つぶやき

  • 作品・9145
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Zoo

戦う理由

「諸君、良い知らせと悪い知らせがある。 どちらから聞きたい?」
艦長が俺たちをブリッジに呼び出して映画のようなセリフを口にしたのは、俺たちがこの「ザンジバル級ヌエ」に配属されて3週間が経とうかという頃だった。
「じゃあ悪い知らせから」
ピーターがいつも通り、とても上官に対する口の利き方とは思えない言い方で答える。 艦長もこの3週間でコイツの態度にはすっかり慣れてしまったようで、特に気にすることなく話を続ける。
「よし。 単刀直入に言う。 ソロモンが落ちた」
 予想をはるかに上回る悪い知らせに、全員が驚きと失望の入り混じった表情を浮かべた。 オデッサでの敗退からこっち、連邦が勢いづいてきているのは知っていたが、まさか宇宙攻撃軍の拠点だったあの要塞が、こんなにすぐに落とされるなんて・・・。
「そして、良い知らせの方だが・・・」
俺たちの様子を見て雰囲気を変えようと思ったのか、艦長はこの場に不釣り合いなほど明るく続けた。
「本日、補給艦と接触する予定だ。 この前ミルフォード大尉が言っていた通り、追加のモビルスーツと補充パイロット、それから、マシアス曹長のモビルアーマーも届くらしいぞ」
「やっと僕もみんなと一緒に訓練に参加できる!」
ピーターが大喜びする様子に、ブリッジの雰囲気も幾分か明るいものになった気がした。
「この3週間私たちがゲルググの完熟訓練をしている間、アンタつまらなさそうにしてたらしいしね。 オペレーターから愚痴を聞かされたよ」
隊長がからかうように言う。
「だって隊長たちばっかり新型に乗っているのに、僕だけ艦で留守番なんてひどいよ。 ・・・でも、これでやっと僕も、みんなの役に立てるんだ・・・」
しみじみとした口調で、ピーターがつぶやいた。

「ローレン・リー曹長です。 よろしくお願いします」
「イヴァン・ポランスキー軍曹っす。 お世話になりまーす」
補充パイロットは二人ともかなり若かった。 おいおい、下手すりゃピーターより年下なんじゃないか? しかも一人は女の子・・・。
「実は、本来予定されていた補充兵がソロモンで戦死してしまって・・・。 それで、生き残りのパイロットとモビルスーツをこちらに回すことになったんです・・・」
シャロン大尉が申し訳なさそうに説明する。 
「まさか学徒兵・・・ってわけじゃないよな?」
さすがの艦長も、困惑したように二人にたずねる。
「はい。 ですが艦長、確かに我々は学徒兵ですが、私もポランスキー軍曹も、ソロモンでの戦闘を生き残った実績があります」
「とは言っても、俺たち二人ともソロモンが初陣で、しかもやったことといえばソロモンが陥落する直前に脱出する味方をワイヤーで艦隊まで引っ張っただけっすけどね」
「そうか・・・。 二人とも、乗機はリックドムだったな」
艦長が質問を続ける。
「そうなんすよ。 俺も先輩たちみたいに新型乗りたかったなぁ」
「イヴァン! 私たち訓練期間からリックドムしか乗ってないじゃない!? ムチャ言わないの! ・・・あ、申し訳ありません。 コイツ・・・じゃなくて、ポランスキー軍曹っていつもこんな調子で・・・」
 艦長だけでなく、俺たち全員に何とも言えない雰囲気が流れた。 パイロットが不足しているから学生を徴兵してモビルスーツに乗せているという噂は聞いたことがあったが、いざこうして本物の学徒兵を目の前にすると、自分が軍人であることを棚に上げて、軍は何を考えているんだと思わずにはいられない。
「ハウプトマン大尉、どう思う?」
艦長も何を言えばいいのか分からなくなったのか、隊長にムチャ振りをする。
「少年兵とはいえ、彼らはパイロットです。 何としても生き延びさせますよ、今度こそ・・・。 アンタたち、これから私たちと連携の確認も兼ねて訓練をする。 30分後にハンガーに集合だ」
「「了解」」
俺とピーター、ブラックさんも敬礼と共に返事をした。

「まずはチームを2つに分ける。 ひとつは私、ブラック、イヴァン軍曹だ。 これを第1分隊とする。 もうひとつはサム、ピーター、ローレン曹長。 こちらが第2分隊だ。 分隊長はサム、アンタに任せる」
「え、俺、じゃなくて、自分が分隊長ですか!?」
隊長の発言に、思わず上ずった声が出てしまう。
「階級で言ったらそうなるだろう。 私の援護はブラックに任せたいし、アンタとピーターは相性がいい。 それに、ピーターのビグロもあるんだ。 あんまり心配するな」
そう。 ピーターの新しい乗機はモビルアーマーだと聞いていたが、まさか本当にビグロなんてものが配備されるとは思わなかった。
「じゃあ、それぞれの分隊に分かれて模擬戦闘をするぞ。 各員の健闘を祈る」

「二人とも、しっかり掴まっててね。 それじゃあ、行くよ!」
俺とローレン曹長が両脇に掴まると、ビグロはすさまじいスピードで宇宙を駆け出した。 加速で気が遠くなりそうだ。
「ローレン曹長、大丈夫か!?」
「はいっ! な、なんとか・・・」
彼女もリックドムのコクピットで踏ん張っているようだ。
 俺たちの作戦はこうだ。
まず、圧倒的なスピードを誇るピーターのビグロに掴まって、一気に隊長たち第1分隊に接近する。 ピーターが模擬戦用のビームとミサイルを一斉射したら、俺たち二人はすぐさまビグロから離れ、ローレン曹長のリックドムが隊長のゲルググを狙う。 俺は彼女を狙うであろうブラックさんとイヴァン軍曹の牽制だ。
「見えた! 攻撃開始するよ!!」
ビグロがビーム砲とミサイルを一斉射するのに合わせて、俺たちは左右に展開した。 イヴァン軍曹のリックドムが、ビームを避けたところでミサイルの弾幕に引っかかるのが見えた。
「ローレン曹長、隊長は11時の方向から突っ込んでくる。 ブラックさんは俺が何とか抑えるから、そのまま狙い撃て! ピーターは隊長の回避しそうな方向へ牽制射撃だ」
指示を飛ばしながら、少しでもブラックさんの狙いが逸れるようにロケットランチャーでゲルググキャノンを狙い撃つ。
「サム、ずいぶんやるようになったじゃないか。 狙い辛いったらない」
インカムに、心なしか少し弾んだブラックさんの声が届く。 おかげでローレン曹長のリックドムは、隊長のゲルググと一騎打ちの形だ。 しかもピーターの牽制射撃のおかげで、隊長は思うように回避機動が取れないらしい。 これは・・・いけるかもしれない・・・! 東南アジアで、隊長が試験運用した先行量産型グフとの模擬戦を思い出して、俺が勝利を確信したときだった。
「・・・だが、マトが大きければそうでもないかな」
なんとブラックさんは、ビグロめがけてビームキャノンと試作ビームライフルを一斉に撃った。 模擬戦用のビームを食らったビグロの動きが止まる。 ビグロからの牽制射撃がなくなった隙に、隊長は一気にローレン曹長に接近し、ビームナギナタをリックドムの鼻先に突き付けた。

「まさか僕の方を狙ってくるなんてー!」
ピーターが悔しそうに大声を上げる。
「いやいや、作戦としては見事だったぞ。 良い連携だったし、ローレン曹長も思った以上に動けていたじゃないか」
ブラックさんが朗らかに言う。
「ああ。 アンタたちで考えた戦法なんだろう。 ローレン曹長も、学徒兵とは思えない腕だったよ」
隊長も褒めてくれた。
 そういえば、確かに彼女は狙いが正確だった。 学徒兵というから、もっと慣れていないものかと思ったが・・・。
「ねぇ、ローレンって本当に学徒兵なの?」
訓練終了のブリーフィングの後、ピーターがたずねる。
「はい。 ですが、同時に志願兵でもあります。 私も、そしてイヴァンも」
意外な答えに、俺とピーターが驚く。
「なんで志願なんかしたんだ? まだハイスクールに通うような歳だろうに」
俺も思わず質問してしまった。
「私の父が、去年失業してしまったんです。 連邦の経済封鎖の影響でした。 それから私の家は貧乏一直線で・・・。 でも、私が軍に入れば、その分お給料だってもらえます。 それに・・・私たちの生活をメチャクチャにした連邦に、一矢報いたくて・・・」
言葉を失ってしまった。 まだ子どもといえるようなこの娘に、そんな事情と決意があったなんて・・・。
「ああ、僕と同じような感じだね」
ピーターが軽い感じで言ったので、俺は思わずピーターの顔を見た。
「僕の親はリストラされてないけど、ウチってもともと貧乏でさ。 なのに弟や妹がたくさんいて、食うにやっとだったよ。 だけど僕が軍人になれば、稼いだお金できょうだいたちに良い暮らしをさせられるからね。 だからハイスクールを中退して、軍に入ったんだ」
 俺より若いピーターが軍にいる理由について、疑問に思ったことがないといえば噓になる。 だが、わざわざ聞くようなこともないと思っていたが、まさかそんな理由があるとは思わなかった。
「そういえば私、気になっていたことがあるんですけど・・・」
唐突にローレン曹長が口を開いた。
「私たちが着任したとき、ハウプトマン大尉が『何としても生き延びさせますよ、今度こそ・・・。』って言っていたじゃないですか。 昔、何かあったんですか」
俺とピーターの表情が曇るのを見て、ローレン曹長はしまった、というような顔をしたが、ピーターが説明する。
「宇宙に上がる前、アフリカで1人死んだんだよ。 それと、サムが着任する前にも1人、ね」
なんとか平静を保とうとしながらも、トーンを上げきれない声でピーターが話す。
「だから隊長、これ以上部下を失わないために、必死で頑張っているんだ。 ローレンも、ムチャしたらダメだよ」
「そういえば、ブラックさんも前にそんなことを言っていたな」
ふと思い出して、俺も口を開く。
「俺が最初に配属された基地で、ブラックさんのザクに乗せてもらって訓練していたことがあったろ。 あのとき、コクピットに奥さんや子供の写真が山ほど貼られていてな。 ブラックさんに聞いたら『俺を、そして小隊のみんなを待っている家族のためにも、絶対に生き延びるんだ。 生き延びさせるんだ』って言ってたな」 
 ふと、自分が軍学校に入ったときのことを思い出す。 大学受験に失敗し、特にやりたいこともなかった俺は、いずれ戦争が始まることが分かっていたあの頃、おそらく食いっぱぐれることはないだろうという軽い気持ちで軍学校の門を叩いた。 本当にそれだけの、何も考えていない動機だった。
・・・俺は、なんのために戦っているんだろう・・・?

 いよいよ俺たちの部隊は、ア・バオア・クーに派遣された。 旗艦である「ザンジバル級ヌエ」には、俺たち第2分隊のモビルスーツとビグロが、僚艦である「ムサイ級トラツグミ」には、隊長たち第1分隊が乗っている。 隊長たちが旗艦ではなく僚艦に乗っているのは、万一の時に部隊長であるヌエの艦長とモビルスーツ中隊長であるハウプトマン大尉が同時に戦死するのを防ぐためらしい。
「諸君。 我々にとっては初の作戦だ。 思いっ切り暴れてこい! 各員の健闘を祈る」
艦長の号令で、俺たちは出撃した。 隊長たち第1分隊も、トラツグミから出撃したようだ。 イヴァンも、あれから隊長に相当しごかれていたらしく、今ではかなりの腕前だ。 きっと大丈夫だろう。
「訓練でやった作戦で行くぞ。 ローレン、ビグロに掴まれ。 ピーター、発進だ」
「「了解!」」
ビグロが一気に加速し、敵艦隊に近づく。 最初の標的は、艦隊から少し離れた位置にいる巡洋艦だ。 護衛にモビルスーツが付いているが、ビグロのスピードに攻撃を当てられるヤツはいなかった。
「ピーターがビームとミサイルを一斉射したら、ローレンは離脱して敵艦を狙え! 援護は俺たちに任せろ!」
「了解!」
この数日で、俺たちの連携は上達していた。 しかも、ローレンのリックドムは高出力のビームバズーカを携行している。 サラミス級くらいなら一撃で沈められる火力だ。 俺はローレンを狙おうとする敵モビルスーツ隊に向けてロケットランチャーを連射する。 これなら、あのサラミスはすぐに撃沈できるはずだ・・・。
 そのとき、一筋の光がローレンのリックドムを貫いた。 次の瞬間、リックドムが爆発する光景がモニターに映し出された。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・To be Continued

たまにポーズ変えたくなるガンダム😎

皆様『仮組み』ってやってますか?

創作中の気分転換にアンケートやってみます。
表題の通りなんですが、皆様「仮組み」って、どの程度やってますか?
自分は作品投稿でも何度か触れてますが基本的にあまり仮組みせず、思うままに改造や塗装して組み上がりに一喜一憂(多憂?)してます。
と言うのも、仮組みするとそこで満足してしまい「これで良いかっ」と思考停止してしまうのです(^_^;)
現在創作中のキットも過去の反省から仮組みしてみたところ一度手が止まってしまい、その合間をぬってこうして書き込んでいます。
自分同様、創作中の暇つぶしにアンケートにご協力頂けたら幸いです。

※追記 仮組みの定義が曖昧でした。
 少なくとも本体の全体像が分かるレベルで、という指標でお願いいたしますm(_ _)m

Zoo

再会の宇宙(そら)

 絶望的な喪失感の中でHLVに乗り込んだ俺たちは、そのままグラナダにたどり着いた。
 無重力の感覚を懐かしむ暇もなく、俺たちはあれよあれよという間にザンジバル級のブリッジへと案内された。 どうやらこの艦が、俺たちの新しい配属先らしい。 思えばオデッサが陥落してから、いや、もっと言えば、あの東南アジアにある小さな前線基地が壊滅してから、俺たちの所属はかなり曖昧なものだったはずだ。 これでようやく、よその部隊に間借りする立場からオサラバできる。 そんな風に考えて、なんとか気を紛らわせようとした。

 全員とてもそんな気分ではなかったが、さすがに自分たちが乗り込む艦の艦長の前で沈んでいるわけにもいかない。 俺たちはなんとか空元気を振り絞って、艦長室の前に並んだ。
 隊長がノックをすると、入室するように声が掛かった。
「失礼します。 リリー・ハウプトマン少尉以下3名、着任の挨拶に参りました」
「ああ、よろしく頼む、ハウプトマン『大尉』。 ・・・うん? お前ひょっとして、ハーバートか?」
隊長の階級がおかしかったような気がしたが、艦長が俺の顔をまじまじと見つめてきたので、それどころではなく一体何事かと戸惑った。
「いやぁ、見違えたぞハーバート! それにしてもお前、まだ死んでいなかったか! ハッハッハッハッ!!」
バシバシと俺の肩を叩く艦長の様子で、俺もようやく思い出した。
「あぁっ! 艦長お久しぶりです! ルウムでは大変お世話になりました」
「なにサム、艦長と知り合いなの?」
不思議そうな顔をする全員を代表して、ピーターが俺にたずねてきた。 その疑問に、俺ではなく艦長が愉快そうに答える。
「そうだ。 ルウム戦役の時、私の艦のモビルスーツ隊に新兵だったハーバートがいたんだよ。 あのときのヒヨッ子がずいぶん立派になって、全く時が経つのは早いもんだ」
「ほぉ、ルウムが初陣だったのか」
ブラックさんも驚いたようだ。
「しかもコイツは、初陣でサラミスを1隻沈めてきたんだ。 まさか新兵が単独で巡洋艦を沈めるなんて誰も思わなかったから、みんなおったまげたぞ!」
「えぇ!? サムすごいじゃん!!」
「ルウムが初陣なのは知っていたが、そんなこと私も聞いていないぞ?」
隊長まで驚いた顔をして俺を見ている。 別に隠していたわけじゃないんだが、あえて自分から言わなかったのは・・・。
「もっとも、その直後に自分が撃沈したサラミスの爆風で吹っ飛ばされて、ムサイに衝突して骨折していたがな。 危うく味方の艦まで沈めそうになるとは、本当に大したタマだ!」
・・・こういうオチが付いていたからである。 艦長、それは黙っていてほしかった・・・。
 それを聞いてピーターは大笑い、ブラックさんもニヤニヤしだした。 隊長までもが「プッ」と噴き出している。 俺も、照れ隠しの意味も含めて苦笑いするしかない。
 ・・・そういえば、あのアフリカでの戦闘以来、みんなが笑っているところを初めて見たな・・・。

「さて、全員緊張もほぐれたようなので、本題に入る。 諸君らはこの『ザンジバル級ヌエ』のモビルスーツ隊に所属してもらう。 まずは辞令を申し渡す」
そう言って艦長は机の上から書類を取り上げ、俺たちを自分の前に整列させた。
「リリー・ハウプトマン大尉。 ジョン・ブラック中尉。 サム・ハーバート少尉。 ピーター・マシアス曹長」
全員階級が上がっている。 しかも異常な上がり方だ。 隊長とブラックさんは2階級特進、俺とピーターに至っては3つも階級が上がっている。
「・・・全員顔に『なんで急に階級が上がったのか?』と書いてあるので、順を追って説明するぞ。 まず、我々の任務は、簡単に言えばエース部隊の影武者だ」
俺たちの驚いた顔を見て、艦長が説明を始める。
「『キマイラ隊』。 聞いたことがあるだろう。 アレは、ここグラナダの司令、キシリア少将直属の特別編成大隊だ。 トップエースばかりを集めた部隊だが、それだけに壊滅させられるようなことが万にひとつでもあってはならないというので、我々のようなおとり専門の部隊を作ることになったらしい。 当然、我々の存在は軍の極秘情報だ。 他言するんじゃないぞ」
先ほどまでとは打って変わった真剣な表情で、艦長が説明する。
「君たちの地上での活躍は方々で噂になっていたそうじゃないか。 しかも、所属していた前線基地が壊滅して以来、正式にどこかの部隊に編入されたわけでもなく所属も曖昧。 まさに、おとり任務にはうってつけというわけだ」
「・・・階級が上がったのはそのためですか?」
困惑しながらも、隊長が質問する。
「それもあるが、今のジオンには階級の高い将兵が不足しているというのも大きな理由だ。 階級に見合っただけの経験と実力を伴っているものとなれば、なおさらな」
艦長が返す。
「まぁおとりといっても、やることは基本的に戦闘だ。 今までと大して変わらんよ。 さて、そろそろ君たちのモビルスーツを乗せた補給艦が到着する頃だが・・・」
艦長がそういった矢先、指令室の扉がノックされた。
「失礼します。 艦長、補給艦が到着しました」
伝令のオペレーターが告げた。

「シャロン・ミルフォード大尉です。 補給物資をお届けに来ました」
懐かしいおっとりした声がブリッジに響く。
「シャロン! 補給物資を持ってきたのってアンタだったのか!? というか、いつ宇宙に上がったんだ?」
隊長が嬉しそうにシャロンさんに笑いかける。 この人、シャロン元中尉は俺たちがいた東南アジアの前線基地に所属していた補給・整備中隊の中隊長だった人だ。 あの最後の戦闘以来、どこに行っていたのか俺たちの誰も知らなかったが、どうやら宇宙に脱出できていたらしい。 しかも階級も上がって、今では補給艦の艦長だそうだ。
「あとでゆっくり話しますね。 まずは、皆さんが搭乗するモビルスーツの説明をさせてください」
そう言ってシャロン「大尉」は、俺たちをハンガーに案内する。
「まずはリリーの機体ですが、先行量産型のゲルググです。 正式な量産タイプよりも各部の調整がしっかりしているから、高性能ですよ」
「ほぉ、新型か。 ビームライフルも装備してあるのか」
隊長が感心したように、自分の新しい愛機を見上げる。
「ええ。 次にこちらが、ゲルググキャノンです。 ビームキャノンを装備した中距離支援タイプのゲルググで、ブラックさんの機体です。 ビームライフルも、試作の高出力タイプのものですから火力は折り紙付きですよ。 その分、機動性は他のゲルググタイプに比べると劣りますが、それでも十分なパワーがあると思います」
「良いな。 これなら、みんなの支援が今まで以上にできそうだ」
ブラックさんも嬉しそうだ。
「そしてこちらが、サム君のゲルググです。 機体は量産型のゲルググですが、オプションで高機動型バックパックが装備できます。 これなら、リリーのゲルググにも置いていかれませんよ」
俺のゲルググはビーム兵器ではなく、新型だというロケットランチャーを装備していた。 なんでも、高機動型バックパックにジェネレーターの出力を回すために実弾武装なのだそうだ。
「一応、バックパックにビームライフルも装備してあるんですよね?」
「ええ。 多少出力を取られますが、ビームライフルも撃てますよ」
そこでピーターが声を上げた。
「ねぇシャロンさん。 僕は何に乗ればいいの?」
「うふふ。 ピーター君の機体は、もう一隻の補給艦を待って。 でも、あなたに任せる機体はモビルアーマーだから、期待していいわよ」
シャロンさんの言葉に、ピーターは飛び上がって喜んだ。
「そうそう。 艦長、次の補給艦には、補充パイロットも何人か乗ってくるそうです。 彼らの機体も一緒に持ってきますから、もう少し待ってくださいね」
「了解した。 あとどのくらいだ?」
艦長がたずねる。
「2、3週間後には、こちらの艦に運べますよ」
「そうか。 楽しみにしておこう」
艦長の質問に、シャロンさんは笑顔で答えた。

 それから3週間後、シャロンさんは約束通り、ピーター用のモビルアーマーと追加のモビルスーツ、そしてそのパイロットを運んできてくれた。 そしてその日、宇宙攻撃軍の要塞、ソロモンが陥落した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・To be Continued

ち…違う!クリボーが勝手に!!

新宿で開催中のGUNDAM NEXT FUTURE行ってきました。
ビルドシリーズ10周年の各作品記念ビジュアルの中で一番情緒やられるのが無印BFでした。
ちなみにダイバーズはリクサラが年賀状に夫婦の写真載せて送ってきてるの?ってくらい距離感近すぎて尊かったです

ツヤ消しとヤスリ道具買い出しついでにGET!普通に売ってる事に感動を覚える。

G.I

以前に宣伝した岐阜県多治見市のイベント「もけぱら!」が明日開催されます!(本日搬入日)
各メーカーさんも協賛されるし、プロモデラーさんやYouTuberの方も司会する企画もあったりする只の模型イベントでないので是非来れそうな方は来てみてください!

詳細はコチラ
https://ameblo.jp/hobby-shop-b-side/entry-12819497573.html

という訳で少しでもイベントに貢献させて頂きましたw

無断で画像使われてるんだけどどゆこと?????
しかもめっちゃ安いのがムカつくわw
どうやって辞めさせればいいんだ
どう考えても詐欺サイト

作品投稿時における不具合を修正しました

いつもGUNSTAをご利用いただきありがとうございます。

GUNSTAの投稿時における下記の不具合を修正いたしました。

・制作ストーリーやモーメントで下書き保存をした後、記事を公開するとコメント欄が非表示になってしまう不具合を修正しました。

・投稿時に本文のリンクを一定数以上設定して投稿をすると、スパム判定されて投稿が削除されてしまう不具合を修正しました。

引き続き、GUNSTAをよろしくお願いいたします。

あまりリアルタイム視聴などはしないのですが、メタバースは見てしまった!
ガンプラバトルとかリアルでおきたらどうなるのやら…とか思ったり( ̄ー ̄)ニヤリ
BF系あるある 誰かしら夜ふかししてガンダム作品見返してる(笑)
メタバース見てたら結構リアルタイムな機体あっておおーと思いましたね〜
いろんなガンダム作品やゲームしてる人(初代ガンブレとか)なら、懐かしさを覚える音楽などがありました!

本当にどうでもよい投稿なのですが、道路沿いにあるこの自転車走行の表示を見て「大尉」と思う自分はガンダム好き…更にはジオニストなのだなぁと思った今日の昼下がり
秋ですね…

手作りバキュームフォーム

パテ仕上げでは重くてしょうがないから、とうとう重い腰を上げました

seriaのプラ板を使用出来るようにサイズを合わせるため100均一にある物で済ませました

バキュームフォーム本体は、大きい方がB4サイズで小さい方はB4を半分にした物になります

プラ板を挟む板は本体よりも一回り小さくしないと真空になりにくいと思います

ちなみにB4の半分の方はハガキサイズの写真立てがちょうどよかったです♪

 

Figure-rise Standardでチュチュパイセンの発売が決定してしまった…
遅すぎるよパイセン…

買っちゃうけど。

「GBNWeapons」総集編(第2改)

2018年~2021年まで連載させてもらっていたHGBCガイドその他・
「GBNWeapons」シリーズを振り返って年内展開予定の「GBNW完結編」につなげる総集編。
全9改(モーメント)。
写真は一部を除き過去の流用です。
設定は「ビルドダイバーズ」シリーズ本編、ガンプラ説明書などを流用しつつ、本小説独自のものです。
シリーズ索引はこちら
第1改はこちら

・「アルケミスト」の日々、そしてコカトリス事件

ガンプラビルダーとしては初心者だったアルザスであったが、βテスト中に愛機・GNネイキッド(の原型)を完成させる(無印#0EX#03)。
本格的に始まったデバッグ作業。アルザス達フォース・「アルケミスト」はこれに果敢に挑んだ。
要は、元GPD用、あるいはGBN運営会社の提示したデータを使った武装のテストプレイ、デバッグである。
アルザスは慣れないながらも、それをなんとかこなしていく(EX#43)。
※ちなみに「ガンダムビルドファイターズ」は本連載では「GPデュエルの啓発番組」と言うことになっていて
現実世界と共通のHGBCも発売していたという設定
そののち、GBNは正式サービスをスタート。そして前身たるGPデュエルは廃止された(無印#7)。

GBNのサービス開始から1年が経とうとしていた頃。
アルケミスト所属ダイバー・ハタモトの乗っていたガンプラ、ギラーガ・コカトリスが暴走した(無印#9)。
弱体効果のデバッグを担当していた彼が、試製サイコシャードを使用。その時に起こった事故だった。
ハタモトは自らの欲望を暴走させ、GBN中にバグをばらまく。
アルザスも一瞬にして倒され、事態は運営側も介入しなんとか収まった。
バグ、そしてサーバーへの浸食は、GBNが「思い」を力にすることの弊害と言えた。
※なお、βテスト中に謎のデータ流入があったこと(「ビルドダイバーズRe:RISE」#26)との関連は不明である
悪しき「思い」が、そこに乗っかってしまった訳である。
ハタモトは更迭されたが、ずっと後にGBN管理側ダイバーの一人として、
そしてアルザスの良き先輩として活躍することになる(EX#46)。

以後、「アルケミスト」は徐々に崩壊の道をたどる。
気がついた時、そこにはアルザス一人だけが残されていた(無印#40)。

第3改へ続く

メルカリやヤフオクで見かける、海賊版のデカール。
水転写デカールがバンダイから出ていない場合、物凄く欲しくなるんだけど…モラル的にNGだよな(汗)

購入しません!(キッパリ)

一覧にメニューアイコンを追加しました

いつもご利用ありがとうございます。
この度、一覧ページにメニューアイコンを追加しました。
メニューアイコンは自分の作品と他の方の作品とで表示内容に以下のような違いがあります。

「自分の作品」
作品ページの編集、削除が行えます。

「相手の作品」
フォロー、ミュート、通報が行えます。

これまでは作品ページにアクセスして上記のアクションを行えましたが、今回の対応で一覧ページからもそれぞれの操作を行うことが可能になりました。

※当機能はログイン後から利用できます。

【その他の変更点】
・モーメントしっかり投稿でタグが押せない不具合を修正しました。
・作品ページ下の閲覧数やコメント数、お気に入り、メニューナビのデザインを変更し、はみ出した部分をスクロールしないでも全てのメニューを見れるようにしました。
・ポップアップメニューを開いた後、他のページにリンクしたい時にポップアップをわざわざ閉じないでも、リンクをタップできるようになりました。
・GUNSTA作品ページのURLを貼り付けた際の表示デザインを変更しました。
・最新版のIOSでコメント欄等のテキストが太字になってしまうのを修正しました。
・投稿管理ページの表示速度を少し早くしました。

引き続き、GUNSTAをよろしくお願いします。

デストロイのビームに当たらないようにね。
全日本模型ホビーショーレポートをブログの方にアップしました
NEXTFUTUREとの兼合いで少し写真を少なくしていますが大体の雰囲気は伝わるかと思います。

「ビルド」シリーズの思い出(その4)

10年前からの思い出を振り返る不定期モーメント。
「GBNW完結編」作業中。

2014年。「ガンダムビルドファイターズ」が好評のうちに終了し、次回作の製作決定告知がなされていた頃。
筆者は初めての静岡ホビーショーへ向かいました。
当時のブログ記事はこちら。
当時のバンダイホビーセンター外観
ホビーショー本体
祭りの裏側で

隣のイトーヨーカドーでは組み立て体験会(ビルドブースター)もあり・・・筆者はそこで地元の子供達と楽しい時間を過ごしました(写真のビルトワイバーン・メガリザードンYは筆者作)。
このときの出来事が自分のスタイルを決めたのかもしれません。

素組みのアッガイとシャア専用ズゴックを水槽に入れてガンプラ水泳部水中ジオラマです。
浮力が強いので流木とガラス面で挟んで開かないよう抑えてます
※生体はいません