ストライクフリーダムガンダム弐式(オリジナルver)
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遂に、HGCEマイティーストライクフリーダムガンダムが届きました。
そして今回、無事にストライクフリーダムガンダム弐式の再現に成功しました。
その上で、今回もストーリーをメインとしたオリジナル設定を取り入れて、ご紹介いたします。
機体名:ストライクフリーダムガンダム弐式(にしき)
全高:18.88m
重量:82.09t
オーブ連合首長国のアカツキ島秘密ドック内で保管されていたストライクフリーダムガンダムを、モルゲンレーテ社のエリカ・シモンズらの手により最新技術で近代化改修を施した機体である。
※IF版では、フリーダム強奪事件は起きておらず、この改修も黄泉冥王によって大破させられた事がキッカケとなっている為、劇場版に比べて改修した時系列は幾分か早めになっている。
パイロットは、キラ・ヤマトとシン・アスカ、そしてアスラン・ザラの3人(いずれもIF版であり、シンとアスランは一時的に搭乗)。
※劇場版ではアスラン・ザラが搭乗していたが、オリジナル版では、とある目的の為にシンとアスランが搭乗。序盤はシンがメインシートに座って操縦し、途中からはサブシートに座るアスランに操縦権を譲渡している。
IF版のオリジナルストーリー
※今回、かなり長文になりますので、面倒であれば、飛ばしていただいても構いません。原作では「アスランがキラをぶん殴って本音を吐き出させる」展開でしたが、あまりにも一方的な「キラが何も出来ずに殴られる」という展開は不服であった(アスランは1発ぐらいは喰らって欲しかった)ので、今回のオリジナルストーリーではシン(IF版)がキラの心を動かす展開にしてみました。
劇場版同様に、ラクス・クラインをファウンデーションに拉致され、窮地に陥るコンパス一同。
シンとアスランの活躍によって、どうにかキラたちは命を繋ぎ止める、そこからラクスの救出に動こうとする。
アスラン「ラクスを救出しよう。それしか方法が無い。この状況を打開しプラントを止めるには、彼女の言葉がいる。」
しかし、
キラ「無駄だよ…どうせ同じだ、僕らが何をやっても……」
アスラン「キラ…」
自暴自棄になるキラ。
キラ「結局また繰り返しだ。あんなに苦しんで、迷って、戦って、戦って…戦って、戦って!」
ジガドによって精神崩壊させられ、さらに最愛のラクスに見捨てられたと思い込んでしまったキラは、既に心が折れてしまったのだ。
キラ「僕じゃ駄目なんだ!ラクスの望むものを何一つあげられない!」
もはや幼児退行を起こしかねないほど精神が壊れてしまっていたキラ。
キラ「平和どころか、彼女を笑わせることも出来ない!僕には幸せにできない!だから……彼女は僕を裏切ったんだ!」
そんなキラに、アスランの拳が炸裂…………する前に、シンはそれを受け止めていた。
シン「アンタがキラさんを殴っても、何も変わらない。」
アスラン「放せ!キラも、下らない泣き言を止めろ!自分が自分がばっかりで彼女の事なんか考えてない!!自分1人が戦っているつもりか、お前は!!!」
キラ「仕方ないだろ、君らが弱いから………」
アスラン「ふざけるな!それで1人で背負った気になって、思い通りにならないと放り投げるのか?大したヒーローだな!!」
キラ「違う……!」
その時、キラは突然倒れかけた。
メイリン「キラさん?!」
マリュー「キラ君?!」
キラ「だ、大丈夫です……」
シン「無理はするな。」
シンは、キラを支える。
シン「どうやら、さっきの精神汚染によって、肉体にも影響が出ているようだ。」
キラ「でも、僕は………僕がやらなきゃ、駄目なんだ…………嫌だけど、必死で……!!」
アスラン「何で言わない!誰かに頼まない!!お前1人に何が出来る!!!」
アスランはそんなキラに苛立ち、再び殴ろうとするが、シンに止められる。
シン「そうやってアンタたちは、またキラさんに1人世界を背負わせて、無理矢理戦わせるのか?」
アスラン「何だと?!」
シン「キラさんの言う通りだな?アンタらは、弱い。力だけでなく、キラさんに「自分に頼れ」とか、そう言う勇気すらも無いぐらいに……」
アスラン「ふざけるな!!!」
激昂するアスランの拳は、そのままシンの顔面に炸裂させる。
アスラン「何が弱いだ?!俺たちが頼れるようにするのを待つ………それこそ甘ったれだろ!!」
しかし、
シン「……効かんな、お前の拳は!」
アスラン「何?!」
シンは微動だにしなかった。
シン「そんなお前の言葉も拳も、何にも説得力も無いわ!!!」
アスラン「うわぁっ!!」
シンは、逆にアスランを殴り倒す。その勢いで、アスランは床に転がり倒れる。
シン「甘ったれだと?それこそふざけるな!甘ったれはアンタらだろ!キラさんは、世界を背負った気になっていたんじゃない。お前らがキラさん1人に背負わせ続けたんだろ?!キラさんが誰にも頼れなくなったのは、俺やアンタらの責任だろ!!」
マリュー「私たちの……」
ノイマン「責任?」
アスラン「どういうことだ?」
シン「キラさんは今回の事といい、いつも戦いを1人で抱えて背負い込む…………いや、そもそも前から戦いに巻き込まれ、自分しか戦える人間が居ない状況。アンタらは心当たりがあるか?」
シンの指摘に、マリューの表情が曇る。
ノイマン「なるほどな……」
マリュー「もしかして、連邦軍時代のアークエンジェルの事………その頃のキラ君を知ってるのかしら?」
どうやら、心当たりはあったようだ。
シン「あぁ。アークエンジェル時代の事は、キラさんの友人だった人に聞き回った。」
キラ「え……、サイとミリに?」
なんと、シンはアークエンジェルでのキラの活躍、その後の話などを、彼の友人であるサイとミリなどに聞き回っていたのだ。
シン「アークエンジェル時代の戦い、そしてキラさんにも救えなかった人がいた事実を、アスハから少しだけ聞いた。そして、キラさんの友達だった人たちを片っ端から探し出して、聞き込みをしてきた。」
キラ「……そこまで調べてたんだ。」
シン「えぇ。フレイ・アルスターの件と言い、他にも色々聞いた。それと、コロニーメンデルでのスーパーコーディネーターの事も。」
キラ「………フレイの事も………聞いてきたんだ………」
シン「そう考えれば、キラさんが俺たちを弱いと言う理由にもなる。この事は後から話すつもりだったし、キラさんに怒られるのはもう覚悟してる。」
キラ「………凄いな、シンは。」
マリュー「キラ君の事、ずっと考えてたのね…」
ヒルダ「坊主。そこまで調べた上で、アイツと向き合ってたのか……」
アスラン「それで、俺たちがキラ1人に背負わせてたと?」
シン「もちろん、過去自体は、あくまでキッカケに過ぎないだろうが、今の俺たち、そしてアンタらは、キラさんに何が話でもしたか?問いかけたり、誰かに任せてみろとか、言ったりしたか?」
アスラン「そ、それは……」
マリュー「……確かに話を全然してないわね。」
シン「キラさんが抱え込みがちなのは、俺でなくとも、アスランもアンタらもそうなる事は分かってたはず。なのに、何で何もしない?」
アスラン「……」
シン「まあ、アスランはファウンデーションの悪事を暴く為に離れてた訳だし、みんなも世界を平和にする為、キラさんを蔑ろにしてた訳では無いし、俺もアンタらの今までの頑張りとか自体を咎める気はない。現に、アスランのお陰でアイツらの悪事も分かったしな。」
アスラン「シン……」
シン「そして俺も俺で、キラさんやラクスさんと話す機会を上手く作ったけど、そこまで心を開くには至らなかった……」
ヒルダ「だからシンも、自分に責任があるって、言ってたんだな。」
シン「ヒルダさん?」
ヒルダ「………シン、悪いんだけど。隊長の不甲斐なさを見て、そのままアンタが会話に入ったり、アスランが殴ってなかったら、私が何発かお見舞いしてたと思う。そしたら、アンタはどうするの?」
シン「もちろん、事情を詳しく知らないヒルダさんであろうが、それは絶対に許さん。アンタであっても、容赦なく殴り返すまで………」
ヒルダの隻眼は本気に近い殺気が見え、アスランとメイリンは寒気を感じて黙り込む。
対してシンは依然として怯まないどころか、逆にそれを許さないかのような威圧感を醸し出し、ヒルダは圧倒される。だが、
シン「しかし、今のヒルダさんが言いたい事は、そうじゃないんだろ?」
ヒルダ「あぁ。アンタの言う通り、私も隊長が悩んでる時に、何もしてなかったし、1人で背負わせてた。私もぶん殴れる立場じゃないか。坊主のお陰で、少し頭が冷えた。」
シン「そうか……」
意外にも、ヒルダも先ほどのシンの言葉を聞いて、思うところがあったようで、怒りを収めたようだ。
ヒルダ「どうするんだい?隊長には、アンタから話すのかい?」
シン「今から俺が、キラさんに問いかける。アスラン、人をぶん殴るだけの荒療治では、キラさんの心には響かないし、何も変えられない。」
アスラン「………俺に殴るなと?」
シン「当たり前だ。そして逆に、自分の事を話すのは、それこそ誰しもが行える当たり前の事じゃない。他者が心を開くには、自分から歩み寄り、寄り添う事だ。踏み込むのも、自分が傷つく覚悟が無ければダメだ。」
アスラン「どうする気だ?」
シン「……とにかく、お前らは黙って見ていろ。」
そういうと、シンはキラの方にに向き直る。
シン「キラさん。貴方は、俺たちの事を弱いと思っているんでしょう?」
シンは、キラに落ち着かせるように問いかける。
キラ「うん……」
シン「でも、それは俺たちを見下している訳ではなく、誰よりも強い力を持つ自分が矢面に立たなければ、守る術を持たない仲間はみんな死んでしまう。だから1人で戦い、世界も1人で背負うしか無かった。違いますか?」
シンの優しい問いかけに、キラも心を開くかのように話し始める。
キラ「………うん。ずっと、そう思ってた。強い力を持つ僕が行かなきゃ、ラクスもみんなも、力が無い人は、あっという間に戦火に焼かれる。」
シン「………俺の事も、守るべき弱い人と見てくれてたんですか?」
キラ「……さっき、君に弱いと言ってしまったけど、これは撤回しなきゃいけない。ごめん、君は僕なんかより遥かに強い。僕も何度も君に倒された事があるから、それは分かってる。でも、僕はシンたちにも無理させたくなかった………」
シン「どうして?」
キラ「シン。君に頼る事は、あまりに虫が良すぎると思ったんだ。」
シン「虫が良い?それは、俺たちに拷問してきたオーブ上層部の事か?」
キラ「オーブの上層部は、君たちを傷つけた。カガリに罪はないけれど、その責任は僕にもある。」
アスラン「キラ……」
キラ「今のシンは、オーブを許し、僕たちに償う機会を与えてくれている。僕もまた、君たちに散々酷い事をしてきたオーブの1人で、まだ何も出来てない。それでもシンは、世界を平和にしようと、僕に何度も「俺に頼って下さい」と言ってくれた。僕は嬉しかった……」
シン「キラさん……」
キラ「でも、これ以上シンに頼れば、いつかはまた君も傷つく!!それだと、君の信頼を踏み躙ったオーブの連中と同じだ!!それにさ、君が仲間を友達だと言ったように、僕にとって君も大切な仲間だ!!!これ以上仲間を失いたくない!!!だから僕は、シンの力に頼らず………」
シン「嫌でも、自分の力でやらなければと………そう考えてたんですね。」
キラ「今回だって、シンもみんなも巻き込んでしまった!シンも、多分ラクスを恨むと思う!!復讐を考えてもおかしくないし、僕がそれを止める資格があるのか、それも分からない!!!でも、そうだとして、それでも僕はラクスを信じたい!!!ラクスが裏切っていないって、僕は信じたい!!!」
シン「……やっぱり、ラクスさんの幸せも、俺たちの事も、色々と考えてたんですね。」
キラ「でも、色々考えても……何が正しいのか、分からないんだ……」
その時、遂にキラから本心が溢れる。
キラ「ラクスに会いたい………!ラクス…………ただ隣で笑っていて欲しいだけなのに、もう僕には、どうしたら良いのか分からない……!!!」
己の力不足でフレイを失ったとき以来、人前で見せなかった涙を流しながら。
シン「ラクスさんも、似た事を言ってましたよ。」
キラ「えっ?」
シン「キラは平和で笑って過ごして欲しい………僅かに得たラクスさんとの会話の機会で、ラクスさんは俺にそう言った。俺がキラさんの過去を調べたと聞いたら、怒るどころか、キラに寄り添ってくれてありがとう………と言ったんだ。」
キラ「ラクスが…?」
シン「………アークエンジェル時代のいざこざも、コロニーメンデルの件もフレイ・アルスターたちの事も、キラさんが1人で背負い込む必要はない!!俺やアスラン、そして他の仲間もいるんだ!!!」
マリュー「シン君……」
シン「それにさ、俺に頼る事を「虫が良い」と言ったけど、そんな事を気にする必要もない!もちろん、オーブが俺たちや国民を見捨てるような真似をしたら、俺がいつでも復讐してやる!!アンタだろうがラクスさんだろうが、容赦なく報復してやるさ!!!さっきみたいにファウンデーションに操られたり、アンタ自身がどうしても止めて欲しいのなら、ぶん殴ってでも、討ってでも止めてやる!!!」
キラ「シン……!」
シン「でも、俺はキラさんを信じる!キラさんは1人じゃない!!俺も、人も、世界も、1人では何も変わらない!!!でも、誰かに頼ったり、誰かと一緒に支え合う事で、初めて生きていけるんだ!!!かつて俺が憎んだオーブですら、償う意思を示し続ける為に、今も協力して生きている!!!これもまたアスハの綺麗事だろうが、これはオーブを憎んできた俺でも言える!!!」
シンは、オーブ上層部メンバーによる拷問によって、酷い仕打ちを受け続けた。だが、その時に周りの仲間は、シンをいつも救ってくれた。
リベンジャーズという組織の長となった後も、仲間たちと共に生きてきたシンだからこそ、言える台詞でもあった。
シン「だから、1人で罪悪感に飲まれるな!もし償い方が分からないとか、何をすべきか分からないんだったら、俺にも遠慮せずに頼れ!!俺だって、アンタ自身が償いたいなら、喜んで協力する!!」
ヒルダ「坊主……」
シンの激励は、キラの心を動かすのに十分だった。ただ、その後のシンの台詞は、周りをさらに驚愕させたが……。
シン「まあ、それは別として、俺はラクス・クラインに復讐するつもりだ。俺もキラさんたちも、あの人のせいで迷惑を被ったからな。」
マリュー「ふ、復讐?!」
メイリン「シン?!」
アスラン「ふざけるな!そんな事はさせ……」
シン「ラクスさんはどう思っている?」
アスラン「えっ?」
シンの唐突なラクスへの復讐宣言に、当然ながら激怒するアスラン。ただ、キラとヒルダは、その真意をすぐに理解出来たようだ。
シン「ラクスさんは、通信妨害が起きる前………キラさんを止める指示を出した時、俺にこう言った。「キラさんを助けてくれ」と……」
キラ「そう……言ってたの?」
シン「えぇ。確かに言っていた。」
ヒルダ「そっか……。坊主の復讐って、まさか……」
キラ「……確かにシンらしい復讐だね。最後まで、詳しく聞かせて欲しいな。」
シン「………謝りたい。ラクスさんは、そう思っているんじゃないか?俺が知るラクス・クラインという女は、仮に他者を裏切ったとしても、罪悪感を覚え、誠意を示す。少なくとも、本気で俺たちも含めて、世界を平和にしようとする人だ。そうだろ、アスラン?」
アスラン「そうだな…………まあ、しばらく合わない内にラクスは随分変わったんだな?こうしてやらないと幸せになれないと、できないとダメとか、俺の知ってるラクスはそんな事言わなかった。」
シン「ふん………お前はお前で、元カノマウントとはな。」
マリューとヒルダとシモンズ主任は、アスランの顔を見るが、アスランが振り向くと、すぐに気まずそうにそっぽを向く。しかしシンだけは、全く狼狽えずにアスランに皮肉を呟く。
キラ「シンの言ってた通り……ラクスは、世界が平和になるように望んでた。」
マリュー「でも、誰かに平和をぽんとプレゼントしてもらおうと思った訳じゃないでしょう?」
シン「………人は、決して1人で強くなれる訳ではない。そして俺も例外ではない。禁断の力を得ただけで、そもそもは周りと変わらない弱い人間だ。その力も、誰かに無理矢理与えられたものだ。でも、俺は仲間や友達を大切に生きてきた。1人ではなく、そうやって強くなれた。世界の平和も、ナチュラルとコーディネーターの共存も、そうやって紡ぐものだと思うけどな。」
アスラン「ラクスは、そこへ向かって共に歩む相手を望んでいたんじゃないのか?一歩一歩、例え小さくとも……」
キラ「今もそう思ってるかな、ラクスは……」
シン「ラクスさんに会って、直接聞いてみませんか?良ければ、俺の復讐に協力しませんか?」
アスラン「お前、まだ復讐復讐って………まさかシン、お前の目的はまさか?!」
ヒルダ「いや、今更気付いたの?」
メイリン「えっと、どういうことですか?ラクスに復讐するとか言ってたのって、ぶん殴ったり、暴言吐くとかじゃないんですよね……」
キラ「それだったら、僕は全力で止めますよ。でも、シンの狙いは違う。」
アスラン「ラクスを救う為の方便か?」
シン「方便?復讐という目的に嘘はない。だが、ラクス・クラインに償わせる為にも、彼女の救出は最優先だ。」
ヒルダ「坊主の目的は、ラクス様の意思を確認する事なんだろ?それで、ラクス様を隊長と再会させて、謝罪の意思を聞く。それがお前にとっての復讐なんだろ?」
シン「そうだ。本心の償いとは、本人の意思で行ってこそ、意味があるからな。」
アスラン「………償わせる為の救出か?もしラクスが謝らないとすれば、キラもシンもどうしてた?」
シン「もしラクスさんが謝罪を聞けなければ、公の場でキラさんの容赦なく無実を吐かせて、頭を下げさせる。もちろん、彼女1人だけではない。俺も、向き合う時間が取れなかった事、そしてキラさんとの時間を奪ってしまった事も、全部洗いざらい話す。」
キラ「そしたら、僕はラクスと一緒に頭を下げる。シンにも、世間にも、ちゃんと謝らなくちゃいけない。」
シン「でも、ラクス・クラインという女は、それすらも自らの意思でやりかねない。多分、罪悪感を強く持っているはずだ。だから…………ラクスさん自身の意思で、まずはキラさんに謝罪させ、彼女の罪悪感を全部清算させる。そうすれば、キラさんとラクスさんに笑顔が戻る。」
キラ「それがラクスへの復讐なんだね………」
シン「キラさんはどうしますか?勿論、俺からは参戦を強制しません。けど、キラさんとラクスさん、俺はお似合いだと思いますよ?遺伝子とか、相性とかじゃなくて、お互いを愛し合い、信頼し会う。そういうお互いを思い合う信頼は、他人を無視したオルフェなんかよりも、ずっと素晴らしいものだと思う……」
ヒルダ「ったく……ラクス様に復讐するって聞いただけで、一瞬ぶん殴りたくなりそうだったけど、要するに一緒に助けに行くって事だろ?」
シン「そう受け取ってもらって構わない。キラさんとラクスさん次第だがな……」
アスラン「だったら、行こうキラ。ラクスを助けよう、俺たちで!もちろん、シンに賛同したい訳では無いが、言葉にしないと伝えられない事もあるからな!」
キラ「………うん!」
アスランは手を差し伸べ、キラはその手を握る。
シン「それと、キラさん。」
キラ「シン?」
シン「すいません。アスランごときは良いとして、キラさんには失礼な事ばかり言ってしまいました。偉そうな事を言ったり、キラさんの過去を勝手に調べたり、ラクスさんと勝手に話をしたり……」
アスラン「ごときとは何だ……失礼な奴め。」
キラ「いいや、僕から礼を言いたい。本当にありがとう……!」
シン「キラさん?」
キラ「僕やラクスを何度も気に掛けてくれたり、気まずいはずなのに、サイやミリにわざわざ僕の事を聞いてくれたり、今だってこうやって僕を助けてくれて………」
シン「あ、そうだ……それともう一つ、ラクス・クラインを遥かに凌ぐ巨悪を粛清しなきゃいけないな。」
アスラン「ファウンデーションをか?」
シン「あぁ。あのファウンデーションの連中は、議長のデスティニープランに泥を塗った。アコードという支配階層、それによる選民思想。もはやナチュラルとコーディネーターの共存どころか、自分たちだけが富む独裁社会に他ならない!」
キラ「シン……」
シン「デュランダル議長は、確かにアコードの開発者だっただろう。でも、デスティニープランには組み込まなかった。それは、ファウンデーションのそういう思想が、デスティニープランを壊してしまうと思ったからじゃないのか?そして議長は、本気でナチュラルとコーディネーターの共存できる社会を作ろうとしていた。俺は、デスティニープランが潰えた後も、議長の信じたその理念を信じている!」
キラ「議長のデスティニープラン、僕は確かに否定した。でも、シンの言う通りだ。議長も、ナチュラルとコーディネーターの共存、そして平等で幸福な世界を作ろうとしていた。じゃなきゃ、僕もこんなに迷わない。」
アスラン「俺も、脱走して議長と対立したが、その点に関してはシンに同意する。」
シン「俺は、デュランダル議長を踏み躙ったファウンデーションを許さない!アイツらの語る偽りのデスティニープランを破壊し、議長の望んだデスティニープランの本来のあり方を守ってみせる!!そしてファウンデーションに……レクイエムに、これ以上国を焼かせない!!アスランやアスハたちが示す、俺たちに償おうとするオーブの確固たる意思を守り抜く為にも!!!」
アスラン「………ここまで聞いたら、俺も反対出来ないな。」
シン「ふん………今こそ、リベンジャーズの復活の狼煙を上げる時だ!!!」
キラ「シン……いや、シン・アスカ様。」
ヒルダ「え、何で敬語?」
アスラン「部下ではなく、リベンジャーズの王に話すから、キラなりに敬意を払ってるんだろうな。」
キラ「………リベンジャーズの王である貴方に、改めてお願いしたい。」
シン「……何ですか?」
キラ「ラクスを………そしてオーブを助けて下さい。僕もラクスに会って、ちゃんと話をしたい。リベンジャーズの力を、そしてみんなの力を、貸してください!」
キラは、シンを含む全員に対して、頭を下げた。
シン「………キラ・ヤマト。その純粋な願いを、リベンジャーズは必ず叶える!!そして、キラさん。一緒に行きましょう!!!」
キラ「うん!!!」
愛する人のため、守りたい世界のために、苦しんで、迷って、それでも戦ってきたキラだったが、何も変わらない現実に苦悩し、遂には匙を投げてしまった。
しかし、そこにはただ「ラクスに会いたい」という自分の願いを受け入れ、それだけの為に力を貸してくれる仲間達がいた。キラの戦いに、無駄な事など一つも無かったのだ。
さらに、かつてはオーブに裏切られ、復讐者たちの王として戦ったシンもまた、キラの優しさに触れて仲間になった。そして、自分を助けた議長の信念を守る為、一度は表舞台から姿を消した組織「リベンジャーズ」を復活させ、復讐に動き始めた。
その復讐とは、策略に嵌められたラクスの罪悪感を「キラに謝罪させる」事で拭い去ってお互いの愛と信頼が本物であると証明すること、デュランダル議長が目指した「誰もが平等で幸福に生きられる世界」というデスティニープランの本来のあり方を守ることであった。
特にラクスに対する「生きて償わせて、罪悪感を取り除く」という復讐は、ただ過去に囚われたものなく、仲間を過去から前に進ませる為、そしてキラとラクスの幸せを見届ける為、シンなりの計らいでもあった。
その後、シンとアスランは、とある目的の為に、本機をキラから一時的に託される事となる。
性能
原作のストライクフリーダム弐式と同じである。
あくまでも本機の近代化改修は、テスト用で実戦を想定したものではなく、同時に保管されていたデスティニーSpecⅡやインパルスSpecⅡ共々新型融合炉と新装備の性能評価実験に使われていた。
改修したのはコントロールシステム周りと動力系統だけで、出力こそ向上しているものの、それ以外の性能面は改修前と変わらない為、シモンズの見解によれば「ブラックナイトスコードのMSと戦うには心許ないかもしれない」とされ、スペックはあちらに遥かに及ばないとされている。
クロノスフリーダムガンダムへの変身は引き続き可能だが、その場合は一時的に改修前の姿を経てから本形態に変化するのだが、機動兵装ウイングが必要になるので、それをパージしたマイティーストライクフリーダムガンダムからの直接変身は不可能。
武装
一見するとストライクフリーダムからほぼ変化していないように見えるが、実はビームライフル(背部ドラグーン関連装備は未だ出典無しの為割愛)以外は、全て新武装に置き換えられている。
弐式への改修後、新設された額に備える「EQM-Y148 収束重核子ビーム砲ディスラプター」は、エネルギーを大量に消費する為、単体では使用できず、マイティーストライクフリーダムガンダムで使用される。
ビーム射撃による攻撃が主体の為、ビーム射撃を無効にするフェムテク装甲を持つブラックナイトスコードとの相性は最悪と言えるが、それでも依然として世界最高峰の機体の1つであることは間違いない。
シン(IF版)の搭乗時には、彼自身の凄まじい操縦技術、ヴォワチュールリュミエールによる驚異的な加速性能、それらの性能を加味したイモータルジャスティス以上の(デスティニーガンダムには及ばない)相性の良さもあって、ブラックナイトスコードの上位種であるシヴァを軽々と(しかも相手側が得意とする近接戦で)圧倒し、更に格上たるガンダムタイプ参戦による2対1という不利な状況でも互角以上の戦闘を繰り広げている。しかもこの時の戦闘では、スーパードラグーンのビームスパイク機能を展開しつつ、ビームサーベルとレール砲を主体として攻め込む事で、ヴォワチュールリュミエールの最大限活用と、フェムテク装甲への対策攻撃を、同時にやってのけている(ちなみに、本機を一時的にシンに貸したのは、他でもないキラ自身の意思であり、シンに対して絶大な信頼を寄せている事が伺える)。
アスランに途中から操縦を交代した際も、アスラン自身がアコードの特性を把握していた事もあって、シンが見せつけた圧倒的な優勢を崩さずに、時間稼ぎに成功し、キラに無事に本機を引き渡している。
キラの搭乗時も、ライジングフリーダム搭乗時とは違って精神面が万全であった為、シヴァとは互角以上に渡り合い、既存のブラックナイトスコードとは一線を画す機体であるブラックナイトスコードカルラの参戦や迎撃不能な位置に配置された大型ドラグーン「ジグラード」3機からの圧倒的な弾幕にも、防戦一方に陥りながらも致命傷を受けることなくアスランの救援まで耐え切っている。
IF版でも劇場版同様、紆余曲折ありながらも単身でファウンデーション側のアルテミス要塞へ突撃するが、「多勢は無粋」と称したシュラのブラックナイトスコードシヴァの迎撃に遭う。さらに、本機を警戒したジガドのガンダムブラックナイトスコードも加勢し、戦いは本機の劣勢かと思われた。
しかし、本来のパイロットであるキラは、ラクス・クライン救出のためレドニル・キサカらと共に要塞内部へ侵入していた。そして本機に乗っていたのはシン・アスカとアスラン・ザラ(メインシートはシンが、サブはアスランが、それぞれ搭乗)であり、主な目的のガンダムブラックナイトスコードの足止めと撹乱のために、一時的に搭乗しており、シン圧倒的な実力も相まって、彼らを苦戦させつつ時間稼ぎにも成功している。
そして、ある程度彼らを苦戦させた後、シンも「キラとラクスが蟠りを解消する瞬間」という自らの復讐を果たす為に、自動操縦していた黄泉冥王を呼び寄せると、サブシートに座らせていたアスランに操縦を譲ると、そのまま黄泉冥王でアルテミスへと向かう。そしてアスランは、引き続き戦闘を続行し、彼らの足止めに貢献する。
その後、キラ達の脱出を確認するとキャバリアーに合流、キラへとパイロットを交代し、本来の持ち主と共にレクイエム周辺宙域へ急行するなり、その火力を以って防衛部隊を次々と戦闘不能にしていく。
そこに、ルドラ4体とシヴァが現れ、さらにはガンダムブラックナイトスコードと共に、ファウンデーション王国における最後の隠し玉であるブラックナイトスコードカルラも出現し、劣勢かと思われたが、同じタイミングでシンの黄泉冥王も合流し、そのまま戦闘を開始する。
ほどなくして黄泉冥王は、ルドラ4体を難なく撃破し、ガンダムブラックナイトスコードとの一騎討ちとなり、本機はそのままシヴァ・カルラと激闘を繰り広げる。
その猛攻の前に防戦一方になり、機動兵装ウイングとドラグーンこそ破損していくものの、黄泉冥王の戦いながらの援護射撃も相まって、致命傷を受ける事なく、アスランの援護まで耐え切る事に成功。そして....
以上、ストライクフリーダムガンダム弐式でした。
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好きな機体は、インパルスガンダムです。
ただ、投稿する作品の機体の設定や世界観は、原作と大きく異なるものがあり、別々のガンダムシリーズの設定をクロスオーバーさせた作品もあります。
また、ガンダムシリーズのみならず、仮面ライダーなどの特撮作品も観ている為、私が投稿する作品の機体の中には、それらを参考にした独自の設定が、これでもかと言うほど満載されています。
塗装もあまり得意では無いので、温かい目で見ていただけると幸いです…。
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