先日発売されたリバイブシャアザクがガワラ肘出来る以外は好きな部分が無く、オリジンザクも極端な太脚&細腕加減に慣れられず、HGUCザクもアニメ寄りなディテールが好みと違く、RGザクも色々と不満があり、FGザクはスタイルは良いですが構造がさすがにキツイと、実は自分の中でしっくりくる1/144ノーマルザクがありません。
そこで、多くの方が一度は通るであろう「自分の理想のザク探求」を私もやってみようと思いました。
私の「理想のザク像」はMG Ver.1.0のザクです。
それをほぼそのまま1/144にサイズダウンした08小隊レーベルのHGザクⅡ、所謂「08ザク」は理想に近いデザインです。
ただ08ザクは今や旧キットのカテゴリで、可動範囲や構造は今の目で見ると絶望的です。
そこで、後発の各種ザクキットから部品を移植し、自分なりに08ザクVer.2.0を作ってみました。
主な改修箇所は下記です。
胴体:腕付け根をオリジンザク関節移植、首位置微調整
頭部:中身をくり抜き、HGUCザクⅡのモノアイレールを移植
腕部:二の腕、肘関節カバーをHGUCザクⅡ、手首間接をオリジンザクに換装
肩部:肩に3mm軸を刺し接着し、スパイクアーマーはHGUCザクⅡ、シールドはHGUC高機動型ザク流用
脚部:足首をHGUC旧ザクに換装、腿は付け根周りを切り欠き開脚、ガニ股範囲拡張
最初はもっと凝った構想のもとで見切り発車したので、色々紆余曲折し結構な労力と時間を消費しましたが、最終的にはシンプルに落ち着きました。
とりあえず08ザクは脚付け根削って開脚範囲拡げて、HGUC旧ザク足首に変え、合わせ目処理等の基本工作をしてあげるだけでも一気に化ける事がわかりました。
「自分の中の理想のプロポーション×最低限不自由しない可動範囲を持ったザクⅡ」というコンセプトで取り組みました。
自分の中でまだまだ100点とはいかないまでも、まあ及第点といったところです。
ノウハウ蓄積できたので再チャレンジしたいですが、08ザクがあまり手に入らないのが辛いところです。
脚はほんのちょっと手を加えただけで、ここまで完全接地した状態で開脚できるようになりました。
元キットの棒立ちしか出来ない状態に比べれば雲泥の差だと思います。
前スカートアーマーが構造上全く前に開かないので、脚を前に出す事がほぼ出来ないのが残念ですが。
多少デザインを崩せばがっつり前に開かせられそうですが、今回はデザイン優先としキットのままにしました。
肘周りは関節カバーが付いて格好は良くなりましたが、可動は08ザク同等のままです。
しかし腕付け根をオリジンザク構造にしたおかげで肩周りが一気に可動範囲拡張し、ある程度なら柔軟にポーズが取れるようになりました。
手首接続も元キットは軸方式ですが、ボールジョイントに変えたのも効いています。
元キットのままだと、バズなんて肘ピーン状態でしか持てない悲惨さですからね(笑)
モノアイは可動式に改造したのでポーズの表現力が高まりました。
流石にモノアイ可動しないのは今日のガンプラ基準からすると話にならないので、手間を掛けました。
好み的にはあと少し上目使いにしたいのですが、泥沼に嵌りそうなので二の足踏んでます。。
モノアイ周りは、ほんのちょっと大きさや位置関係がズレるだけで全然違う印象になるので、いつも加工には非常に神経を使って疲れます。
モノアイレールは円柱で360度回転できるので、180度回せば消灯状態も再現可能です。
モノアイ無しもガラッと雰囲気が変わり、一粒で二度おいしいですね。
全体の仕上げは、ジオニックフロントの説明書や攻略本等に出てくるCGをイメージしました。
ジオニックフロントのMSデザインはミリタリー感が出まくっていて超ツボです。
ザクのプロポーションもMG Ver.1.0準拠なのもすごく嬉しい点です。
もう20年近く前のPS2ソフトですが、作り込みも素晴らしくやりがいもあり、歴代屈指のガンダムゲームだと思います。
この頃のガンダムゲームは、今と力の入れ具合が比べ物にならないと思います。
オープニングムービーは5分近くの長尺で、今の目で見ても十分見ごたえがあります(YouTube等にありますので是非)。
肩アーマーや各種白ラインは、ソフトの説明書表紙のザクをオマージュしています。
肩アーマーはスパイク先端をぶった切り、空いた穴の中はバーニア部品を突っ込んでいます。
(ちょうど良い部品が在庫切れでやっつけ仕事過ぎたので、後日もうちょっとディテールアップしたいところです。)
いつもよりウォッシング塗料の明度を上げ、CGの砂汚れのイメージに寄せてみました。
明るい色で全体をウォッシングしてしまうと印象がボケて単調になってしまうので、所々のモールドに黒インクでピンウォッシュし引き締めています。
MGザクVer.1.0で作ってしまえば、ほぼストレート組みでジオニックフロント風ザクは再現できますが、ここは敢えて1/144に拘りました。
08ザクの後ろ姿は歴代ザクキットの中でも屈指の格好良さだと思います。
バックパックのメカメカしさと後頭部形状、ふくらはぎ周りのディテールがたまりません。
バックパックのバーニアはキットのままだと大きすぎてちょっとアンバランスだったので、適当な大きさの社外品に変えました。
一通り工作が終わって組み上げてみた段階です。
両肩のアーマー、二の腕&肘関節、手首足首以外の外装部品は08ザクのままです。
それなりの純度をキープできたかなと思います。
スパイクアーマーは外側に出過ぎ&接続部が見え過ぎなのがよろしくないので、要改善ポイントです(最終的にこの時点よりは内側に来るよう調整済ですが)。
いつもは仮組みの時点では特に何も感動はありませんが、今回は完全手探りでのミキシングだったので、とりあえず五体満足で立った時の安堵感と達成感は大きかったです。
胴体は腕付け根にオリジンザク接続部を移植しました。
あまり見えないからって胴体穴の加工が雑過ぎですね(ちなみに左右で穴形状全然違います)。
こういうところに性格出ますよね(苦笑)
腕です。
肩部は08ザクのガワで、胴との接続部はオリジンザクを移植、肘とアーマー接続用に3mm軸を接着しました。
二の腕と肘関節カバーはHGUCザク完全流用(一切加工無し)、前腕は08ザクです。
前腕は肘のPCを変えるだけで、ほぼ無加工でHGUCザク部品にフィットします。
手首接続部はオリジンザクの物を接着して、オリジン系手首対応としました。
肘関節はオリジンザクの関節を移植したバージョンも試作したのですが、腕が長くなってしまった&見た目が微妙だったので却下しました。
オリジンザク肘の二重関節を移植すると可動範囲は物凄い拡がったのですが、ここは外観重視でHGUCザク肘としました。
頭部は容赦のない左右モナカ構造なので、接着し合わせ目消し後、中身を全部くり抜き頭頂部に軸を付け、HGUCザクのモノアイレールを首関節で串刺しにし、頭頂部の軸に差しています。
元キットに比べて首との接続位置がかなり前に移動したので、胴体側の付け根を前進させています。
モノアイはピンバイスで穴を空けビルダーズパーツのMSサイトレンズを嵌め、付属シールの銀色部を裏打ちしました。
脚です。
腿付け根はPCを押さえている構造部が強度的に影響を受けない程度に削り込んで、開脚&ガニ股範囲を拡げました。
各部品挟み込み構造ですが、簡単な後ハメ加工を施して塗装しやすくしました。
膝関節は他キットの移植を色々試行錯誤しましたが、最終的には元キットのままで妥協しました。
膝裏がPC丸見えでショボいので、改善アイデアを練りたいところです。
足首はHGUC旧ザクまんま流用ですが、元々形状がそっくりなので違和感なしです。
旧ザク足首を付ける為には、スネ部のPCを旧ザクの物に換えるだけでOKでした。
他の部分も全体的にHGUC旧ザクと08ザクは形状や寸法が非常に似ている箇所が多く、実は親和性が高いことに気づきました。
甲を切り離す工作も面倒&自信なかったので、付け根にナイフで溝を掘り、スミ入れで別部品風に誤魔化しました。
ほぼミキシング知識ゼロで挑んだので、今回の経験を通して改造部品や関節構造知識が一気に深まりましたし、各種ザクキットの研究も進みました。
まだまだ100%満足なザクとは程遠いので、今回の経験を踏み台にして理想のザク探求を続けていきたいと思います。
08ザク発売当時私は小学生で、お小遣いで陸ガンとのセットを買ったのを覚えています。
子供がブンドドするにも不自由な可動範囲は、10歳そこいらの身でも閉口モノでした(苦笑)
今回いい歳の大人になって再会して、少年時代とはまた違った楽しみと喜びを与えてもらいました。
何十年もそのままの形で売り続けられ、ファンから愛され続けるガンプラって本当に素敵だなと思います。
今回発生した余剰部品を使ってまた違うザクを組みたくなってしまい、このままズブズブとザク沼にハマっていきそうです(笑)
ご覧いただきありがとうございました。
コメント
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MGver.1.0ザクは、当時のPS2ゲームのグラフィックモデルでしたので、1番馴染のあるものでしたよね、私も目指す1/144の理想ザクは同じです✨スパイクの無い、黄色の肩アーマーで「ピン」と来ました。ジオフロは名作でしたねぇ✨大変参考になりました、このザクは眼福です。
コメントありがとうございます!
このミリタリー感のあるディテールが最高ですよね。
今MG1.0で黄色肩ザクを作っているので、完成次第投稿します。
その際はまた見ていただければ幸いです。
今更ながらコメントさせていただきます。
自分も、08小隊のザクは理想的なスタイル、ディテールだと思っています。
関節などを各種HGUCなどから移植することで、スタイルを殺さず可動範囲を拡大できていて素晴らしいですね!
特にバズーカをしっかり正面に構えることができているのがポイント高いです!!
余談ですが、自分が初めて製作したガンプラが、10歳の時のクリスマスに買ってもらったこの08小隊版ザクでした。
そんなこともあって、非常に思い入れのあるキットのひとつです(その後20過ぎの頃にリメイクした作品をガンスタにも投稿しました)。
自分も、やはりジオニックフロントに登場する機体をイメージして製作しましたよ。
ありがとうございます!
08ザクいいですよね。
バズを綺麗に構えられるのが目標だったので、そう言っていただけると嬉しいです。
同じ道を通ってますね(笑)
昔からのキットがそのままの形で今も売っているのは本当にありがたい事ですよね。
コメント失礼します😆
凄くカッコいいザクで一目惚れしました☺️
私も08ザクをどうにか改造出来ないものかと考え中でしたので、かなり参考になりました🙇♂️
作品を拝見して、理想のザク探究の沼にハマりたくなりましたー😆
コメントありがとうございます。
お褒めのお言葉恐縮です。
何かしら参考にしていただければ嬉しい次第です。
私もこの経験を活かし、08ザク改修第2弾にトライしたいんですが、肝心のキットが全然手に入らず…。
個人的には早く再販して欲しいキットの一つです。
若造の僕が考える、ザクの理想型はオリジン版です。
可動範囲の広さとメカニカルな姿が魅力的(zaku2)
コメントありがとうございます!
オリジンザクもメカメカしくてカッコイイですよね!
キットもとても出来が良いので、オリジンザクをベースに少し手を加えて、更に自分好みのザクを生み出そうと画策中です。
MGver1.0のザクは、私も理想型のひとつです!
初期のMGにはスルメのような味わいがありますよね。
工作が丁寧かつ手が込んでいて、レビューも読み応えがありました。今後の参考にさせてください!
コメントありがとうございます。
ver1.0ザクカッコいいですよね!
確かに昔のMGは程よい熟成具合で、最新キットとも旧キットとも違う独特の味わいがありますよね。
お褒めのお言葉恐縮です。
何かしらご参考になれば幸いです。
かなり細かいこだわりに、ガンダムゲームのデザイナーは、過去のモデリングを殆ど使わずに、一から理想のガンダムを仕上げるという、真偽不明な逸話を思い出しました。
自分はクルマのカスタムがメインの趣味ですが、細かいこだわりの積み重ねが完成度の高さに繋がると思ってます。デザイン/創作にかかわること全てに通じる話ですね。
コメントありがとうございます。
何度もリデザインされているMSほど、十人十色の理想像がありそうですよね。
仰る通りだと私も思います。
何事も拘りの詰まっていないモノやコトには魅力を感じませんし、逆に拘り抜いた物事はあらゆる人を惹きつけるものがありますよね。
2020年6月頃から、約20年振りに再びガンプラにハマり始めた30代です。
自身の制作備忘録も兼ねて、ここで記録していこうと思います。
0079~0083あたりまでのミリタリー色の強いMSや設定が好物です。
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