U.C.0079、10月末日、オデッサ。
高山地帯の荒野には、地球連邦軍の軍事キャンプが点在していた。その軍事キャンプの中に見える、格納庫と呼ぶには随分粗末な建屋に、2体の巨人がゆっくりと足を踏み入れた。
サイド3の独立運動をきっかけに、U.C.0079の年明けに開戦した戦いは、MSと呼ばれる巨大人型兵器の登場によって、地球連邦はジオン公国に圧倒されていた。
しかし、ついに、地球連邦もMSを手に入れ、反撃に転じようとしていた。
地球におけるジオンの重要拠点である、オデッサの鉱山地帯に対する、大反抗作戦、"オデッサ作戦"のため、着々とオデッサに連邦軍の戦力が集結しつつあった。
MSである。
秘密裏に開発が進められていた、地球連邦のMSが、ついに戦線に投入される。
「V作戦ていうのは、あれはどうなっているんだ。サイド7が攻撃を受けたっていうが……。」
黒鉄の巨人、MSを見上げながら、イギー・ドレイク少尉が呟く。
「少佐の話じゃあ、なんとか脱出して、母艦ともども遊撃任務に就いてるってさ。地球に降りてきて、この辺で戦ってるんだろ。」
ヘント・ミューラー少尉が、呟きを受けて答える。
「うちのMS開発はV作戦のデータを受けてって聞いてるんだが、さっきこいつらの中身を覗いたが、これは……」
「待ってられないんだろ、彼らのデータを。ジャブローを経由しなくちゃさ。その前に、オデッサ・ディがやってくるよ。」
「だからだろ、ここまで歩いてくるのも一苦労だ。こいつら、地球の歩き方も知りやしねえ。こんなんでジオン星人と戦えるのかよ。」
イギー・ドレイクと、ヘント・ミューラーは、オデッサ作戦に極秘投入されるMSの、パイロットとして配属された。
しかし、当のMSは、本来の開発計画の規格から大きく外れて開発されたもので、とても実戦に役立つものとは思えなかった。
本来V作戦の開発機体群のデータを基に開発が進められるはずだった連邦製MSだが、そのデータの準備を待たずして、先行量産が始められたのが、彼らの乗る陸戦型MS群なのである。イギーの言う「歩くのも一苦労」とは、1G下での歩行データもないため、足場の悪い地帯での転倒を繰り返し、文字通り七転び八起きしながら受領地点から歩行してきたのだ。
「そのあたりの訓練も兼ねてだろう。とにかく、出来るようにならなきゃ、死ぬのは俺たちだ。」
ヘントの対応に、イギーは不満そうだったが、まあ、そうだな、と呟いた。
地球連邦軍第87対MS戦隊。
ヘントとイギーが所属する部隊は、連邦軍のMS戦力運用の試験部隊である。前述の通り、V作戦のデータを持たずに運用される連邦製のMSの試験運用も任務の一つであるが、オデッサ作戦発動に向けての急務である、MSを主戦力とした対MS戦の実地試験こそが真の任務であった。
「おまけに噂のニュータイプ部隊の陽動、か。」
「彼らもオデッサ作戦の陽動で動いていると言うのに、なんとも妙な気分だな。」
ジオンに脅威として認識されつつある、ホワイトベースとその艦載機"ガンダム"が、オデッサ近郊で神出鬼没の戦いをしている、と思わせたいのだろう。87戦隊も、ガンダムタイプを有しているために、このオデッサ作戦発動に向けた陽動に組み込まれたというわけだ。
「こっちは歩行訓練なんかしてるのになぁ。」
この後、彼らはオデッサの鉄の嵐に身をと投じ、そして更なる戦いを続けることになるのだが、今はまだ、その運命を知らない……。
第87対MS戦隊
隊長にラッキー・ブライトマン少佐。
先行量産型MSであるRX-79[G]陸戦型ガンダムおよびRGM-79[G]陸戦型ジムの2機を主戦力として保有。ヘント・ミューラー少尉をガンダムの、イギー・ドレイク少尉をジムのパイロットとして配属。
他、M61A5MBT 61式戦車5型 4輌(1個小隊)、M353A4 ホバートラック"ブラッドハウンド"1輌を装備。
対MS戦術歩兵中隊も戦力に加え、U.C.0079、10月末に、オデッサ作戦発動に備え、ジオン公国軍が占領する鉱山地帯近郊にて、ホワイトベース隊の作戦行動の補助作戦としての陽動・撹乱と、公国軍への威力偵察、そして実戦におけるMSによる戦闘運用の実証試験を開始する。
……という、宇宙世紀妄想戦記を始めてみました。結構恥ずかしいです。
設定が甘いところや、間違いもあるかと思いますが、大目に見ていただきたいです。
ボツ写真です。
こっちの建屋の方が、急造ぽくて好きなのですが、トップ画に採用した方の建屋には指令室っぽいのがくっついていたので、あちらを採用しました。
機体、受領したばっかりなのになんでこんなに汚れてんだろうねっていうのは……言わないでおいてください(zaku-kao4)
今回もご覧いただきありがとうございました。
ボツ写真で締め!
オリジナルストーリー第1話
コメント
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コメント失礼します🙇
ガンプラで物語は楽しいですよね👍
両機とも陸戦型だけど、ノーマルのシールドとかはイグルー2を彷彿させる演出です💿
ウェザリングもGOOD👍
コメントありがとう、「宇宙の挽歌」楽しみに拝見しております。
MSV-Kさんはじめ、皆さんの作品群に触発されて始めましたが、本当に楽しいです。
そうです、六角シールドの陸戦機は、イグルー2で惚れて作ったものなので、伝わって嬉しいです!
よかったです。兵士たちの日常、戦闘してない時の息づかいというか。愚痴も出て当然だよなと。次回を楽しみに待ってます✌️
いつもありがとうございます、大変うれしいです(gundam-kao6)
そうなんです!
ガツガツ戦ってるような画よりも、格納庫とか、軍事キャンプとか、選管のデッキや甲板で佇んでる機体が好きなんですよね。それを見ながら「俺の機体かっこいいだろ」とか「この駆動系がどうたらこうたら」とか、「ジオンめ」「連邦め」と愚痴ってみたり、「今度の作戦は……」とか語りあっているような画が好きです笑
激しく同意。悲しいけどこれ、戦争なのよね。
妄想素敵ですね😆
格好良く作るだけでも良いですが、GUNSTA特有のものかもしれませんがそれぞれのバックストーリーがあることによって見るだけのものが観るものに変わり、さらには魅せるものに変わる
最高じゃないですか😁?
megさんカッコよすぎるよ〜😭!
な、なんて素敵なコメント……ありがとうございます!(gundam-kao9)
おっしゃるとおりだと思います、皆さんの熱量というか、空想のストーリーの先に、それぞれ作品を作った方々の人生というか、息遣いを感じるようで、心惹かれますね。
ありがとうございました。
待ってました! 冒頭の解説で、波平さんの声が聞こえてきましたよ! キャストの声優さんは誰を想定されているのか、ご教示ください 続きを楽しみにさせて頂きます
いつもコメントありがとうございます😊
波平ナレーション……なんて嬉しいお言葉!笑
キャストは、特に考えていません😅おのおの想像していただければ幸いです。
一応、ヘントとイギーは同期で、ヘントは国語教師の、イギーは鉄鋼職人の父親がいるという、割とどうでもいい設定はあります笑
なるほど ヘントは物静かそうな人の声(コウ・ウラキとかシュウジ)、イギーは元気者(ディアッカとか)の声を想定してみます ありがとうございます
そんな感じかもしれません、いいチョイスですね。
個人的には中村悠一が好きです笑
コメント失礼します
これからの展開が楽しみです‼️
あと気になったのですが以前、投稿されたジオラマ作品と関係があるのでしょうか?
コメントありがとうございました。
はい、あのジオラマは、このストーリーの一部として想像していました。
他の投稿者さんの素晴らしいオリジナル設定に胸躍り、ついわたしも世に出してみたたくなってしまいました😅
コメント失礼致しますm(_ _)m
良いですよ🥰✨
これからどうなっていくのか、この隊の行く末が気になります🥰💖
楽しみにしておりますので、沢山続けて下さいませm(_ _)m🥰✨👍
すみませんm(_ _)mお邪魔致しましたm(_ _)m
いつもコメントありがとうございます😊
実は大したドラマにもならなそうなのですが……笑
以前つぶやきの方にあげたEz-SRとか、警察風MSとかに話を繋げていきたいと思っています。
巧くはありませんが、誰かの心に少しでも何かが残れば、こんなに嬉しいことはない、と思っています。
技術がないので、基本的に無改造。キットの基本形成のままですが、できる限り継ぎ目けしや塗装などをして仕上げたいと思っています。
F91、クロスボーン、リックディアスあたりが好きです。
コメントなどもいただけるととても嬉しいです。
よろしくお願いします。
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