【コラボ】遠雷の継灯・第1話

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Chap.1 U.C.0080 1月5日

 ア・バオア・クーは1日で陥落した。 戦争は終わった、らしい。 らしいというのは、ジオンの資源衛星基地を包囲する、地球連邦艦隊の包囲は、依然として厳しいままだからだ。「そもそも、昨日の今日で終戦というのがおかしな話なんだよ。」アビゲイル・エイジャー中尉は、臨戦体制のドックで、機体のハッチに手をかけて言う。「終戦だって言ってるのは連邦の連中だけなんだろう?虚偽情報で誘き出そうって魂胆じゃないの?」アビゲイル——アビー中尉は、同僚のイアン・リー少尉に尋ねた。「本国と連絡が取れないんだと。だから少佐も慌ててるのさ。」階級は下だが、年上のイアンは、敬語を使わずに話した。その声は、落ち着いている。「アビーのいう通りだ。ア・バオア・クーが陥ちたって言っても、昨日の今日で条約も結べやしないだろうからな。実質の終戦はまだずっと先だよ。」イアンはコクピットの中で呟くように続ける。「この後どうなるか分からん。”鉄砲玉”が、宇宙の彼方まで飛び出していかないように、首根っこを掴んでおかなけりゃな。」 ”鉄砲玉”、と、アビーはオウム返しに言うと、隣に駐機しているザクのコクピットを見る。開け放たれたハッチの中には、人影はない。「ちょっと、”坊や”はどこに行ったの、こんな時に!?」「女のところだろう。」 まったく、とイアンは呟く。それに、と、続けた。「もう”坊や”じゃないさ。」「また、そういう下世話な……。」「違うよ。」 イアンはふふっと笑った。「もう、”坊や”と呼べないだろ。俺らも”エース”に随分助けられた。」~~~~~~~~~~~~~~~

 ア・バオア・クーは1日で陥落した。

 戦争は終わった、らしい。

 らしいというのは、ジオンの資源衛星基地を包囲する、地球連邦艦隊の包囲は、依然として厳しいままだからだ。

「そもそも、昨日の今日で終戦というのがおかしな話なんだよ。」

アビゲイル・エイジャー中尉は、臨戦体制のドックで、機体のハッチに手をかけて言う。

「終戦だって言ってるのは連邦の連中だけなんだろう?虚偽情報で誘き出そうって魂胆じゃないの?」

アビゲイル——アビー中尉は、同僚のイアン・リー少尉に尋ねた。

「本国と連絡が取れないんだと。だから少佐も慌ててるのさ。」

階級は下だが、年上のイアンは、敬語を使わずに話した。その声は、落ち着いている。

「アビーのいう通りだ。ア・バオア・クーが陥ちたって言っても、昨日の今日で条約も結べやしないだろうからな。実質の終戦はまだずっと先だよ。」

イアンはコクピットの中で呟くように続ける。

「この後どうなるか分からん。”鉄砲玉”が、宇宙の彼方まで飛び出していかないように、首根っこを掴んでおかなけりゃな。」

 ”鉄砲玉”、と、アビーはオウム返しに言うと、隣に駐機しているザクのコクピットを見る。開け放たれたハッチの中には、人影はない。

「ちょっと、”坊や”はどこに行ったの、こんな時に!?」

「女のところだろう。」

 まったく、とイアンは呟く。それに、と、続けた。

「もう”坊や”じゃないさ。」

「また、そういう下世話な……。」

「違うよ。」

 イアンはふふっと笑った。

「もう、”坊や”と呼べないだろ。俺らも”エース”に随分助けられた。」

~~~~~~~~~~~~~~~

「良いの?2種配備じゃないの?」 恋人であるパイロットのコンパートメントで、自身の軍服の襟元を整えながら、ジオン公国軍の衛生兵サラ・スミス軍曹は言う。「いいよ、いつでも行ける。機体に火は入れたままだし。」 応える

「良いの?2種配備じゃないの?」

 恋人であるパイロットのコンパートメントで、自身の軍服の襟元を整えながら、ジオン公国軍の衛生兵サラ・スミス軍曹は言う。

「いいよ、いつでも行ける。機体に火は入れたままだし。」

 応える"恋人"——ジオン公国軍のマイロ・アンダーソン曹長は、ノーマルスーツを肩にひっかけ、アンダースーツのままぶっきらぼうに応えた。曹長とは言え、パイロット、しかも連邦の戦艦を2隻に、MSを12機撃墜したエースには、粗末ながらもコンパートメントが与えられている。

「さっき出撃命令が掛ったらどうするつもりだったの?」

「呼ばれれば、行くさ。」

「嘘。」

くすくすと笑っていると、いつの間にかノーマルスーツを"履いた"マイロが、ベッドに腰掛けているサラの懐に、膝枕のように潜り込んでくる。上半身のノーマルスーツは下ろしていて、アンダースーツのままだ。

「絶対行かないよね、これ。」

ウゥン、と、喉を鳴らして曖昧に応える年下の恋人の、髪を撫でながらサラは子守唄のように歌を口ずさみはじめる。

 "アメイジング・グレイス"だ。

「信じてたっけ、カミサマ?」

 毛づくろいを受けてくつろぐ子犬のような顔で、マイロが訊ねる。サラは、歌うのをやめてマイロを見下ろすと微笑んだ。

「別に、そういうわけじゃないけど……知らない?”マリア”って、ちょっと流行ってるの。反戦系のシンガー。」

「……くだらないな。」

”反戦”という言葉が、マイロの気に障ったらしい。声色に、少しの棘が混じる。彼は、宇宙を駆ける戦士なのだ。

『マイロ・アンダーソン、何をしている!早く来い!!』

 全館放送で、怒気を含んだウェーブ(女性士官)の声が響く。隊長のアビー中尉だ。

「ほら、呼んでるよ。」

 サラは、マイロの頬をそっと撫でながら、優しく促す。

 マイロは身体を起こすと、腰から下ろしていた上半身のノーマルスーツをずりあげ、袖を通し始める。

「マリアって、元々ジオンの人よ。開戦後すぐ、連邦に亡命したけど。」

「なら、俺の守るべき相手じゃない。関係のない人間の話だ。」

 サラに背を向け、ノーマルスーツの前を閉めると、机に置かれていたヘルメットを手に取る。

「じゃあ、行く。」

短く行って、部屋を出る。 

 気を付けて、と、その背中に呼び掛けたが、返事もないままに、マイロは去って行った。サラは、苦笑いを浮かべてふっと息をついた。

~~~~~~~~~~~~~~~

『何してた、2種配備なのに。』 遅れて宙域に出てきたマイロに、アビーは不機嫌な声をぶつけてくる。「敵は?」 質問には応えず、マイロは機体を並べ、状況を確認する。『有視界では確認できない。たぶん、サラミス。』応えるのは、イアンだ。「一隻か?」 マイロは小隊の上官である2人に、敬語を使わない。自分こそが隊を引っ張るエースであるという自覚が、そうさせるのか、あるいは性格なのか。『一隻だ。護衛にMSはついているだろうが。』「”カモ”だな。」 マイロは、装備した対艦ライフルを構え直す。「第3小隊とアビーでMSを請け負ってくれ。俺とイアンでサラミスを叩く。」『言われなくても。』アビーの不機嫌な声だ。既に同じ発想で、第3小隊と打ち合わせてある。『だから急いで呼んだんだろ。』『だがな。』イアンが冷静な声で二人を制する。『停戦信号を出してるらしい。』ミノフスキー粒子のせいでよく分からんが、とイアンは呟く。『戦う気がないかもしれん。終戦だなんだと、微妙な空気もある。接敵後の動き、十分気を付けろ。』

『何してた、2種配備なのに。』

 遅れて宙域に出てきたマイロに、アビーは不機嫌な声をぶつけてくる。

「敵は?」

 質問には応えず、マイロは機体を並べ、状況を確認する。

『有視界では確認できない。たぶん、サラミス。』

応えるのは、イアンだ。

「一隻か?」

 マイロは小隊の上官である2人に、敬語を使わない。自分こそが隊を引っ張るエースであるという自覚が、そうさせるのか、あるいは性格なのか。

『一隻だ。護衛にMSはついているだろうが。』

「”カモ”だな。」

 マイロは、装備した対艦ライフルを構え直す。

「第3小隊とアビーでMSを請け負ってくれ。俺とイアンでサラミスを叩く。」

『言われなくても。』

アビーの不機嫌な声だ。既に同じ発想で、第3小隊と打ち合わせてある。

『だから急いで呼んだんだろ。』

『だがな。』

イアンが冷静な声で二人を制する。

『停戦信号を出してるらしい。』

ミノフスキー粒子のせいでよく分からんが、とイアンは呟く。

『戦う気がないかもしれん。終戦だなんだと、微妙な空気もある。接敵後の動き、十分気を付けろ。』

 赤く塗られた左肩を、鈍く光らせながら、アビゲイル・エイジャー中尉率いる”レッドショルダー隊”が先行する。『見えた。』 アビーは呟くと、マシンガンの銃口下のランチャーから、発光弾を放つ。 ここは、ジオンの領空である——。 そのことを示す、青白い光を堺にするように、ジオンと連邦、双方は一度、その進行を止めた。 マイロとイアンは、激しい発光に隠れるように、友軍の進行方向から大きく機体を逸らし、戦艦や機体の残骸で出来たデブリ帯に身を潜めた。『……う気はな………リア……たを聞……』 サラミスから、何か通信が送られているようだが、戦闘濃度のミノフスキー粒子のせいでよく聞き取れない。宙域には、連日ジオンがミノフスキー粒子をばら撒き続けている。おそらくオープン回線だが、ジオンと連邦ではうまく周波数が合わないのだろう。

 赤く塗られた左肩を、鈍く光らせながら、アビゲイル・エイジャー中尉率いる”レッドショルダー隊”が先行する。

『見えた。』

 アビーは呟くと、マシンガンの銃口下のランチャーから、発光弾を放つ。

 ここは、ジオンの領空である——。

 そのことを示す、青白い光を堺にするように、ジオンと連邦、双方は一度、その進行を止めた。

 マイロとイアンは、激しい発光に隠れるように、友軍の進行方向から大きく機体を逸らし、戦艦や機体の残骸で出来たデブリ帯に身を潜めた。

『……う気はな………リア……たを聞……』

 サラミスから、何か通信が送られているようだが、戦闘濃度のミノフスキー粒子のせいでよく聞き取れない。宙域には、連日ジオンがミノフスキー粒子をばら撒き続けている。おそらくオープン回線だが、ジオンと連邦ではうまく周波数が合わないのだろう。

(戦う気がないのなら、白旗でもあげて見せろ。) マイロは、胸の内で毒づきながら、対艦ライフルを構えた。(遠いな……。) 徹甲弾と炸裂弾を装填されたライフルは、ルウムの戦いでも何隻もの戦艦を葬ってきた、ジオンの必殺兵器だ。だが、その有効射程は500m程度。慣性の働かない宇宙空間なら、やり様次第ではもっと先まで届かないでもないが、マイロにはそれをやる自信はない。有視界モニターの隅には、イアンのザクも見える。 しばし、奇妙な静寂が続いた後、ノイズまみれの通信から、僅かに音楽のようなものが聞こえた。「……!?」 途切れ途切れに聞こえたその音は、女の歌声に聞こえた。『……何だ……?』思わず、声を上げてしまったのだろう。イアンの声が通信に入る。敵とこれだけ接近しての通信は、ミノフスキー粒子下でもこちらの場所を知らせる危険があり、普通は避ける。だが、そのことを忘れさせるほど、その通信は奇妙だったのだ。 味方の通信もノイズにまみれるほど、粒子に汚染された宙域に、突如、新たな熱源の接近を知らせるアラートが響く。 マイロは、咄嗟に視線を巡らせる。サラミスの艦上に突っ立っていた”のっぺらぼう”こと、地球連邦軍の主力MSジムが、動揺したように艦からふわりと浮き上がる。アビーと、一緒に出撃してきていた小隊のザクが、マシンガンを放つ。当てるつもりのない、威嚇射撃なのは、誰が見ても明白だった。しかし、新たに後ろからやってきた増援は、それに応じるようにビームを放った。

(戦う気がないのなら、白旗でもあげて見せろ。)

 マイロは、胸の内で毒づきながら、対艦ライフルを構えた。

(遠いな……。)

 徹甲弾と炸裂弾を装填されたライフルは、ルウムの戦いでも何隻もの戦艦を葬ってきた、ジオンの必殺兵器だ。だが、その有効射程は500m程度。慣性の働かない宇宙空間なら、やり様次第ではもっと先まで届かないでもないが、マイロにはそれをやる自信はない。有視界モニターの隅には、イアンのザクも見える。

 しばし、奇妙な静寂が続いた後、ノイズまみれの通信から、僅かに音楽のようなものが聞こえた。

「……!?」

 途切れ途切れに聞こえたその音は、女の歌声に聞こえた。

『……何だ……?』

思わず、声を上げてしまったのだろう。イアンの声が通信に入る。敵とこれだけ接近しての通信は、ミノフスキー粒子下でもこちらの場所を知らせる危険があり、普通は避ける。だが、そのことを忘れさせるほど、その通信は奇妙だったのだ。

 味方の通信もノイズにまみれるほど、粒子に汚染された宙域に、突如、新たな熱源の接近を知らせるアラートが響く。

 マイロは、咄嗟に視線を巡らせる。サラミスの艦上に突っ立っていた”のっぺらぼう”こと、地球連邦軍の主力MSジムが、動揺したように艦からふわりと浮き上がる。アビーと、一緒に出撃してきていた小隊のザクが、マシンガンを放つ。当てるつもりのない、威嚇射撃なのは、誰が見ても明白だった。しかし、新たに後ろからやってきた増援は、それに応じるようにビームを放った。

「……ガンダム——!?」 マイロは、モニターに映った青い機体を見て、驚愕の声をあげた。「やる気満々じゃないか!!」 停戦信号に応じるそぶりを見せながら、後詰のガンダムによる奇襲。悪くない作戦だが、駆け引きの妙が感じられない、雑な連携に見える。やはり、力押しの物量戦と、ビーム兵器の熱量で押し切ってきた連中の、戦いのセンスなど、その程度か——。(だが、そのつもりなら——!)やってやる、と、マイロは機体を走らせる。イアンも、それに続く。

「……ガンダム——!?」

 マイロは、モニターに映った青い機体を見て、驚愕の声をあげた。

「やる気満々じゃないか!!」

 停戦信号に応じるそぶりを見せながら、後詰のガンダムによる奇襲。悪くない作戦だが、駆け引きの妙が感じられない、雑な連携に見える。やはり、力押しの物量戦と、ビーム兵器の熱量で押し切ってきた連中の、戦いのセンスなど、その程度か——。

(だが、そのつもりなら——!)

やってやる、と、マイロは機体を走らせる。イアンも、それに続く。

 機体をサラミスの下腹に潜り込むようにさせると、獲物の急所を刺すように、ライフルを一撃叩き込む。「不用意に殺す必要はないぞ、あまりムキにならせるなよ。」 イアンに通信を送る。サラミスはあちこちから火を吹いている。轟沈することはなさそうだが、脚は止まっている。砲台も、二人で一通り潰して回り、MSもアビーたちが沈黙させた。だが——

 機体をサラミスの下腹に潜り込むようにさせると、獲物の急所を刺すように、ライフルを一撃叩き込む。

「不用意に殺す必要はないぞ、あまりムキにならせるなよ。」

 イアンに通信を送る。サラミスはあちこちから火を吹いている。轟沈することはなさそうだが、脚は止まっている。砲台も、二人で一通り潰して回り、MSもアビーたちが沈黙させた。だが——

「ガンダムか!!」やはり、まだ飛び回っている。第3小隊のザクが2機、ビームに貫かれた。 マイロは、ライフルをガンダムに向けて放つ。機体に直撃しなくとも、傍で徹甲弾が炸裂するので、ダメージを与えられる。だが、炸裂した弾頭は敵機に大したダメージを与えなかった。ガンダムは分厚いシールドを装備し、防御姿勢を取っている。随伴しているジムはかなり後方に距離をとっていて届かない。 ガンダムは向きを変えると、マイロのザクに殺到する。近づかれると、対艦ライフルでは戦いにくい。マイロはすぐにライフルを捨て、腰にマウントしていたヒートホークを構えた。

「ガンダムか!!」

やはり、まだ飛び回っている。第3小隊のザクが2機、ビームに貫かれた。

 マイロは、ライフルをガンダムに向けて放つ。機体に直撃しなくとも、傍で徹甲弾が炸裂するので、ダメージを与えられる。だが、炸裂した弾頭は敵機に大したダメージを与えなかった。ガンダムは分厚いシールドを装備し、防御姿勢を取っている。随伴しているジムはかなり後方に距離をとっていて届かない。

 ガンダムは向きを変えると、マイロのザクに殺到する。近づかれると、対艦ライフルでは戦いにくい。マイロはすぐにライフルを捨て、腰にマウントしていたヒートホークを構えた。

 ザク改は、各部に改良を加えられ、機動性がかなり上がっている。スラスターを細かくふかし、らせん状の軌道で敵機に迫った。敵の火戦を潜り抜けながら、最接近すると、ヒートホークを叩き込んだが、やはり、分厚いシールドに遮られる。「くそっ!」勢いよくバーニアを噴射させ、距離をとると、視界の隅に、鮮やかな信号弾が上がった。『退くよ、”坊や”!』 アビーの声だ。見ると、連邦のランチをがっしりと捕まえている。 会敵したガンダムが気になったが、ザクの火力ではヤツを屠るのは無理だ。マイロは、アビーの声に素直に応じた。

 ザク改は、各部に改良を加えられ、機動性がかなり上がっている。スラスターを細かくふかし、らせん状の軌道で敵機に迫った。敵の火戦を潜り抜けながら、最接近すると、ヒートホークを叩き込んだが、やはり、分厚いシールドに遮られる。

「くそっ!」

勢いよくバーニアを噴射させ、距離をとると、視界の隅に、鮮やかな信号弾が上がった。

『退くよ、”坊や”!』

 アビーの声だ。見ると、連邦のランチをがっしりと捕まえている。

 会敵したガンダムが気になったが、ザクの火力ではヤツを屠るのは無理だ。マイロは、アビーの声に素直に応じた。

 敵も、退いていく。 ガンダムの前に、敵の機体が割って入るような格好に見えた。 もしかして、ヤツは——いや、ヤツも、滾っていたのかもしれない。 そうだ。MSに乗り、戦場を駆けると、マイロはどうしても、血の滾りを感じてしまうのだ——。〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 基地に戻ると、鹵獲したランチの周囲をMSと、武装した兵士とが取り囲んでいた。武装を解除した連邦軍の兵士たちが、両手をあげて降りてくる。「怪我はない?」 ハッチを開けると、サラが無重力空間をふわふわと流れてくる。「敵を鹵獲した。出てくると危ないぞ!」マイロも、サラの方に流れていきながら、庇うようにそっと腕を伸ばす。 ありがとう、と言って、サラはマイロの腕をそっと掴む。

 敵も、退いていく。

 ガンダムの前に、敵の機体が割って入るような格好に見えた。

 もしかして、ヤツは——いや、ヤツも、滾っていたのかもしれない。

 そうだ。MSに乗り、戦場を駆けると、マイロはどうしても、血の滾りを感じてしまうのだ——。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 基地に戻ると、鹵獲したランチの周囲をMSと、武装した兵士とが取り囲んでいた。武装を解除した連邦軍の兵士たちが、両手をあげて降りてくる。

「怪我はない?」

 ハッチを開けると、サラが無重力空間をふわふわと流れてくる。

「敵を鹵獲した。出てくると危ないぞ!」

マイロも、サラの方に流れていきながら、庇うようにそっと腕を伸ばす。

 ありがとう、と言って、サラはマイロの腕をそっと掴む。

「知ってる。アビー中尉がランチを捕まえたって聞いて。」でも、とサラは言葉を続けた。「だから、っていうか……ごめんね、ちょっと、ミーハーな気分で来ちゃったかな。」マイロの腕の中で、サラは悪戯っぽく微笑んだ。 マイロは不思議そうな顔をするが、サラは、ほら、と、マイロの腕の中でくるりと向きを変えた。

「知ってる。アビー中尉がランチを捕まえたって聞いて。」

でも、とサラは言葉を続けた。

「だから、っていうか……ごめんね、ちょっと、ミーハーな気分で来ちゃったかな。」

マイロの腕の中で、サラは悪戯っぽく微笑んだ。

 マイロは不思議そうな顔をするが、サラは、ほら、と、マイロの腕の中でくるりと向きを変えた。

 マイロの視線の先には、亜麻色の長いストレートヘアをなびかせて、女がランチから降りてくるのが見えた。「彼女よ、例の”マリア”。」 第1話・完 【ガンダム編・「雷鳴の伝灯」第1話はこちら】→ガンダム編は連邦軍視点のストーリーです。第1話のMS戦はガンダム編の方がかっこいいと思います(gandam-hand2)ぜひこちらも合わせてご覧ください。【予告ページを目次にしてあります】

 マイロの視線の先には、亜麻色の長いストレートヘアをなびかせて、女がランチから降りてくるのが見えた。

「彼女よ、例の”マリア”。」

 

第1話・完

 

【ガンダム編・「雷鳴の伝灯」第1話はこちら

→ガンダム編は連邦軍視点のストーリーです。第1話のMS戦はガンダム編の方がかっこいいと思います(gandam-hand2)ぜひこちらも合わせてご覧ください。

【予告ページを目次にしてあります】

ヨッチャKIDさんとのコラボ第2弾、その第1話です!皆さん、シャドウファントム第1部および第2部に登場したマイロ・アンダーソン、覚えておいででしょうか笑(画像のグフに乗っていたパイロットです。)アビーやイアンも、2部に登場しています。覚えてますか?笑 イアンはずっと名前だけの登場で、今回が初セリフですが笑 ハリソン・サトー少佐率いる

ヨッチャKIDさんとのコラボ第2弾、その第1話です!

皆さん、シャドウファントム第1部および第2部に登場したマイロ・アンダーソン、覚えておいででしょうか笑(画像のグフに乗っていたパイロットです。)

アビーやイアンも、2部に登場しています。覚えてますか?笑 イアンはずっと名前だけの登場で、今回が初セリフですが笑 ハリソン・サトー少佐率いる"レッドショルダー隊"の生き残りですね。中東を無事脱出し、宇宙で戦っていたようです。

ジオン編の主人公は、彼ら、"レッドショルダー隊"の残党、中でもエースのマイロになります。

マイロはイギーと2度マッチアップして、最後は一撃喰らわした、というキャラです。ニュータイプではありませんが、腕のいい天才肌の若きパイロットとして作ったキャラですが、アーサーやハリソン、そして主人公サイドにミヤギなどが登場し、めちゃくちゃ影が薄かったのですが、KIDさんと色々話していく中で、こいつとマイセン(連邦編の主役)マッチアップさせよう!となりました。

キャラが薄くて、わたしが一度マイロの起用を諦めようと思ったのですが、KIDさんのお励ましで再び世に出ることができました。ありがたいことです。

設定やプロット、具体的なセリフなど、いろいろ話し合ってきましたが、わたしが我を通すことが多く、KIDさんにはご心労をおかけしたことと思います。デジラマ用の写真もかなり撮り直しをしていただきました(gundam-kao10)

おかげさまで、いいスタートを切れたかと思います!このまま最終話の第5話まで、走りたいと思います!

全然関係ないですが、最近(というか元々)宮城峡と知多が並んで売られていることが多く、なんとなく嬉しくなります笑しかも、チタがちょっと小さいハーフボトルだったりするので、なんか「ふふっ」てなります笑宮城峡と知多、また出回るようになってきたので、この2本は常に家に置いておきたいお酒です。キャラクターへの愛着とかでなく、フツーに好きなお酒です笑

全然関係ないですが、最近(というか元々)宮城峡と知多が並んで売られていることが多く、なんとなく嬉しくなります笑

しかも、チタがちょっと小さいハーフボトルだったりするので、なんか「ふふっ」てなります笑

宮城峡と知多、また出回るようになってきたので、この2本は常に家に置いておきたいお酒です。キャラクターへの愛着とかでなく、フツーに好きなお酒です笑

それでは、次回もお楽しみください(gundam-kao6)

コラボ・ジオン編第1話

コメント

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  1. つぐお 4時間前

    待ってました!まだ今年も始まったばかりですが一番のお楽しみ企画ですね!
    年末にご投稿いただいたレッドショルダー隊のショートストーリーはこれに繋がるものだったんですね。今後どのようなシチュエーションでケンプファー受領となるのかも楽しみです。
    アビーとマイセンの近接戦、双方の視点からのデジラマが熱い!

    • いつもありがとうございます(gundam-kao6)

      そうです、年末のレッドショルダー、この作品用に作っていたのですが、紅組だしちょうどいいと思って投稿してみました笑

      ガンダム編もご覧いただけたようで嬉しいです!

  2. のぴお 7時間前

    素晴らしいコラボ企画ですねぇ~😄

    連邦軍、ジオン公国軍のそれぞれからの視点で繰り広げられるストーリー❗️

    この後どうなっていくのか?

    マリアの運命は?

     

    次回も楽しみです😍

    • コメントありがとうございます(gundam-kao6)

      着地点は決めてあるのですが、実はもうまだオチがしっかり形になっていません(gundam-kao10)

      キャラクターたちの運命がどうなっていくか、見守っていただければと思います(gundam-kao6)

  3. 始まりましたね

     

    連邦サイド読んでのジオンサイドを読むと、そこでの出来事を立体的に見れてストーリーにより深みが増しますね

    お話し考えるのは大変だと思いますがσ(^_^;)

     

     

     

    • いつもありがとうございます(gundam-kao6)

      無事走り出しました!

      普段から敵対してる両陣営の視点は入れるように意識してきましたが、それぞれの陣営をじっくり描けることと、視点の違いゆえにあえて描かない部分とが出てくるのは、書き手として面白く思います(gundam-kao6)

      この後の展開にもお付き合いいただならば幸いです。

  4. cinnamon-1 8時間前

    第5部新章連載開始、おめでとうございます🎊

     

    待ってました。

    マイロ曹長、レッドショルダーを引き継いでのザク改、対艦用ライフル装備と凄腕のパイロットに😁

    しかしそこに立ち塞ぐガンダム、この後のストーリー、とても楽しみです😊

     

    また、サラ、マリアと綺麗な女性キャラの登場も嬉しいです🤩

     

     

    • いつもありがとうございます(gundam-kao6)

      じつはこれ、第5部ではないんです。5部はこの話が終わったら別に、新主人公で再開します(gandam-hand2)

      マイロはずっと再登場させたかったのですが、なかなか機会がありませんでしたので、こういう機会に恵まれて嬉しく思います(gundam-kao6)

      引き続きお楽しみいただければ幸いです。

  5. フチお 9時間前

    コメント失礼します。

    素晴らしい物語の世界観に、一気に引き込まれてしまいました。

    正直に申し上げますと、私、基本的に女性が大好きでして(笑)、今作に登場する女性たちの描写は本当に魅力的です!

    特に、サラ軍曹が口ずさんだ「アメイジング・グレイス」から、シンガーのマリア、そして最後に降臨した実体の「マリア」へと繋がっていく……。この歌と名前を重ね合わせた見事な演出には、思わず唸らされました。

    サラ軍曹の慈愛に満ちた魅力と、亜麻色の髪をなびかせて現れたマリアのミステリアスな美しさ。この二人をめぐる物語の「継灯」がどうなっていくのか、次回が楽しみです。😊

    • コメントありがとうございます(gundam-kao6)

      ヨッチャKIDさんと何度も打ち合わせて世界観を作ってきたので、丁寧に読み解いていただいて嬉しく思います。

      今回はヒロインたちの存在が物語の鍵になりますのでぜひ動向にご注目ください(gundam-kao6)

      そして、女性キャラがお好きならぜひ、本アカウント掲載中のシャドウファントムシリーズもご愛顧ください!こだわって造形したヒロインたちが活躍しております笑(宣伝すみません笑)

      では、またのお越しを楽しみにしております。

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