも珍しくない。
ガンダムよか、量産機派。
年間でも数えるほどしか作らないので、生温い目で見ていただければ幸いです。
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