一年戦争時に10代のひよっ子だった私も、気が付けば30代、有り難いことにこの職種をずっと続けてこられたおかげで整備士としてはベテランという年齢になってきた。
戦後はジオン第四工科大に復学し、卒業後アナハイムエレクトロニクスへ就職。当時は連邦・ジオンそれぞれで培われたMS技術を習合させるべく、ジオン出身者も積極的に採用されていった。
一年戦争が終結した後も、残念ながら地球圏から争いは絶えず、皮肉な事ではあるが幸か不幸か、我々MSのメカニックという職人たちは仕事に困ることは無かった。
今の配属先であるアナハイム・グラナダ工場ではクライアントからの発注で建造された新型機の最終調整が行われていた。
専用のワンオフ機というのは、乗るパイロットが予め決まっているので、調整もパイロットの身体データや操縦データをもとに、事細かに寸分の狂いもなくフィットさせていく。本来であればこの最終調整も納品前の実機のコクピットに実際に座ってもらい、パイロットの意見を聞きながら行うものなのだが、今回は特別な事情がありパイロットも月に来ることが叶わないらしい。
手元に届けられたパイロットデータに目をやりながら、ふと余計な独り言を呟いた。「33歳、、大佐も俺と同い年なんだな」
自分と同い年の男が、ジオン・ズム・ダイクンの息子として生まれたが為に歩んで来た道は、その肩に背負っているものはいったいどれ程であっただろうか、想像するに耐えない。
サイコフレームーー
アナハイムのグラナダ工場で開発に成功したばかりという新素材は、サイコミュの技術を革新的に進化させる可能性を持つという。だが、その性能はまだ未知数だ。ニュータイプ能力を持ったパイロット向けの技術である上に、その開発や試験においても貴重なNT適正のあるパイロットは欠かせない。しかし、その貴重なNTに関する技術開発は陣営を問わず、危険視されたり、非人道的な人体実験、クローン技術との融合など、歴史の闇とも言える部分も少なくなかった。
人の手により生み出された科学技術は、常にその功罪と隣り合わせである事も多い。
そもそも技術の産みの親たる人もまた、人類の未来に希望の光を見せる温かさを持ちながら、地球さえ破壊してしまうのだ。
果たしてこれは、人を照らす光となるか、あるいは人を飲み込む深い闇となるのか、、、
いくら想いを巡らせてみたところで、決して出る事は無いその答えを探し求めながら、人はまだ可能性を追い求め続けるのであろう。
塗装を終えたばかりの機体は、かつてのジオンの旗のごとく、美しい赤に輝いていた。
2009年頃に購入・組み立てて、当時ミスターカラー缶スプレーで全塗装した作品だったと記憶しています。デカールと細部筆塗りで仕上げ飾っていましたが、2020年に思い付きでデカールの追加とエアブラシで光沢クリアーのトップコートを数層重ね塗り現在に至ります。
キャンディ塗装ではなく、あえて深みを出さない往年のイタ車のようなイメージで仕上げました。
後に知りましたが、ABS関節や、可動域の制限はあるものの、抜群のプロポーションや、この当時にして合わせ目のほとんど出ない作りから名キットと言われているそうです。
当時どなたかのブログで見た作例に憧れ、ガンメタで塗装したバーニアの内部をすべてゴールドで筆塗りしていきました。ケレン味を感じるショットです。
また、当時アニメ化やMG化で話題だったシナンジュに寄せて、プロへラントタンクを白に変更したり、襟?に見える部分に金のラインを入れてみたりしました。
ファンネルは差し替えですが、展開形態も付属するため、2ミリの曲げれるプラ棒を使い射出状態を再現しています。
HGにしては結構大型な機体の為、ファンネルまで展開すると黒背景を飛び出してしまい、撮影は苦労しました。
ビームトマホークの最大出力時エフェクトも大型でカッコいい武装です。映画本編では、「この時代のビームサーベルはエネルギー節約のため斬撃時のみ自動でビーム刃を形成する」という設定になっているため、劇中ではこういった見栄えのするポーズは実は見られないんですが、 合理性やUC世界の技術進歩を感じられて意外と好きな演出でした。あと、アームレイカーとか、エアバッグシステムとか、逆シャアならではのメカ描写、結構好きですね。
赤い機体vs青い機体フェスに参戦したくって、このタイミングで投稿させて頂きました。この時点では、赤チーム少し押されていますが、微力ながらチームの力になれればと思います。頑張ろう❗️赤い機体チーム❗️
使用キット
HGUC 1/144 サザビー
ミスターカラースプレー
水性ホビーカラー
ガンダムデカール
タミヤ透明ソフトプラ棒2mm
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UC.60生まれ
ジオン第四工科大卒
1年戦争時 工兵の不足により工業科学生でありながら学徒動員・徴用され第603技術試験隊においてオリヴァー・マイ技術中尉付きのメカニック見習いとして、様々な機体に携わり無事終戦まで生き残る。これは、彼の肉眼に映った兵器たちの記録である。
主に微改造・全塗装で仕上げている初心者モデラーです。
ガンプラの取説にある機体解説やショートストーリーが好きで、それに寄せた文章を考えてみました。
お目汚しですが、よろしくお願いします。
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