高校生の頃、どうしても欲しかった「ジム・スナイパーⅡ」を自作したモノです。
現在、バックパックを取られた1/144MSVの「プロトタイプ・ドム」を改造中ですが、息抜きに過去作を投稿します。
15年ほど前の作品なので、保存状態も作品の出来自体も決して良くはありませんが、当時としてはかなり頑張って製作しました。
拙い作品ではありますが、「キット化していない機体を、自分が持てる限りの技術と工夫でなんとか作り上げる」という、モデラーにとって大切な何かを自分に教えてくれた機体です。
どうか最後までご覧になっていってください。
正面素立ちです。
ベースに使用したキットは、去年のクリスマスに投稿したザク改と同じく旧キット「ポケットの中の戦争」シリーズより「ジム・コマンド」です(コロニー戦仕様のクリーム色とダークグリーンの方です)。
当時はHGUCでジム・コマンドすら発売していたか分からないような時代だったので、ベース機として使えそうなキットはこれくらいでした。
正面の改造ヵ所は
・頭部バイザーをジャンクパーツとプラ板、クリアパーツのランナーで自作
・右肩に取り付けるアンテナパーツを側頭部に移植(ただし15年の間に折れてどこかへ行ってしまったので、今回の投稿に合わせてプラ版を切った端材からでっちあげ)
・両胸のダクトをプラ板で塞ぐ
・フロントアーマーの増加装甲(青い部分)をプラ板で製作
・スネ上部のスラスター部分をプラ板で自作
こんなところでしょうか。
改造ヵ所は本当に悩みながら製作しました。
当時は今ほどインターネットが身近なモノではなかったので(少なくとも自分にとっては)、資料として活用できたのは本屋で立ち読みする模型雑誌ぐらいのものでした。
ちなみに、塗装はツヤ有り白とインディブルーのツートンに、ところどころ赤色です(いずれも水性ホビーカラー)。
塗装に関しても、カラーリング見本がなかなか無く、試行錯誤しました。
アニメに一瞬しか登場しなかった機体で、しかも戦闘が夜のシーンだったため、当時はジム・スナイパーⅡの色は白と青のツートンだと勘違いしていました(模型雑誌でたまたま見かけた作例が「ホワイト・ディンゴ隊仕様のジム・スナイパーⅡ」だったことも大いに関係しています)・・・。
それにしても、長年棚に放置してあったせいでかなり黄ばんでしまっています・・・。
リアビューです。
こちらの改造ヵ所は
・バックパックをプラ板と市販のバーニアパーツで自作
・肘アーマーの穴5つずつ(いわゆる「ブチ穴」)を開口
・ふくらはぎにスラスターをプラ板やジャンクパーツで自作
これくらいです。
サイドビューです。
こちらの改造ヵ所は、ふくらはぎ側面に開けた5つの穴くらいですが、この穴、ふくらはぎの両側面に開いている上、両脚に同じ加工をしなければならず大変でした。
結局「最初に穴を開けた部分にセロテープを貼り(当時はマスキングテープなんてモノ知りませんでした・・・)、それにマジックでふくらはぎの形を描いた後で千枚通しで穴を開け、それをはがして反対側やもう一方のパーツに貼り、マジックで穴の位置を写し取る」という古典的な方法でなんとかしました。
狙撃用バイザー開閉です。
この作品一番のこだわりポイントかもしれません。
今の目で見ればあまりにも雑な造りですが、当時はこれでも会心の出来でした・・・。
スネのスラスターです。
基本的にはプラ板を切った貼ったしてのスクラッチです。
こちらも今の目で見ると非常に残念な有り様ですが、これでも当時としては悪くない出来だと思っていました(今見るとちょっと恥ずかしい・・・)。
ふくらはぎのスラスターです。
バーニア部分は、これも高校生の頃、自作しようとして失敗した高機動型ゲルググ用のバックパックのバーニアパーツを再利用しました。
パーツ自体は市販のバーニアパーツをエポキシパテの中にめり込ませただけのモノです(笑)。
そのバーニアパーツの周りを囲うようにプラ板を貼りつけ、それっぽく仕上げてあります。
バックパックです。
自作部分の中では、ここが一番出来が良いかもしれません。
とは言っても、プラ板の箱組みに市販のバーニアパーツを貼り付けただけですが・・・。
ちなみに、バックパック両脇の四角いバーニアはプラ板による自作です。
スナイパーライフルです。
当時はジム・スナイパーⅡがどんなライフルを装備しているのかよく知らなかったので旧キットのヤクト・ドーガのビーム・アサルトライフルをベースに自作しました。
銃身にはボールペンのインクが入っている細い筒を、サブグリップはFGザクのマシンガンのパーツを使い、銃口部分はシステムウェポンのパーツです。
高校生だった当時はMGガンダムのビームライフルの銃口が付いていたのですが、そちらのパーツは数年前に製作した「ジム・スナイパーカスタム」に移植してしまったので、代わりにこちらを取り付けました。
付け換えた当時はいまひとつ気に入らなかったのですが、今見るとサプレッサーっぽくてスナイパーには似合いますね!
シールドです。
当時「手描きのパーソナルマーク」というものを自分のガンプラに施してみたいと考えていたので試してみました。
スミ入れペンと面相筆で描いたにしては悪くない出来です(文字通りの自画自賛wwww)。
まぁ、1/144という縮尺を考えると少々大きすぎる気もしますが・・・。
サブウェポンホルダーです。
当時何かの本で見かけたイラストで「ジム・スナイパーカスタム」がふくらはぎ側面にビーム・スプレーガンを装備しているのを真似してみました。
ホルダーに突っ込んであるのは、もともとジム・コマンドに付属していたブルパップマシンガンです。
HGUCジム・スナイパーⅡとの比較です。
細かいディテールなどはさすがに劣りますが、「当時の俺、なかなか頑張って再現してるじゃないか」と思えます(笑)。
最後までご覧いただきありがとうございました。
今の目で見れば決して良くできた作品ではありませんし、そもそもHGUCでジム・コマンドどころかジム・スナイパーⅡそのものが発売されている現在となっては、わざわざこんな古いキットを改造してこの機体を製作される方はほぼいらっしゃらないでしょう。
それでも、当時のモデラーはどんな工夫や改造をしていたのか、「工夫次第でガンプラはいくらでも応えてくれるし、手間をかけた分だけ自分の作品に愛着も湧くよ」ということを、若い世代のモデラーにも感じ取っていただきたいな、と思い、少々恥ずかしいですが、今回の投稿はこの作品をチョイスしました(ちょっと説教オヤジみたいでウザいかな・・・?)。
最後になりますが、本作品をご覧になっての感想などいただけますと幸いです。
さて、前々回「局地戦闘型ドム」を改造して製作した「プロトタイプ・ドム」のあまりのドムですが、完成度は今日の時点で50%といったところでしょうか・・・。
本体の方はある程度形になりましたが、ここから先が面倒な山場です・・・。
というワケで、またしばらく過去作の投稿が続くかと思われますが、ご興味があれば是非またのぞきに来てください。
みんな大好き、連邦軍の花形モビルスーツ、ジム・スナイパーⅡです。おっさんモデラ―の意地を見よ!(なんじゃそりゃ)
コメント
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スナイパーライフルと心意気カッコいいですね…!
くぼさん少佐Mk-Ⅱさん、
コメントありがとうございます。
自作のスナイパーライフルはなかなかうまくいったと思っているので、カッコいいと言っていただけて恐縮です。
Very cool job.
Thank you so much!
無いものをここまで作る根性が凄い!しかも細身の製品版よりも アニメに近いんじやないでしょうか。
@matsmon1さん、
コメントありがとうございます。
お褒めの言葉をいただけ、昔の苦労が報われます。
旧キットがもともとアニメのイメージに近いプロポーションなので、それに助けられました。
こんばんは。
15年前というと、HGUCジム寒冷地仕様や
コマンドが出た頃だったような…
旧キット改造のジム・スナイパーⅡですか?
力作ですね。
僕は、HGUCジムが出た’01年頃、旧キットと
ニコイチでジム・コマンド作ろうとして挫折
し、結局普通のジムになりました…
全身を改修していますね。
バックパックはネモから流用と思いきや、
プラ板工作とは…
ヤクト・ドーガのアサルト・ライフル流用も、
同じ出渕裕デザインなので、妥当ですね。
鯖豚定食さん、
いつもコメントありがとうございます。
寒冷地仕様やジム・コマンドがちょうど発売されたくらいの時期だったと記憶していますが、旧キットの方が安かったのでこちらをチョイスしました。
HGUCのジムと旧キットのジム・コマンドをミキシングとは、なかなかすごいですね・・・。
こだわったバックパックなどの工作もお褒めいただき光栄です!
ヤクト・ドーガのライフルはたまたま余っていたので流用したのですが、意外と似合ってくれました!!
キットがない時代でのジムスナⅡ中々渋いチョイスですね☆
(僕はジムスナⅡ知ったのは大分後の話)
デザート仕様なカラーリングと相まってカッコイイですね(//∇//)
GORO55さん、
こちらにもコメントありがとうございます。
カラーリングは、塗装したばかりの頃は真っ白だったのですが、長年棚の上で放置していたら埃がこびりついて黄ばんでしまったんです・・・orz
でも、意図せず使い込まれた機体っぽくなったので、これはこれで良しとしてしまっています(笑)。
L -Mさんと同じくないなら作る精神が素晴らしいです。
私は難しい事は出来ませんが、発売されてないガンプラを作るときは独自解釈で作る事が多いですねー。
な・か・け・んさん、
コメントありがとうございます。
現在も「ないなら作る精神」でマイナー機体を製作中です。
完成、投稿はだいぶ先になってしまいそうですがよろしければまた覗きに来てください。
ないものは作るの精神がすばらしいです!
私は設定通りに作るのが面倒くさくなると「独自解釈」というマジカルワードに逃げてしまうので、高校生ながら情熱をもってここまで作り上げた当時のZooさんには敬意を表します!
L-Mさん、
いつもコメントありがとうございます。
自分はむしろ、L-Mさんをはじめ独自解釈でセンスのある改造を施す方々の作品に憧れを感じます。
現在製作しているガンプラも、設定画とにらめっこしながらの作業です(苦笑)。
なんとか今年度中には仕上げたいと思いますので、よろしければまた覗きに来てください。
無いものは作………りたいけど そのうちキット化するじゃん!とか言って逃げていたオッサンです(笑)
ジムスナⅡもその対象でした。
バックパックやふくらはぎブースターがプラ板製とは恐れ入りました。
なんかこう、熱いものを感じます。
欲望に想いが追従できているなぁ。
ロートルさん、
いつもコメントありがとうございます。
当時は高校生だったので、5、6年待てばキット化されるかもしれないとは思いつつも「そんなに待てない!!」と辛抱たまらず自作してしまいました(笑)。
若かったですね、いろんな意味で・・・。
そんな、自分の若いころの情熱が伝わったのなら製作者として感無量です!
現在、またまた若いころに製作を夢見た機体を10数年ぶりに本腰を入れて製作中なので、今後ともどうぞご贔屓に!!
ジムスナイパーⅡいいですね!
2000年前後に最初のギレンの野望やコロ落ちで量産機最強のジムとしてフューチャーされててすごく欲しかったのを思い出します。
それなのに全然キット化してくれないので自分は諦めてしまいました…
それを作るとは素晴らしいです。
いいものを見せていただきました。
豆腐は腐ってないさん、
コメントありがとうございます。
自分もまさに2000年代始めにこの機体を知り、どうしても欲しくなって自作してしまいました(笑)。
自分と同じようなことを考えていた方に見ていただけて、大変嬉しく思います!
なければ作る。
素材やキットが豊富な今は忘れがちな根本にある美しい精神のあり方が見える、素敵なジムですね…尊敬します!
盾のマークもお美しいっ!
pontyanさん、
いつもコメントありがとうございます。
シールドの蝶々も、頑張った甲斐がありました!
「なければ作る」の気持ちをこれからも忘れずに、頑張っていきたいと思います!!
ちなみに現在また、まだキット化されていないし、これからもまずキット化されないであろうマイナー機体を製作中なので、よろしければまた覗きに来てください。
凄いですねー。とても大事に手を入れた感じがわかります!こうして作りたいっ!ていう目標があれば今みたいに簡単にパーツが手に入らなくても製作出来ることを感じます。とても素晴らしいと思います!
中光國男さん、
いつもコメントありがとうございます。
製作者の気持ちが伝わったようで、大変嬉しく思います!
思えば、いろいろなキットやパーツが手に入る今よりも、昔の方が工夫を凝らしてガンプラを製作する機会が多かったかもしれませんね(様々なキットが発売されている今の状況も、それはそれで良い時代になったものだと思いますが)。
乏しい情報で高校生でここまで出来たなら十分では?!特にイケイケの時期でしょうしw苦労しながらも「ここはオミットでいっか」となってないのは称賛です
ビームライフルはver.ZOOの方が断然好きです
♪(*・ω・人)
たぼさん、
いつもコメントありがとうございます。
そういっていただけると、高校生の頃の苦労が報われます。
ビームライフルも気にっていただけたようで何よりです(ver.Zooというフレーズ、メチャクチャ嬉しいです!!)。
確かに若い時のほうがいろいろ工夫していたなぁと、心にしみました(^^)
作りたい機体がひとつ思いついたので、チャレンジしたいと思います〜。
mkokuさん、
いつもコメントありがとうございます。
キットが今ほど豊富でない昔の方が、作りたい機体を再現するために工夫を凝らしていたモデラ―は多かったのかもしれませんね。
mkokuさんの作品も楽しみにしています!
自分も、当時ジムスナⅡに惚れて同じジムコマンドと、ネモを買そろえた思い出があります。
結局、自分の技術が未熟で完成しませんでしたが…。
「無い物は、自分で作る魂」忘れちゃダメですね(笑)
恋ぴんくさん、
コメントありがとうございます。
自分も後になってから「ネモのバックパック使えばよかった・・・」と気付きました・・・(笑)。
「無い物は、自分で作る魂」をこれからも大切に、精進していきたいと思います。
キットになっていないものを作るって、本当に憧れですよね。
手間も暇も、そして金も掛かる。そしてなんといっても、高い技術力が必要ですよね。
しかも旧キットって、今のように抜群に出来がいいわけではないですし。
本当にスゴいです。「いいね」を50個くらいあげたいです。笑。
私なんてウダウダ人のこと言える技術力もありませんので、ここまでできるZooさんが憧れです。
hiroharukohnoさん、
コメントありがとうございます。
古い作品ですが、そこまでお褒めの言葉をいただけると本当に嬉しいです!!
現在、またまたキット化していないマイナー機体をのんびりと製作中なので、よろしければまた覗きに来てください。
ジムスナイパーⅡならバイザー降ろしてライフルを構えるのやりたいですよね〜
あのシールド手描きだったんですか〜
いいわ〜てっきりデカールかと思いましたよ〜^_^
うちのドムシュトゥッツァーはあと2〜3週間くらいかかりそうですわ〜_:(´ཀ`」 ∠):
作業日記のように写真載せているからまとめて見た方が変化がわかりやすいかもね〜
説明が長文になっちゃうから〜
蒼き鷹さん、
いつもコメントありがとうございます。
やはりバイザーとライフルの両手持ちは外せません!
ちなみに、ライフルのサブグリップを握らせるために左の手首は旧キットのヤクト・ドーガから流用してあります。
シールドの手描きマーキングもこだわった部分なので、お褒めいただき光栄です!
自分のドムもまだまだ時間がかかりそうですが、のんびりと製作を進めていますのでまたよろしくお願いします。
蒼き鷹さんのシュトゥッツァーも楽しみにしていますね!!
4年ほど前に、スマホのネットアプリ(?)のオススメで発見して登録しました。
地味な作品が多いかもしれませんが、暇を見て投稿していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
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