ガンダム───
一年戦争で戦った連邦軍のMSパイロットにとって、その白いモビルスーツRX-78は希望であり、憧れだった。戦時中と終戦直後は、そりゃあ第13独立部隊といえば、嫌というほど喧伝されてもてはやされたから知らない者は居ないだろうが、実際に戦場でその姿を見たことがある者はそれ程多くは無いだろう。ましてや、現在まで生き残っている者となれば、なおさら。
「俺も見たことがある」と言っても、本当に信じてくれるヤツはそんなに多くなかった。作りものの自慢話をする戦争帰りが、そりゃあ多かったからな。
ほんの一瞬の出来事だったから、見間違いじゃないかって取り合わない者も居る。極限状態の兵士が最前線で見る幻。。。
ただ、僅かな時間だったとしても、ただ一回だったとしても、その姿を本当に目にした者は決して忘れる、忘れられる事なんかないだろう。
あの、鮮烈な光景は今でも脳裏にきつく焼き付いて離れる事なんかない。
UC0085.ジオン残党との激しい戦闘により大破してしまったブラックオター小隊1番機ヘイズルであったが、大規模な修復作業の後にT3部隊においてこれまで収集・蓄積されたデータをフィールドバックする形で、大幅に仕様をアップデートした全く新しい機体として帰って来た。
機体形状に大きく変更が加えられている訳では無いが、コクピットがリニアシート・全天周モニターに置き換えられたことや、各所に多目的ラッチが増設された事により、操作性やオプション兵装による拡張性が飛躍的に上がっている。
「コイツは現時点での最高傑作だ。新しい“ガンダム”なんだよ。」
自慢げに説明を終えたアスワンのチーフメカニック・ヘンドリック・ネスに、小隊長のウェス・マーフィーは近寄って話しかけた。
「おやっさん、こいつは“白い”な。」
「まだ装甲材の地色が出たままだから、塗装まで手が回って無いんだ。あそこまでヤラレたお前さんのヘイズルを、ここまで生まれ変わらせるだけで、人手も時間も足りないよ。まぁ、艦長はいつもの如く「急がせろ」と言っているから、このまま行くみたいだが、、、
この色だと、やっぱりどうしても思い出すかい?、、、“ガンダム”を。」
「えぇ、、、俺たちの世代なら、やっぱりね。思い浮かべないと言ったら嘘になる。」
「へぇー!ティターンズカラーじゃないヘイズルってのも何か新鮮だな!」
一緒にハンガーに見学に来ていた、カール・マツバラやエリアルド・ハンターは、まるで新しいオモチャにワクワクする様に無邪気にヘイズル改を見て回る。
「実は戦場で見たことがあるんですよ、、ちょうどここソロモンの海だ、チェンバロ作戦でね。」
「へぇ〜、そうかい。お前さんが昔話ってのもまた珍しい。」
「情け無い思い出なんで、これまであんまり人にはした事の無い話です。初陣でね。小隊の面々とも離れ、乗っていたジムもボロボロで、俺はあの時正直『もう戻れない』って思っていた。
その時に見たのが、白いRX-78だった。一緒に戦ったなんてカッコいいもんじゃ無い。ただ、死を前にして浮かんでいた自分の前を、敵機を蹴散らしながら一瞬通り過ぎていっただけ。だけど、あの姿は強烈な覚えている。あの姿を見た事で、自分の中に『生きて帰らないと』っていう執念を甦らせてくれた。だから今だに、自分の中であの機体の姿は、無条件に“希望”の象徴なんです。」
「なら、やっぱり良かったって事だ、コイツのパイロットはお前さんで。
あんたの姿は、もうとっくに一年戦争を知らない若い世代にも、“希望”として映っとる。データと部下を必ず連れて帰る、最高のテストパイロットだよ。」
二人は白いヘイズル改にかつてのガンダムの姿を重ねていた。
引き続きのAOZリビルドシリーズ。今回はヘイズル改です。hgucでは最初に発売されたAOZキットということで、こちらももう20年モノ。古いキットをバラす時にびっくりするのは、今では全く記憶にありませんが、非常にめんどくさいところを接着してしまっていること。当時の自分は、よっぽど妖怪パーツ隠しを警戒していたようです🚨笑
まぁ、20年後の自分がコレをもう一回バラして塗装してるなんて、その頃は露ほども想像して無かったからなー💧
RGなどを組んで、開口パーツの魅力に気づいたので今回は各部の開口作業を現時点で出来る限り頑張ってみました。ヘイズル改は、巨大なダクトやノズルの多いデザイン。脛などは開口部が大き過ぎて実際は向こう側まで丸見えな為、そこまで効果があったかは分かりませんが、そこそこキレイに仕上がったので達成感はあります。
本塗装前に全体的にサフを吹いたので、仮組して久しぶりにサフ萌え☺️
あらためてデザインのカッコよさにシビれる。
制作中に流行りの“赤いガンダム”とやらに触れてしまい、シュミレーションしてみたら意外にもヘイズルでもカッコよかったんで、思わず赤くしたい誘惑にかられましたが、我慢して白にw
6月が楽しみだなー♪
結局、カラーリング変更はスリッパのみオレンジに変更しました。
あとはセンサーのクリアパーツ化やら、合わせ目の段落ち処理、モールド処理など。太ももだけは合わせ目消しをしました。
色違いですがシールド三枚で、ヘイズル最終仕様。
白いトサカパーツが出来たんで、こうゆう組み替え再現も。
コッチもカッコいい〜
前回製作のGオフェンサーとのドッキングも。
今回のストーリーはコミックスで描かれた、マーフィーが初陣でガンダムに助けられたというエピソードになぞらえてみました。たしかに、T3で白いMSって珍しいですよね。一年戦争を経験した者たちには敵味方問わず、より大きな印象を与えた事でしょう。
今回もご覧頂きありがとうございました✨
ブラックオター小隊の旗印!“白いガンダム”
コメント
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良いストーリー😆 機体もめちゃかっこいいです😆 一年戦争でアムロの離れ業を目の当たりに。一瞬の出来事で混乱しますよね😉 突如、あっという間に敵を蹴散らし、どこかへ消えてしまうガンダム。そりゃ伝説となりますよね😁
いつもコメントありがとうございます❗️
ヘイズル改って、どうして白メインのカラーリングなんだろう?って思った事もあって(たぶんメタ的にノーマル1号機からの変化を際立たせたかったというのはあったと思うんですが)、それをマーフィー隊長の初陣のエピソードと絡めてみました。友軍のMSパイロットから見てもアムロの機動はバケモノだったでしょうね(gundam-kao6)
ティターンズカラーもカッコいいですが、やっぱり誰もが最初にイメージするガンダムカラーは“白”でしょうからね。
UC.60生まれ
ジオン第四工科大卒
1年戦争時 工兵の不足により工業科学生でありながら学徒動員・徴用され第603技術試験隊においてオリヴァー・マイ技術中尉付きのメカニック見習いとして、様々な機体に携わり無事終戦まで生き残る。これは、彼の肉眼に映った兵器たちの記録である。
主に微改造・全塗装で仕上げている初心者モデラーです。
ガンプラの取説にある機体解説やショートストーリーが好きで、それに寄せた文章を考えてみました。
お目汚しですが、よろしくお願いします。
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