Gバウンサー　ワンハンドレッド

oyz「ところでウルフ隊長。今度MS部隊に新人が入るって聞きました？」

ウルフ「ああ、もちろんだ。どうやらフリットの息子が入隊するらしいな。」

oyz「ええ。ですので、私の工房でも新型のガンダムを建造してるんです。」

ウルフ「ほーお。新人でガンダムとは、ずいぶんと特別扱いだなあ！」

oyz「アスノ家ですからね。AGEシステムは代々アスノ家に引き継がれますから。」

ウルフ「連邦のMS開発は、結局ガンダムに...、AGEシステムに頼りっきりだからな。」

oyz「それで連邦が面子意地の為に、AGEシステムを使わない様にしてましたけど、それも限界の様ですね。」

ウルフ「その様だな。俺のGバウンサーも、AGE−1スパローをベースにしているからな。ヴェイガンの連中に対抗する為には、ガンダムの技術が必要だぜ、やはりな。」

oyz「ヴェイガンの技術は、我々よりも進んでますからね。」

ウルフ「そうだな。しかし、新しいガンダムが出来るって事は、連邦のMS技術も、また進歩するだろうぜ。」

oyz「そうですね。」

ウルフ「ところで今回、どういう感じに進化するんだ？その新しいガンダムってやつはよ？」

oyz「新しいガンダム...ガンダムAGE−2...。その最大の特徴は、可変機である事、です！」

ウルフ「ほーお。」

oyz「敵への強襲や離脱など、今までの機体を遥かに凌駕した、機動性を重視した戦い方が出来るんですよ。」

ウルフ「そりゃあ興味深いな。俺のGバウンサーよりもか？」

oyz「ハイ！Gバウンサーの性能もかなりのものですが、ガンダムAGE−2は可変し、ブースターを一点の方向に特化する事で、その機動性は格段に上がるんですよ。」

ウルフ「ほーお。」

oyz「そこで相談ですが、ウルフ隊長。」

ウルフ「なんだ？」

oyz「実はGバウンサーの改造プランがあるんです。」

ウルフ「Gバウンサーの？それもAGEシステムが導き出したのか？」

oyz「いえ、今回のガンダムの設計を見て、私が考案しました。」

ウルフ「おまえがか？」

oyz「ハイ！AGEシステムにばっかり開発させてたら連邦の技術者の名が泣きますよ。」

ウルフ「ほおー。面白いじゃねえか。それで、どうしたいんだ？」

oyz「隊長のGバウンサーを改造させて頂きたいんです！」

ウルフ「本気か！？」

oyz「ハイ！今までの性能はそのままに、バッチリ可変改造してみせますよ！」

ウルフ「マジか。」

oyz「ハイ！ガンダムにばっかりイイところ取られちゃなんないですよ！」

ウルフ「ほー。その粋買ってやるぜ！イイぜ、やってみろ！」

oyz「ありがとうございます！」

oyz「ところで、隊長って連邦の誇るエースパイロットでしたよね？ガンダムAGE−1が完成するまで、ヴェイガンのMSを連邦が倒した事は無いと聞きました。失礼ですが、それなのに何故、隊長が異名も持つ程のエースパイロットになったんですか？」

ウルフ「お、言うね。」

オブライト「ちょっと室長さん....！隊長に失礼ですよ。」

oyz「あ！オブライトさん！」

オブライト「隊長は、元々はグランプリレースのスター選手だったんですよ。でも強い対戦相手も居なくなって、軍に入隊したんです。」

ウルフ「ずいぶんと懐かしい話だな。」

オブライト「軍ではその頃、反連邦勢力テロがあって、そこで戦果をあげて、その愛機のカラーから、“白い狼”の異名で呼ばれる様になったんですよ。」

oyz「そうだったんですか..！」

ウルフ「今思えば、あの反乱は不自然だったぜ...。ヴェイガンが裏で手引きしてたのかも知れないな。」

oyz「それで、あのー、感慨深いところ申し訳ないんですが、コレってウルフ隊長の機体ですか？」

ウルフ「お？そうだぜ。この時は“ソロモンの白狼”って有名だったんだぜ。」

oyz「それ、別人ですよね？シン・マツナガさんですよね？つーか、連邦でもなくてむしろ反連邦側ですよね？」

オブライト「室長さん！隊長に失礼ですよ！」

oyz「つーかコレ、ザクですよね？ザクの高機動型ですよね？」

ウルフ「なんだよザクって？コイツはボルジャーノンって機体だぜ？なんちゃらマウンテンから発掘されて軍にまわってきたっつー話だったか？」

oyz「いやそれ、マウンテンサイクルじゃないっすか！？つーか、AGEの世界観の話じゃないですよね？ターン∀の話ですよね？」

ウルフ「なんだよターン∀って？」

オブライト「さっきから失礼がすぎますよ、室長さん。」

ウルフ「まー、結局のところ、あの反乱騒ぎは連邦でも黒歴史って言うか、内部紛争な訳であまり一般には公表しなかったな。」

oyz「あー、黒歴史って言った！今、黒歴史って言ったよ！絶対ターン∀知ってますよね！？」

ウルフ「知らねーぜ。おい知ってるか？オブライト。」

オブライト「さあ。聞いた事も見た事もありませんね。昔話か何かですか？」

ウルフ「フリットの話じゃあ、ガンダム自体が昔話らしいからな。」

オブライト「そーですね、ヒゲの生えたガンダムが居たとか居ないとかw」

ウルフ「ガンダムにヒゲとか、ありえねえぜ。ワハハハ。」

オブライト「という訳ですから、ターン∀の世界観とは何ら関係は無いんですよ。解りましたか？室長さん。」

oyz「.....。(絶対知ってるじゃん。)」

ウルフ「まーとにかくよ、後は任せたぜ？俺のGバウンサーをイイ感じに進化させてくれよ？」

oyz「ハイ！任せてくださいっ！」

−後日、MSデッキ−

oyz「ウルフ隊長！完成しましたよ！」

ウルフ「おお、待ちかねたぜ。早速見せてくれ。」

oyz「ハイ。こちらです。」

ウルフ「ん？何処だ？」

oyz「こちらですよ。」

ウルフ「ねえじゃねーか。」

oyz「こちらがそうです。」

ウルフ「こちら？コレはGバウンサーじゃねえぞ。」

oyz「ですので、Gバウンサーを改造しました。」

ウルフ「は？コレってよお....？」

oyz「ハイ。」

ウルフ「全然別モンになってるじゃねーか！！しかも色！！なんでわざわざ金色にしやがった！！」

oyz「どおですかーっ！この機体は、名付けてGバウンサーtype100(ワンハンドレット)！！かの人気機体、“百式”をモチーフに改造してみましたあ〜っ！！」

ウルフ「なんじゃそりゃあ！？」

oyz「賢明な閲覧者の皆様はもちろんご存知でしょうから、“百式”の説明は省かせて頂きますっ！ガンダムAGEの機体は、それぞれ第１部は初代、第２部はZ、第３部はZZがモチーフになってるのはご存知ですよね！？」

ウルフ「知るか！」

oyz「という事は、AGEにおける百式ポジション、それがGバウンサー！！そして全体的に漂う百式感っ！コレは百式チャレンジするしかないっすよ！」

ウルフ「おかしいだろーが！」

oyz「まあ、世の中には同じ事を思った方もいらっしゃった様で、インターネット上では金色に塗ったGバウンサーもありました。でもなんと言いますか...ｺﾚｼﾞｬﾅｲ感が..！」

ウルフ「何！？他にも金色で塗りやがった奴がいるだと！？」

「そこで私は、色だけじゃなく、小改造して百式感を全面に出してみましたー。改造したのは、頭部、肩部、胸部、脛部です〜。で、今更ですが、ベースの機体はGサイフォスです〜。」

ウルフ「何！？Gバウンサーがベースじゃねえのか！？騙しやがったのか！」

oyz「まー、ベースのキットは同じですから。パーツもGサイフォスのが多かったので、そちらを購入して改造しました。」

ウルフ「じゃあ俺のGバウンサーはどこにやったんだ！？」

oyz「最初から無いですよ？」

ウルフ「は？」

oyz「模型屋さんにも売ってませんでしたし。」

ウルフ「どういう事だよ！？」

oyz「まーその話は置いておいて、とりあえずは改造の内容を説明しますね。」

oyz「先ずは頭部です。耳のパーツは撤去！額に、それっぽいパーツを付けて頭部後方にアンテナを設置して百式っぽさを出してみました。」

ウルフ「よくわかんねえぜ。」

oyz「胸部は色変えだけでもイイかな、と思ってたんですが、可変の兼ね合いもあって装甲を一枚被せてます。ここのパーツ追加だけでも印象変わりますね〜。後は肩の尖ってる部分は別のパーツに置き換えて自己主張を抑えました。」

ウルフ「肩に”百“って付いてるぞ。」

oyz「それ絶対必要なんですよ！イエサブで百シールだけゲットしておいたんです。」

ウルフ「必要？そうなのか？よくわかんね〜けどな。」

oyz「腰回りはイメージの近いGサイフォスのパーツを使いました。Gバウンサーだとパーツのイメージがだいぶ違うので、Gサイフォスをベースにして正解でしたね〜。キットにシールドは付いてませんが、今回は使いませんですし。ちなみにライフルも付いてきませんが、今回はジャンクから持ってきました。」

ウルフ「シールドとかが無い代わりに海賊パーツが付いてるんかよ。」

oyz「後は脛ですね。そのままにしようかなぁとも思ったんですが、やっぱりシリンダーを追加しました。やっぱコレがなきゃあ！グッとエロくなりましたっ！」

ウルフ「フレーム出てて大丈夫なのかよコレは！？」

oyz「なーに、当たらなければ、どうという事は無いんですよ。」

ウルフ「ハッ！言うねえ。面白えじゃねえか。」

ウルフ「ところでなんでこんな目立つ色なんだ？」

oyz「あー、コレはビームコーティング仕様エマルジョン塗装です。」

ウルフ「何！？ビームを弾くのか！？」

oyz「いえ、直撃したら効果は無いので気をつけて下さい。」

ウルフ「ねえのかよ。」

oyz「なーに、当たらなければ、どうという事は無いんですよ。」

ウルフ「またそれかよ。面白えな。気に入ったぜ。」

oyz「という事で、頭部、胸部、肩部、脛部を改造して金色にすれば、まあ大体、百式になる！という報告でした。」

ウルフ「ちょっと待て。可変するとかいう話はどうしたよ？」

oyz「ぬかりはありませんよ！各パーツを改造するついでに可変改造を施しましたっ！では可変シークエンスを見てください！」

ウルフ「うお！？なんだこりゃ！！」

oyz「可変方式はAGE−2とZガンダムを合わせた様なシステムになってます〜。」

ウルフ「どうなってんだこりゃあ！？」

oyz「えーとですね、

① 胸部を上方に90度起こし、腕を本体下部に収納。

② バックパックの機種パーツを展開し、機首前面へ、胸部パーツをそこに合わせる。

③ 脚の基部を上部に移動し、脚を90度反転し上に向ける。

④ 腿の後ろにある羽根パーツを展開する。

⑤ ストライダーモードの完成！

ウルフ「全然わかんねえケド気に入ったぜ！」

oyz「ありがとうございます！」

ウルフ「じゃあ早速、カラーを白にしようぜ！」

oyz「イヤです！！折角の百式化が、意味なくなるじゃないですか！」

ウルフ「じゃあ後で白サフ吹いちまうか。」

oyz「ありませんよ...。うちの工房にそんな贅沢品は...。」

ウルフ「無えのかよ！？」

oyz「まあ、今回はこのまま、という事で。」

ウルフ「ち、仕方ねえ。今回は我慢してやる。次回の話には俺のGバウンサー用意しとけよ。」

oyz「へへ、ありがとうございます〜っ。」

−移動要塞ダウネス−

ラムサス「...お目覚めですね、デシル様。ご機嫌はいかがですか？」

デシル「気分は...ふん、気分は悪いな。」

ラムサス「そうですか。コールドスリープからお目覚めになったばかりですからね..。」

デシル「で、オマエは誰だ？」

ラムサス「名乗るのが遅くなり申し訳ございません。私はラムサスと申します。デシル様の配下としての命を受けておる者です。どうかお見知りおきを。」

デシル「配下か。ふん、ちゃんと俺の役に立てるんだろうな？」

ラムサス「は。私はマジシャンズ８ではありませんが、Xラウンダー認定はされております。もう1人の配下、ダンゲルと共に、必ずお役に立ってみせます。」

デシル「ふん...。オマエ、一応はXラウンダーなんだな。ならば、せいぜい俺の為に頑張って貰うか。」

ラムサス「は。宜しくお願いします。」

デシル(ふん...。マジシャンズ8に入れなかったとは、大して役には立たなさそうだな。)

デシル「おい、俺の弟....。ゼハートはどうしてる？」

ラムサス「ゼハート様は、コロニー“トルディア”にガンダムが隠されてるとの情報が入ったため、潜入調査をされております。」

ゼハート「潜入調査？ハーハッハ！奴め、スパイの真似事をしてるって言うのか！やはり才能の無いヤツにはその程度の役割しか回ってこないか！我が弟ながら情けないヤツだ。ハーハッハ！」

ラムサス「恐れながらデシル様、ゼハート様は、ガンダムの調査という重大な任務を終えて、近々この要塞に戻られるそうです。」

デシル「そうかそうか。そいつはご苦労な事だな。ククク....そんな事をわざわざする必要もないのにな...。」

ラムサス「と、申しますと？」

デシル「ククク...。ガンダムには専用の母艦があるんだよ。その母艦にガンダムのパーツを製造する施設がある。」

ラムサス「な！？そんな情報は初めて聞きます！」

デシル「ククク...。それはそうだ。俺しか知りえぬ情報だからなぁ。昔、フリットの奴が持っていたAGEデバイスのデータを反映する施設が、あの艦...、ディーヴァにはある。」

ラムサス「な！？何故、そんな重要な情報を上に報告しなかったのですか！？」

デシル「決まっている。そんな事を報告しても俺に得はない。ククク...そうだ。ゼハートが戻ってくる、と言ったな？」

ラムサス「は、そうです。偵察任務を終えたゼハート様が...！

デシル「ククク、ならば一足お先にディーヴァを沈めてしまう、というのはどうだ？なかなか面白いだろう？ゼハートの奴の、長い長い潜入調査は、全くのムダだった。という事のなるからなあ。」

ラムサス「...！！」

デシル「AGEデバイスとやらが有っても、パーツを建造する施設が無ければ、ガンダムはもう開発されん。ゼハートの奴の潜入調査の価値は無くなる、という訳だ。ククク...！コイツは傑作だ。」

ラムサス「フッ...！なかなかに意地の悪いお人ですね、デシル様は。」

デシル「ハーハッハ！ガンダムの隠し場所はわかったんだよなあ？」

ラムサス「コロニー、トルディアです。」

デシル「そうか。そこの近辺に、戦艦ディーヴァが居るはずだ。そいつを堕とすぞ。ククク...！」

ラムサス「ハッ！」

デシル「ところで、俺のMSはどこだ？」

ラムサス「こちらです。どうぞ。」

デシル「俺の専用機はちゃんと用意してあるんだろうな？」

ラムサス「それは...。」

デシル「ん？なんだこりゃあ？ゼダスだと！？」

ラムサス「申し訳ございません。デシル様。ただ今、新型のMSを開発中ですが、完成には至っておりません..！」

デシル「ち...！こんな旧型を未だに使っているとはな。」

ラムサス「デシル様、確かにベースは少々旧型ですが、可変機構等を見直し、スペックの向上がされております。」

デシル「ふん。興味ないな。」

ラムサス「例えば可変形状ですが、以前は上半身はほぼそのままの可変形態でしたが、このゼダス改は、頭部を収納するギミックと、腰にビーム射出装置を2基追加してます。以前のゼダスからも反応速度はあがっていますので、Xラウンダーの反応速度にもついていく事が出来ます。」

デシル「旧型に用は無い。しかしコレしか無いなら今回は我慢してやる。」

ラムサス「は、申し訳ございません。」

デシル「ククク...ディーヴァを堕とせば、ゼハートだけでなく、フリットの奴の鼻を明かす事にもなるなぁ。一石二鳥と言うヤツだ。さあ、さっさと準備しろ。出るぞ！」

ラムサス「ハッ！」

−戦艦ディーヴァ　MSデッキ−

ウルフ「で、今はどこの向かってるんだったか？」

オブライト「コロニー“トルディア”です。」

ウルフ「何しに行くんだ？」

オブライト「連邦に入隊した新人達を迎えに行くんですよ。」

ウルフ「何？じゃあその新人を世話するのって...。」

オブライト「無論、ウルフ隊長です。」

ウルフ「嘘だろ！？」

オブライト「本当です。」

ウルフ「面倒くせえ！」

オブライト「ダメです。」

ウルフ「コロニーに行くの止めようぜ！」

オブライト「ダメです。」

ビーッビーッビーッ！

オペレーター「オペレーターより各乗組員へ。ヴェイガンとおぼしき機影を補足。第一戦闘配備です。MS部隊は発進してください。」

オブライト「こんなところで敵！？」

ウルフ「なんだよ気が利いてるじゃねえか。コレで退屈しないで済むぜ。」

オブライト「冗談じゃないですよ！この戦艦のMSパイロットは、今は自分と隊長だけです！」

ウルフ「なんだ、ビビってんのか。」

オブライト「ビビっていません。ですが、敵が多勢ならば..！」

ウルフ「そんときゃ俺に任せときゃイイぜ！」

オブライト「またそんな無茶な事を..！」

oyz「ウルフ隊長！MSの準備出来ました！」

ウルフ「よーし、待ってたぜ！この白狼のチカラ、ヴェイガンに魅せてやるぜ。」

oyz「金色の機体に乗ってるから、金狼ですね。」

ウルフ「なんだとー！？言うじゃねえか！絶対、白に塗り直してやるからな！」

オペレーター「ウルフ隊長、出撃してください。」

ウルフ「お？よーし、ウルフ・エニアクル、行くぜ！いやっっほーーーーーーーー！！」

オブライト「全く！あの人は軍をなんだと思ってるんだ。オブライト・ローレイン、出ます。」

デシル「ククク...。いたぞ、ディーヴァだ。....あの艦を見るとフリットを思い出す...。全くいまいましい...。おい貴様ら！アレを堕とすぞ。わかったな！」

ラムサス「ハッ！」

ダンゲル「ハッ！」

デシル「ククク..！フリットの悔しがる顔が目に浮かぶぞ..！」

ラムサス「デシル様、敵の戦艦からMSが出てきました。2機です。」

デシル「2機だ？ハハハ！バカ供が。おいお前ら！アイツらにXラウンダーのチカラを見せてやれ。」

ラムサス「ハッ！」

ダンゲル「ハッ！」

オブライト「来ました！敵は3機です！」

ウルフ「小隊ってトコか。舐められたもんだな。」

オブライト「ですが相手のが数は多いです。」

ウルフ「俺が2機、面倒みてやる。おまえは１機、いけるか？」

オブライト「ハイ。」

ウルフ「ん？2手に分かれたか？オブライト、あの１機がディーヴァに向かわない様に抑えておけ。深追いはするな。」

オブライト「わかりました。」

ウルフ「俺はあの２機と遊んでくるぜ！いっくぜーーー！！」

オブライト「フッ、ホントに軍人らしくないお方だ。」

ウルフ「よお、ここから先には行かせないぜ。」

ラムサス「ハ、我らに１機で向かって来るとは。」

ウルフ「御託はいいんだよ！」

ラムサス「！」

ウルフ「避けた！？」

タンゲル「喰らえ！」

ウルフ「ちっ！」

ラムサス「少しはやる様だな、金色のMS。」

ウルフ「ちっ！コイツら、俺の攻撃を避けやがる。ただの兵士じゃねえな。」

ラムサス「フフ...。我らXラウンダー2機を相手にいつまでも持ちはすまい。」

ウルフ「もしやコイツら...。Xラウンダーってやつか！？」

ラムサス「気がついたか！だが気がついたところでどうしようもできまい！」

ウルフ「ちっ！コイツらXラウンダー部隊だったか。そうなるとオブライトが危ねえ。助けに行くか！」

ラムサス「ハハハハ！Xラウンダーと気付いて逃げるか！」

ウルフ「よーし、そうだ。俺について来い。Xラウンダーの小僧供。」

ーーーー

デシル「１機こちらに向かってくるとは、バカなヤツだ。」

オブライト「この機体...？ディーヴァに向かう素振りも無い...？」

デシル「なんだあ？遊んで欲しいのか？」

オブライト「コイツ....おそらく隊長機か？ならば堕とせば敵を撃退出来るが、しかし...！」

デシル「向かってきた癖に、遊びに来ないとはよお、臆病者かよおテメエ！」

オブライト「俺達の任務はディーヴァを守る事！深追いしてやられるのだけは避けなれば！」

デシル「向かってきたくせに逃げてるんじゃねえっ！」

オブライト「うっ！守りに徹してるとはいえ、敵のこの動きはーーー！？」

デシル「守ってばかりか！ヤル気もねえんじゃつまんねえなあ！」

ウルフ「おい！オブライト！まだ無事か！？」

オブライト「隊長！」

ウルフ「オブライト、コイツらおそらくXラウンダー部隊だ。お前には荷が重い！」

オブライト「Xラウンダー部隊！？」

ウルフ「ココは俺に任せろ！」

オブライト「隊長！Xラウンダー部隊を相手に１対３でやるつもりですか！？無茶です！」

ウルフ「馬鹿野郎！だから、お前を守る余裕は無えって言ってんだよ。とにかくお前は奴らとの距離を取れ！」

オブライト「わかりました。無茶しないでください、隊長！」

ウルフ「ああ、任せろってんだ。」

デシル「なんだ加勢か？それとも金色のも逃げてきやがったのか？」

ラムサス「デシル様！」

デシル「テメエら、２機もいてこの金色のを堕とせねえのか。使えねえ連中だ。」

ラムサス「申し訳ございません..！」

デシル「まあいい。とっとと金色のをやっちまえ。」

ラムサス「ハ！」

ウルフ「コレでXラウンダー部隊相手に３対１。なかなか上等じゃねえか！」

ラムサス「私に恥をかかせやがって！死ね！」

ウルフ「おっと！」

タンゲル「この野郎！」

ウルフ「まだまだ！」

デシル「死ね！」

ウルフ「うおお！？今のはヤベエ！」

デシル「コイツ...。Xラウンダーでもない癖に...、しぶとい。」

ラムサス「デシル様、トリカゴを使いましょう。」

デシル「あ？なんだそりゃ？」

ラムサス「ゼダス改に新搭載された武器です。可変して3方で囲み、見えないワイヤーで敵の動きを完全に封じます。」

デシル「そのあとは嬲り殺しって事か。ハハハ！面白え。」

ラムサス「では行きます！」

ウルフ「なんだあ？可変して連携する気か？」

ラムサス「喰らえ！」

ウルフ「なんだ！？動けねえ！？」

ラムサス「掛かった！」

ウルフ「コイツは！？見えないワイヤーか！？」

デシル「ハハハ！！散々手こずらせやがって！もう何も出来まい！少しずつ切り刻んでやる！恐怖しろ！」」

ウルフ「コイツはヤベエな！！」

デシル「ハハハーー！！」

オブライト「隊長ーーーっっ！！」

ウルフ「オブライト！？」

オブライト「このワイヤーが動けなくしてるのか！？この！」

ウルフ「助かったぜ、オブライト！」

デシル「てめえ！余計なマネを！」

オブライト「うおあああー！」

ウルフ「オブライト！！」

オブライト「隊長....。だから１対３なんて無茶はいけないと...！」

ウルフ「お前のが無茶してるだろうが！」

オブライト「隊長...！俺はいいです...！撤退して...ください..。」

ウルフ「何を言ってやがる！お前を残して撤退出来るか！絶対お前を連れて帰るぜ！」

デシル「クハハハ！オマエ達は死ぬしかないなあ！」

ウルフ「オブライト...！死なせねえぜ！」

タンゲル「ハハハッ！死に損ないがーっ！」

ウルフ「てめえ！」

タンゲル「喰らえ！」

ウルフ「そこだ！」

タンゲル「ぐあ！？」

ラムサス「！？今、奴の動きが！？」

ウルフ「おらあ！」

ラムサス「ぐあ！奴の動きが...読めない！？」

オブライト「隊長..！コレは...！」

ウルフ「この状況！ちまちま考えてられっかよお！」

ダンゲル「俺はXラウンダーなのに！ヤツの動きが読めない筈が..！」

ウルフ「Xラウンダーだかなんだか知らねえがよおーー！！」

ダンゲル「ぐあああーー！！？」

ウルフ「この俺の！野生のカンのが強えんだよーー！！」

ラムサス「なんだとーーー！？バカなあ！？ぐはああーー！？」

デシル「なんだと！？Xラウンダーの出来損ないとはいえ、2人同時に、だと！？」

ウルフ「うおらあー！！」

デシル「動きが読めないだと！？どうなってやがる！？」

ウルフ「これがーっ！ホワイトファングだぜー！！」

デシル「なにいいー！？俺の....腕をお！？」

オブライト「やった..！隊長...！」

デシル「くそ...！」

ウルフ「野郎、味方を残して逃げやがった！」

オブライト「隊長...！」

ウルフ「よーし、奴らは追っ払ったし、艦に帰るぜ、オブライト。」

オブライト「ハイ...。ですが自力ではムリなんで、お願いします。隊長。」

ウルフ「あー、任せろ。艦に戻るまでに死ぬんじゃねえぞ。」

オブライト「ええ...。隊長、やはり貴方は...。」

ウルフ「なんだ？傷が開くぞ。もう喋るんじゃねえ。」

オブライト「はい...。」

ウルフ「帰るぜ。」

オブライト「(やはり貴方は...最高の隊長ですよ...！)」

ウルフ「じゃあ迎えに行くとするか、フリットの息子をな。」

−移動要塞ダウネス−

デシル「くそ...！この俺が、あんな屈辱を...！この機体が俺の能力についてこなかったせいだ..！やはり旧型など、役には立たん..。早く俺の機体を完成させろ....！そうすれば....ククク....！俺は....無敵だ...！」

−そしてまた運命は動き出していく....。