ティターンズ・テスト・チーム───
一年戦争後、数年を経ても未だなお各地で抵抗を続ける旧ジオン軍残党狩りを主目的として設立された地球連邦軍特殊部隊“ティターンズ”
連邦軍内の一部のエリートのみで構成された彼らは、その運用兵器においても独自の開発体系を持っていた。連邦軍に接収されて以降「コンペイトウ」と名を変えた旧宇宙要塞ソロモンにおいて、そのティターンズ専用兵器の試作・開発を行う試験部隊が通称“T3部隊”である。
UC0085.ヘイズルの予備機としてブラックオター小隊に配備されていた機体は、RXナンバーの型式番号と“ガンダム”の名が与えられ、「ヘイズル2号機」として登録されることになった。
「“ガンダム”という名のモビルスーツに乗る覚悟、、、か。」
新たにパイロットに指名されたエリアルド・ハンター中尉は、ひとり機体を見上げながらコンペイトウ技術本部のMSハンガーに浮かんでいた。
味方である連邦軍からは、史上初めて対MS戦でジオンのモビルスーツを撃破した反撃の象徴たる機体。
敵であるジオンからは、友軍の名だたるエースを次々と撃破し続けた恐怖の対象たる“白い悪魔”として。
一年戦争を連邦軍の勝利に終わらせたのは、紛れもなく地球連邦の物量でありジオンとの国力差である。にもかかわらず、一部隊にて運用された試作機であるガンダムが両軍の兵士にここまでの心理的印象を遺しているのは、紛れもなくプロパガンダであっただろう。
2号機はヘイズルと言えど、現時点では新装備のトライブースターユニットを除けば、全身のパーツ構成比はジム・クゥエルに近い、ヘッドユニットをガンダムヘッドに載せ替えただけの機体である。
しかし、エリアルドはガンダムのパイロットになるということの重圧をひしひしと背負い込んでいた。
「なーに、また一人で悩んじまってんだ?お前の悪いクセ!」
そこにヘイズル改修の期間を利用してグリプス工廠へと技術研修に出掛けていたカール・マツバラ中尉が帰ってきた。
「カール、、、いや、俺がガンダムのパイロットになんか、本当に合っているのかって、、」
「俺が居ない間に、またそんな事でクヨクヨ迷ってたのか、相棒!?」
「そんな事って、、!俺にはっ!」
「そうだ!お前にいい土産を見せてやるよ!お前の好きそうなヤツ♪」
「ん?、、これは!?」
「“ケルデルク”───
グリプス工廠の技官に見せてもらった。まだCGシュミレーションの映像だけどな。アイツらは「次世代量産型試作機」って呼んでたけどな、」
「っガンダム!」
「あぁ、そうだ。紛れもなくグリプス製のガンダム。T3とは別系統のな。ティターンズの中でも、もう未来の主力機の開発競争は始まってる。
俺たちにはクヨクヨ立ち止まってる暇は無いってことだ。だから、頼むぜエリアルド!コイツでヤツらなんか置き去りにしちまおうぜ!」
「カール、、、あぁ、そうだな!」
ティターンズの内部でもまた更に幾つにも枝分かれした技術開発の系譜。
その複雑な技術体系、そして熾烈な次世代機開発競争の中に、ティターンズの旗のもとに集いし若者たちは飛び込もうとしていた。
前回に引き続きAOZキットリビルドシリーズの第二弾です。
キット的にはhgucヘイズル2号機を手直しして制作したんですが、ジムクゥエルと共通するパーツが非常に多いので、四肢とアドバンスドヘイズルの頭部をメタルブラックで塗装し、装備類は旧hgucのティターンズカラーMarkIIから調達してケルデルクに。今回作った胴体やトライブースターと前回カラーリングがまちまちになってしまったクゥエルのパーツを合わせてヘイズル2号機(またはアスワン所属のジムクゥエル)として仕上げました。
パーツ数的には一体プラスちょいぐらいの部品を塗装しただけですが、また新たに二体分の機体を作り上げたみたいな満足感が味わえましたw
いつもは雰囲気とその場その場の感覚で貼っていますが、ほぼ同じパーツを使う機体ということで、各所のコーションデカールなどはなるべく同じようになるよう心掛けました。
基本的にお手軽工作ですが、改修点をいくつかまとめて。
・TRシリーズの特徴的な各所のセンサーカメラは、通常のシルバーの上にクリアカラーだと塗膜がイマイチ整わなかった為、今回はプラ板加工でクリアパーツをいくつか作りました。
・合わせ目処理は、あとハメが必要な部分が多い為基本的に前回と同じく段落ち処理にしましたが、スネ裏のみ合わせ目消しを行いました。
・武器類も同じく合わせ目消しと、ジムライフルは構えの邪魔になっていたマガジンを上部に移設する工作を塗装後にどうしてもしたくなり、急遽工作しましたw
・お馴染みの自作型番デカールを今回も貼りました。
真っ黒なカラーリングだと、ティターンズよりもむしろサイコガンダム感もあり、それもまた威圧感があっていいです。
関節は普段はガンメタですが、黒に映えると思い今回はグレーメタリックにしました。
クゥエルにとられたアンクルアーマーはやはり見つからないので、ディテールも見えるし、デザイン破綻してないので、あえてのナシでいきましたw
設定画と並べて。
個人的には、結構いい感じには寄せれてると思いました。
惜しむらくは、今回あまり手をかける余裕がなく30MMのパーツを付けただけになってしまったふくらはぎのスラスターユニットくらいか。
ヘイズル2号機の方では、今回自分の調色したオレンジイエローが、各部のスラスターやダクト、そしてスリッパにビシッとキマッたのが良かったです。
この色があるだけてTRシリーズ感が一気に増します!
トライブースターにomechaとパーソナルマークのデカールも無事貼れた👍
ケルデルクってマークⅡの以前に存在した機体かと思いきや、マークⅡを正式量産型のバーザムに落とし込む為にその間に存在した機体って位置付けみたいですね。
アーリーヘイズルぽい仕様と、光学センサーユニットを着けたケルデルクで。これらのキットの最大の魅力がパーツ互換による組み替え遊びで、TRシリーズの無限のバリエーションを再現出来るってとこだと思うんですが、どの形態でもスタイルの破綻なくキマるのに藤岡デザインの妙を感じました!
ストーリーはT3部隊で予備機がヘイズル2号機として再登録されるあたりを、漫画版を久々に読み返しながら妄想して書きました。時系列的にはケルデルクが実際生産されるのはもう少し先、、のハズですが、アーリーヘイズルから派生した機体が異なる開発元でそれぞれ別の進化をとげるという、なんだかダーウィン的感慨深さも感じる位置付けの二機だと思います。
昔作ったキットの手直しは相変わらず気を遣いますが、仕上がるとやはり達成感もありますね!
このシリーズ、まだ続きますのでどうぞ宜しくお願いします🙇
それぞれに違う進化を遂げたウサギたち
コメント
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いつもありがとうございます❗️
なんか今日ヘイズルの日だったみたいなんで、AOZ界隈も賑わってて、たまたまだけど良かったです👍今後のT3部隊の面々にも乞うご期待✨
おーめちゃかっこいいです😆 カラーリングも綺麗🤩 ストーリーもワクワクしますね😉 T3部隊頑張れ🚩
UC.60生まれ
ジオン第四工科大卒
1年戦争時 工兵の不足により工業科学生でありながら学徒動員・徴用され第603技術試験隊においてオリヴァー・マイ技術中尉付きのメカニック見習いとして、様々な機体に携わり無事終戦まで生き残る。これは、彼の肉眼に映った兵器たちの記録である。
主に微改造・全塗装で仕上げている初心者モデラーです。
ガンプラの取説にある機体解説やショートストーリーが好きで、それに寄せた文章を考えてみました。
お目汚しですが、よろしくお願いします。
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