第02特殊MS小隊

地球連邦軍が「V作戦」と呼ばれる極秘作戦においてモビルスーツを完成させ、それまでの劣勢を押し返し、ついには実質的に「一年戦争」に勝利したということは、多くの者が知るところである。
また、V作戦によって開発されたモビルスーツ「ガンダム」の強さは、もはや伝説と言っても良いだろう。
しかし、本作戦の功績はガンダムをはじめとした高性能なモビルスーツを開発したということだけではない。ガンダム、ガンキャノン、ガンタンクといった用途の異なるモビルスーツを使用した連携、すなわち「モビルスーツの部隊運用」のデータ収集という功績も、無視できるものではなかった。
本部隊はそういったモビルスーツの部隊運用データを、実戦を通してより確実に取るという目的も兼ねた、いわば実験部隊兼実戦部隊であった。
中距離支援機の援護を受けながら白兵戦用の機体が敵を各個撃破し、それらを長距離支援機がカバーするという戦術は非常に有効であった。
本部隊はこの戦術を使い、なんとあの「キマイラ隊」を壊滅状態に追い込んだという。
しかし、戦後に見つかったさまざまな資料により、彼らが交戦、撃破した部隊は「キマイラ隊」ではなく、そのおとり部隊の１つだったのではないか、という説が有力なようだ。